(6)
浴室……。髪を洗い、次に身体を洗う俺。やっぱり……、剃らなきゃいけないのかな? 椅子に掛けている俺は、ピンク色の剃刀を手に、股を大きく開く。鏡に、大きく股を開いた香澄の姿が映る。何処と無く間抜けな姿で、見てはいけないモノを見てしまった気持ちになった。
恐る恐る、剃刀の刃をその部分に近付ける。うわっ! 手元が少しでも狂ったら、スパッといきそうだ。許せ! 菊池! そう思った俺は、剃刀を元に戻した。
湯船に浸かり、俺の身体に入っている香澄のことを考える。食後の洗い物とか、余計なことしていないだろうな。あっ! 不味い! エロ本、隠してあるんだ。見付けても、親には見せるなよ。
やることもないので、両手で裸体にお湯を掛ける。自然と乳首や陰部に目が行き、手もそちらに伸びる。
「あっ……」
乳首を弄くると、快感が全身を貫いた。もう、我慢出来ない! と……、当然の権利だからな! そんな言い訳をした俺は、オナニーを始める。
淫穴に指を深く押し込んで、掻き回すように動かす。違和感が少しずつ快感に変わり、全身にじわじわと拡がる。それを尚も求めるように、乳首と淫穴を愛撫する俺。
「あっ……、ああ!」
目の前が真っ白になり、絶頂に達した俺。危うく、湯船の中で引っくり返るところだった。オナニーの余韻に浸りながら、天井を眺める。
オナニーは気持ちいいけど、まだ体験していない生理痛はイヤだ。生理が来る前に、俺の身体を取り戻すことが出来れば。
風呂から上がり……。パジャマを探すが、出てきたのはガウンだけ。何処にあるんだ? パジャマ……。そこへ、またケータイに香澄から電話が入った。ちょうどいい。
「もしもし」
「あっ! 起きていた。良かったぁ」
「いちいち煩いよ。それより……。パジャマ、何処だ?」
そう訊いた俺は、香澄の答えを聞いて驚く。
「そのことだけど……ね。言うの、忘れていた。私……、裸で寝ているの」
「な……、なにぃ!」
「連絡は、それだけ。じゃあ、お休み」
また、問答無用でケータイを切られた。香澄が、裸で寝ているなんて。俺、寝相は良くないんだぞ。布団を蹴飛ばして風邪でもひいたら、あとが怖い。俺は、部屋着のままベッドに入った。
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