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「警鐘」
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:人妻熟女 官能小説   
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1:「警鐘」
投稿者: いちむら沙織
今回、二回目の投稿です。
家事の合間に書きためているので、進捗ペースはかなり遅いです。
前回同様、女性目線の為、オブラートに包んだ描写となっているので、物足りなさを感じるかと思いますが、言葉を噛みしめるようにゆっくり読んでいただきたいと思います。
 
2011/02/18 15:50:34(tpVKGPNI)
2
投稿者: いちむら沙織
第一章

_「ねえねえ、お母さん。あの星は何ていう名前なの?」
_ひんやり透き通った空気の冬空は大きなスクリーンを作り出して、そこに広がる群青の星空を指差しながら目を輝かせる幼い女の子。
_「あの星はね、オリオン座っていうのよ」
_無邪気な問いかけに、寄り添いあたたかな微笑みを返す母親。

「とっても綺麗だね」

「うん、綺麗だね」

_言葉が生まれる度に、真っ白な息が目の前で形を作って消えていった。

_瞬く星のせせらぎに耳を澄ませては、時折見える流星の行方を見届けている二人。

_それは、遠い日の風景。

_──あれから何年の月日が通り過ぎたのでしょう。
_幼い日の私は思い出の中でセピアに染まることなく、いつまでも色褪せずに生き続けていた。
_あの日、母と交わした言葉の温度さえも冷めずに、大人になった今も私の心をあたためていてくれる。

_曇り窓をつつと指先で拭っていくと、外の景色を滲ませる結露が指を濡らして、窓ガラスをつたい落ちていきました。

_じりじり…こんこん…
_アンティークの石油ストーブの上に置かれたヤカンが、蒸気を吹き出しながら鳴いている。
_共に、古き良き時代を過ごしてきたであろう赤茶けたマグカップへと注がれるコーヒーの香りが立ち上り、黒い波紋をつくりながら息を吹きかける猫舌な私。

_もう一度、窓の外を覗いてみると、ガラス越しの庭の木々や遠くの山々までもが真っ白な雪化粧をして、見渡す限りの銀世界は絵画のように目に映る。

_ここは、山深い場所に人目を避けるように佇む宿泊施設『ワイルドガーデンズ』。
_外観もさることながら内装にいたるまで異国の雰囲気が漂い、癒やしを求めて辿り着いた旅人を迎えてくれる。

_外国には縁のない私だけど、カナダやスイスといった険しい山岳地帯に建てられた頑丈な山小屋のようにも見えて、ちょっとした海外旅行気分を味わえる。

_スキーシーズンを迎えた12月の雪の日の朝、世界中に自分ひとりしか居ないような静けさに包まれた時間だけがありました。

_夕べはなかなか寝付けず、部屋のインテリアに溶け込むように本棚に並べられた洋書を見つけると、色鮮やかに装飾された背表紙のひとつひとつを吟味して、その中の一冊を取り出して再びベッドにもぐり込んだ。
それは絵本でした。

_可愛らしい挿し絵を眺めながら子供の頃の事を思い返しているうちに、いつの間にか眠っていたようです。

_壁掛けの古時計に目を向ける。

「7時…50分か…」

_さっきから時間ばかり気にしているせいか、時間の経過はとてもゆるやか。

_私は、ある人に会うために、この雪深い土地へとやって来たのです。
_バックパックに荷物を詰め込み、電車を何度か乗り継いだ先のローカル線を下車して、人もまばらな小さな駅に着いたのが、昨日の午後。
_そこからレトロな送迎バスに20分ほど揺られて、旅の目的地である「ワイルドガーデンズ」に着く頃には雪が降り始めていました。

_そして今日、私より遅れてその人はここへやって来るのです。
11/02/18 15:59 (tpVKGPNI)
3
投稿者: 一言いいかしら? ◆kgbRbPfqbM
とても女性らしいけど、綺麗な言葉を使おうとするあまり形容詞が多過ぎて、逆に印象がボヤけるし、読みにくい。一節に2つも3つもコジャレた形容詞入れないで、1つにした方が印象が『美しく』なるわよ(^^) 某出版社文学担当者としての一言でしたm(_ _)m
11/02/18 22:36 (6S.NJhar)
4
投稿者: いちむら沙織
ご指摘ありがとうございます。次回から気をつけてみます。
こういう声があると自分の未熟さがわかるし、逆にやる気にもなります。
ありがとうございました。
11/02/19 20:06 (PDtVuXhh)
5
投稿者: いちむら沙織
第二章

_ラフな私服に着替え終えた私は、ストーブの火を落として、1階にある食堂へ向かうことにした。
_どんな心境であれ、お腹は空く。
_部屋に残した飲みかけのコーヒーの香りが、私の後ろ髪をひいた。

──とにかく今は、なんか食べよう。

ゲストルームを後にして、階段を下りた。

_途中、誰ともすれ違うことなく暖色の壁紙の廊下を歩いていく。
_ふと足元を見ると、一匹の三毛猫が私をを追い越そうとしていた。

──ここで飼われている猫だろうか…。そういえば、夕べは見かけなかったなぁ…。
「おまえもお腹が空いたんだね」
_愛くるしいその後ろ姿に声をかけると三毛猫は立ち止まって、くるりと私の方を向いた後、にゃーうと返事をした…ように聞こえた。

_そして、私の前を歩く三毛猫に案内されるように、食堂の扉をくぐった。

「おはようございます」

_清潔感のある制服にエプロン姿の女性スタッフの応対で、私の中で朝のスイッチが入った。

「あ、おはようございます。朝食をいただきたいんですけど」
「すぐにお持ちしますので、お好きな席へどうぞ。今日は一日中、雪みたいですよ」

_すでに彼女とは昨夜の夕食の時に打ち解けて、他愛のないガールズトークに花を咲かせていたのでした。

「こんなに雪が降るのは、うちの方じゃなかなか見れないんで、遠くまで来た甲斐がありました」

──そう、私は遠くまで来た。私の事を誰も知らない場所で「密会」するために。

_早朝の食堂では、すでに数人の旅行客らが朝食をとりながら歓談していました。
_雪曇りの朝陽が差し込まない窓辺に着席した私。
_メールの着信を待ち焦がれる携帯電話をテーブルに置くと、手鏡を覗き込んで前髪を指で遊びはじめる。

_なにげなく窓越しの外の様子をうかがうと、うっすらと窓に映る自分と目が合う。

──私って今、こんな表情してるんだ。

_下級生の女子が上級生の男子に思いを寄せる初恋の頃の表情。桜色の頬、膨らみはじめる唇、幼さが消えて潤う瞳。
_その時、小梅の果肉を噛んだ時の甘酸っぱさがよみがえる。
_そんな思いに浸っている時でした。

あれ?──今のは?──
_新雪が降り積もる林の中に動くものが見えた気がした。
──早朝スキーの人かな…。でも、スキー場とは逆の方向だし…。
_確かに、この席とは反対側の窓から外をうかがうと、朝早くから稼働しているリフトの照明が点々と見える。
_もう一度こちら側を向きなおすけれど、とくに変わった様子はない。
とすると野生の動物、あるいは木の枝からざざんと落ちた雪であるに違いないと思い込んでみました。

「お待たせしました」
先ほどの女性スタッフだ。四角いトレイにところ狭しと並んだ和食中心の御膳がテーブルに華を添えた。

「うちは食事だけが自慢なんですよ」と冗談混じりに彼女は言ってみせた。
「私は食欲だけが自慢なんですよ」なんて私も返したりして。
そして二人の顔を見合わせて女笑いした。
_ふと彼女の胸元を見ると、名札が付いていることに気づいた。
そこには「庭朋美(にわともみ)」の文字。
「庭さん…ていうんですね。なかなかない名前ですよね」
「よく言われます。」
と少し照れたように微笑むと、さらに続けた。
「ここの名前の『ワイルドガーデンズ』は『庭』からとってるんですよ。ひねりのない名前でしょ?」
とんでもないというふうに私は首を横に振って、彼女に聞いた。
「…て事は、ご主人がオーナーですか?」
「一応そうですけど、趣味でやってるようなものだから。ボランティアだと思ってやってます。」

_飾らない人柄と、羨ましいほど綺麗な容姿。そこに、並びの良い白い歯が魅力に輪をかける。年齢は私と同年代くらいでしょうか。30プラマイ3歳といった感じ。
_非の打ち所がないとは、彼女のための言葉でしょう。おそらく、彼女目当てでここへやって来る男性客もいるかも。

「それじゃあ、ごゆっくり」
そう言い残した彼女は、木の床をここんここんと鳴らしながら、食堂の隅へと歩いて行く。
_私の視界に入るその方向にはトイレの扉があって、その扉の前で、先ほどの三毛猫が三つ指をついて行儀よく座っています。
_朋美さんは三毛猫を抱き上げて、そのままトイレの中へ入って行った。

──やっぱりここの飼い猫だったのね。ちゃんとトイレでできるなんて賢い猫だこと。
などと感心してしまう私。

_それはさておき、空腹が猫なで声で鳴いている。
11/02/21 10:36 (7xOB44ok)
6
投稿者: いちむら沙織
第三章

_ひとりで食べる朝食は、カロリーゼロをうたうダイエット食のように味気なく感じることもあった。
_だけど、ワイルドガーデンズの懐の深さを感じさせる空間に身を任せれば、ひとりの食事も悪くない。むしろ贅沢だ。

_まだ寝起きのままの長い髪にそそと指をかけて両耳を出せば、小粒なピアスが目を覚ます。
_その輝きは、けして大人しくはない。明らかに異性を意識した誘惑の光を放つ。
_グラスの水に喉を潤し、自慢の料理には「いただきます」と語りかけて箸をつけた。

──美味しい。

_その瞬間、1オクターブくらいテンションが上がってしまった私。思わず笑みがこぼれる。

_「食べる」行為は、欲求を満たすという意味では何かに似てる。
_その答えはすでに出てるのに、口には出せない。女性ならなおさら──。
_そんな事を考えながら、紙ナプキンで口元を拭いている時でした。
_テーブルに寝そべったままの携帯電話が、メールの着信を知らせるイルミネーションを点滅させている。

──来た。

_ときめきがチャイムを鳴らして、私の胸をノックした。
_この感じ、いつかの同窓会の時にもあったような気がする。
_二つ折りの携帯電話に手を伸ばし、そっと開けた。待ち受け画面の時計は「8:22」を示している。

_私は、パンドラの箱を開けようとしていた。でもそこに罪悪感はない。あるのは強い好奇心だけ。
_はずむ親指で、無題の受信メールを開封しました。

「オリオンさん、おはようございます。あと少ししたらこちらを出発します。それと、例のモノも準備したので、オリオンさんが気に入ってくれたら僕も嬉しいです。会えるのが楽しみですね。それじゃあまたメールします。」

送信者は、密会の相手、ノブナガさんだ。
_メールの内容を何度も読み返すうちに、頭の中が熱くなっていくのがわかりました。

_「オリオン」とは、私、三月里緒(みづきりお)の事で、「ノブナガ」と名乗る男性と知り合ったのは、ソーシャル・ネットワーキング・サービスの、あるケータイサイトがきっかけでした。

──三年ほど前のこと。
_当時、私は二十七歳で、ふたつ年上の夫と、二歳になる娘と三人で、平凡ながらも幸せと言える日々を送っていました。
_不思議なもので、結婚当初は些細なことですぐ口をとがらせたり、犬も食わないようなケンカばかりしていたのに、娘が生まれた途端にそれがぴたりと止み、家族の絆も生まれた。
_ふぞろいの種がかたい殻を破って芽を出し、根っこは地面をぐいと掴んで、光合成をくり返しながら成長していく。
_目には見えないけれど、家族の絆とは、そういうものだと感じました。

_ただ、出産を機に変わったことがもう一つありました。それは、性生活です。
_家事や育児に時間をとられ、わずかな睡眠時間さえも熟睡することはできず、昼か夜かもわからないような毎日に疲れ果てていました。
_そんな私に気遣ってか、夫は私の体を求めようとはせず、だからと言って浮気するわけでもなく家族の為に尽くしてくれました。

_娘の成長とともに時間にもゆとりが出てきたある日の夜、となりで眠る夫のパジャマの裾を引っ張って「エッチしたい」の合図を出しました。
_でも、夫はあちら側に寝返りを打って「ごめん…仕事で疲れた…」と言ったきり眠ってしまったのです。

_そんなことが何度かあって、私から誘うこともしなくなりました。

_そしてまたある日の夜、小さな寝息をたてて眠る天使のような娘の寝顔を見守りながら、夫は話しはじめた。
「──あのさ、出産の時、俺も立ち会ったよな?──それで、茜が産まれて感動して一緒に泣いて。──けどさ、なんかうまく言えないけど、里緒の苦しそうな顔とか、あの光景、俺にはショッキングだった。」
_私は無言のまま次の言葉を待った。
「だから、前みたいにその気になれないというか──べつに里緒が嫌いになったわけじゃないけど──そういうことなんだ」
_途切れ途切れだけど、夫なりの精一杯の言葉が私の胸に届いた。

──沈黙の中に、茜の寝息だけが聞こえる。
_次に沈黙を破ったのは、私。
「──そっかぁ、うん、わかった。──話してくれてありがとう」
「ごめんな──」

_私はその後、少し落ち込んだけど、嫌いになったわけじゃないことを知って安心しました。
_夫の方も胸のつかえがとれたのか、微かな心変わりが見えて、月に一度きりだけど、濃密なセックスに肌をすり減らしていきました。
11/02/23 00:04 (jnzJzDQF)
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