ゼツは

ナイキのジャージの女を

S・Yと呼ぶようになった


雨の日であればコインランドリーに行く事が増えて行く











金舟にマークされているのもしらずに！

ゼツは

ナイキのジャージの女を

S・Yと呼ぶようになった


雨の日であればコインランドリーに行く事が増えて行く











金舟にマークされているのも知らずに。

金舟の相棒で北山


通称北さん。
色黒で歌を歌わしたら右に出る者がいないくらい上手い人である。


その北さんは、ブランド店にいた。

あれ以来、コピー商品、ボタン注文がないか？

聞き取り調査である。

が、全くなし。全国のブランド店でもなしである。



店長
「刑事さんも大変ねー。何か有れば連絡しますから」

北さん
よろしくお願いしますね。


と


立ち去ろうとした時




店長
「あらー、久しぶり過ぎじゃないの。フランスでの新婚生活はどうなの」


北さん
じゃー、お客さんみたいだし帰ります



と


店を出て


エレベーターを待っていると


携帯が鳴る



着信を見ると、さっきの店の電話からである。


電話を出るより戻った方が早いとばかりに、店に戻る北さんであった。


なんだろうか？

急ぎ足で店へ引き返す北さん。


店長は
「あっ、電話に出ないから帰っちゃったかと思ったわ」


北さん
「なんか、思い出したんですか？」

店長
「この子、秋ちゃんて言うんだけど、うちの店で10月25日まで働いてくれてたのよ。それでね。」

北さん
「それで？どうしたんですか？」　　


秋ちゃん
「はじめまして、高木秋です。私、フランスに服のデザインの勉強に2年行く予定で、10月25日まで働いてたんですけど」


北さん
「そうなんですか」

秋ちゃん
「ハイ、26日の飛行機でフランスに行くので25日の早めの3時で帰らせてもらいましたけど」


北さん
「で？」

秋ちゃん
「25日の2時30分を回ってから、ボタンを欲しいってお客さんが来たんです。あの時、店長はビルのテナントのオーナー会で不在でバイトの女の子もキヨミちゃんも他のお客さんを接客してたんで、誰にも報告、申し送りしないまま3時に帰ってしまいました。」


店長
「刑事さん、秋ちゃんは2年間のデザインの勉強のつもりがフランス男性に見初められて、結婚して３年ぶりに日本に帰って来たわけ。その間、手紙だけはくれてたけど、秋ちゃんと話するのも３年ぶりで、今さっき初めて聞いた次第なのよ」


北さん
「いやー荘でしたか。で、ボタンを欲しいってお客さんは、どこの誰かお聞きしましたか？」

秋ちゃん
「どこの誰かは聞いてません。コピー商品でボタンの色も薄いので違和感有りますし、ブランドとしてはコピー商品にボタンを付けさせて頂くような事はお断りをしてますからと、丁寧に説明しましたから。」


北さん
「どこの誰か聞かないですよね。特徴とかは覚えてませんでしょうか？」


秋ちゃん
「水商売風の人でした。若作りしてる感じでしたが30半ばくらいで、話し方からするとママさんみたいに感じましたから。」

北さん
「水商売風のママさんみたいな感じですか。他に何か特徴なかったですか？」


秋ちゃん
「３時に予防接種に行くと言って急いでましたね。えーと、○○ちゃんの予防接種を予約してるとかで、、、、確か、、、○○ちゃんてのは女の子の名前で、、そうそう、北斗の拳に出てくる、、、、○○ちゃん、なんて言ったかなー、、、」



北さん
「北斗の拳の女の子なら、リンちゃんじゃないですか？」



秋ちゃん
「それそれーー！リンちゃん！私北斗の拳のマンガが好きだったから。リンちゃん！リンちゃんの予防接種が有るからと車にまたしてるしって帰っていきましたよ」


北さん
「水商売風のママさんみたいな30半ばぐらいの女性で３時にリンちゃんの予防接種が有るからと帰って行ったわけですね。」


秋ちゃん
「そうです。マンガに出てくる名前だから覚えてます。」


北さん
「ありがとうございます。また、聞きたいことが有るかも知れませんので、こちらの連絡先と、あなたの連絡先もお聞きして置きたい思います」


と



連絡先を交換し深々と頭を下げて店を出る北さん｡


駐車場の車に乗り込むと、


金舟さんに電話する。

11月3日に現場一帯をくまなく捜査して、犯人の手がかりになるようなものを丸２日掛けて出てきたものは


長年、野ざらしになっていたような空き缶、ペットボトル、雑誌、軍手、サビサビのドライバーに弁当のガラ、

ゴミの山の中、


唯一

新しさを感じる物は


あの


Rのボタンであった。



5日の夕方に鑑定結果が出て


6日にブランド店に聞き取り調査に行ったわけであるが


その約二週間前ほどの10月25日にボタンの持ち主らしき女性が来てたとは


そんな事を思いながら


呼び出し音を聞いている



プルプルルルー、プルプルルルー


もしもし、金舟さん、、北山です。



「北さん、なんかいい情報でもあったか」


金舟さん、コピーのボタンの持ち主が解るかもです。


北さんは、ブランド店でのやり取りを一部始終説明した。


「よし！10月25日午後3時にリンちゃんて子供の予防接種を予約してるからと帰って行ったんだな。小児科、内科、病院関係をしらみつぶしに当たってくれ！俺も署にもどる。」




　

しらみつぶしに

病院関係を当たるが


水曜の午後休診の


多いこと！




なぜだ！

高木秋さんの話からすると

2時30分を回ってから来たと言うこと

もうじき、3時ね

と急いで帰って行った


とすると
駐車場迄の距離と時間も考え

2時35分から2時45分迄の間に、来店し帰って行ったと逆算

ブランド店から

まずは、半径5キロ圏内の病院、医院に的を絞り捜査する形を取る

総合病院4件

町医者、医院等が小児科、内科、外科も含めて15件


総合病院以外は

15件のうち、水曜の午後休診が7件



で


肝心の「リンちゃん」て患者が予防接種に来ていない！

69歳の水野凜

ってお婆さんがインフルエンザの注射を受けに来てるだけ。


念のため捜査協力してもらい、話を聞かせてもらったが


全く無関係。


一応26日27日28日も当たるが



リンって女の子は予防接種に来ていない！


風邪で26日に

吉野林檎ちゃんが診察に来ている


念のために、話を聞かせて貰いに行ったが

母親は25歳で水商売とは、ほど遠い。


家族、友人関係にも30台の水商売風の人は居てないとのこと。


なぜだ！



北さんは

吉野林檎ちゃんの自宅から


ガックリと肩を落としながら

住宅街を歩いていた


高木秋さんの証言は間違いないはずである。

話の流れからして25日の午後3時で間違いない。

3年前の記憶と言えど信憑性は100%と思われる



そんな時に

すぐ横の家のコリー犬が

ワンワンと吠えてくる


北さんは

そのコリー犬の前で立ち止まった。


すぐに家の奥さんが出てきて


散歩に連れて行って貰うところだったんだろう。

鳴きおさまって飼い主にジャレついている




さー、バット散歩行くわよー





バット、



北斗の拳で



リンと言えば、バット！



女の子って




もしかしたらペットか！



そうに違いない！



すぐさま捜査本部に電話を入れる北さん！


動物病院だ！