後ろから部長に突かれながら、マユミはリコの身体を支えにして立ち上がり、立ちバックの格好でリコの目と鼻の先で快感に眉を歪ませている。
「ああ…リコさん…見られて…すごく感じるのっ」
マユミの淫らな吐息が顔に届く…とても淫靡でいやらしい空気にリコの頭が圧倒されていく。
「んんっ!」
不意にマユミがリコの唇に唇を被せてきた。
「ああ…いやっ」
我に返ったリコはマユミの唇から逃げようとイヤイヤするように首を振る。
倒錯した二人の世界に徐々に支配されつつも、部長の前でマユミとキスをするなんて、リコに僅かに残るプライドが許さなかった。
「もういい加減に…」
全く無意識のうちにリコがマユミに平手打ちをしようとした瞬間、部長が普段ミスをした部下を叱責する時の表情でリコに鋭く言い付けるように言葉を発した。
「リコ君!君は私たちの秘密の楽しみに協力するという本当の意味をまだ理解していないようだな」
(本当の意味?)
リコの手が宙でびくっと止まる。
「君には、私たちのしたいと思うことを全て受け入れ、全力で協力する以外に選択する道はないんだよ?」
ああ…部長の言葉は普段の仕事での部下への説得力と同様に重く、リコに大きな衝撃を与えるに充分な威厳があった。
「君に…拒否できる権利などない」
だめ押しするように投げつけられた言葉に、リコは真っ暗な絶望感を覚えるとともに、身体の中で何かがガラガラと音を立てて崩れ落ちていくのを感じていた。
「さあ、マユミがしたがっていることを全て受け入れなさい…リコ君」
ああ…私には拒否する権利がない…それはこの二人の倒錯した世界に同居し続けなくてはならなくなったことを意味している…しかも、リコには意志がなく二人の思うがままに、二人の性の戯れごとを盛り立てる演出に使われる道具のように使われ続けるのだ…。
呆然とした表情のリコの耳元でマユミが囁いた。
「大丈夫よ、リコさん。一緒に楽しみましょう?」
そう言うとリコの唇を貪るように塞いできた。
「ん…んんっ」
会議室の壁にかかるOBの誰かが描いた安っぽい絵画を遠い目で見つめながら、リコはマユミの舌がぬるりと自分の口の中に侵入して来るのを受け入れていた。
初めて受け入れるマユミの舌は、男のそれとは違い、滑らかで細くしなやかに動きながら…リコの口の中を犯すように暴れている。
「ん…んんっ…くっ」
「ほらリコさん…そんなに固くしちゃ楽しめないよ…マユミの舌に舌を絡ませてちょうだい?」
ああ…従うしかない…ぬりゅっぴちゃっぬちゅっ…突き出すようにしたリコの舌にマユミが舌を絡ませて丁寧に愛撫してくる。
リコは、その女性ならではの繊細な舌使いに今まで感じたことのない、ざわざわと胸さわぎがするような不思議な感覚を覚えた。
いつの間にかマユミと舌を絡ませあうことに集中しはじめていたその時、リコの股間に甘く痺れるような電気が走った。
「ああ…いやっ」
キスを交わしながら…マユミがリコのスカートの中に手を潜りこませ、ストッキング越しに敏感な突起のあたりに指を這わせはじめた。
「やっぱりリコさんすごい…ストッキングの上からでもわかるくらい…濡れてる」
マユミがリコを後ろの会議机に押し倒し、ストッキングごと下着を脱がせようとしてくる。無意識に足を暴れさせて逃げようとしている自分に気付き、リコは仰向けの状態でマユミのさらに向こうにある部長の顔をチラッと見やる。
わかっているな?…とでも言わんばかりの冷めた目で部長が見下ろしている。
会議机に仰向けになったままリコは下腹部までむき出しにされ、大きく脚を開かれされていく。
「ああ…リコさんのおまんこ…こんなになって…すごいすごい」
倒錯した状況とはいえ、すぐ目の前で顔見知りがまぐわうようなセックスを楽しむ姿を目の当たりにして、ネットで楽しむバーチャルなオナネタなど霞んでしまうほどのリアリティに、リコは秘部を濡らさないではいられなかった。いや、リコでなくてもこの状況をナマで見たならば誰もがそうなるであろう。
今やリコの濡れそぼった秘部はマユミによって開かれ、その蜜でテラテラしたいやらしい姿を部長の前にさらけ出す形になっていた。
「部長に…ああ…いや」
まさかはしたない蜜で濡らした自分の秘部を…部長にこのような姿で見られることになろうとはつい1時間前には想像もしていなかった。
部長に見られながら…マユミがリコの秘部に舌を這わせだした。
「んんっんんっんくっ」
異常な状況の中で下半身をさらけ出している恥ずかしさと、女の感じるツボを押さえたマユミの丁寧な舌の動きが相乗効果を生み、甘い疼きが大きな電流となってお腹から背骨を通って脳に到達してくる。
リコにとっての最後の砦は、感じていることを自ら発してしまうような喘ぎ声を出さないでいることしか残されていない。
普段のセックスでは、「気持ちいいっ、それ感じる」などと哭き声を発することでさらに自分の快感を煽るタイプのリコにとって、声を我慢することはある意味拷問のようであったが、今のリコにはそれに耐えることだけが、自分を見失わないための唯一の方法となっていた。
つづく
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