(9)
気が付くと、俺は自分の部屋で机に突っ伏していた。状況を確認した俺は、嬉しさをガッツポーズで表現する。やったぁ! 元の身体に、戻っている。
ん? ケータイが、着信メロディを奏でている。香澄からだ。
「はい。もしもし」
電話に出ると、香澄の怒鳴り声が聞こえてきた。
「もう! 余計なこと、しないでよ! お祖母ちゃんのこと、内緒にしておいたのに!」
「ヘヘヘッ。残念でした」
勝ち誇った笑いで返した俺だが、香澄の次の言葉に身体を竦める。
「お祖母ちゃんに、優也の家、教えたから……ね! 今夜、行く。そう言っているから……ね!」
や……、やっぱり、避けられないのか? いや。待て。何か、手はある筈だ。そうだ! 戸締まりのあとに、ピンポンの電源を抜いておけばいい。
夜……。母さんが戸締まりをしたあとに、こっそりとピンポンの電源を抜いた。これで、問題はない。無視して粘っていれば、諦めて帰るだろう。そんなことを考え、二階の部屋に戻った俺だが……。
「あれ? 母さん。どうしたの?」
俺の部屋に、パジャマ姿の母さんが居た。その母さんが、パジャマのボタンを外して前を開き、乳房を包むブラジャーを露わにした。
「か……、母さん! 何、考えているんだよ?」
そう罵った俺だが……。次の瞬間、背筋が凍り付いた。
「何を言うか? そなたの目の前に居るのは、ワシじゃよ」
ニコッと微笑んで、そう返してきたその声は……。香澄のお祖母さん!
「な……、何で? そ……、そうか! 母さんの身体を使って、変幻合一をやったんだな!」
「素直に家に入れてくれるとは。思わんかったので……な」
逃げようとするが、身体が動かない。パジャマの上を脱いで、ブラジャーも外した母さん……の身体に入っている香澄のお祖母さんが、乳房を震わせながら俺に迫ってくる。
「う……、うわぁ!」
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