(3)
香澄の話を聞いた俺は、唖然とする。
「そんなことのために、インドに行っていたのか?」
「そんなこと……とは、何よ? 女にとって、切実な問題なんだから」
香澄がインドに渡ったのは、表向きは留学だが、実際は山奥で秘術の修行をしていたのだ。その結果、肉体を交換する秘術を会得したらしい。
香澄は、生理痛の症状が酷いらしく、その時期になると学校を休んでいた。その生理痛を回避するために、生理の期間だけ違う肉体に入っていよう……と言うのだ。
「最初は、動物で……と思ったんだけど。保健所から貰ってきた犬を使ったら……。その犬、生理痛に耐えきれず、死んじゃったのよねぇ。やっぱり、人間じゃないと駄目かな……って。アハハッ」
「アハハッ……じゃないだろう! 生理痛って、そんなに苦しいのか?」
不安そうな俺の問いに、香澄はサラリと返す。
「経験してみれば、分かるよ」
「答えに、なっていない! 凄く不安なんだぞ!」
「いいじゃない。女の裸を、堂々と見られるんだから。私の身体で、好きなだけオナニーしてもいいからね」
「それを差し引いても、身体を取り換える……ってことは。生理痛って、相当苦しいんじゃないのか?」
「ご想像に、お任せするよ。じゃあ……ね。香澄くん」
「おい! ちょっと待て!」
問答無用で、電話は切られた。どうするんだよ! この状況……。
計画的犯行だから、香澄は俺の身辺調査を怠りなくしているだろう。俺が俺の家に押し掛けても、俺の身体に入っている香澄のほうに分がある。
ケータイをベッドの上に放り投げた俺は、着替えのためにセーラー服とプリーツスカートを脱いだ。ドレッサーの鏡に、俺が入っている香澄の姿が映る。
セーラー服の上からでは、分からなかったが。身体が華奢なだけで、結構減り張りのある体形をしている。
スケベな気分になった俺は、ブラジャーとパンティを脱いで、全裸に白いハイソックスだけという姿で鏡の前に立った。
ブラジャーのカップはBで、乳輪と乳首はカカオ色。陰毛は、ちゃんと手入れをしてある。
※元投稿はこちら >>