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祖母・昭子
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:SM・調教 官能小説   
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1:祖母・昭子
投稿者: 雄一
女の人の、男子として妙に気持ちをそそられそうな甘い化粧のような匂いを、
僕は鼻孔に感じ、同時に薄くすべすべとした布地の感触を通して、人肌の温み
を頬肉の表皮に感じさせられて、茫漠とした気持ちで薄目を開けた。
 すぐ間近に人のような気配を感じ、顔を少し動かせて目を大きく開けると、
畳に寝転んでいる僕の身体に、誰かが覆い被さってきているようだった。
 開けた目の真ん前に、薄い水色のすべすべとした布地が揺れていて、その布
地の中の人肌の温みが、感じのいい化粧の匂いを含ませて、僕の顔のあたりの
空気をほんのりと包み込んできているのだ。
 少し慌て気味に顔を上げた時、僕の鼻先と頬に水色の薄い布地の中の柔らか
い肉が触れてきたのがわかった。
 居間の畳の上に僕は身体を横たえて、うたた寝よりももう少し深い眠りの中
に落ちていたのだ。
 そこへ風呂から上がってパジャマ着替えた祖母が来て、寝入っている僕にタ
オルケットを掛けてくれていたのだ。
 寝がえりか何かでタオルケットがずれたのを、祖母がまた掛け直してくれる
のに身体を僕に寄せてきた時に、僕が目を覚ましたのだった。
 「風邪ひくわよ、こんなとこで寝ちゃ」
 身体を少し離して、祖母がかたちのいい唇から白い歯を覗かせて微笑んでき
た。
 「あっ、ごめん。婆ちゃんにおやすみの挨拶しようと思っ てたら、つい寝込
んじゃった」
 「そんな気を使わなくていいのに」
 「あ、それとね、婆ちゃんにいい忘れてたことあって」
 「何、いい忘れててことって?」
 「あのね、僕の発見なんだけど…演歌の歌手でね、三味線抱えて歌う人で、
その人の顔が婆ちゃんにそっくりなんだよ。名前はたしか…長山、何とかってい
う人。スタイルも婆ちゃんと一緒で小さくて奇麗な人。何日か前にテレビに出て
たんで母さんにもいったら、驚いてた。」
 「そうなの。婆ちゃん喜ばなくちゃいけないわね」
 「ああ、そういえば、婆ちゃんの娘の母さんもチョイ似てるね。でも婆ちゃん
はほんとに瓜二つだよ」
 「はいはい、もういいから早く寝なさい」
 「うん、おやすみ」
 他愛のない話を祖母とし終えて、寝室の布団に身体を横たえると、現実の状況
がすぐに僕の頭にもたがってきた。
 竹野という男のことだった。
 当然に、僕はまだ竹野本人には会ってはいなくて、知っていることといったら、
年齢が祖母よりも二十二も年下の四十二歳で、例の高明寺のお守り役として働い
ていて、坊主頭であることと、性格的には自分の書いた下品で下劣としか思えな
いような拙文をわざわざ祖母にメールに書き写させて、それを読ませたりとか、
相当な偏執狂のような面があったりという変人的な人物のようである。
 祖母のスマホのメール情報では、過去に離婚歴があり、この村へは四年ほど前
に流れ着いたとのことだが、それまでの住まいとか仕事歴はわかっていないよう
だ。
 祖母との性の関係もそうだが、推測するまでもなく、所謂SM嗜好者であるのは
間違いないようだ。
 性の問題は、たかだか十六歳でしかない、著しく若輩の僕が偉そうにいうべき
ことでないことはわかっているので、どうこうと意見はいわないが、SM嗜好その
ものについては、僕自身は侮蔑や軽蔑の対象外だと胸の奥では密かに思っている。
 恥ずかしいことだが、思春期真っ盛りの一年ほど前のある時期、僕は女性の生
理について、唐突に歪んだ好奇心を持つようになり、自宅の便所の汚物入れにあ
った自分の母親が捨てた汚物を手に取り、テッシュに包まれたものを開いて、赤
い血や黄色い沁みを見て、訳もなく興奮したことがある。
 人はさまざまなのだと僕は思う。
 つつましく穏やかで清廉な僕の祖母を、恥ずかしく凌辱し虐げる竹野という人
物には、憎悪や嫌悪や憤怒といった感情が、何故かあまり湧いてきていないこと
に内心で少し驚いているというのが、僕の正直な気持ちで、肉親である祖母には
申し訳ないのだが、性行為に伴うSM嗜好への興味の思いのほうが強いのかも知れ
ないと恥ずかしながら思っているのだ。

 
 「明日の夜ね、婆ちゃん、また寄り合いがあるの。雄ちゃん、留守番お願いね」
 祖母の口から待望(?)の言葉が出たのは、それから三日後のことだった…。


 
 
2023/01/27 22:12:19(7WqPo0xO)
117
投稿者: (無名)
女教師の性奴隷化もいいですね。益々、楽しみです。
23/03/02 23:06 (C6ZKXJrz)
118
投稿者: (無名)
そ~来ましたか。
思ってもいなかった新展開^^。
今後の展開に、益々目が離せなくなりました。


23/03/03 15:44 (hJ.vowo9)
119
投稿者: 雄一
吉野公男、六十七歳、独身、自由業。
 まるで予期も予想もしていなかった数奇な縁で、僕はこの男性を知った。
 そしてこの老齢半ばの男性の、人生の遍歴や履歴をつぶさに綴った、小さなUSB
メモリーを僕は手にすることになった。
 そのUSBメモリーは32GBで、相当な容量が入るのだったが、パソコンの画面に出
してスクロールしても半端でない時間を要した。
 脳みその小さい僕が興味と関心が持てたのは半分以下で、後は彼が特許を取得し
たという、精密機械部品に関するデータや、彼が経営していた会社に属する資料等
の羅列で、その方面には全く明るくなく、何の興味もない僕には、正しく「猫に小
判」か「豚に真珠」だった。
 「P」とだけタイトルされたアプリがあり、そこを開けてみると、文字の羅列がほ
とんどで、吉野公男という人物の遍歴が、私小説風に大人の流麗な文体で、時には
淡々と、時には感情を丸出しにして書き綴られていた。
 タイトルの「P」は単純に、プライベートのPのような気がする。
 以下が、十六歳のひねくれたマセガキの僕が、独断と偏見でで抜粋した記述である。

 五歳年上の妻の友美との結婚は、私が三十四歳の時の春だった。
 きっかけはよくあるところの知人の紹介で、最初の見合い的な対面の時、私のほう
が彼女の容姿端麗さと、つつましやかそうなそぶりに一目惚れして、知人の段取りに
何もかも追随するようにして結婚したのだった。
 やや奥目がちの、切れ長の目の中の瞳がはっきりとしていて、少し尖り過ぎのよう
にも見える、筋の通った高い鼻と、輪郭のはっきりとしたかたちのいい唇、その下で
強く握ったら壊れそうなくらいにつつましげな細い顎と、百七十センチは軽く超える
痩身な体型も含め、彼女を妻に迎える私からしたら、どこも非の打ちようのない妻だ
った。
 高校を出て大した希望や抱負もなく、小さな町工場に就職した私はあるきっかけか
ら、精密機械部品の製作に俄然、大きな興味を抱くようになり、一心不乱にその仕事
に没頭してしまった。
 若い年代にも拘らず、異性への興味や関心は皆無に近く、三十を過ぎても人並みな
結婚も眼中になかったのだ。
 それを見かねた会社の上司や知人が、幾度も見合いの話を持ち込んできてくれてい
たのだが、妻の友美と出会うまでは、異性への関心はまるで持てないまま、ただ機械
部品の新しい改革に、日々取り組んでいたのだった。
 恥ずかしい話かもわからないが、若い青春の最中、私は男子としての登竜門である
自慰行為も一度もしたことがなかった。
 それが友美という女性を、人を介してとはいえ、初めて知った時、私の意固地で偏
屈な殻は一気に瓦解し、人間としても男女の深い関係に付随してくる、表現のしよう
のない悦びを、私は全身に強く感じたのだった。
 私は初婚だったが、友美のほうは再婚だった。
 しかしそんなことは私には問題外のことで、彼女のそれまでの人としての、また女
性としての遍歴も、私は何ら気にもしていなかった。
 結婚初夜の時、私は妻となった友美に正直に、自分はこの歳でまだ童貞だと打ち明
けた。
 「気になさらないで…」
 友美の優しい言葉に打たれ、曲りなりに童貞喪失の儀式は済んだ。
 布団の上で恥ずかしげに、そして切なげに喘ぐ友美に、ただただ感動し、嬉しく思
ったことは、今も私は忘れてはいない。
 結婚しても変わらず、仕事に没頭するだけの私に友美は、不平不満の一ついわず妻
としてよく尽くしてくれた。
 そう信じて三年が過ぎ、妻の友美も四十の歳を超えた。
 子供ができないことを、友美は自分の歳のせいにして、泣いて私に詫びたのだった
が、私は快活に笑い飛ばし、彼女を明るく慰めた。
 さらに六年の歳月が流れ、私も不惑を超えた。
 その前年、私の長年の精密機械部品の研究労苦が、思わぬ発見と発明に繋がり、半
永久的に一定の利潤が約束される成果となり、特許取得までできた。
 その甲斐もあり、私の勤める職場もいつの間にか、町工場から精密機械製造販売会
社に大きく変容していた。
 私の職責も、まだ四十を超えて間もないのに、副社長という肩書に代わっていたが、
友美との夫婦生活も子供がいないのを除いて、順風満帆に過ぎていた。
 順風満帆がこのまま続き、友美との夫婦生活も平凡に万事悔いなく、安穏な終焉を
迎えるのだと、私は思っていた。

 「吉野さん、今夜はね、堅物一途のあなたを陥落させんがための、秘密の大作戦を
講じているんですよ。何が何でもぜひお付き合いしてくださいよ」
 会社の役職名が上がれば上がるほど、人との交流は好むと好まざるに拘わらず、多
岐に渡っていく。
 赤坂にある高級料理店の一室で、私は有力取引会社の社長と杯を酌み交わしていた。
 今日の昼間、そこの会社と大型取引の契約が交わされ、その会社の社長から契約お
礼の接待に、私は海外渡航をしている社長の名代での出席だった。
 相手社長は六十代半ばくらいの年代で、でっぷりとした体格と頭がすっかり禿げ上
がっている人で、仕事上何度も顔は合わせていて、交流はそれなりに長くあった。
 「いや、もう、ここの美味しい鱧料理をご馳走になっただけで充分至極ですよ」
 相手社長は私の声などまるで無視して、座布団から立ち上がり、ロビーに控えてい
た秘書に言葉をかけていた。
 秘書の運転する車に乗せられ、どこをどう走ったのかわからないまま、どこかの建
物の地下の駐車場に着いた。
 「社長、どこへいくんですか?」
 車を降りる前、私は聞いた。
 「白黒ショーですよ」
 そういって社長は意味ありげな笑みを浮かべたが、仕事一徹の私には意味がわから
なかった。
 社長の言葉の意味を、聞き返すことを私は控えた。  
 頭の禿げ上がった社長と二人でエレベーターに載り、何階かで降りて、私は社長の
後をただついて行くだけだった。
 場所はどこかわからなかったが、高級マンションのようだった。
 社長が一つのドアの前に立ち、チャイムボタンを押すと、中からドアが静かに開い
た。
 玄関の入り口に、ベストに蝶ネクタイ姿の若い男性が立っていて、
 「これをどうど」
 と目を覆い隠す黒色の仮面のようなものを渡された。
 その仮面は目だけでなく、顔の半分は隠れる大きさだった。
 通路の向こう側から、かなりの人数がいそうなざわつくような人いきれが伝わてき
ている
 「ここへは世間的に、名のある人も来ていますので」
 私をここへ連れ込んだ社長が耳元に囁いてきた。
 仮面をして短い通路から、応接間のような広い室に出た。
 十人くらいの、同じように仮面をつけた人間が、応接間のソファーの辺りに群がっ
ていた。
 ドレス姿二人と、着物姿の女性が混じっているのがわかった。
 煙草と洋酒の匂いが蔓延している感じだったが、応接スペースが広いのでそれほど
の閉塞感はなかった。
 照明は壁に幾つかある、ブラケット灯の弱めの灯りだけで、近くの相手の顔が誰な
のかよく見えなかった。
 この時点でも、世情や通俗にまるで疎い私は、何がここで始まるのかわかっていな
かった。
 「間もなくですよ」
 私を連れ込んだ社長が、また耳元に囁いてきた。
 船の銅鑼のような音が、広い室内に短く響いた。
 そしてそれが合図でもあったかのように、前方の白い間仕切り壁が、左右に開いて
きた。
 十畳以上はありそうな畳の室が現れ出た。
 畳の中央には大きな布団が、枕を二つ並べて敷かれている。
 照明は室の四方から、映画の撮影機材のような器具から煌々と照らし出されていて、
応接間とは比較にならないくらいの明るさだった。
 応接間から最も遠い位置の隅に、二人の人間が恭しげに正座していた。
 一人は長髪の引き締まった身体つきの、見るからに若そうな男性で、七分袖の白シ
ャツで、下も白のステテコ姿である。
 もう一人は白の襦袢姿で薄い桜色の帯をしている。
 女性にしては長身で、身体のどこもかしこも細く見える印象だ。
 年齢は横の男性よりもかなり上のような感じだった。
 その女性のほうに目を向けた時、私の胸の中に妙なしこりのようなものが、急に発
症した。
 微かな不安めいたものが過ったのだ。
 二人とも、見てる側の私たちと同じように、目を隠す仮面をしていた。
 女性のほうの髪は、肩の下辺りまで真っ直ぐに伸びた黒髪だった。
 薄暗い応接間で誰かの声がした。
 「簡単な紹介だけさせていただきます。男性の年齢は二十一歳で、女性の方は四十
代とだけ申しあげておきます。尚、このプレイが終わりましたらサプライズ的な趣向
も用意してございますので、どうどよろしくご鑑賞ください」
 応接間に小さくくぐもったような声が、あちこちで飛び交っていた。
 ステテコ姿の若い男が腰を上げて立ち、長い髪の女に近づき、片腕を取った。
 女のほうが男に引かれるようにして、布団の中央に並んで立った。
 背は女のほうが少し高いようだ。
 男が立ったまま、女の頬を両手で挟み込むようにして、唇で唇を奪いにいった。
 若い男の顔がやや上向きになっていた。
 年上の女のほうに、抗いの仕草はどこにもなく、ただされるがままに唇を貪り吸わ
れていた。
 応接間の後ろのほうにいた私の身体は前に進んでいて、間仕切りの端のほうに立っ
ていた。
 疑念がまだ胸の中に、消えずに残っているようだった。
 私が前に進み出たのを見てか、私をここに招いた社長のほくそ笑んだ顔が、薄暗い
応接間の後ろのほうでぼんやりと見えた。
 若い男の身体が背の高い女から離れた。
 目を凝らすと、立ち竦んだ女の襦袢の襟が大きく乱れ、乳房の片方の膨らみが露わ
になりかけていた。
 男が布団の中に、事前に忍ばせて置いていたと思われる、赤い縄の束を取り出し、
立ち竦む女の前に放り投げてきた。
 それが合図でもあったかのように、女は長身の身体をへなへなと布団に崩した。
 渡井はそうであってほしくないという強い思いで、目を凝らして見たが、判断はそ
こでもできなかった。
 夜の夫婦の睦み合いで、幾度も手で触れ、肌で感じてきているのに、と私は心の中
で地団駄を踏むしかなかった。
 仮面の下の細い顎とか、かたちのいい唇が、私の悪寒のような気持ちを次第に増幅
させてきているのが悲しかった。
 男が赤い縄を取って、慣れたような手つきで、女の胸に幾重にも巻き付けてきた。
 女の両手が男からの指示もなく、背中のほうに廻っていた。
 乱れていた女の襦袢の襟が、さらに大きく乱れ、乳房の片方がほとんど露出してし
まっていた。
 桜の蕾のような乳首まで露わになっていて、這わされた縄がその乳首を挟み込むよ
うにして肌に喰い込んでいた。
 私はそこであることを思い出した。
 妻の友美の左側の足の、太腿の上のほうに黒子が二つ並んであることを思い出した
のだ。
 今の時点ではそれはわからないが、その黒子の位置は極めて微妙な箇所にあること
にも、私は気づき、思わず自分一人で戸惑っていた。
 長髪の若い男の、女の身体を縛り付ける手管は、川の水の流れのように手際がよく、
長身の女の身体に、赤い縄は吸い付くようにまとわりついていた。
 応接間から見ている誰かから、ほおっと溜息が漏れていた。
 女を縛り上げた男が若い一息つく間もなく立ち上がり、手にしていた縄尻を天井に
向けて放り投げた。
 見ると天井には、頑丈そうな鉄製の大きなフックが何カ所か垂れていて、そこに投
げた縄を上手に引っ掛けたのだった。
 男がその縄を下に向けて手繰るように引くと、女の身体が否応なく布団から起き上
がり、その場に吊るされる状態になった。
 私は気づいていなかったのだが、縄尻はもう一つあって、その先は女の襦袢の裾の
中に潜り込んでいるようだった。
 その縄尻も男は天井に向けて投げ、別のフックに引っ掛けていた。
 男が最初と同じように、その縄尻を下に向けて手繰ると、立たされた状態の女の襦
袢の裾が大きく妖しげに割れ出してきて、女の片足が上に向けて上がり出してきたの
だ。
 戸惑いと狼狽えの入り混じった複雑な表情で、畳の室を見ていた私に試練の時が近
づいていた。
 女の意思に関わることなく、女の細長い足は襦袢の裾を割って露出を大きくしてき
ていた。
 妻の友美の二つの黒子があるのは、次第に上に向けて上がってきている、その足の
太腿だった。
 私は顔だけ女が吊るされているほうに向けながら、目を固く閉じていた。
 応接間から複数以上の溜息が、漏れ聞こえてきていた。
 絶望のような思いに、私は暮れていた。
 仮面で顔の半分は隠れていても、私たち夫婦ももう十年近くになる。
 仕事以外のことには全くの無頓着な私でも、長年連れ添ってきた妻の顎の細やかな
線や唇のかたちのいい輪郭を、他人と見間違えることはよもやないと思っていた。
 そう思いながら、心の隅で、この人がどうか別人で会ってほしいという微かな、い
や切なる願望を抱きかかえていたのだ。
 その切ない微かな私の願望を、木っ端微塵に打ち砕く声が、薄暗い応接間のどこか
にいた女性の、驚いたような一言だった。
 「あら、あの人、あんなところに黒子があるわ。二つも…」


    
                           続く







 
 

  
 
 

 
 
 
 、
23/03/03 22:29 (SS.gmw5K)
120
投稿者: (無名)
最高です!!
祖母だけでなく、先生とのやり取りも最高です。先生とのやり取りから、私も高校生の頃、音楽の先生にクラッシックの題名がわからない曲が何曲かあり、教えにもらいに行った先生の部屋が狭く、あの時先生とHできてたら、人生がまた違っただろうと思いました。その時は何もできなかったと後悔しております(笑。
「最高」を使いすぎてますが、軽く思わないでもらいたいです。
本当に最高の作品です。
続きを楽しみにしております。
23/03/04 10:21 (k7EUiXQp)
121
投稿者: 雄一
応接間が薄暗かったのでわからなかったと思うが、おそらく僕の顔面は蒼白にな
っていたと思う。
 打ちひしがれた思いで通路に向かっていた僕に、取引先の社長が怪訝な顔をして
寄ってきて、
 「どうされました?」
 と心配げに聞いてきた。
 「すみません。急に気分が悪くなってきたので、先に失礼させてもらいます」
 私は故意的に弱々しげな声でいって、通路に向かっていた。
 「それはいけませんな。ショーは今からが佳境だというのに、残念ですね」
 社長は気遣いの言葉を吐きながら、後ろの十畳間が気になるのか、でっぷりとし
た身体を何度も振り返らせていた。
 玄関口で靴が出てくるのを待っていると、社長がまた心配げな顔で寄ってきて、
 「今、下で待っている秘書に連絡して、家まで送るようにいっておきましたので。
それにしても残念だ。今、そこでちらっと聞いたんですがね、あの二人、本物の母
子らしいですよ。ま、お大事に」
 と、ただでさえ気持ちが動揺している私に、さらに追い鞭を打つようなことをい
ってきた。
 車の中でも、私がずっと黙ったままなので、運転している秘書が気遣いの言葉を
かけてきて、大丈夫、と私は短く返答しただけだった。
 三年前に購入した自宅に戻ると、当然の如く、妻の友美は不在で家は暗かった。
 灯りも点けず、私はリビングのソファーに、身体を深く埋め、暗い闇に悄然とし
た目を向けていた。
 妻は私に嘘をついていた。
 何日か前の妻と二人での夕食の時、友美が申し訳なさげな声で、短大時代の友人
から電話があって、長野の美ヶ原高原への一泊旅行を誘われたというのだ。
 短大時代にテニス部の合宿で行ったところで、四人の女友達同士と補足もした。
 私はただ了解するだけだった。
 仕事人間を口実に、ほとんど家も妻も顧みない毎日を過ごさせtもらっている私に
は、妻の気分転換にも最適と思い、笑顔で了承の言葉を送った。
 そして妻が出かけたのは今朝だった。
 あの、どちらかというと引き込み思案で、貞淑一途だと思っていた妻が私に嘘を
ついたのだ。
 それであろうことか、これまで妻の口から一度も聞いたことのない、実の子供と
信じられないような、禁断の肉欲の行為を、不特定多数の人の好奇な目の前に、惜
しげもなく晒しているということは、これまでの十年前後の夫婦生活を一気に崩壊
させるには、我慢の限度を遥かに超える背信行為だった。
 それをしかし妻の面前で、激しく罵倒し、憤怒と憎悪の思いをぶつけられる自分
なのかと、私は我が身を振り返り、忽ち黙した。
 仕事人間という代名詞にかこつけて、私はこの十年前後もの間、家庭も妻も顧み
ることなく生きてきていた。
 貞淑な妻はそのことの不平を、ほとんど私の前で口に出すことはなかった。
 そしてそれに私は益々甘えて、仕事に没頭し、時には何日も会社に泊まり込んだ
りして瀬光機械部品の開発研究に取り組んでいたのだ。
 そんな私に妻を面罵する資格はないと思った。
 妻を一方的に責めるのではなく、ここらで妻と真正面から向き合って話し合おう
と思った。
 だが大きな問題がまだある。
 妻と妻の実の子との、表面に歴然と出ている救いようのない関係を どうするかだ。
 思わず身震いするような事象だが、しかしこれも何らかの解決は必至なことで、
自分が知らないことと看過することはできない問題だ。
 灯りも点いていない暗いリビングで、悄然としたままの心持で決意した私だったが、
翌日に妻が帰宅していても、そのことを私はすぐに口に出せず、普通の顔で同級生と
の旅行の話を空しい思いで聞いただけだった。
 それから何日も、何かに怯えている自分がいつもいて、私は妻にその話を持ち出せ
ないままでいた。
 そんな悶々とした日が続くある日、先日の取引会社の社長から、私の心の傷の蔕を
逆撫でするような電話があった。
 「…で、この前のショーの話なんですが、あなたが見ることのできなかった、興奮
の佳境なんですがね。あれが全部ビデオ撮影されてまして、ショーの後、何人かに販
売するという話を耳にしましてね、私、伝手を使ってコピーを買い求めたんですよ。
あなたにそれをぜひ貰ってもらおうと思いましてね」
 というとんでもない話があり、当然、私は断ったのだが相手社長は、まるで親切の
押し売りの如く聞かなかったので、あまり固辞し過ぎるとあらぬ疑念を持たれてもと
考え、受け取るだけは止む無く受け取ることにした。
 しかし、そんなものを妻のいる家に持ち込むわけにもいかず、さりとて会社の机の
中に入れておくものでもなく、処分に窮したまま、妻に話を持ち出せないでいるのと
同じように日にちだけが無為に過ぎてしまっていた。
 平日のある日の午後、私は会社に早退届を出し、都内環状線の電車の中にいた。
 会社に近い駅から五つ目の駅で私は電車を降り、にぎやかな駅前で最初に私の目に
入ったネットカフェに飛び込んだ。
 無論、こういうところは初めての体験だったが、どうにか手続きを終え、狭いボッ
クスに入れた。
 パソコン本体に鞄から取り出したCDを挿入し、私はヘッドホンを耳に当て視聴態勢
をとった。
 画面にいきなり、私にも記憶のはっきりとある、あの十畳間が映し出され、白の七
分シャツ姿長髪の若者と、襦袢姿で長身で細身の女、いや私の妻の友美が、共に顔半
分を隠す仮面をして映っていた。
 若い男が布団の上に立ったまま、友美の唇を荒々しい動きで塞いでいるのを、改め
て見た私は思わず喉をごくりと鳴らしていた。
 そして私が途中退席した場面になった。
 友美が赤い縄で身体中を緊縛され、天井から吊るされている場面だ。
 もう一つの縄が友美の襦袢の裾の中の、片足の膝の上辺りに巻き付けられていて、
それが男の手の力で上にゆっくりと上げられていっているのだった。
 友美の細長い足の肌が、次第に露わになってきていた。
 友美の股間の漆黒が、画面上にはっきりと映り出た。
 襦袢の裾は大きく乱れ、足首から股間の付け根までが露呈された。
 私はパソコン画面にさらに顔を近づけ、視線を剥き出しにされた足の太腿に集中さ
せていた。
 心の中でこの時点でも、女が友美であってくれるな、という祈るような視線だった
と思う。
 悲しいことだったが、肌の色が白い分だけ、見たくはなかった二つの黒子は鮮明に
私の目に入ってきた。
 私は喉がカラカラになっていることに気づいたが、椅子から立ち上がることはでき
なかった。
 画面が変わり、長髪の若い男、いや妻の友美の実の息子がう薄暗い応接間から身を
乗り出すようにして、好奇な目をぎらつかせているほうに向けて、片手を翳してきた。
 その手がいきなり、天井から赤い縄で無体に吊るされている、長い髪の友美の露わ
になっている股間の奥に、芝居がかったような動きで潜り込んでいった。
 吊るされた友美の顔の仮面の下の、口紅の赤が際立つ口元が、
 「ああっ…」
 という短い悲鳴のような声とともに激しく歪んだ。
 何が起きたのかは一目瞭然だった。
 友美の股間の奥に差し入れられた手が、次第に大きく前後に動き出してきて、その
手の動きに呼応するかのように、友美の嗚咽に近いような喘ぎ声も大きく激しくなり
出してきていた。
 仮面があって表情の全てはわからなかったが、子供を持つ母親の姿ではもうなくな
っているのは明白だった。
 友美の股間を責め立てていた、若い男の手がゆっくりと引き抜かれ、応接間の幾つ
かの好奇な目の前に、突き出すように翳された。
 溜息の塊のような余韻のある声が、淫猥な画面のBGMのように聞こえていた。
 突き出した男の手が、それまでねっとりとした湯にでも浸っていたかのように、濡
れ滴っているのが画面にはっきりと見えた。
 友美の、子供の母親ではなく、男の性技に身悶える女としての感応の証だった。
 天井から吊るされた身体をぐったりとさせ、仮面の顔を気絶したかのように項垂れ
させている友美を画面に見て、このネットカフェに人目を避けるようにしてきてしま
ったことをひどく後悔する気持ちになっていた。
 愛する妻が年齢の大きく離れた若い男、それも実の息子の前で女として餌食になり、
身体を弄ばれる画像を見て、冷静でいられる男などいるはずがなかった。
 そこまでの画像の流れで、このままパソコンのスイッチを切って、外に出ようとす
る私と別に、もう一人の自分がこの身体の中の、どこかにいるような気がしていた。
 理性の反対の言葉が何なのか、私は知らなかったが、自分の心の中で何かと何かが
葛藤している気がした。
 結果として私の視線は、画面に続いて出た映像に集中していた。
 若い男の手で、友美の身体は天井から縄を解かれ、胸への拘束はそのままで、布団
に正座させられていた。
 友美の顔の前に立った男が、無造作に自分の穿いているステテコをブリーフと一緒
に脱いでいた。
 男の剥き出しの下腹部の漆黒の中から、すでに固い意思を持ったようなものが友美
の唇の付近で、淫猥な動きを繰り返している。
 「欲しいか?」
 男の声だ。
 下のほうで友美の顔が、幾度か頷きの仕草を見せていた。
 「何が欲しい?」
 「あ、あなたの…こ、これ」
 「これじゃわからん」
 「お、おチンポ…」
 「聞こえないよ」
 「あなたの、おチンポが欲しいっ」
 実の息子の卑猥な甚振りに、隷従的に応える友美。
 その口元から覗き見える白い歯が、私にはひどく切なく見えた。
 仮面の下の友美の口が開いた。
 実の母親の口の中に吸い込まれるように、実の息子の猛々しく怒張しきった
ものが滑るように入った。
 その行為は長く続いた。
 仮面で顔は半分しか見えなかったが、息子のものを咥える友美の口元の動き
から、淫靡な熱心さが窺い見えた。
 友美に自分のものを咥えさせながら、男は身体を前屈みにして、彼女の身体
に巻き付けられている縄を解きにかかっていた。
 やがて友美と若い男の身体は離れ、布団の上に並ぶように横たわった。
 男の手で友美の襦袢は、いとも容易く脱がされた。
 カメラのレンズは、二人の身体を横写しにしていた。
 友美の細長い裸身が、白く眩しく見えた。
 細身のその身体の上に、若い男の引き締まった身体が覆い被さろうとしてい
た。
 友美の割られた両足の間に、男の身体があった。
 柔らかでふくよかな友美の乳房に、男の手が蛇のように這い廻っていた。
 友美の仮面に半分隠れた顔が、枕の上で大きくのけ反った。
 「あうっ…」
 友美が短い声を挙げ、自分の二本の手を男の両腕に爪を立てるように喰い込
ませていた。
 その後は上になった男の身体が動くたびに、喘ぎや悶えの声を間欠的に挙げ続けた。
 友美の年齢は確か四十八歳だが、その年齢に関係なく、また実の母子同士というこ
とも超越して、正しく性に飢えた牝犬の本能剥き出しで、若い男の身体に埋没してい
るのを見て、私の気持ちの中に湧き出ていたのは、憤怒や憎悪ではなく、自分よりも
遥かに若い長髪の男への嫉妬だった。
 この思いは四十を過ぎた私の人生経験で、一度も持ったことのない感情だった。
 それは、仕事にひたすら情熱を燃やし続けてきただけの自分が、初めて持った人間
的な感情の起伏といえた。
 目の前のパソコンの画面に、私は目を凝らして、一人の男としての視線を改めて向
け直した。
 友美の細い裸身が、布団の上で四つん這いになっていた。
 突き上げられた彼女の白い臀部の前で、若い男は膝立ちをしている。
 若者らしい尻肉が前後に激しく律動していて、友美は相変わらず長い髪をうち震わ
せて、布団に顔を埋め込んだり、急に顔を上げたりして官能の喜悦に、我を忘れたか
のように酔い痴れていた。
 「お前、これで終わりにしていいのか?」
 腰の律動を続けたまま、若い男が叱咤するように声をかけると、
 「も、もっと突いて…突いてください」
 と友美は切れぎれの声で、哀願の声を幾度か漏らした。
 「これだけでいいのか?って聞いてんだよ」
 「も、もっと欲しいっ…」
 「どこにだよっ?」
 「…お、お尻にも…ああっ」
 「ふん、婆ぁのくせに、どうしようもない変態女だな、お前」
 「あなたのおチンポを…わ、私のお尻にく、ください」
 ネットカフェの狭いボックス席で、窮屈な椅子に座り、ぎらついた目をパソコンの
画面に釘付けにしていた、私の下腹部は、これまで体験したことのない興奮状況に陥
っていて、恥ずかしいことだが、四十三歳の年齢で、その場で粗相を仕出かしてしま
うくらいになってしまっていた…。



                         続く
 
 
  

 

 
 


 
 
 
23/03/05 23:46 (x4bi5atX)
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