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27
投稿者:奈々子
長くなりましたが、読んでくださってありがとうございました。
毎回温かいコメントもたくさん、本当にありがとうございました。
とっても励みになりました!!

皆さんが満足のいくラストになったか分かりませんが、好き勝手に書かせてもらって楽しかったです(*^^*)


********

「高木さん」

ベッドに寝転びながら、橋本くんが手招きしてくる。

私はおずおずと橋本くんに腕枕され、頭を撫でられる。

「…初体験、どうでしたか?」

Wao!This槌is槌ピロートーク!!!

「何か…頭の中ぐちゃぐちゃで…」

「まんこもぐちゃぐちゃでしたよ(笑)」

「なっ!そういうこと言うな!」

ペチペチと叩くと、橋本くんはケラケラと笑う。

何だこれ…いわゆる「イチャイチャ」ってやつか!?

急にむず痒くなる。

「俺はすっげぇ気持ち良かったですよ」

橋本くんは意識的か無意識的か分からないけど、私に自信をつけさせるような言葉をずっとくれる。

セックスなんて出来るわけないと、卑屈になっていた私に。

「わ、私も…気持ち良かった…です」

「それは良かった」

優しく微笑むもんだから、私の胸はぎゅうぎゅうに締め付けられる。

ヤリチンのプライドで私を抱いてくれただけで、彼は別に私のことが好きなわけではない。

ほだされるな、私!!

それにしても…

「…ヤリチンって、もっと好き勝手やって、入れれさえすれば満足するもんかと思ってた」

「ははっ、何すかそれ。そんなのただのオナニーっすよ」

「女のことをただの性欲処理の道具としか思ってなくて、己の性欲が満たされればそれで良いと言うか…」

「どこの鬼畜っすか。てか、俺のこともそんな奴だと思ってたんすか?」

「…全然思ってなかったと言えば、嘘になるけど…」

「うわ、ひでぇ。また傷つけられた~」

わざとらしく橋本くんは泣いたふりをする。

「わっ!で、でも橋本くんは全然そんなことなくて!さ、さすがモテ男のヤリチンと言いますか、いろんな技があって、その、今後のイメプレのために、大変勉強になりました!」

慌ててそうフォローすると、ブハッと橋本くんが吹き出す。

「やっぱ、おもろいっすねぇ。でも俺、別に技とかないっすよ」

おいおい、玄人が何か言ってますわ。

「何すか、その顔(笑)でもほんと、ないっすよ。相手が痛がってないか、気持ち良さそうか…それだけっす」

『それだけ』がサラリと出来るからこそ、女は橋本くんとのセックスに満足するんだろう。

「高木さんもイメプレの時そうでしょ?相手の反応をよく見て、相手が気持ち良くなることをする。そしたら向こうもこっちに気持ち良くなって欲しいって思う」

確かに、橋本くんにも気持ち良くなって欲しいって思った。

「俺は、好きとかあんま分かんないって言いましたけど…相手を思いやってセックスしたり、一生懸命に求め合ってる時の女の子は、みんな可愛いって思いますよ」

頭をポンポンと撫でながら、橋本くんは笑う。

「高木さんも、すっげぇ可愛かったですよ。
自信持って、これからたくさん良いセックスしてくださいね」

「……うぅ~!橋本くんは、セックスセラピストか何かの方ですか…?」

さっきの橋本くんの真似で、私はわざとらしく泣いたふりをする。

またケラケラと笑う橋本くんに抱かれながら、私は少しだけ、本当に泣いてしまった。

********

「さて、そろそろ出ますか?」

私はさっきからどうしても言い出せなかったことを、覚悟を決めて言うことにした。

「高木さん?」

「あの、最後にひとつだけ…」

ベッドの上で正座をし、ガバッと頭を下げる。

ええい!ここまで来たら、恥も外聞もない!

「……ふ、フェラチオもついでに、教えてください!!」

一瞬静まり返り、橋本くんが爆笑する。

「はぁ~改まって何かと思えば、ブフッ…ど、どうせイメプレの中で、リアルなフェラ表現がしたいとか思ってんでしょ~」

うっ、図星…!

「もぉ~ほんと高木さん…ふふ、いいっすよ。延長戦で(笑)」

こうして私は、スーパーヤリチンセラピスト(再改名)から直々にフェラチオ講座を受けることに成功したのであった!

(すみません、ホテルの延長料金は支払います…)

********


橋本くんとセックスした夜から、2ヶ月がたった。

あの後、丁寧なフェラチオ講座を受けたのだが、勃起したからと言うことでもう一度セックスをした。

私の希望で後背位からのセックスも体験させてもらったのだが、あまりの気持ち良さに私は信じられないくらい喘いでしまった。

よし、これからは後背位のイメプレを積極的に取り入れていこう、と心に決めたくらいだ。

そんなセックスに関して聖人のような橋本くん。

「俺『彼氏になって』以外だったら、自分に出来ることは応えますよ」

と笑いながら言っていた。

うっかり忘れそうになるけど、橋本くんはセックスが好きなだけで、相手のことが好きと言うわけではない。

相手を思いやって至高のセックスに励む、謎の向上心の塊ではあるが…

私自身、恥ずかしながら橋本くんに惚れそうになったが、ハッキリした彼の態度に目が覚めた。

一応連絡先は交換したものの、連絡を取り合うこともなかった。

あのセックス以来、私は何となく自分のことを『悪くないかもな』なんて思えるようになり、化粧なんか始めてみたり、少しきれいな色の服を着てみたり……

なんてことは一切なく、変わらず地味子な生活を送っていた。

そして夜は相も変わらずイメプレ三昧。

…変わったことがあるとすれば、

『最近のnanaさんのイメ、ヤバいくらいリアルで即イキw』
『nanaさんのフェライメ、たまんないです!!』
『nanaって責め専かと思ってたけど、受けイメもリアルなのな。もう無双じゃん(笑)』

とまぁ、人気がさらにうなぎ登りなのである。

これもすべて、橋本くんのお陰と言っても過言ではない。

最近はご新規も増えて、私もプライベートはなかなか忙しいのだ。

「えーっと、次はこの人か。HN けーた(26)『nanaさんのイメプレ見てファンになりました。優しく責められてみたいです!』かぁ…」

『けーたさん、こんばんは。お待たせしちゃってごめんなさい。今日は一緒に気持ち良くなりましょうね(*^^*)』

『nanaさん、こんばんは。今日は楽しみにしていました!よろしくお願いします!』

『けーたさんはM男くんなのかな?笑
どんなことされたいのか教えてね。
nanaのスケベな姿もたくさん見ていってください♪』

『嬉しいです!よろしくお願いします!』

ふふ、一生懸命で可愛いな。

そこからは橋本くん直伝のフェラも駆使しながら、ご新規さんとスケベで気持ち良いイメプレを堪能する。

『ぶちゅっ、クチュンックチュン…おちんちん、こんなに固くなってるね。ここ…この裏側、気持ちいいでしょ?』

『あぁ、nanaさん!すっごい気持ちいいです!!』

『あーあ、こんなにしちゃって…悪いおちんちんだなぁ。おっぱいでお仕置きしちゃお』

実はフェラチオ講座の時、パイズリのやり方まで教えていただいたのだ。

お陰でリアルな表現ができますわ。

『あんっ、勃起乳首がプルプルの亀頭に擦れて気持ちいいのぉ…』

『nanaさん、俺もう…我慢できないです!』

その後は挿入され、最近お気に入りの後背位で獣のように貪り合う。

イメプレなので、もちろん生セックスだし『おまんこに熱いのぶっかけてぇ!』と、中出しも躊躇なくおねだりできる。

しかし、ここと現実の境界線だけはきちんと引いておこうと、中出しをせがむ度に思い出す。

『nanaさん、すっごく気持ち良かったです。初めてで何だか自分ばっかりになってしまい、nanaさんのこと満足させられたかが不安です。またチャレンジさせてくださいね』

あは、可愛いなぁこの子♪

お気に入りに入れておこう。

「ふぅ~~疲れたぁ」

時間は0時を回っていたが、いつものように通知は途切れない。

「今日はもう無理かなぁ」とスマホを手に取ると、イメプレアプリ以外からメッセージ通知が入っていた。

こんな時間に誰だ。

『お疲れ様です、橋本です』

一行目を目にした途端、私はスマホを落としかけた。

「えっ、な、橋本くん?」

『さっきはありがとうございました』

え?

『つーか、あなたどんだけ人気なんですか。2ヶ月待ちってヤバいっすね(笑)』

は?

『初めてでしたけど、想像以上に良かったです。特にフェラのくだりは、教えた甲斐がありました(笑)』

んん!?

『相変わらずこっちの反応よく見てますよね。こうして欲しいことを、言わなくてもしてくれるからめちゃくちゃスムーズでびっくりしました』

は、は、は…

『さっきも言いましたが、高木さんを満足させられなかった感じがあって、自分としてはちょっと納得いかないところもあります。
また申し込むのでお願いしますね☆』

橋本ぉぉーーーーー!!!!!!

航大→こうた→こーた→Kた→けーた………

そういうことかーーーー!!!!

私は急いで電話を掛けると、橋本くんが『もしもーし』と悪びれない声で電話に出る。

「ちょっとぉ!どういうことよ!さっきのけーたって、橋本くんなの!?」

『あ、やっぱ気付いてなかったですよね。だって~俺が普通に申し込んでも、絶対受け付けてくんないでしょ』

「あ、あ、当たり前でしょう!年齢までサバ読んで、騙したわねぇ~!!」

『俺も高木さんとイメプレしてみたかったんですもん。いや~すごかったっすよ、nanaさん☆』

「ムキーーー!!バカにしてるでしょーー!!私は知り合いとは絶対イメプレしないって決めてるんだから!!」

『そうなんすか?それは残念だけど、まぁいいや。
てか、その調子だと俺のメッセージ、全部読んでないでしょ』

「はぁ!?」

『相手の反応や出方を細かく見る…はぁ~イメプレでは完璧なんだけどなぁ~。俺、今日は疲れたんで寝ますね、お休みなさーい』

「ちょっと橋本くん!」

ピッと電話が切られる。

「キィー!!何なのよ、あのヤリチン野郎!人のテリトリーに無断で入ってくるなんて!!」

プリプリしながらスマホのメッセージをもう一度見る。

「…こんなバカ丁寧に感想送っちゃって…うぅ、めちゃくちゃ恥ずかしい…」

橋本くんの長々としたメッセージを薄目で読み直す。

『また申し込むのでお願いしますね☆』

やかましいわ!!

『イメプレは俺にとって未開の地って感じで難しかったですが、すごく勉強になりました』

真面目か!!

『でもやっぱり、俺は実際にヤル方が肌に合ってるかなぁと思います』

はんっ!ヤリチンめ!!

『イメプレしてたら、またヤリたくなりました。
良かったら今週末にでも、またヤリませんか?』

……ん? 

『一応これお誘いなんで、ちゃんと返事くださいね』

はい?

『念のため言っときますけど、俺から誘うって結構レアです。ではお休みなさい』

ぬぁぁぁーーーー!!??

え、え、え、エマージェンシー……なの、か??

「うぅぅぅぅ……くっそぉぉ!騙されるな、私!!ほだされるなぁぁ、私ぃぃ!!!」

頭をポカポカ叩きながら悶絶する。

…何が「橋本くんに惚れそうになった」だよ。

私はとっくに惚れてしまっていたのだ、認めたくなかっただけで。

「あぁぁ~あんな男に惚れてしまっては、人生詰むぅぅーーー!!」

そんなことは百も承知である。

しかし、それでも止められないこの気持ち…

「こ、これが……恋…」

私はガクンと項垂れる。

「うわぁぁぁーーこんなんじゃ眠れーん!!!」

私はもう一度スマホを手に取る。

『……もしもーし。もぉ、俺寝るって言ったでしょ~』

「あ、あ、あんなメッセージ送りつけといて、勝手に寝てんじゃないわよぉ!!」

『あ~見ました?何、もうお返事くれるんですか?』

「っっ!!!ど、どういうつもりよぉ…」

人の気も知らないで!!

『どうもこうも、高木さんとまたヤリたいんですよ。
セックスできる子はたくさんいますけど、何でですかねぇ~高木さんとまたヤリたいんですよね』

「~~~!!!」

ダメだ奈々子!気を確かに持て!!

『さっきのイメプレでのバック、気持ち良かったですねぇ。でも実際にヤった時も、高木さんめっちゃヨガってたじゃないっすか。
…あの顔、もう1回させたいなぁ』

耳元で聞こえてくる橋本くんの声に、キュゥゥと下腹部が反応する。

『あ、もしかしてこれ、テレフォンセックスの流れっすか?それでも俺は良いですけど』

「そ、そんなわけないでしょ!」

『でも高木さん、今めっちゃ濡れちゃってるんじゃないっすか?』

「…うるさいなぁ」

『はは、図星だ。ほんとスケベだなぁ………もしかして、週末まで待てない?』

「っっ!!」

心臓を鷲掴みにされた気持ちになった。

『………』

「………」

落ち着け、気を確かに…

『…家、抵抗無いなら教えてくれます?
そしたら、今から行きますよ』

「…あ…」

ダメ!ほんとに人生詰むぞ!!

「会いたい…今すぐ…」

『……了解っす。後で住所送ってください』

そう言って電話は切られた。

私は脱力感に襲われながらも、震える指で橋本くんに住所を送る。

はぁ~~やっちゃいましたな、私。

まもなく、スーパーヤリチンセラピ…いや……私の“好きな人”が部屋にやって来ます。

勝算なしの100理ゲーって感じだけど、とりあえずシャワーを浴びてこようか。

『シャワーなんか浴びて、ヤル気満々っすね』なんて笑われるかもしれないな…

さてさてここからは、アラサー女のカッコ悪い片想いの話になりそうです。

お目汚しにならないように、ひとまずここで退散します。

皆さま、相手を思いやり、自信を持って、良いセックスをいたしましょうね。

それでは皆さま、さよ…

ピンポーン

「…早いわぁ!まだ途中だよぉ!」

「え~何の途中っすか。それより、バイク飛ばしてきたんで死ぬほど寒いっす……あっためて」

ぎゅうっと冷たい身体に抱き締められる。

うぅ、私ってば思った以上にチョロい女かもしれません。

それでは皆さま、さようなら。

〈おわり〉


※元投稿はこちら >>
20/02/11 15:00 (wQPBvLfP)
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