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1:祖母・昭子
投稿者:
雄一
女の人の、男子として妙に気持ちをそそられそうな甘い化粧のような匂いを、
僕は鼻孔に感じ、同時に薄くすべすべとした布地の感触を通して、人肌の温み を頬肉の表皮に感じさせられて、茫漠とした気持ちで薄目を開けた。 すぐ間近に人のような気配を感じ、顔を少し動かせて目を大きく開けると、 畳に寝転んでいる僕の身体に、誰かが覆い被さってきているようだった。 開けた目の真ん前に、薄い水色のすべすべとした布地が揺れていて、その布 地の中の人肌の温みが、感じのいい化粧の匂いを含ませて、僕の顔のあたりの 空気をほんのりと包み込んできているのだ。 少し慌て気味に顔を上げた時、僕の鼻先と頬に水色の薄い布地の中の柔らか い肉が触れてきたのがわかった。 居間の畳の上に僕は身体を横たえて、うたた寝よりももう少し深い眠りの中 に落ちていたのだ。 そこへ風呂から上がってパジャマ着替えた祖母が来て、寝入っている僕にタ オルケットを掛けてくれていたのだ。 寝がえりか何かでタオルケットがずれたのを、祖母がまた掛け直してくれる のに身体を僕に寄せてきた時に、僕が目を覚ましたのだった。 「風邪ひくわよ、こんなとこで寝ちゃ」 身体を少し離して、祖母がかたちのいい唇から白い歯を覗かせて微笑んでき た。 「あっ、ごめん。婆ちゃんにおやすみの挨拶しようと思っ てたら、つい寝込 んじゃった」 「そんな気を使わなくていいのに」 「あ、それとね、婆ちゃんにいい忘れてたことあって」 「何、いい忘れててことって?」 「あのね、僕の発見なんだけど…演歌の歌手でね、三味線抱えて歌う人で、 その人の顔が婆ちゃんにそっくりなんだよ。名前はたしか…長山、何とかってい う人。スタイルも婆ちゃんと一緒で小さくて奇麗な人。何日か前にテレビに出て たんで母さんにもいったら、驚いてた。」 「そうなの。婆ちゃん喜ばなくちゃいけないわね」 「ああ、そういえば、婆ちゃんの娘の母さんもチョイ似てるね。でも婆ちゃん はほんとに瓜二つだよ」 「はいはい、もういいから早く寝なさい」 「うん、おやすみ」 他愛のない話を祖母とし終えて、寝室の布団に身体を横たえると、現実の状況 がすぐに僕の頭にもたがってきた。 竹野という男のことだった。 当然に、僕はまだ竹野本人には会ってはいなくて、知っていることといったら、 年齢が祖母よりも二十二も年下の四十二歳で、例の高明寺のお守り役として働い ていて、坊主頭であることと、性格的には自分の書いた下品で下劣としか思えな いような拙文をわざわざ祖母にメールに書き写させて、それを読ませたりとか、 相当な偏執狂のような面があったりという変人的な人物のようである。 祖母のスマホのメール情報では、過去に離婚歴があり、この村へは四年ほど前 に流れ着いたとのことだが、それまでの住まいとか仕事歴はわかっていないよう だ。 祖母との性の関係もそうだが、推測するまでもなく、所謂SM嗜好者であるのは 間違いないようだ。 性の問題は、たかだか十六歳でしかない、著しく若輩の僕が偉そうにいうべき ことでないことはわかっているので、どうこうと意見はいわないが、SM嗜好その ものについては、僕自身は侮蔑や軽蔑の対象外だと胸の奥では密かに思っている。 恥ずかしいことだが、思春期真っ盛りの一年ほど前のある時期、僕は女性の生 理について、唐突に歪んだ好奇心を持つようになり、自宅の便所の汚物入れにあ った自分の母親が捨てた汚物を手に取り、テッシュに包まれたものを開いて、赤 い血や黄色い沁みを見て、訳もなく興奮したことがある。 人はさまざまなのだと僕は思う。 つつましく穏やかで清廉な僕の祖母を、恥ずかしく凌辱し虐げる竹野という人 物には、憎悪や嫌悪や憤怒といった感情が、何故かあまり湧いてきていないこと に内心で少し驚いているというのが、僕の正直な気持ちで、肉親である祖母には 申し訳ないのだが、性行為に伴うSM嗜好への興味の思いのほうが強いのかも知れ ないと恥ずかしながら思っているのだ。 「明日の夜ね、婆ちゃん、また寄り合いがあるの。雄ちゃん、留守番お願いね」 祖母の口から待望(?)の言葉が出たのは、それから三日後のことだった…。
2023/01/27 22:12:19(7WqPo0xO)
投稿者:
雄一
尼僧と名前が出ているスマホの画面を観て、あの人の名前、真野綾子といってた
から直しておかないとな、と思いながら、僕は着信ボタンを押した。 「もしもし…雄一さん?」 ですか?ではなく、まるで恋人でもあるかのようにさも親しげに、名前で呼ばれ たのが、少しばかりこそばゆい感じがした。 「ああ、綾子さん」 と僕も恋人気取りの声で返答した。 「あら、私の名前しってみえたの?」 「好きな人の名前なら、どんな手段使っても調べますよ」 ここで僕は、思わぬいい間違いを仕出かしていた。 好きな人ではなく、素敵な人といおうとしたのだ。 怪我の功名かどうか、綾子さんの声が急に明るくなり、 「お婆さんに用があって電話したら、あなたがこちらへ来てるって聞いたものだ から…あ、そういえばお婆さん、お知り合いでご不幸があったみたいで、今日は隣 村で泊まりになるとかで…」 それで僕のスマホに電話してきたのか、と心の中で思いながら、 「こ、この前は…つい調子に乗っちゃってすみませんでした…」 と過日の無礼を詫びると、 「あ、い、いいえ。こちらのほうこそ大人げなくて…」 と恐縮と気恥ずかしさの、入り混じったようなした声で返してきた。 「綾子さん、今お一人ですか?」 僕は声の調子を少し変えて、大人ぶったような声で尋ねた。 「え、ええ…」 「僕も祖母がそんなことでいないので、一人なんです」 会話がそこで少しの間途絶えた。 「あ、あなたもお婆さんと、ご一緒だったんでしょ?…疲れて」 綾子さんのその言葉を遮って、 「あなたの顔見て寝たい」 と僕は切り返していた。 また、尼僧の綾子さんが黙りこくったが、間もなく、 「来て…」 と何かを吹っ切るような声音でいってきた。 僕はというと、つい今しがたに、神妙に反省の思いに浸っていたことが嘘だっ たかのように、座椅子から勢いよく立ち上がり玄関口に小走っていた。 どういう男なんだ、僕は? そんなことを思いながら寺への細道を、僅かな月の光を頼りに歩いた。 綾子さんの住家の玄関前に立つと、チャイムボタンを押す前に、中のほうから 灯りが点いた。 細身の人影が摺りガラス越しに見えた。 硝子戸が開いて、いつもの袖頭巾に法衣と羽織り姿の、綾子さんの色白の顔が 少し俯き加減に見えた。 先に彼女に頭を下げられた僕は、慌てた声で、 「こんばんわ」 と返すと、何故か自分の気持ちが急に落ち着き出したのを感じた。 夏休みの時、綾子さんから叱責に近い言葉を浴びた、居間の座卓の前に座るま で、二人の会話は何もなかった。 「数日前の、妹さんが一緒だった、あの夜のことが、今も忘れられずにいます」 先制攻撃というのでもなかったが、僕のほうから切り出した。 お世辞や嘘の言葉ではない。 予め用意しておいてくれたのか、綾子さんはポットからコーヒーカップに湯気の 立つコーヒーを注いでくれながら、 「あなたには、私の恥ずかしい面ばかりを知られていて、こちらのほうが赤面し ていますのよ」 座卓を挟んで対面に座った綾子さんは、終始僕とは視線を合わそうとはせず、細 い顎を俯けたままだった。 「今も、あなたを抱きたい一心で来ました」 目の前の相手の表情は無視して、僕は直球勝負でいった。 誰に教わったわけでもなく、僕の思考の中にもない、こういう時の人との対峙手 法が勝手に、こんな若造の自分の口から澱みもなく出てくることに、僕自身が内心 で驚きながらの直球勝負だった。 綾子さんが以前に密かに書き残した、あの長文日記を何度も読み返したりしてい るうちに、彼女の内面の被虐性を、僕は知らぬ間に自分の記憶装置の中に入れ、若 造なりに都合よく咀嚼しているのかも知れないと、漠然とだが僕は思っていた。 夏にも終わりが見え、夜になると空気も冷え込んだが、室内はエアコンの熱風で 程よく温もった空気が漂っていた。 「綾子さん、ここの襖、開けていいですか?」 コーヒーを一口啜った後、徐にそう聞いたこの時の、僕の顔の表情は、おそらく 意地の悪い眼差しになっていたのだろうと思う。 綾子さんの、口紅を薄赤く引いた下唇が、狼狽えたように微かに動いた。 襖戸の向こうは八畳の仏間だ。 「僕もその気で…あなたを抱くつもりでここに来てます」 彼女の狼狽を助けるつもりで、僕はさりげなくいって、自分から動いて間仕切り の襖戸を開けた。 薄暗い室の中央に、派手な花柄模様の布団の上下が敷かれていた。 「今夜はこちらに泊めてもらおうと思ってますが?」 元の席に戻って、僕は顔を朱に染めて俯いたままの綾子さんを凝視した。 自分の心の中に二面性性格の、悪い面が出てきていることを、僕は内心で承知し ていた。 弱冠十六の少年が、知らぬ間に素直な少年でなくなっていくのだ。 「綾子さん、こちらへ来てください。それとも僕がそちらへ行きましょうか?」 僕の声が終わらないうちに、綾子さんはその場から立ち上がり、畳を擦るように して、僕の横に来て力なく膝を崩してきた。 綾子さんの上品な女の香りが、僕の鼻先を漂い流れた。 「あっ…!」 小さな声で綾子さんが驚きの声を挙げた。 僕の片手が素早い動きで、彼女の法衣の襟の中へ滑るように潜り込んでいたのだ。 潜り込んだ手の先に、綾子さんの乳房の柔らかな感触が直に伝わってきた。 もう片方の手で羽織を着た彼女の肩を掴み取り、自分のほうへ引き寄せると細身 の身体はいとも容易く、僕の胸の中に飛び込んできた。 僕のそれほど広くもない胸の中に包まれた綾子さんが、不安げに慄いた表情の顔 を上げてきたのを狙って、僕は自分の顔を彼女の蒼白気味のかおにちかづけ、その まま唇を塞いだ。 嗅いだことのある甘い口臭が、僕の口の中にすぐに広がり、同時に下腹部に強い 刺激が走った。 元より尼僧の綾子さんに自分への抵抗心がないことはわかっていたが、悪の思い の勝った僕の内心では、彼女をもっと辱めたいよいう淫猥な気持ちが沸々と湧き出 してきていた。 綾子さんの法衣の襟に潜った僕の手が、僕のその邪悪な思いを実証するかのよう に激しく動き、彼女の法衣の襟をさらに大きく乱れさせ、片方の肩の白い肌と、乳 房の片側がが露わになっていた。 お互いが求め合うような雰囲気で、長く重なっていた唇が離れた時、僕から綾子 さんを布団の敷かれている次の間に、顔と目で促した。 彼女は乱れた襟を直しながら従順に従った。 掛け布団をわざと乱暴に跳ね上げて、僕は敷布団の上に綾子さんを座らせたのだ が、正座ではなく両手を後ろにつき、両足の膝を折り曲げるように指示した。 両足の膝を曲げて立てたことで、必然的に尼僧の法衣の裾は乱れ、白い脹脛や太 腿が露わになった。 僕は彼女の正面に俯せになって、裾の割れた奥の股間に目を向けると、いきなり 漆黒の茂みとその下の肉の裂け目が目に飛び込んできた。 両手を後ろにつき、袖頭巾の下のすでに上気しかかっている顔を妖しげにのけ反 らせている彼女を見て、 「あんた、仏に仕える身のくせに、どうしようもないスベタだな」 と僕は下品な口調で罵るようにいってやった。 「ああっ…は、恥ずかしい!」 「ふん、よくいうよ。俺はここまでの指示はしてないぜ」 僕の性格は完全に裏返り状態になっていて、言葉遣いも下品で粗野になっていた。 「もっと、足を開いて見せろ」 何かに堪えているのか、綾子は歯で下唇を強く噛み締め、細い首を左右に小さく 振っていたが、足のほうもゆっくりと開いてきていた。 やがて乱れた裾の片方が、立てた膝から滑るように下に落ち、白い太腿の奥が陽 が差したように明るく見えた。 漆黒の繊毛の先端部分までが鮮明に見え、その下の薄黒い肉襞が少し割れて、妖 しげに濡れそぼっているような、濃い桜色の柔肉が覗き見えた。 女性のその部分をこれほど間近で凝視することは、僕にとっても初めてのような 気がしていた。 アダルトビデオ情報で、こういうのを視姦とかいうらしい。 概してナルシスト系の女性に効果があるとのことのようだが、この尼僧の綾子に もそういう傾向がないでもないような気がする。 その視姦行為を暫く続けた後、割れたままの綾子の股間の漆黒の下に僕は片手の 指を突き当てるように伸ばしていった。 濃い桜色の柔肉に指の先端が触れると、綾子の全身がビクンと大きく震えた。 そして綾子の剥き出しのその部分は、確実に僕の指の先に滴りの感触を与えてき ていた。 「あんた、男なら誰でもいいのかい?」 「ああっ…そ、そんな」 「誰でも来てくださいって、ここが濡れて誘ってきてるぜ」 「そ、そんなことは…」 「女の身体は正直なんだな」 「い、いわないで…ああっ」 「五十五の熟れた女が、まだ十六の純真な少年を誘ったりして、恥ずかしくない のかよ」 「あ、ああっ…あ、あなたが」 「俺が何だって?」 「あ、あなたがこんなに…」 「あんたのあの日記読んでると、男なら誰でもよかったんじゃないのか?」 「そ、そんなことは…」 「あれでいうと、誰だっけかな?…そうだ、湯川とかいうあのSMショーの主催者 との絡み合いが、すごくよかったのか、かなり細かく書いてあったよな?」 「そ、そんなこと…」 「最初に燃え上った竹野って男も、かなりよかったのかな?…そうするとたかだ か十六の坊やの俺なんかとのことなんか、屁みたいなもんだな?」 「ち、違うわ!…あ、あなたのこと、そ、そんなじゃ」 「若いだけの俺のヤキモチか?」 いつの間にか俯せになっている僕の身体が前摺りしていて、膝を立てた綾子の足 首のところまで顔が寄っていて、奥に差し伸ばした指の半分以上が、彼女の膣内に 埋まり込んでいた。 こういうねちっこい行為は、あまり僕の好みではなかったが、言葉で責め立てる のもエロ本か何かで仕入れた情報のような気がする。 「例の中学校の時の教え子とは、今も付き合ってるのか?」 思い付きで出たこの言葉で、僕はもう一つのことを思い出していた。 国語教師の沢村俶子のことだ。 綾子も国語教師の経験があり、いつの日か教師二人を並べて抱いてみたいという、 馬鹿げた発想が僕の頭に漠然と湧いた。 俶子も前に、その尼僧さんに会ってみたいとかいっていたような覚えがある。 これは馬鹿げた発想で終わらせたくないという気が、見る見る僕の気持ちの中で 具現化してきていた。 「どうなんだ、教え子とは?」 綾子の膣内に潜ったままの指先に、少し力を込めて問い質すと、 「ああっ…は、はい。メ、メールだけのやり取りは…」 「ふふん、あんたも忙しいな」 「ね、ねえ…お、お願いですから、もうそんなに虐めないで…」 「ふん、こうしてるほうが楽しいよ。ほら、俺の手見てみろ。あんたから湧き出 る汁でぐっしょりだよ」 そういって僕は、綾子の膣内から抜き出した手を、彼女の顔の前に翳してやった。 嘘ではなく翳してやった僕の手は指だけではなく、手のひらから手首にかけてま で、手洗いの後のように夥しく濡れ滴っていた。 綾子の淫靡な愛液に濡れそぼった自分の手を、僕自身も目の当たりにして、急激 な欲情が下半身のほうから沸々と湧き上がってきて、勢い任せに彼女の身体に飛び かかっていった。 彼女の身体の上に覆い被さり、法衣の襟を左右に力任せにおし開き、熟れきった 丸みのある柔らかな乳房をわし掴み、手の指に力を込めて揉みしだいた。 「ああっ…も、もっと強く!」 僕のこの起動を待ち望んでいたかのように、綾子は自分の両腕を強い力で僕の背 中に巻き付けてきた。 片手でジーンズのボタンを外し、トランクスと一緒に足首から抜くと、急き焦る 童貞男のように、綾子の股間の沼地に向けて、僕は自身の屹立しきっているものを 突き刺していった。 「ああっ…こ、これが…ほ、欲しかったの。…あ、あなたの」 「嘘つけ。お前は男なら誰でもいいんだろ?」 「ち、違う、違うわ。…あ、あなたがほんとにす、好きなの!」 「俺の、こんな若い俺の、奴隷にでもなるってか?」 「え、ええ。…な、なるわ。あ、あなたの奴隷に!」 綾子の法衣の帯は解かないままで、僕は彼女の白足袋だけの片足を抱え込んで、 闇雲に突き立てた。 今夜、ここへ来るまでの間に予期せぬ行き掛りで、近所の五十代の叔母さんを抱 くことになり、そこで一戦を終えている僕には思わぬ持久力が備わっていた。 僕の身体の下で五十五歳の綾子は、飢えた牝犬のように、激しく喘ぎ悶え狂った。 同じ態勢で僕がひたすら突きまくっていると、綾子はやがて白目をむいて、その まま意識を失くした。 それでも僕はつらぬく行為を止めず、綾子の膣内に夥しい白濁を放出して、どう にか果て終えた。 綾子が意識を戻し、我に返ったのは、十数分ほど経ってからだった。 「わ、私…ど、どうしちゃったのかしら?」 狼狽えたような声でそういって、横で仰向けになっている僕に慄きの目を向けて きた。 「どうもこうもあるかよ。自分一人だけ勝手に昇天しやがって。興覚めもいいと ころだ」 本当はそれほどでもなかったのだが、僕は故意的に悪態をついて、慄きの目のま まの綾子を突き放すように背中を向けた。 綾子は身体を起こし、僕の顔を覗き込むようにして、詫びの言葉を何度も口にし たが、僕は目を瞑ったまま言葉は一言も発しなかった。 僕は本気で怒っていたのではない。 さすがに若い僕にも、相手と場所を違えての二連戦は少しばかり応えたようで、 睡魔に全身を襲われかけていたのだ。 「眠くなってきたから寝る。…お前がよかったからだ」 心根の優しい僕は、最後にそういってやって、間もなく深い眠りの底に堕ちた。 その夜、見た夢の中に、何故か、この前にスターバックスでコーヒーを僕に奢っ てくれた、高校の同学年の村山紀子の健康的な笑顔が出てきていた…。 続く
23/03/20 13:35
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投稿者:
雄一
翌日の朝、それほどの神経質でもない僕だが、布団が変わっているせいか、休日の
日にしては珍しく八時前に目が覚めた。 枕の横にジーンズとポロシャツが、奇麗に畳まれて置いてあった。 それを見て僕は、ここが寺の尼僧の綾子の住家だと気づき、昨夜の悦楽の出来事を、 まだ寝惚け気味の頭に思い浮かべていた。 服を着て居間に続く襖戸を開けると、黒塗りの座卓の上に朝食の用意がされていて、 尼僧姿の綾子が、台所のほうから味噌汁の湯気の立つ椀を載せた盆を手にして、居間 に入ってくるところだった。 「おはようございます」 昨夜のことが何もなかったかのような、自然な顔と声で、綾子が僕に挨拶を送って きた。 「おはよう」 と僕はぶっきらぼうに言葉を返して、座布団に座った。 自分の家では見たこともない数の皿が、幾つも並び置かれていて、僕は少し気後れ しながらも、若い分だけ箸と口は動かせて腹の中に詰め込んだ。 袖頭巾姿でつつましやかに、箸を動かせている中年女性と、どこにでもいそうなポ ロシャツとジーンズ姿の、まだどこかにあどけなさも残っていると、たまにいわれる 若者との、この朝食時の光景を、他人が見たらどう思うだろうなと、僕は内心でそん なことを思いながら、食後のコーヒーもあまり品よくなく啜った。 「雄一さん…」 昨夜のこともあってか、尼僧の綾子が少しおずおずとした声で、僕の名前を呼んで きた。 返事はせず、顔だけ向けると、 「お婆さん、今日の午後からお葬式だっていってたから、あなたも早く帰ってあげ ないと」 といわれ、僕は慌ててその場を立ち上がった。 近所の叔母さんの家を出てすぐに届いた、祖母からのメールを僕は思い出した。 (吉野氏の葬儀が明日の二時になったので、十時までに帰ります) そんな内容だったが、尼僧の綾子にいわれるまで、僕は全く忘れていた。 慌てて玄関口に向かうと、背後から綾子の声がした。 「昨日はごめんなさい。あなたを怒らせてしまって…」 それには返答しないで靴を履き、玄関の戸に向かおうとすると、 「あなたに嫌な思いで帰られるのは嫌…」 とまたいってきたので振り返ると、驚いたことに涙目になっているのが見えて、今度 は僕のほうが狼狽えてしまった。 「怒ってなんかいないよ、綾子」 そう返してやると、悲嘆の表情がすぐに変わり、口紅を薄赤く引いた唇の端に薄笑み を浮かべていた。 「気をつけてね。お婆さんにもよろしく…あ、それから…私のことも忘れないで」 尼僧の綾子は自分のいいたいことだけいって、指の長い手を振って笑顔で見送ってく れた。 草だらけの細道を歩きながら、スマホで時刻を見ると、九時少し前だった。 祖母も時々わからない時があるが、今しがたの尼僧の思いがけない涙といい、熟女へ の対応というのは意外と難しいと思いながらの帰路だった。 「熟女のトリセツ」というタイトルの本が出たら、僕は真っ先に買うつもりだ。 祖母が少し疲れた表情で帰ってきたのは九時半過ぎだった。 台所に立った祖母は、すぐに僕にいった。 「お夕飯食べなかったの?」 「あ、あの、それが…」 「それがって?」 「し、下の家の叔母さんがね。昨日の帰り道の途中で会って、婆ちゃんが これこれで いないっていったら、晩飯食べに来いって誘われて」 「まあ、吉崎崎さんとこで。お礼ちゃんといった?」 「うん、いったよ」 居間に来ると、 「新聞読んでないの?」 「は…?」 「昨日私が出かける前に置いたそのまま」 「あ、ああ…学校の調べもので、パソコンと睨めっこだったから…ここでそ、そのまま 寝てしまって」 「バカねぇ、風邪引いたらどうするの?」 このままでは僕の寝室もチェックされ、布団を使ってないのがバレると思い、僕は咄嗟 の出まかせをいった。 勘の鋭いのは僕の母親と同じだ。 「私、喪服に着替えて、十一時の電車に乗らないといけないから、お昼は家でラーメン でもしてね」 「ぼ、僕も葬式行かなくていいかな?」 「その恰好で?…来なくていいわよ、一度は話せたんだから」 「そう」 僕の返答を待たずに、祖母はすたすたと自分の室に入っていった。 冗談抜きに「熟女のトリセツ」が欲しいと、僕は思った。 濃紺のツーピース姿に着替えて、化粧もし直したのかあでやかさが際立って見えた。 両手で少し小さめの旅行用バッグを引き摺っていたので、 「婆ちゃん、それ僕が駅まで持っていくよ」 と僕はすかさずいって、祖母からバッグを取り上げ、そのまま玄関に出た。 祖母の鋭い追及を避けたい思いからだった。 「遅くても最終の列車では帰ってくるから、食べるものちゃんと食べて、家にいてね」 祖母は駅舎の入り口で、ダメ押しのように僕にいい残して、列車に乗り込んでいった。 やれやれという思いで家の玄関に戻ると、スマホが鳴り出した。 祖母が僕に、まだいい足りないことがあってかけてきたのかと、恐る恐る画面を覗くと 同じ高校で同学年の村山紀子からだった。 一年生になって同じクラスになった僕は、彼女と交際していたのだが、ある出来事があ って喧嘩別れみたいになっていた女子高生で、所謂、元カノだ。 この奥多摩へ来る少し前に、スターバックスのコーヒー一杯で、厄介そうな相談事を僕 は持ちかけられていた。 「おう!」 着信ボタンを押してすぐに、僕は柔道部の部員みたいな少し横柄な声でいった。 「そういう挨拶は、あなたには似合わない」 と紀子は冷静な声で突っ込みを入れてきた。 僕が黙ると、 「また唇尖らせているでしょ?…雄ちゃんは雄ちゃんらしくしてなきゃ」 と追い打ちをかけてきた。 交際当時と同じで、相変らずの小言や減らず口は、半年くらいで直るものではないと思 いながら、 「何だよ」 とぶっきらぼうに聞き返した。 「何だよもないでしょ。今、どこにいるの?」 「ど、どこだっていいじゃないか」 「遠いところにいそうな気がする」 女の勘の鋭さは、どうやら年齢には関係なさそうだ。 「叔母さんをあなたに会わせるのはもう少し先になりそうなんだけど…」 紀子の声は、最初に僕に突っ込んできた勢いとは、まるで違うイントネーションになっ ていた。 「何だよ、紀っぺ…違った、君らしくないじゃないかよ」 「あ、紀っぺっていってくれた、ちょっと嬉しい」 「暇なん?…部活は?」 「グラウンドがほら、今、土の入れ替えで使えないじゃん。だから休み。あっそうそう、 あなた知ってる?今いった土の入れ替え工事で、大きな水道管を壊してしまって、明日は 学校臨時休校だよ。…でね、両親二人は映画観賞で、私は家で一人留守番中」 「ああ、まだ見てないけど、母親からメール入ってるからそれかな?休みになるのは歓 迎だな。僕ももう少ししたら暇になる」 「何するの?」 「昼飯作りと洗濯」 「あなた、どこにいるの、一体?」 「奥多摩の婆ちゃんち。婆ちゃん、急な葬式で不在になっちゃって」 「私、行ってあげようか?私、料理上手なの雄ちゃん知ってるでしょ?」 「キムチピラフだっけ?」 「洗濯も好きだよ」 「…でも遠いよ」 「奥多摩の何ていうところ?」 思わぬ話の展開から、紀子の強引な申し入れもあって、僕は渋々地名をいわされ、一時半 には雑貨屋のある駅に着くと約束させられた。 そして村山紀子は本当に来た。 薄い臙脂のジーンズと、白のTシャツに濃紺のスタジャン姿で、白のポシェットを肩からかけている。 日焼けした顔から真っ白な歯を覗かせて、雄ちゃん、と大きな声を挙げて、颯爽と駅に降りてきた。 田舎駅のことで人の往来がないのが、僕にとっての救いだったが、タイミング悪く大きな声が特徴の 雑貨屋の叔父さんに見られてしまった。 「やあ、兄ちゃん、また来てるのかい?おや、今度はガールフレンドと一緒かい?羨ましい ねえ」 と人目も憚らず笑顔で声をかけてきた。 その叔父さんに悪乗りするように、紀子が前にしゃしゃり出てきて、 「雄ちゃんのガールフレンドです、よろしく」 といって、細身の長身を深々と折り曲げて挨拶を返していた。 「バカ、余計なこというな」 家までの坂道の途中で、僕が紀子を半分本気で叱ると、 「はーい」 と素直に謝ってきたかと思うと、 「私、もう一回雄ちゃんのガールフレンドになれる?」 といきなり尋ねてきた。 「長年の夫婦でもな、ヨリを戻すのって大変なんだぜ」 と返してやると、いきなり僕の前に立ち塞がってきて、 「なってやる!」 と断言するような強い口調でいってきて、その後すぐに口元を緩め、健康的な白い歯を覗かせ た。 農家住宅のどこにでもある玄関から続く三和土に立って、目を大きく見開いて中を一望した後、 「素敵な家!…私、こういうのすごく好きっ」 と本心から嬉しそうな笑顔を見せていった。 今の時代の女子高生の代表のような身なりから、想像もつかないようなしおらしい言葉が出て、 僕は少し驚いたが、 「俺、腹減ってるから、早く何か作ってくれよ。あ、でも、キムチピラフしか出来ないか」 と口からは違う言葉が出ていた。 遠慮のえの字もなく紀子はつかつかと台所に上がってきて、冷蔵庫を開け中を見渡してから、 「キムチの元あったから腕揮える。旦那様は居間で待ってて」 といって、僕を台所から追い出し、遠慮も屈託もないテキパキとした動きで調理を始め、間も なく座卓の上に、豚肉やハムの細切れやの入ったキムチピラフと、野菜をシンプルに千切っただ けのサラダが奇麗に並んだ。 学校の陸上競技部で豹のような目をして走り込んでいたり、廊下で女子同士で快活に笑い合っ ているのからは、想像できないような動きに、僕は唖然とした目のままフォークを動かせた。 食事後の洗濯も、他人の家とも思わないような手際の良さで動き、 「はい、これで私の今日の役目は終わり。お礼は何してくれるの?」 と居間の座卓の、僕が座り込んでいるすぐ横に座り込んできた紀子が、まだ少女らしい悪戯っ ぽい目で見つめてきた。 「うーん、あげるもの何にもないから、キスでもお返ししようか?」 と僕がほんとに冗談のつもりでいった言葉に、紀子は急に真顔になり、切れ長の少し奥深い目 で、僕に強い視線を向けてきた。 「本当にしてくれるの?」 喉に何かを呑み込むような仕草をして、紀子のその強い視線は長く僕の目から逸れなかった。 着てきたスタジャンを脱いで、家事仕事にけなげに奮闘した、紀子のTシャツの肩に僕の片手が 自然に伸びていた。 当然に二人の距離も狭まり、顔と顔も近づいた。 純真無垢とか清廉潔白とかの言葉しか思い浮かばない紀子の、汚れのまるでない純心そのもの の顔を、今の自分が見ると、自分の目が潰れてしまうかも知れないというくらいに、ある意味で は汚れ荒みきっている僕だったが、男女の愛の行為の手順は、目の前で純粋な目で僕を見つめて きている僕のほうが、おそらく数百倍も長けている、というつまらない自信と自惚れだけでだけ で、僕は彼女の視線の強さに堪えていたのだ。 紀子の細く少し骨っぽい肩が微かに震えているのがわかった。 それでも僕は、純真無垢な紀子よりもはるかに卓越したキャリアを生かして、そのまま彼女の 唇に唇を静かにゆっくりと重ねていった。 若い汗のようないい匂いが、僕の鼻先についた。 触れた唇の感触の弾けるような柔らかさに、僕は内心で少し驚いたが、一度軽く離した後で、 今度は彼女の唇のかたちを変えるくらいの強さで塞ぎ、舌先を彼女の閉じている歯にノックする ような柔らかさで当てた。 がちがちと紀子の歯が、小さく震えて鳴っていた。 紀子の両肩に僕の手がかかり、細い骨の手が僕の胸に触れてきたが、無論、跳ね除けようとす る力はどこにもなかった。 僕の歯のノックに応えて、紀子の歯が小さく開いたのを逃すことなく、僕の舌は素早く彼女の 口の中に侵入していた。 細かな分析はわからないが、シソとハッカの入り混じったようなミントの匂いが、紀子の口か ら僕の口に心地よく伝播してきていた。 紀子の口の中で僕の狡猾な舌は、いとも容易く彼女の怯えたような舌を捉えていた。 されるがままに紀子は自分の舌を僕に委ねてきた。 紀子の細い肩に置いていた僕の片方の手が、彼女の細身の身体を撫でるようにして下に降り、 彼女の胸の付近で停止した。 弾力の強い柔らかな感触が、そこに触れた僕の手全体に伝わってきた。 同時に緊張感の只中にいるはずの、紀子の細い上半身が電流を受けたようにひどく震えた。 そしてここでも僕の経験が生きた。 気持ちと意欲はここでこのまま流れに乗って、彼女の全てを征服したいという思いに駆られ ていたが、こいつとはもっと違う場所と場面で感動的に終わらせたいと、僕は自分の意思で自 分の理性を引き出していた。 その場所がどこで、どういうシチュエーションなのかということは、この時の僕にはまだわ からないでいたのだが、今の自分の理性の縁のようにも思える彼女を大切にしたいという、ら しくない思いが、身体と心のどこかで発芽したのだ。 「ごめんな」 唇を離して、紀子の目を見て第一声でそういうと、 「どうして、ごめんよなの?」 と彼女はこちらの気持ちも察せず、小さな不満と微かな怒りを滲ませた不足の表情で言い返 してきた。 短絡的に僕は、最後までやっておけばよかった、と悔やんだ。 「ねえ、この村って何もないの?有名なお寺とか…」 ほんとにこいつは、人をどきりとさせることばかりいうと思いながら、 「何もないよ。ないから都会人にも荒らされずにいられるんだ」 と切り返してやった。 今の棚の上から紀子が、簡易の写真アルバムみたいなものを持ち出してきて、 「ね、この人が雄ちゃんのお婆さん?」 と僕の目の前に差し出してきた。 それは祖母が暇に任せて整理した写真集のようで、僕も見るのは初めてだった。 「すごく奇麗な人!」 紀子がひどく感嘆したような声でいいながら、一枚を僕に差し出してきた写真を見て、今度は 僕のほうが驚いていた。 一人の品のよさげな紳士と、東京駅の煉瓦の建物の前で、肩を並べて濃紺のツーピース姿の祖 母が、上半身だけの接写で映っている写真だった。 その写真を見て僕が驚いたのは、ハンチング帽を被った紳士の顔が、先日に他界したあの吉野 氏だったということだ。 いつの日にこんなことがあったのかは関係がなく、祖母が白い歯を覗かせて明るく笑っている のと、吉野氏も顔一杯の笑顔を向けていることにも、僕は何故か心を打たれた。 「横の人ってお祖父さん?」 案の定、紀子は無邪気な顔で聞いてきたが、無論、二人の関係の真実は、目の前の紀子には口 が裂けてもいえないことだった。 他の何枚かの写真を見ても、紀子から出てくる言葉は同じで、美しいと奇麗の形容詞ばかりだ った。 「ほんとあなたの目、お婆さんそっくりね。」 「女の目に似てるっていわれてもなあ」 「一度会ってみたい」 「今日は遅くなるっていってたから、またな」 「え、またここに連れて来てくれるの?」 「機会があれば」 「私、作ろっと」 夕方の五時の列車で帰る紀子を見送るのに、二人で家を出た僕は、駅前の雑貨屋でミネラルウ ォーターの小さいのを二本を買って、彼女を駅近くの川の公園のベンチに誘った。 列車の時間までまだ一時間近くあった。 夏休みにはここへよく来て、川の水の流れる音を聞いたり、文庫本を読んだりしたと僕が話す と、紀子は羨ましげな目で聞き入っていたが、話が少し途切れた時、 「私の話していい?」 と少し遠慮気味にいってきた。 川のほうに目を向けながら、 「あなたと交際してた一年の時ね、今思うと私の完全なミスチョイスなんだけど、あなた以外 の人のところへ走ってしまった自分の愚かさにね、私、まだそれから抜けきれないでいるの…」 「何だい、急に?」 「あの時、あなたという大切な友達がいるのに、私は違う人の魅力に取り入れられて、そこへ 闇雲に走ってしまった」 「あの生徒会長さんか。学校始まって以来の秀才で頭抜群に良くて、大きな会社社長の御曹司 で、顔も美男子っていう人だったな。今は東大生なんだろ?…僕なんか敵う相手じゃなかったよ な」 「ううん、違うの。私、あの頃太宰治に夢中になってたの知ってるでしょ?」 「ああ、そうだったかな」 「あの人、その太宰文学にものすごく詳しくて、人間失格なんかは三十回以上読んでいるとい うことで、太宰のことなら何でも知ってたわ。その人が、私が図書室で、走れメロスを読んでた ら、声をかけてきたのがきっかけだったの」 「そう、それは聞いてないな」 「私がいっても、あなたはいつも上の空だった」 「そうだったかな」 「図書室で何度か太宰で話し合っていたら、学校の噂になり、彼が自分の家に来たら、太宰の 全集あるからって誘われて…」 「ふむふむ」 「ふざけないで聞いて。そうしてたら、彼が私の目の前に一冊の洋書を置いてきたの。マルキ・ ド・サドって人の本。スケベな雄ちゃんだから知ってるでしょ?」 「読んだことねえよ」 それに近い実践はしてるけど、といいたかったが止めた。 「ソドム百二十日とか美徳の不幸とかいう、難しそうな本だったけど、太宰をあれだけ知って いる彼の推奨だからと思って読み出したけど、私はすぐに嫌になり投げ出した。それから少しし て、絵の才能もある彼に、君の裸婦像を描かせてほしいと、切羽詰まったような声で頼まれた時 に、私は彼から逃げ出したの」 「そのマルキ・ド何とかって、女の人を裸で縛ったり恥ずかしく虐げたりするやつなんだろ?」 「やっぱり知ってた。スケベ」 「ま、まあ、世の中にはそういう特殊な世界があるってことを、知っただけでもいいんじゃない かい?」 背筋に少し汗をかきながら、僕が慰め顔でいうと、 「好きな人の命令だったら、私もするかも」 「俺を好きになって」 「私を縛りたい?」 「ちょっとだけ」 「バカ。…でも今日は思い切ってここにきてよかった」 「頭はちょっと悪いけどハンサムな雄ちゃんに会えたしな」 「私にはあなたぐらいが分相応なのかな。ありがとう」 駅のホームで紀子に手を振って見送ってやったら、彼女の片手が目の下をぬぐっているように見え たが、あれは愛する人との、別れの涙だったのかどうかはわからなかった…。 続く
23/03/21 14:32
(p2dfg1bT)
投稿者:
(無名)
少し話を広げ過ぎかも。人数を際限なく増やすのではなく、1人1人の女性の淫乱性を掘り下げた方がいいのでは?
23/03/22 07:40
(lOT6xY2k)
投稿者:
熟壊
◆XXzHt1jyMU
すげーけど…………もっと熟女熟女………熟女………ぶっ壊して………下さい……あーめー熟女さんも、へへ、悦ぶ?悦ぶ?って股間熱い………はぁー
23/03/22 16:13
(qy45Q9oJ)
投稿者:
(無名)
良い感じで複数出てきて良いですね。どの関係が3Pとかに繋がるのが楽しみです。母親が出てきてもおかしくない気がしてきました。俄か評論家気にせず頑張って下さいね。
23/03/22 23:24
(0ecwKFp1)
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