ジュースが来た。２人で乾杯する。｢アズミちゃんってもうちょっと化粧を上手くすれば、変わると思うよ？｣｢そんな事…｣｢いやいや…素材いいよ｣｢…嘘でも嬉しいです｣｢嘘じゃないし…メイクアップしてあげようか？｣｢恥ずかしいです｣｢メイク道具ある？｣｢あるけど…｣｢じゃぁ今のメイク落としてきて｣と半ば強引に言ったらアズミはトイレに行ってメイクを落としてきた。アズミが持ってるメイク道具は少なかったので、｢アサミちゃんにユキちゃんメイク道具ちょっと貸して｣｢いいけど何するんですかぁ？｣｢アズミちゃんをちょっとだけ改造するの｣と言って道具を借りた。｢終わったら言うから見ないでね｣と言って取り掛かった。｢俺好みでいい？｣｢…はい｣｢まぁこのままでも十分俺好み何だけど｣と言うと顔が赤くなった。｢簡単に出来るやつね｣と言って進める。１０分程で終わった。｢うん…素材がいいから早く出来た｣と納得の仕上がりに満足した。｢出来たよ｣と言って御披露目をした。｢おお～っ｣と歓声が上がった。

｢アズ…こっちの方がいい｣｢うん…凄いっ｣｢さっきと全然違う｣｢可愛いくなった｣と皆言った。｢ホント？｣と言って鏡を持って自分の顔を見た。｢これが…私？…凄い｣｢アズミちゃんは元がいいからメイクするのも楽だったよ｣｢さすが元美容師っ｣｢やるねぇ｣｢私もして貰いたいっ｣｢多分無理…今までで一番の出来だから｣と自信満々に言った。アズミは｢そんなに見ないで…恥ずかしい｣と言って顔を伏せた。恥ずかしがり屋で自分に自信がないんだなぁと思った。…二次会でカラオケに行った。俺はアズミの隣りをキープした。｢アズミちゃんは歌手誰が好き？｣｢ドリカムです｣｢そうなんだっ…俺もライブに行く位大好き…じゃぁリクエストしていい？俺も歌うからさ｣｢でも下手ですよ？｣｢いいよ…気にしない俺も下手だもん｣｢じゃぁ一緒に…｣と言って[サンキュ]を入れた。その次に俺は[未来予想図]を予約した。アズミがまず歌った。綺麗な透き通った声をしていて凄くうまかった。俺は聞き惚れた。｢うまいね｣｢そんな事ないです｣｢綺麗な声だった｣と言うとまた恥ずかしがった。

今度は俺が歌う。歌い終わるとアズミは俺を見て｢凄い…難しい歌なのに巧かったです｣と嬉しそうに言った。ドリカム効果でアズミとの距離が縮まった。そっと手を握ると握り返してきた。時間も迫り最後に[未来予想図Ⅱ]を入れて、アズミの手を握りながら歌った。アズミは俺の肩に頭をそっと乗せ聴いていた。歌い終わりアズミを見ると少し泣いていた。｢男の人が歌うとまた変わりますね｣｢今度はアズが歌ってね｣と言うと俺を見て｢はい｣と言った。外に出て駅まで歩いた。駅でアズミとアドレスを交換して、その日は別れた。それからアズミと時々メールをして、２人でデートする事になった。デート当日車で駅まで迎えに行くと、アズミは俺に気づき車に乗った。｢久しぶりっ｣｢お久しぶりです｣車を走らせ映画館へ。お互い緊張して無言だった。映画館で手を握る。映画が終わっても無言。絞り出した言葉は｢ご飯何食べる｣だった。多分声が震えていたと…。｢何でも食べます｣とアズミ。｢じゃぁ…サイゼリア行こうか｣｢…はい｣と言ってサイゼリアに行った。

｢ゴメン…何か緊張しちゃって…｣｢フフッ…実は私もです…話さなくても楽しいですよ｣｢ホント？｣｢はい｣と笑顔で言った。スウィーツを食べると｢ヒロさんて…甘い物すきなんですか？｣｢うん…好きだよ…昔からねアズは？｣｢私も好きです｣…支払いをすると｢あの…これ｣と言ってお金を出してきた。｢いいよ…奢り｣｢でも…｣｢本当にいいよ…アズは大学生なんだし気にしないで｣｢ありがとうございます｣｢それと敬語はなし…よそよそしく感じるから…ヒロさんじゃなくてヒロって呼び捨てでいいよ｣｢…じゃぁヒロ…君｣｢それでいい｣と言って手を握って歩き出した。すぐ隣りのモールに行った。あちこち見て廻る。小物屋に入った。｢わぁ～っ可愛い｣とアズははしゃいだ。｢どれか気に入ったのあれば買ってあげるよ｣｢えっ!?いいの？｣｢うん…いいよ｣｢でも…｣｢でもはなし｣と言うと｢はい｣と返事をした。どれにしようかと見入る。ノースリーブの胸元から胸が見えた。おおっ!?結構あるなとガン見した。｢コレにする｣とリングを手に取った。

リングをレジに持って行き会計をした。袋を渡すと｢ヒロ君ありがとう｣と笑顔を見せた。他の店も廻る。｢何か欲しい物ある？｣｢ううん…大丈夫…ありがとう｣…アイスを買ってベンチで食べた。お互いのアイスを食べる。｢あっ!?間接キス…｣と言ってお互いに照れた。またモール内をぶらぶら。時間も大分経ち帰る事に。｢家まで送るよ｣｢えっ!?いいよ駅で｣｢遠慮しないで…｣と家まで車を走らせた。｢アズ…また誘ってもいいかな？｣｢…うん｣｢今日は緊張しちゃってあれだけど…楽しかった｣｢…うん私も｣｢ホント？｣｢ホントだよ｣…家に着く｢じゃぁ…またね｣｢じゃぁねアズ｣一回目のデートは終わった。…それから二週間後、二回目のデート。アズの家に行き乗せる。｢あの…図書館行って貰っても？｣｢いいよ…ナビして｣と図書館へ行った。｢小学生以来だな…｣｢フフッそうなんですか｣車を降りる。｢借りたいのあるんで…｣｢俺もちょっと見よう｣本の匂いがする。俺は漫画の所に行った。気になったのを一冊取って立ち読みする。読み耽っているとアズが来て｢ヒロ君終わったよ｣と声を掛けてきた。車に向かう。｢よく来るの？｣｢うん…勉強しに来たり借りたり｣と言った。