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1:輪廻
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ThirdMan
日頃はたんなる疎林としか思われていない護国山も、山肌が桜色に染まり出すこの時期になると、にわかに脚光を浴びて、もの珍しそうに上を見上げながら歩く人々で街道もにぎわう。
舗装もされていない赤土の残った道路の両側には、かなりの年月を生きてきたと思われるソメイヨシノの巨木が道路を覆うように立ち並んでおり、春先の土日ともなれば出店なども現れるほどの盛況ぶりを見せる観光の名所へと変わる。 平日の今日は、出店もまばらに点在するだけで、さすがに人の出もそれほど激しくはなかったが、それでもダッシュボード越しに眺める景色から人の姿が消えることはなく、今も、すでに人生をリタイアして、あとの余生は気ままに暮らすだけといった老年のカップルが、京介の乗った車のほうに向かってゆっくりと近づいていた。 夫人のほうは終始にこやかに笑みを絶やさず、隣にいる夫と一緒に歩くことが嬉しくてならないといった顔をしながら、何度も教えるように可憐に咲き誇り始めた桜の枝を指差している。 二人はちょうど京介の車の前で止まり、しばらく上を見上げていた。 今年は例年になく長い冬が続き、遅咲きの桜はまだ五分咲き程度であったが、京介の車の近くに立っているソメイヨシノだけは、日当たりのおかげか、それとも他になにか理由があるのか、立ち並ぶ桜並木の中でも、他の枝に比べて花びらの数が格段に多かった。 ここ一時間ほど、ずっとここに車を停めたままにしているが、京介の車の前で立ち止まったのは、なにもこの老夫婦ばかりではなく、その間も何組ものカップルや家族連れが同じように足を止めては上を見上げていった。 中には、目立つ車両を乗り入れて趣のある風景を壊すなと言いたげに、運転席に座る京介をじろじろと眺める者もいたが、元々は山間部を抜ける道路として利用される場所であるから、車両の通行なども一切規制はされておらず、どこに車を停めたところで他人から文句を言われる筋合いはない。街道とは言っても舗装もされていない山道は、当然駐車禁止の道路標識などもなく、広い路肩を利用して京介と同じように桜の下に停めている車は他にもあった。 ただし、前を見ても後ろを振り返っても、京介のような派手な車両は見あたらない。 「すごいですねえ・・・」 「どうしてここだけ、違うんだろうね」 老夫婦の二人は、車の前に佇んで空を眺めるように上を見上げながら、それまで何人もの人たちが同じように感じていた疑問を口にした。 二人はゆっくりと助手席側に移動してまた立ち止まると、目を細めながら上を眺めていく。 ふと、そのとき何かの物音に気付いたらしい夫人のほうが振り返って、京介のほうに目を向けた。 怪訝そうな顔でしばらく目を凝らしていた彼女は、あっ、という表情を浮かべると、すぐに居心地が悪くなったように夫の袖を引いた。 「行きましょう・・・。」 それだけを言って、夫人は夫の腕を引きながら逃げるように京介の車から離れていく。 突然腕を引かれて、夫のほうは困惑した表情を浮かべ、何事かと夫人に尋ねていたようだが、夫人は後ろを振り返りもせずに急ぎ足で立ち去ってしまった。もしかしたら夫のほうは耳が悪いのかもしれない。 慌てて去っていく二人の様子をバックミラーで確かめながら、さっきまでまさしくこの世の春を満喫していた夫人の顔が、ものの見事に引きつっていたのを思い出して、京介は薄く笑いを浮かべた。 「行っちゃったよ・・・」 頭を撫でながら囁いてみたが、八重は綺麗に整った眉毛を山なりに寄せているだけで、応える元気もないらしい。 赤い唇を開きながら、辛そうな表情を見せるだけだった。 耳を澄まさずともはっきりとわかるほどに、車体の中には春のパノラマには似つかわしくない、いささか不快で不釣り合い音がうるさいほどに鳴り響いていて、耳障りな機械音を消すために、京介は手のひらに握る小さな箱のスイッチを切った。 車内に響き渡っていた激しいバイブレーション音が消えると、八重の身体からふっ、と力が抜けて、京介の股間を心地よく濡らす軟体動物にも少しずつ落ち着きが戻ってくる。 つい先日購入したばかりのバイブは、威力は強烈だが、うるさいほどにモーター音を響かせるのが難点といえば難点である。しかし、それも使い方次第では面白い。 趣味でリフトアップしたサーフはそれなりに地上高があり、隣りに立ったくらいでは中の様子が簡単にわからないようになっている。 だから、あの夫人には八重の姿が見えるはずもないのだが、彼女はダッシュボードの上に置かれたビデオカメラの存在に気付いたのかもしれない。 観光地へやって来きたのだから、その記念を残したいと思うのは当然のことで、京介も多分に漏れず小型で最新のビデオカメラを持ってきていた。 しかし、それは美しい桜並木の景色を録るためではなく、運転席に座る京介たちを記録するためにレンズは車内へと向けられていた。 やや斜め下の方向を捉えるようにカメラの下に台座を置いていたので、角度によっては外からでもディスプレイに映る映像がはっきりと視認できたのかもしれない。 構図を確認するために開いた小さな窓には、膝までズボンを下ろして剥き出しになった京介の股間に顔を埋める八重の姿が映っていた。 長い髪をまとめ上げて細いうなじを見せる八重は、京介の股間で頬を膨らませながら何度も頭を上下させていたので、老婦人には彼女が何をしているのかすぐにわかったのだろう。 人の近づく足音に怯え、話し声に怯え、じっと息を潜めて存在を消し去りたくとも、股間のバイブがそれを許さない。 京介は、振動が止まってからも上下することをやめようとしない頭を撫でつづけた。 「また来たよ・・・。」 向ける視線の先から、今度は肩を組んだ若いカップルが近づいてきて、やはり二人は同じように京介の車の上を指差している。きっとこの二人も車の傍で立ち止まってくれるに違いない。 「ちゃんと、我慢するんだよ。」 股間の疼きを愛しむように頭を撫でながら言って聞かせると、八重は身構えるようにぎゅっと目を閉じて、身体を強張らせていく。 若々しい顔立ちをしているが、それなりに熟成された女である。 子を一人産んで立派に育てた。 分別も良識もある熟母だが、今の彼女は品の良いスカートを腰まで捲り上げて、白桃を二つ並べたような大きな尻をあからさまにさらけ出している。 その尻が、かすかに震えているのがわかる。 「行くよ。」 真っ白な尻から生えたように突き出た黒いバイブは、見るからに凶々しい。そのバイブの底部から伸びた細いコードは京介の手のひらへと繋がっている。 すぐ横まで近づいてきたカップルは、やはり足を止めて上を見上げた。 京介は八重の頭を撫でながら、リモコンのスイッチを入れると、ボリュームを少しずつ上げていった。 胎内深くまで浸食したシリコン樹脂の悪魔が容赦なく暴れ始めると、八重は、ううっ!とひときわ大きな呻き声を上げて、その声を必死に殺そうとするかのように深くくわえ込んできた。 叫んだりはしない。 彼女は、ひたすら堪えることしか知らない。 中間までボリュームを上げると、はっきりと耳に聞こえるほどにモーター音が車内に響き出し、八重の表情から快楽が消える。 並のサイズなどよりはるかに大きな特大バイブは、バイブレーションの音を高めることで自分の威力を他者と八重の肉体に教えていく。きっと男などには想像もつかない殺人的な破壊力があるに違いない。 憐れな八重は、もう舌を使うこともできないと言わんばかりに、痛いほど握りしめていた。 苦しみに顔を歪めきり、息も絶え絶えになって窒息寸前の状態にある。 絶対に許してやらないことを教えるように、頭を撫でていた手のひらで、ぐい、後頭部を押していくと、健気に舌を伸ばして舐めようとする。 すっかり従順になっている態度に満足して、京介はさらにバイブのボリュームを上げていった。 何をしたところで、この人は逆らえない。 「いい子だね・・・。母さん・・・。」 愛しさを教えるように頭を撫でながら、京介の指は、限界までボリュームを上げていた。
2012/05/04 22:53:13(0qvip5ny)
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ThirdMan
陽気がよかったせいか、昼を過ぎた頃には思った以上に人が出てきた。 車の横で足を止める人の数も格段に増えるようになり、複数のグループが立ち止まって上を眺めるようになってしまうと、京介もこの遊びをやめざるを得なかった。 さっきのカップルは、バイブの振動に堪え切れなかった八重がどんどんとドアを蹴ってしまったおかげで、危うく騒ぎになるところだった。驚いた二人は怪訝な顔を京介に向け、男のほうは彼女との思い出の時間を邪魔されたからか、あからさまに不満の表情を浮かべていた。今にもドアを開けそうな勢いで京介を睨みもしたが、彼女が手を引いてくれたおかげで事なきを得た。 そのまま通り過ぎてくれたからよかったものの、これだけ人が集まるようになってしまうと、今度こそ本物の騒ぎになりかねない。 「そろそろ違うところへ行こうか?」 無意識にしてしまった八重を叱る気持ちにもなれず、頭を撫でながら言ってみると、ようやく許されたと知った八重は、のろのろと倒した上半身を重そうに起こしていった。 真っ赤な顔をして、うっすらと汗を浮かべた頬には、一筋二筋の髪の毛が張り付いている。 ひどく疲れた表情をしていたが、彼女の美しさに影響を与えるほどではなかった。 「どこへ行くの?・・」 まだ焦点の定まりきらない虚ろの眼差しを向けながら、物憂い口調で答えた彼女は、濡れた唇の端を自分の手の甲で拭っていくと、スカートの裾が乱れていたのを思い出して、身体を捩らせながら綺麗に伸ばしていった。 その手をスカートの中に残したまま、抜いてもいいの?と目だけで訊ねる。 無言のまま京介が頷いてやると、八重は身体を横に倒して尻を開きながら、壊れ物でも扱うようにそろそろとバイブを抜いていった。 「もうちょっと上の方へ行こうか?」 「行ってもいいけど、人のいるところはだめよ・・。スカートが汚れちゃったから・・・」 八重が指の先で抜き取ったバイブは、コンドームを被せてあったが、今にも匂いが漂ってきそうなほどはっきりと彼女の体液に塗れきっていて、なるほど、言われてみれば確かにレザー製のシートにはびっしょりと濡れた痕が残っているし、スカートの所々にも広い染みができあがっている。 八重の言った通り、とても人前に出られる状態ではなさそうだった。 「ずいぶんと汚しくれたね。」 金を掛けて何度も手を入れたこの車は、京介にとって、八重の次に大事な宝物である。 京介がおどけたように笑ってみせると「京ちゃんが、ひどいことするからでしょ・・・。」と、八重はさも恨めしそうに睨めつけてきた。 そんな顔をされたところで、どこかしとやかさを思わせる八重の容貌には人を脅かすほどの迫力はない。 京介はハンドルの上に両手を重ねながら、隣でふくれっ面をしている母親を眺めて、くくっ、と笑った。 「八重」などと古風な名前をしているが、今時の女性であり、見た目も若々しい彼女は、その若さを見せつけるように膝上よりかなり短いスカートなどを履いている。 カットソーのシャツを着こなし、剥き出しになった肩からすっきりと伸びる二本の腕にも、猪肉めいた弛みはまったく見られない。 それなりに雰囲気のある熟女であるから色気もあるが、昔からひどく子供っぽいところもあって、成人をしてからはどちらかと言えば、八重のほうが京介の子供のようだった。 社会人になって京介が家を出てしまうと、ひどく寂しがって、たまに帰るとベタベタと甘えてきた。 子供の頃から「京ちゃん」と呼ぶのをやめないこの母親は、夫の見ている前でさえ、すっかり大人になった息子に抱きついたり、キスをしたりを平気で繰り返した。 仲の良い姉弟のような感覚は、必要以上に二人を接近させ、いつ間違いが起こっても不思議はなかった。 その間違いがとうとう現実のものになってしまったのは、2年前に正月休暇を利用して京介が里帰りしたときだった。 酒を飲みながら、ほろ酔い気分でふざけ合っているうちに、自然とそんな関係になってしまった。 酔い潰れて鼾をかきながら寝ている父親の隣で、二人は激しく抱き合い、互いの唾液を啜りとるほどの濃密な口づけを繰り返した挙げ句、テレビをつけたままの居間の中でひとつになった。 あの脳が灼け爛れるような興奮を、京介は未だに忘れることができないでいるし、それは八重にしても同じ事である。 一度きりと交わしたはずの約束は結局守られることなく、二度三度と同じ間違いが繰り返され、今では父親などよりも京介のほうがはるかに八重の身体を知っている。 新たな性感も目覚めさせて、八重を本当の女として開花させたのは自分であるとさえ自負している。 望むままに身体を与えてくれるこの母親が京介にはどうしようもなく可愛くてならず、八重は八重で、大事でならない息子に抱かれることを喜んでしまうから、ふたりに終わりが来ることなどあるはずはなかった。 その類い希な若々しい肉体を欲しがるままに与えてしまう八重などは、今では立派な彼の「愛玩犬」である。 その愛玩犬は、手探りで傍らに置いた小さなバッグの中からウェットティッシュのパックを取り出すと、中身を5,6枚無造作に引き抜き、濡れたシートを拭き始めた。 綺麗にシートを拭ってしまうと、また2,3枚引き抜き、今度は京介の股間に被せていく。 窮屈に身体を折り曲げて、自分の唾液に汚れた息子の股間を丁寧に拭っていく姿には、義務ではない愛情があったし、母性が感じられた。 「出さなくて、大丈夫?・・・」 八重は意識が飛ぶほどに何度も気をやっているからいいが、京介はまだ欲望の飛沫を噴き上げてはいない。 心配げな顔で訊ねた。 綺麗に拭き終えてからも、手のひらにある京介の逞しい剛直はまだびくびくと脈打っていた。 ペニスから手を離さなかったのは、処理を頼まれたら、すぐにでもまた口にするつもりだったからだ。 「大丈夫だよ。ずいぶんと我慢したんだから、口の中に出すなんてもったいなさ過ぎる。おかげで濃厚にもなったことだろうから、あとで母さんの中にたっぷりと出してあげるよ。」 「またそんな怖いことを言う・・・」 不満げに唇を尖らせてみても、結局は京介の言った通りにされる。 胎内の奥深くに注ぎ込まれ、八重は膣から息子の白濁の汚辱を溢れさせることになるのだ。 ここ2年間ほど肉体関係をつづけてきたが、京介は一度として避妊を気遣ってくれたことはなかった。 一番最初のときに、興奮しすぎた八重が中に出してもらうことを望んでしまったからだ。 激発した感情のままに欲しがったわけではなく、妊娠をしない、いや、妊娠をする確率が非常に少ないのを自分で知っていたから、彼の温かさを望んだのである。 八重は、京介を出産したときに不具合が起きて、卵管のひとつが癒着して閉塞していた。 女性の排卵は、月ごとに二つある卵管を交互に振り分けながら繰り返される。 そのひとつが閉塞しているのだから、八重は通常の女性に比べて妊娠の確率が半分しかないことになる。 京介が一人息子となってしまったのは、どんなに頑張っても次の子ができなかったからであり、月経周期を計算して計画的に夫と励んでみたりもしたが、だめだった。 婦人科に行って調べもしたが、卵管以外は正常だと言われ、他に異常は見つからなかった。 癒着して閉塞した卵管を元に戻す方法はあったが、それには手術が必要だった。 ちょうど京介に手が掛かる時期であったし、夫も身体にメスを入れてまで欲しがるものではないと言ってくれたので、それからは運を天に任せてきた。 結局、子供は京介以外恵まれることはなく、故に八重には、この一人息子が奇跡の子のように思えて可愛くてならない。 「母さんだって、そのほうが好きだろ?」 その可愛い息子は、八重の気持ちも知らずに、なるようになれとばかりに好き放題してくれる。 望まれるままに八重の胎内に放出してしまった京介が、終わった後で非常に気に病んでいたので、妊娠しづらい事実を教えてやった。 彼を救うつもりで言ったつもりだったが、京介はそれを知った途端に、ならば面白いとばかりに自重するどころか、八重を怖がらせてスリルを楽しむようになってしまったのである。 確かに、この2年間は無事に済んできているが、「絶対に妊娠しない」と保証された身体なわけではない。 産む、産まないは別にしても、まだ八重には子を宿す能力が残っていたし、若々しい肉体が応えるのか閉経する兆しもまったくなかった。 京介は、八重を責めるときに必ず膣に出すことを宣言する。 そして、膣内に放出されることを八重が口に出して望むまで、責めつづける。 彼に責められる度に脅えたりもするが、しかし、京介の温かさを胎内の奥深くに欲しがる自分がいることも知っている。 「赤ちゃんができちゃったら、どうするのよ・・・」 八重は誰に言うともなく、つぶやいてみた。 「ひどい息子だなあ、って思う?」 聞こえていたらしく、京介がズボンをあげながら悪戯っ子のような目を向ける。 応えずにじとっ、とした目で睨んでいると、 「じゃあ、もっとひどいことしてあげるから、はやく上に行こう」 と京介は笑いながらあっさり言ってのけた。 所詮、この子には敵わない。 京介の嬉しそうな顔を見るだけで、他人に覗かれるかもしれない怯えにも、お尻を叩かれる痛みにも、お腹がねじれそうな苦しみにも堪えられる。 そして、彼の子を宿すかもしれない恐怖にも・・・。 京介は、それまで八重の痴態をつぶさに写していたビデオを仕舞っていった。 これからまた活躍するであろうビデオカメラを楽しそうに片付けていく京介を眺めながら、八重も彼を喜ばせてやりたい気持ちが強くなってくると、剥げたルージュを直すために、バッグの中からコスメポーチを取りだしていった。
12/05/05 00:04
(.mMjH7az)
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ThirdMan
車一台がやっと通れるほどの狭い山道を、ハイリフトのサーフは砂利を蹴り上げて駆け上がっていく。
赤土の街道から脇へとはずれた細道は、なんのために使う道路かわからないが、緩い勾配を上へ上へと向けていた。 轍があるのだから何者かは利用しているのだろうが、上に進むにつれて道幅は細くなり、路面の凹凸も激しくなって、普通の車では入れそうにない。 山肌の反対側は切り立った断崖であり、大きく揺れる度に八重が慌てたように小さな悲鳴をあげる。 車体が大きく傾いたところで、足回りの強化されたサーフはものともしない。 そのまま進みつづけ、10キロほども上がった先でわずかに山肌の切れたところを見つけて、京介はそこに車を乗り入れた。 途中からは、フロントガラスにあたるほどの高い枝の生い茂る獣道のような道路を進んできたはずだが、そこだけ不思議と視界が開けて、開かつされた広い場所には背の低い熊笹が群生している。 同じような高さの熊笹は、腰あたりまで成長していて、この中に隠れた者を探し出すのは難しい。 ちょうど手頃な場所と見るや愛車をゆっくりと進ませて、内側の林縁の陰に隠すように停車させると、京介は車を降りた。 辺りを確かめるように散策しながら、足元の土質も乾燥していて比較的硬く、濡れたり泥にまみれたりすることもなさそうだと判断すると、すぐに車に戻って、じっと助手席で座っているだけの八重に声を掛けた。 「母さん、ここなら大丈夫そうだよ」 子供のように無邪気に笑いながらうれしそうに見つめる京介に、八重は呆れたように笑ってしまった。 数年前までは、家にも滅多に寄りつかなかったくせに、関係を持ってからは頻繁に帰ってくるようになり、父親の目を盗んでは八重を抱いた。 それでも足りずに県外にあるアパートにまで遊びに来いと言うようになり、今週も休みを利用して訪れてみれば、いきなり玄関先で裸にされて、したい放題してくれる。 土日は、服を着ることも許されずに、彼の部屋で寝る間もないほど相手をさせられ、月曜になった今日はやっと解放されて朝から夫の元に帰るつもりだったのに、いざその時になったら手放すのを惜しむように、仕事先に電話をかけて、今日は休むことを伝えてしまった。 新しく手に入れた玩具を試したいのを理由に、人出のあるところまで八重を連れてきて、散々辱めてもまだ足りずに、今度はこんな山奥まで連れてこられた。 これまでも似たようなことはされてきたから怖くはないけれど、特に今日は熱心で、八重を虐めることに熱がある。 きっと京介は、どうやって虐めてやろうかと、そんな良からぬことばかり企んでいるのだろうけれど、八重を奴隷のように扱うわりには、「母さん」と呼ぶのだけはやめようとしない。 まだ母親と思ってくれるのはありがたいことだが、時々、「おい」とか「お前」とか呼ばれたほうが、いっそ気が楽になるのではないかと思うこともある。 とりわけ、中に出されたときは、「母さん」と呼ばれると、黒い澱のようなものが胸の奥に沈んでいく。 そんな澱がいったいこれまで何層積み重ねられてきたことか。 母親の苦悩などまったくおかまいなしに、車の中から荷物を取りだしていく京介は実に楽しそうである。 荷物を担いだ京介に「おいで」と呼ばれて、手を引かれながら笹藪の中に連れて行かれた。 丸めた毛布を小脇に抱え、八重を苛めるための玩具を詰め込んだ大きなボストンバッグとビデオカメラの入った銀のケースを両肩に担ぐ京介の姿は、ぱっと見だけなら、さしずめ戦場カメラマンだった。 たいして上手でもないカメラマンは、熊笹の中に分け入り、ちょうど大人二人が横になれそうな手頃な空間を見つけると、そこに毛布を広げた。 端に三脚を据えて、ビデオカメラをセットしていく。 フレームに全景が収まるようにフォーカスを合わせてしまうと、「着替えた?」と楽しげに笑みを見せながら八重に振り返った。 これから実の母親に淫虐の懲罰を与え、その熟した性を貪りぬこうというのに、彼にはまったく罪悪の意識が見られない。 「俺が悔やんだら、母さんだって辛いだろ?だったら楽しんだ方がいいのさ」 それが彼の言いぐさだが、楽しんでいるのは京介ばかりで、八重には辛い仕置きでしかなかった。 しかし、それが彼なりの優しさだということも八重は知っている。 着替えと言ったところで、両手首に手枷を巻き付け、首にチョーカーにも似た細い首輪を嵌めるだけなのだから、たいして手間が掛かるわけでもなかった。 京介の目を楽しませるために選んだ、淫らではしたない下着は、すでに家を出たときから身に着けている。 「いいわよ・・・」 身支度が調ったのを教えてやると、そこから先はカメラマンの役目を終えて、京介は自分を満足させるためのビデオの撮影監督になる。 ビデオカメラは定点に固定されて、同じアングルを映すだけだから、カメラマンは必要ない。 「まずはアナルオナニーから始めようか」 カメラマンとは違い、そこそこ面白い演出をする京介は、次に使う小道具をボストンバッグの中から手探りで探しながら、八重を辱めるための演出を始めていった。 服は着たまま、立ちながらスカートだけを捲り上げて、カメラにお尻を突き出すように、と細かい注文が入れられて、八重は毛布の上に立った。 京介の性癖には独特なものがあり、Tバッグのショーツは全部脱がないで足首に掛けたまま、と言ったあたりは、どうにも八重には理解できないところだが、それに逆らうつもりもなかった。 どうせ逆らったところで、最後には京介の言いなりになってしまう自分がいることを知っていたし、意外と面白くて八重自身も楽しんでいるところがある。 言われた通り、ショーツを足首まで下ろしてから、スカートの裾を捲り上げて腰の所に挟み込んだ。 お尻だけを出していると、吹き抜けていく風が、そこだけいやらしく撫でていくような気がしてならない。 最初は指で拡げるように言われて、八重は腰を屈めてお尻を突き出すと、自分で開きながら立てた中指をアナルにそっと突き入れた。 すっかり慣れていたから、根本まで埋めてしまっても痛みなどはなかった。 痛みどころかすぐに得体の知れない疼きを覚えて、5分も過ぎた頃には夢中になっていた。 恥ずかしさがまったくないわけではなかったが、そんなものなどはるかに凌駕するだけの気持ちよさがある。 「あ・・・あ・・・・」 息子に教えこまれたアナルの快感だった。 京介は、八重とのセックスに慣れてくると、よく顔を跨がせてお尻の穴を舐めたがった。 息子に対してそんな変態的な行為を嬉しがる母親なんていなから、八重ははっきりと口に出して嫌がって逃げていたが、あきらめない京介は、八重が逃げられないように身体を縛るようになってしまい、執拗にアナルを責められるようになってから、排泄器官の意外な魅力に取り憑かれた。 「すごい匂いがする。」 いつもそう言って京介は八重のお尻に顔を埋めながら、辱めるように笑っていた。 あまりの恥ずかしさに何度も泣いたが、アナルバイブで散々責め立てられて、呆れるほど気をやってしまってからは、恥ずかしがりながらも素直に顔を跨いでお尻を差し出すようになった。 京介はとても上手にアナルを責めてくれて、痛いことは絶対にしなかったし、八重が泣いて欲しがるまで舐めつづけてもくれた。 ただの排泄器官が第二の性器に変わってしまうまでに、そんなに時間は掛からなかった。 今では、指どころか京介の舌さえ簡単に呑み込んであげられるし、膣でされるセックスよりもアナルセックスのほうを好む。 変われば、変わるものだと自分でも呆れる。 自宅に帰ってからも、時々は京介を思い出しながら自分で拡げているものだから、すっかり柔らかくなったアナルは、一本だけでは物足りずに、二本目を欲しがっていた。 八重は、両手でお尻の肉を開いてくと、もう片方の中指もアナルに入れて掻き回した。 「あっ!・・あっ!・・・」 「いいよ、母さん。もっといやらしく腰を振って」 八重を淫らにすることに熱心なビデオ監督は、演技指導に余念がない。 すぐ真後ろで見つめていた。 見せつけたくて、言われるままにいやらしく腰をくねらせた。 「すごい・・匂いがここまで届いてくるよ」 どんな匂いかなんて想像もしたくないが、吐息を感じるほどに顔が近づけられている。 指で乱暴に掻き回しながら、八重は軽く何度か逝った。 見上げる空には、透き通るような雲ひとつない青空が広がっていて、耳に聞こえてくるのは、ゆるりとしたそよ風に揺れる熊笹の葉のざわめきばかり。 まるで場違いなこの場所で、夫が想像もできない淫らなことをさせられ、それを欲望にたぎらせた京介が眺めているのだと思うと幸せでならない。 至福の余韻も束の間、ぴしゃり、とお尻を叩かれた。 「勝手に逝っちゃだめだよ。」 勝手に演技を変えた女優は監督に叱られる。 京介には、すぐにわかってしまうものらしい。 「だって・・・」 「だってじゃないよ。勝手に逝ったお仕置きをしなきゃね。」 口調に怖さはないけれど、彼のすることはそんなに優しくない。 はい、と手渡されたコンドームの被せられたバイブレーターは、ほとんど京介と同じくらいの大きさがあった。 京介のペニスは大きい。 たぶん、人並みよりは大きいはず。 「最初からこれ?・・・」 京介は返事もしてくれない。 ずっとニヤニヤしているだけで、早く、と目で訴える。 あきらめて八重は、手渡されたバイブをお尻にあてがった。 膝に手をつきながら腰を屈めて、身体の力を抜いていく。 少しずつ息を吐き出しながら、そっとバイブを握った手に力を込めていった。 ずいぶんと柔らかくしたつもりだったけれど、それでもめりめりとアナルを拡げていく感覚がある、 お尻の穴が伸びきっているのがはっきりとわかる。 慎重に慎重に入れていった。 壊れてしまったら、京介に愛してもらえなくなる。 ようやく頭の部分が通り抜けて、八重はやっと息を吐いた。 一度でも頭が通ってしまえば、あとは比較的楽だった。 ゆっくりと根本まで押し込みながら、こんな大きなものが簡単に入るようになってしまった自分に少しだけ呆れた。 「ああっ・・・」 指とは違い、やっぱりバイブは迫力がある。 自分でスイッチを入れてからは、夢中になっていた。 バイブの底部を握りながら、激しく出し入れを繰り返した。 「いっちゃうっ!京ちゃん!いきたいっ!いっちゃうよぉ!」 身体の芯から拡がる疼きは、脳まで浸食し始めていた。 身体の芯部から拡がっていく妖しい疼きは、膣なのかアナルなのか、どちらに入っているのかさえわからなくさせる。 頃合いと見たのか、京介が足の間に入ってきて、見上げるように顔を上向かせながら性器に口を付けてくる。 すぐに、ぬるりとしたものに襞の奥から舐めあげられて、八重は悲鳴を上げた。 「だめっ!いっちゃうっ!そんなことしたら、いっちゃうっ!」 「逝ったら、もっと虐めるからね。」 舌をうごめかしながら、楽しそうに笑っていた。 バイブを送り出す手は止まらなかった。 止めたくても、主の意志に反して手だけが勝手に動いてしまい、どうすることもできなかった。 次第に頭の中が白くなっていき、何も考えられなくなった。 もうすぐ意識の飛ぶのがわかる。 息がとまり八重の悲鳴がやんだ。 踏ん張った両足がふるふると震え、小刻みに揺れていた。 京介は、堅く伸ばした舌で激しく舐めつづけている。 尖らせた舌先が的確に陰核を捉えて、押しつぶすように何度もなぞられると、それまで我慢していたものが一気に噴き出た。 「ああっっっ!!!」 ひときわ甲高い悲鳴が、新緑に色づき始めた山肌に跳ねた。 ガクガクと膝を震わせ、八重は力尽きたように、その場に崩れ落ちていった。
12/05/06 23:26
(MqtelcyC)
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ThirdMan
どうやら意識を失ったらしい、
目が覚めたときは、身体が京介の膝の上にあった。 京介は、八重を抱えるように腕の中に抱きしめていた。 違和感はまだ残っていたが、どうやらお尻のバイブは抜いてくれたようだった。 膝の上に抱えながら、京介は八重の頭を大事そうに撫でていた。 この子は、いつも頭を撫でたがる。 「気が付いた?・・。」 目が合うと、京介が優しく微笑んだ。 「ごめん・・・いっちゃった・・・」 「みたいだね・・・。」 優しい目で見つめながら、頭を撫でているだけだった。 穏やかな顔をしていた。 優しい京介は、いつも八重を大事にしてくれる。 この子のお嫁さんになる人は幸せだと思う。 「天気がいいから、温かいね」 子供をあやすように、膝の上に乗せた八重の身体を静かに揺すっていた。 自分もゆっくりと揺られながら、ずっと八重の頭を撫でている。 目はどこか遠くを眺めていた。 「何時くらい?・・・」 どれくらい気を失っていたんだろう・・・。 お日様はまだ高いところにあった。 でも、ずいぶん傾いたような気がする。 「もうすぐ3時になるところかな。」 腕時計を確かめずに言った。 八重が意識を失っている間に確かめたのかもしれない。 車の中で散々弄ばれたおかげで身体が敏感になっていた。 自分でもコントロールできないくらい気持ちよくなってしまい、挙げ句に堕ちてしまった。 京介に弄ばれると、いつもおかしくされる。 「寒くなった?」 遠くを見ていた目が、八重に落とされた。 少し風が強くなったような気がする。 熊笹のざわめきがうるさくなっていた。 「ううん、大丈夫よ・・・」 この子は、八重を弄ぶために生まれてきたのかもしれない。 そんなことを思った。 まだ京介は逝っていない。 「つづけられる?」 嫌だと言えないことを知ってるくせに・・・。 「うん・・・」 「じゃあ、つづきを始めようか」 「うん」 歳は、二十歳以上も離れている。 でも、自分がこの子の子供のように思えてしまうことが何度もある。 京介ほど八重を素直にさせる男はいない。 夫でさえ、だ。 八重は、立たされて裸にされた。 ブラとガーターストッキングは残したままだった。 一番恥ずかしいところを隠すものだけが奪われて何もない。 性毛はすっかり剃られて、上のほうにほんの少しだけ残っているだけだった。 そこだけ見たらほんとの子供のようである。 京介は、首輪に付いた金具に細い鎖を付けていった。 その鎖の端を京介に握られ、四つん這いになって、なんども同じ所をぐるぐる回った。 京介は裸にもなっていなかった。 自分は服を着たままで、八重だけを裸にしていた。 屈辱感なんてなかった。 京介が、鎖を握ってくれているのが嬉しくて仕方なかった。 喜んで、何度も同じ所を回った。 わざといやらしくお尻を振ったりもした。 このまま人前に出されてもいいとさえ思った。 散歩に飽きると、またお尻を虐めたくなったらしい。 京介もお尻は大好きだ。 さっきとは違うバイブが使われた。 コブだらけの30センチくらい長さのあるアナルバイブは、手許に伸びるほど太さも増す。 「母さん、これ好きだもんね。」 両手首に巻いた手枷は背中で繋げられ、毛布の上に胸を合わせて、お尻だけを高く持ち上げる恰好だった。 狙いを定めてゆっくりと入れてきた。 長いバイブは、容赦なくお腹の奥まで入ってくる。 すっかり疼くことを覚えたてアナルは、一粒入ってくるごとに八重を卑猥に呻かせた。 コブだらけだから、それだけたくさん声も出る。 別にこのバイブが特別好きなわけではなく、京介がずっと長いこと見つめてくれるから好きなだけだった。 たくさん声を出すから、京介は面白がる。 もっと喜ばせたくて、精一杯甘い声をあげて泣きつづけた。 ずっと見てもらいたくて折れるほどに背中を反らせつづけた。 しばらく遊んでくれて、八重はまた何度か逝ってしまった。 京介にはわかっていたようだけれど、お仕置きはしなかった。 抜いたあとに、チュッとお尻の穴にキスをしてくれた。 それだけで八重は、また逝った。 こんなセックスなんて夢見たこともない。 夫には、八重がこんなセックスで悦んでるなんて、きっと想像もできないに違いない。 相手は可愛い京介だった。 京介のためなら、なんだってできた。 目の前でおしっこをしたこともある。 ウンチが出てくるところを見つめられたりもした。 お尻の穴のしわが何本あるかも数えられた。 彼の前で恥ずかしがることなんて、もう何も残ってなかった。 まだ人間のつもりだから、羞恥心が消えてなくなることはないけれど、でも、拒む理由もない。 それだけ、京介に慣らされてしまったのかもしれない。 それからも京介に虐められつづけた。 お尻を激しく打たれて、ロウソクを垂らされた。 二本の指を激しく膣の中に出し入れされて、毛布の上にたくさん染みも作った。 またあの大きなバイブで虐められて、声が枯れるくらい泣き叫びながら、意識を遠のかせた。 青空に吸い込まれていく自分の声が、愛しくてならなかった。 「さてと・・、じゃあそろそろ母さんの中に出そうかな」 いいだけ虐めるのに飽きてから、京介はやっとジーパンを脱いだ。 きっとこの子もアパートに帰るまでは、どこにも立ち寄ることが出来ない。 前の部分にははっきりとわかるくらい大きな染みが拡がっていた。 下半身だけ裸になってから、ぼうっとしているだけの八重の膝を押し開いた。 八重は肩で息を継いでいた。 「いくよ・・」 「・・・・・」 声を出すことさえ辛くて、ぼんやり目を向けただけだった。 じっと、八重のそこだけを見つめて、京介がゆっくりと入ってくる。 「あ・・・」 全部沈めてから、覆い被さるように倒れてきた。 胸を合わせながら、首の後ろに手を入れて頭を抱えてくれる。 愛しむように頬ずりを繰り返し、何度も頬にチュッとキスをした。 これだけで、今までのすべてを許す気持ちになってしまう。 散々ひどいことをするけれど、八重の中で遊ぶときだけは優しい。 でも、これだって彼の策略だ。 楽しむようにゆっくりと動いていた。 「ああ・・・京ちゃん・・気持ちいいよ・・・気持ちいいよ・・・」 得も言われない心地よさがあった。 サイズは計ったようにぴったりで、奥まで届かせるとちょうど八重のどん詰まりに当たる。 こんなに気持ちよくしてくれるペニスを八重は他に知らない。 それが可愛い息子のペニスであるのだから、たまらなかった。 「すごいよ・・・もっと、して・・・もっと・・・」 いつまでもだらしなく濡れて止まらなかった。 「いやらしい母さんだなあ・・・」 これ見よがしに「母さん」と耳元で囁く。 「もっといやらしくして・・・お母さんをもっといやらしくして・・・」 言わせようとしているのは、わかっているけれど、どうしても自分から認めてしまう。 「いやらしい母さんには、たっぷりお仕置きしなきゃね。どんなお仕置きがいい?」 ゆっくりと動いたままだった。 八重の頭を抱えながら、その髪の毛を指の間に絡めて弄んでいた。 「赤ちゃん・・・」 目を閉じながら、眠るように答えた。 「赤ちゃん?自分の息子の赤ちゃんが欲しいの?やっぱり母さんは、どうしようもない変態だね・・」 声は優しい。 でも、言っていることは最悪だ。 罠だなんてことは、わかっている。 「ああ・・変態のお母さんに、京ちゃんの赤ちゃんをちょうだい・・お願い・・・」 わかっていても口にしてしまう。 望んでもいない言葉が、すらすらと口をついてでてしまう。 望んでいないなんて嘘だ・・・。 本当は願ってるのだ。 八重は、心のどこかで京介の子供を宿したいと願っている。 彼の子供を欲しがっている。 「仕方ないからあげるよ。変態の母さんに赤ちゃんをあげる。ちゃんとお礼を言うんだよ」 「あ、京ちゃん・・嬉しい・・・ありがとうございます・・。赤ちゃんをいただけて、ありがとうございます・・・」 「どこに欲しいか言うんだ。変態ならお尻でいいのかい?お尻で子供を産む?」 お尻はお尻で素敵だ。 でも、今はそこじゃ嫌だ。 そこでは彼の子供を身籠もれない。 「お尻じゃいや、あそこにちょうだい、お願いだからあそこにちょうだい・・」 こうして、いつも望んでしまうのだ・・・。 「あそこってどこ?このいやらしい唇か?」 京介は、八重の唇を指でなぞった。 「ちがう、あそこ・・あそこぉ・・・」 激しさなんか全然ない。 ゆっくりとゆっくりと動きつづけている。 たまらなかった。 「ちゃんと言うんだ。言わないならやらない」 不意に八重の中から京介が消えた。 「いや!いじわるしないで、お願い、いじわるしないで!・・・ああっ!」 せっぱ詰まった哀願には鬼気迫るものさえあった。 逞しいものはすぐに帰ってきて、二度と出ていくことを恐れるように八重は、はしたなく腰をくねらせた。 「ちゃんと言わないなら、今度こそほんとにやらないぞ。お尻にだすからね」 最後通牒がなされた。 ここで心から欲しがらなければ、彼は言ったことを実行する。 「いや、お尻はいや、あそこにちょうだい・・・あそこにちょうだい・・・」 これはゲームだ。 勝者なんか最初か決まっている。 意味がないこともわかっている。 でも、京介が喜んでくれる・・・。 精一杯情感を込めて哀願した。 「お母さんの・・いやらしいおマンコの中に出してください・・。お母さんの、おマンコの中に・・たくさん出してください・・・」 言ったときには、感極まって瞳に涙さえ滲んでいた。 悲しさなんか全然なかった。 お願いさえすれば、簡単に心から望んでいることをしてもらえる。 だから、悲しいはずなんかない。 「いやらしい奴だ・・・」 つぶやくように、囁いた。 指の間で弄んでいた髪が握られる。 優しく撫でてくれていた頭に、引っ張られるような痛みが走り、それまで、さざ波のようだった穏やかなリズムがたちまち暴風雨に変わって、京介の動きに激しさに増していく。 「ああっ!!!」 あっという間に八重の中で嵐となって暴れ狂った。 「はっ・・やるからな・・、ちゃんと俺の子供を孕むんだぞ・・・」 彼も息が荒くなっていた。 髪を鷲掴みにし、激しく腰を叩きつけながら、八重を睨んでいた。 「全部出してください!!!!!お母さんのおマンコの中に全部出してください!!!赤ちゃんを産みます!!!京ちゃんの赤ちゃんを産みます!!!」 声の限りに叫んでいた。 この子は、私を犯すために生まれてきた。 母親の私を犯して、赤ちゃんを産ませるために、産んであげたんだ。 心底そう思えてならなかった。 京介以外の子供ができなかったのは、きっと生まれてくるときに京介が何かをしたのに違いない。 八重を犯すのは自分だけでよかった。 だから、他の兄弟に取られないように、京介は八重を子供の出来ない身体にしてしまった。 でも、彼だけは八重に子供を作ることが出来る。 「逝くぞ!・・・ちゃんと孕むんだぞ!」 わけのわからない炎が頭の中で燃えさかっていた。 「はいっ!!」 苦しそうな顔をしながら、京介の逞しいものが一際大きく八重の中で膨らんでいく。 この子は、私に赤ちゃんをくれる。 可愛いこの子の赤ちゃんを、大事なこの子の赤ちゃんを、きっと私に授けてくれる。 「ああっ!!逝くぞ!!」 「あぁっっ!!きてっ!京ちゃんのをぜんぶちょうだいっ!!!赤ちゃんを作ってあげる!!京ちゃんの赤ちゃんを産んであげるっ!!!」 掴んでいた髪に力がこもり頭を揺さぶられる。 何も考えることが出来なかった。 乱暴に揺さぶったあと、京介は、ああっ!と大きなため息にも似た呻き声を上げて、大量の精液を八重の中に撃ち放った。 たまらなく温かいものを止め処もなく注ぎ込まれ、あっという間に膣から溢れていく。 いっぱい我慢したから、ものすごく濃いのに違いない。 それを証拠に、いつまでもびくびくと膣の中で跳ねていた。 ずっと、我慢してたものね・・・。 ぐったりとなって京介が、八重の胸の上に倒れ込んでくる。 二人で荒い呼吸をしばらく繰り返し、息が落ち着いてくると、荒々しさがすっかり消えた京介は、愛しむように八重の頬に唇を寄せてきた。 「気持ちよかった?・・」 何度もキスをしてくれて、ご褒美のように頭を撫でてくれる。 京介に抱いてもらって、気持ちよくないはずなんかない。 八重は心地よい余韻に浸るように、目を閉じていた。 肌に伝わる彼の温かい体温が、どうしよもなく愛しくてならない。 その愛しい人の子を身籠もった。 八重にはわかる。 この日八重は、自分の息子の種を宿した。
12/05/06 23:27
(MqtelcyC)
投稿者:
ThirdMan
どうしよう・・・。 その言葉ばかりが頭に浮かんだ。 いくら激情に駆られたからといって、あってはならないことだった。 丸い小窓に赤い線が浮き上がっている。 妊娠検査薬を試したのは、これで2回目だ。 間違いはあると一度目は自分に言い聞かせた。 日を置いて二度目を試してみたが、結果は変わらない。 泣きたい気持ちになった。 京介を愛してはいる。 しかし、絶対にあってはならない。 しばらくトイレから出ることができなかった。 山奥に連れて行かれた日から、ひと月以上が経っていた。 予定通り生理が来ないのを訝しんで、すぐに妊娠検査薬を手に入れた。 八重は、よほど体調でも崩していないかぎり、しっかりと来るタイプである。 これまでちゃんと来ていたものが、急に来なくなったのだから疑わざるを得ない。 結果は、見事に期待を裏切ってくれた。 なにをどうしたらいいのかも、わからなかった。 幾度となくため息を吐いてから、泣きたい気持ちでトイレを出た。 「ずいぶんと長かったな・・・。」 居間で新聞を眺めていた夫の京太郎が、戻った八重に声を掛けてくる。 「え?ええ・・お通じが悪いものだから・・・。」 「そっか・・・。」 京太郎はそれだけを言って、また新聞に目を落とした。 八重は対面に座ると、コタツの中に足を入れた。 夏に向かい、電気は切ってあるから暖かさはない。 そろそろ押し入れにしまって座卓に代える時期だった。 病院に行こうかしら・・・。 でも、はっきりわかるかしら・・・。 いつならはっきりするのだったろう・・。 確か6週目だったような・・ 明日行ってみようかしら?・・・ でも、心音が聞こえてからじゃないと教えてくれないはず・・・ いったいどうしよう・・・。 八重の頭の中には、自分の身体に起こりつつある異変しかない。 「病院へ行ったらどうだ?」 「えっ!?」 不意に京太郎が言った。 心臓を鷲掴みにされたように顔が青ざめた。 驚きの眼差しを京太郎に向けていた。 気付いてる・・・。 まさか・・・。 唇が震えた。 「おいおい、何をそんなに驚いた顔をしとるんだ?便秘だろう?お前、この前も長くトイレに入っていたじゃないか?便秘と馬鹿にしてると大変な目に合うぞ。お前も、それほど若くはないんだから、医者に診てもらったらどうだ?」 「あ・・え、ええ・・・」 そっちか・・・。 そうだ、一度目のときもずっとトイレから出ることができなかった。 心臓が止まるかと思った。 夫に気づかれでもしたら、なんと弁解すればいいのかわからない。 ここ数年、夜の生活はなかった。 夫の京太郎は、今年で55歳になる。 京介に似て精悍な顔立ちをしているが、さすがに頭には白いものが目立つようになり、額に刻まれるしわの数も、ずいぶんと増えた。 若い頃は、今の京介と同じで、それこそ八重が根を上げるくらい毎晩求めてきたりもしてくれたが、四十を過ぎたあたりから弱くなり、五十を前にしてほとんど枯れた。 今ではまったく夜の生活はなくなり、八重の身体を見ようともしない。 ベッドも別々だから気付かれる心配はないけれど、妙に勘が鋭くて、時々怖いことを言う。 「俺の定年前に倒れた、なんてことにならないようにしてくれよ。旅行も楽しみにしとるんだからな。行って悪いことはないんだから、早めに行っておけ・・・。」 京太郎はそれだけを言うと、また新聞に目を落としていった。 気付かれてはいないと知って、少しだけホッとした。 夫との営みがないのだから、妊娠などあり得ない。 「そうですね・・・。じゃあ、旅行も近いことだし、行ってこようかしら・・・。向こうでお腹でも痛くなったら、大変ですものね・・・。」 焦る気持ちが八重を性急にさせた。 どちらにせよ、早く楽になりたい。 夫は、新聞に目を落としながら、「そうしろ」とそれだけを言った。 京太郎は、今年の夏に定年を迎える。 警察官だった。 三十有余年の勤務を終えて、この夏、民間人に戻る。 定年したら、2人で旅行に出掛けようと計画していた。 夫から言ってくれたのだった。 「苦労を掛けてきた、せめてもの礼だ・・・。」 雄弁ではないが、気持ちは十分に伝わった。 初めから八重を驚かせようとしていたのかもしれない。 「もう、旅券は取ってあるんだ。」 そう言った京太郎は、照れたように2枚のチケットを八重に見せてくれた。 京介に山奥へ連れて行かれ、散々弄ばれて帰った晩のことだった。 八重は翌日になると、早速産婦人科へと足を運んだ。 数本の列車を乗り継ぎ、県外の病院を探した。 近所の病院へなど行ったら、たちまち噂になってしまう。 「心音とわずかですが胎嚢らしきものが確認できました。おそらく、五週から六週前後でしょう。」 検査を担当してくれた医師は重い口調でそう言った。 普通なら決まり文句の「おめでとうございます」はなかった。 「今年で四十・・七歳ですか。来年は八になってますね。どうされますか?」 カルテを眺めながら、また重い口調でつぶやいた。 産む産まないの意志決定権は、あくまで受胎した母親にある。 しかし、医師の言いたかったことはおそらく違うことだ。 「夫に・・相談しませんと、わかりません・・・。」 相談なんて出来るはずがない。 「そうですね・・・。では、念のためにもう一度検査することも含めて、来週ではどうでしょうか?予約を入れておきますので。」 「来週・・ですか?」 「ええ、どちらにせよ早く決めたほうが良いと思われますよ。11週までなら、堕胎も比較的楽ですから。」 この医師の頭の中には、すでに八重の選択肢は堕胎しかないと決め込んでいるらしい。 四十を越えれば、基本的に高齢出産になる。 高齢出産は、胎児に与えるリスクが大きい。 わずかではあるが染色体異常によって、ダウン症などの子供が産まれるケースがまれにある。 四十八ともなればなおさらで、より危険度は増す。 よほど子供を望んでいる夫婦でないかぎり、医師としては慎重にならざるを得ないのも、やむを得ないことだった。 八重は迷っていた。 産んではならない子供である。 しかし、産んであげたい気持ちもどこかにある。 可愛い京介の子供だった。 あの京介の子供を身籠もってあげることができた。 あの子はまだ知らない。 知ったら、喜んでくれるだろうか? とにかく早く相談しなくてはならない。 「わかりました。できるだけ早く夫と相談して、どうするか決めたいと思います。」 「そのほうがいいと思います。」 彼の中で、相変わらず天秤は堕胎へと傾いている。 産めるはずがないと言いたげな顔だった。 お腹の子の未来を簡単に奪うつもりにはなれなかった。 「もし産むとなったら、その時はまたよろしくお願いいたします。」 産んであげたいのに、あげられない悔しさが、ほんの少しだけ八重を気丈にさせた。 だが、次に繰り出された医師の言葉を聞いて八重は愕然となった。 「もちろん、患者さんの意志にはできるだけ添えるようにしたいと思います。ですが良くお考えください。今後の参考のためにお教えしておきますが、あなたのお腹の中から聞こえる心音は2つあります。」 「えっ!?そ、それは・・・」 「双子かもしれません。」
12/05/08 00:06
(xDBTXwxA)
投稿者:
ThirdMan
丁寧に頭を下げてから病院を出た。
取りあえず、ほぼ妊娠が確実となった今、八重がすべきことはひとつしかなかった。 家にはまっすぐに帰らずに、駅とは反対の方角に向かった。 京介の勤める会社がこの近くにあり、自然と足がそちらのほうに向いていた。 妊娠の事実を京介に伝えるつもりだった。 昼休みになるのを待って、携帯から電話をかけた。 どこか知らない児童公園の中だった。 小さな子供連れの母親の姿が、ちらほら目立つ。 八重は目立たないように公衆トイレ近くのベンチに座り、携帯電話を耳に当てた。 目当ての主は、すぐに出た。 (もしもし、母さんかい?) 何も知らない京介の声は明るい。 「京ちゃん・・京ちゃん・・京ちゃん・・・」 冷静に話すつもりだったのに、京介の声を聞いた途端、それまで我慢していたものが溢れ出た。 慌てて周りに目を向けたが、八重の変化に気付いた者はいそうにない。 (母さん?どうしたの?) あまり物怖じすることのない息子は、八重の泣き声を聞いても狼狽える様子はなかった。 「あのね・・・京ちゃん、あのね・・・」 必死に言葉を継ごうとするが、どうしても最後の一言が出てこなかった。 (妊娠したんだね) 不意に耳に当てた携帯の向こうで、京介が言った。 「あ、あなた・・・どうして、それを・・・」 京介に、妊娠に関することはこれまで一切触れていない。 (わかるよ。母さんのことなら、なんでもわかるさ。) ありがたいような、少し不気味にも思えるような京介の勘の良さだった。 「どうしよう・・、ねえ、京ちゃん、どうしたらいい?」 望んではいけない子供だった。 夫を傷つけるために産まれてくるような子供だった。 あれほど夫と頑張ったのに、神様は子供を授けてくださらなかった。 それなのに、欲しがってはならない人の子供は宿させた。 禁断の領域に踏み込んでしまった八重に、神様が意地悪をしているような気がしてならなかった。 おまけに双子である。 これはもう皮肉としか言いようがない。 溢れ出たものが止め処なく流れ落ちていき、唇を噛みしめる八重の頬を伝っていった。 (産めばいいじゃないか。) 呆気なく言われて、八重は一瞬耳を疑った。 産んであげたい気持ちは、確かにある。 しかし、それには犠牲にするものがあまりにも大きすぎる。 「産むって、どうやって産むのよ・・・お父さんの子供じゃないのよ・・・」 あなたの子供よ・・・。 喉まで出かかった。 (知ってるよ。俺の子供だろ?) 察することに機敏な息子は、まったく憶することなく言った。 「お父さんになんて言うの?京ちゃんの子供がお腹にいますって言うの?どんな顔をすればいいの?」 (俺の子供だなんて言う必要はないさ。) 「え?」 (取りあえず電話じゃなんだから、仕事が終わったら会おう。近くまで来てるんだろ?) 時々この子の勘の良さが怖くなる。 (どこにいるか教えて。仕事が終わったら迎えに行くから。) 八重は、公園近くに立つ電柱から住所を知ると、それを京介に告げた。 (仕事が終わったら電話する。それまで映画でも観てて。それじゃ・・・。) そこまで言いかけて、京介が慌てたように言葉を繋げた。 (それとさ、父さんから携帯に電話が掛かってきても絶対に出ないでね。いい?絶対に出ちゃだめだよ) どうして?、と言いかけたところで、電話は切られてしまった。 切られてからも、しばらくは携帯を耳から離すことができなかった。 どうして電話に出てはだめなの?・・・。 京介が何を企んでいるか、まったくわからない八重だった。 警察官の夫を持って、苦労していた八重をずっと見つづけていたせいか、京介は大学を卒業するとき、普通の仕事がいい、と言って、大手電機メーカーに職を求めた。 国立の四大を良好な成績で卒業した彼は、就職活動にもたいして苦労することなく、希望通りの仕事に就いている。 まだ、たいした肩書きも持ってはいないが、社内での評判は良く、期待もされているらしい。 京介ならば、それくらいは当然だと八重などは思っている。 何事にもあまり動じることがなく、家を空けることの多かった夫との暮らしに、それほど不安を覚えなかったのは、ひとえに、この京介がいてくれたからに外ならない。 彼はひどく頼りになったし、八重の良き相談相手でもあった。 だからこそ、これほど好きになってしまったのだし、今ではすっかり依存もしている。 「ええっ!?そんなことできるわけないわ!?」 仕事を終えて、迎えに来てくれた京介と、彼の愛車の中で話し込んでいた。 「できなくてもやるんだ。これ以外に母さんが俺の子供を産む方法はない。」 きっぱりと京介は言い切った。 駅近くの駐車場に車を入れて、二人は後部座席に移っていた。 管理人などもいない月極駐車場には、指定場所に数台の車両が止まっているだけで人の姿はほとんどない。 たまに入り口に面した歩道を、仕事帰りの人々が行き交うだけで、新たに駐車場に入ってくる車もまったくなかった。 もちろん車を停めたスペースは、京介とはなんの関わり合いもない。 「お父さん、今頃すごく心配してるわ・・・」 時間は8時を過ぎていて、それまでに夫から三度電話があった。 きっと、家に帰ってこない八重を心配して掛けてきたに違いない。 「俺の所にも2回掛かってきたよ」 重い口調でそう言ったきり、京介は黙り込んでしまう。 「やっぱり・・怖いよ・・」 八重は泣きそうになっていた。 「他に方法はないんだよ。」 京介の手が胸元から入っていた。 八重の肩を引き寄せながら、手のひらに掴んで乳房を弄んでいる。 「だって、そんなこと・・・」 「俺の子供が欲しくないのか?」 乳房をぐっ、と握られて、八重は顔をしかめた。 すぐに指の腹が乳首を撫でてきた。 「あ・・いたずらしちゃ駄目だよ・・・」 八重にも、他に方法はないように思えた。 しかし、だからといって、そんなことまでしなければならないなんて・・・。 「あ・・・京ちゃん、駄目だよ・・・気持ちよくなっちゃうよ・・・」 八重の身体の隅々まで知り尽くしている京介には、八重を落とすなど簡単なことだった。 コリコリと硬くなった乳首をいつまでも指の先で摘まれ、八重は、見る間にあそこが潤んでいくのがわかった。 こんなときに、欲しがるなんて・・。 いや、こんなときだからこそ不安を忘れたくて京介を欲しがるのかもしれない。 京介の膨らんだ股間に手を伸ばしていた。 山のように盛り上がった膨らみを手のひらに知ってしまったら、そこからはもう、欲しくてならなかった。 「欲しいよ・・京ちゃん、欲しいよ・・・怖いの忘れさせて・・・言うことを聞くから、怖いのを忘れさせて・・・」 甘えるように唇を寄せていき、哀願してみる。 乳房を遊んでいた手が下りてきて、スカートの中に潜り込んだ。 八重は、はしたなく自ら足を開いて受け入れた。 躊躇いもなくショーツを下げられ、濡れた秘裂に指が埋められる。 「あっ・・・いや・・・そんな意地悪しちゃ、いや・・・」 埋めた指は面白がるように一番敏感な突起をゆるゆると撫でつづけるだけだった。 「いつまでも、こうして俺に可愛がってもらいたいだろ?」 耳元で京介が囁く。 「うん・・・あっ!・・お願い、欲しいの・・・今すぐ欲しいの・・・」 淫らになっていくことで不安から逃れたかった。 「あとでたっぷりとやるよ。だから、今は我慢しな・・・」 「そんなの嫌・・今、欲しい・・・すぐ、欲しい・・・」 精一杯哀願してみたが無駄だった。 京介は、あきらめさせるように腕を抜いてしまうと、濡れた指先を備え付けのティッシュで拭ってしまった。 「じゃあ、行こうか。」 すぐにエンジンに火を入れる。 「でも、あんまり乱暴にしないでね・・・二人いるんだから・・・」 下着を整えながら言った。 「わかって・・・・!えっ!?ふたりっ!?」 京介が慌てて振り返る。 「そう、双子なの・・・」 八重は不安そうな目で、京介を見つめていた。
12/05/08 21:06
(xDBTXwxA)
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