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祖母・昭子
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:SM・調教 官能小説   
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1:祖母・昭子
投稿者: 雄一
女の人の、男子として妙に気持ちをそそられそうな甘い化粧のような匂いを、
僕は鼻孔に感じ、同時に薄くすべすべとした布地の感触を通して、人肌の温み
を頬肉の表皮に感じさせられて、茫漠とした気持ちで薄目を開けた。
 すぐ間近に人のような気配を感じ、顔を少し動かせて目を大きく開けると、
畳に寝転んでいる僕の身体に、誰かが覆い被さってきているようだった。
 開けた目の真ん前に、薄い水色のすべすべとした布地が揺れていて、その布
地の中の人肌の温みが、感じのいい化粧の匂いを含ませて、僕の顔のあたりの
空気をほんのりと包み込んできているのだ。
 少し慌て気味に顔を上げた時、僕の鼻先と頬に水色の薄い布地の中の柔らか
い肉が触れてきたのがわかった。
 居間の畳の上に僕は身体を横たえて、うたた寝よりももう少し深い眠りの中
に落ちていたのだ。
 そこへ風呂から上がってパジャマ着替えた祖母が来て、寝入っている僕にタ
オルケットを掛けてくれていたのだ。
 寝がえりか何かでタオルケットがずれたのを、祖母がまた掛け直してくれる
のに身体を僕に寄せてきた時に、僕が目を覚ましたのだった。
 「風邪ひくわよ、こんなとこで寝ちゃ」
 身体を少し離して、祖母がかたちのいい唇から白い歯を覗かせて微笑んでき
た。
 「あっ、ごめん。婆ちゃんにおやすみの挨拶しようと思っ てたら、つい寝込
んじゃった」
 「そんな気を使わなくていいのに」
 「あ、それとね、婆ちゃんにいい忘れてたことあって」
 「何、いい忘れててことって?」
 「あのね、僕の発見なんだけど…演歌の歌手でね、三味線抱えて歌う人で、
その人の顔が婆ちゃんにそっくりなんだよ。名前はたしか…長山、何とかってい
う人。スタイルも婆ちゃんと一緒で小さくて奇麗な人。何日か前にテレビに出て
たんで母さんにもいったら、驚いてた。」
 「そうなの。婆ちゃん喜ばなくちゃいけないわね」
 「ああ、そういえば、婆ちゃんの娘の母さんもチョイ似てるね。でも婆ちゃん
はほんとに瓜二つだよ」
 「はいはい、もういいから早く寝なさい」
 「うん、おやすみ」
 他愛のない話を祖母とし終えて、寝室の布団に身体を横たえると、現実の状況
がすぐに僕の頭にもたがってきた。
 竹野という男のことだった。
 当然に、僕はまだ竹野本人には会ってはいなくて、知っていることといったら、
年齢が祖母よりも二十二も年下の四十二歳で、例の高明寺のお守り役として働い
ていて、坊主頭であることと、性格的には自分の書いた下品で下劣としか思えな
いような拙文をわざわざ祖母にメールに書き写させて、それを読ませたりとか、
相当な偏執狂のような面があったりという変人的な人物のようである。
 祖母のスマホのメール情報では、過去に離婚歴があり、この村へは四年ほど前
に流れ着いたとのことだが、それまでの住まいとか仕事歴はわかっていないよう
だ。
 祖母との性の関係もそうだが、推測するまでもなく、所謂SM嗜好者であるのは
間違いないようだ。
 性の問題は、たかだか十六歳でしかない、著しく若輩の僕が偉そうにいうべき
ことでないことはわかっているので、どうこうと意見はいわないが、SM嗜好その
ものについては、僕自身は侮蔑や軽蔑の対象外だと胸の奥では密かに思っている。
 恥ずかしいことだが、思春期真っ盛りの一年ほど前のある時期、僕は女性の生
理について、唐突に歪んだ好奇心を持つようになり、自宅の便所の汚物入れにあ
った自分の母親が捨てた汚物を手に取り、テッシュに包まれたものを開いて、赤
い血や黄色い沁みを見て、訳もなく興奮したことがある。
 人はさまざまなのだと僕は思う。
 つつましく穏やかで清廉な僕の祖母を、恥ずかしく凌辱し虐げる竹野という人
物には、憎悪や嫌悪や憤怒といった感情が、何故かあまり湧いてきていないこと
に内心で少し驚いているというのが、僕の正直な気持ちで、肉親である祖母には
申し訳ないのだが、性行為に伴うSM嗜好への興味の思いのほうが強いのかも知れ
ないと恥ずかしながら思っているのだ。

 
 「明日の夜ね、婆ちゃん、また寄り合いがあるの。雄ちゃん、留守番お願いね」
 祖母の口から待望(?)の言葉が出たのは、それから三日後のことだった…。


 
 
2023/01/27 22:12:19(7WqPo0xO)
112
投稿者: (無名)
いつも最高の作品をありがとうございます。
日々性長していく主人公の状況がたまらないです。私もこの様な立場に身を置きたいです。
私のS心をくすぐりますので。
続きを楽しみにしております!!
23/03/01 09:42 (B1GKkemQ)
113
投稿者: 雄一
「何時の列車?」
 「二時十何分…」
 「荷物はまとめてあるの?」
 「大体…」
 「忘れ物ないようにね」
 「あったら、またここに来れる」
 「…………」
 墓参りから帰ってからの、昼食時の祖母との会話だ。
 祖母は祖母としての話しぶりで、僕は普段の十六歳のままの声だったが、祖母の
顔が時が刻々と過ぎていくたびに、段々と声とともに沈みがちになっていくのが、
高校二年生の僕の目にも、はっきりとわかった。
 僕も本心的には、あまりにも激動的で激情的過ぎた、この村での約二週間前後の
ことを思うと、去りがたい気持ちは胸一杯にあったが、歳は若過ぎても自分は男だ
という気概で、淡々とした顔で夏休み最後の祖母の手料理に口と箸を動かせていた。
 「あ、そうだわ」
 黙々と動かせていた箸を止めて、祖母が急にその箸を置いて立ち上がった。
 普段なら、食事中に僕が何かで立ち上がったりすると、行儀悪いと叱ってくるく
せに、祖母はいそいそと自分の室に入っていった。
 ほどなくして、祖母は片手に黒い男物の手提げバッグのようなものを持って戻っ
てきた。
 「この前、あなたにほら、ユーエス何とかっていうのが入った、小さな封筒渡し
たでしょ?」
 「ああ、あの吉野さんからの?」
 「そう。その時に吉野さんから一緒に、このバッグを渡されたの」
 「ふーん」
 「で、その時にね、これは僕のあなたへの、多分最後の贈り物だ。もし僕がこの
世の人でなくなったら、開けてみてほしいっていわれて渡されたんだけど、私、怖
いからあなたが預かってくれない?」
 「遺書か何か入ってるのかな?」
 「とにかくお願い」
 昼食を終え、祖母から預かったバッグを手に持ち、僕は自分の室に戻った。
 祖母の目が、もう少しここにいてほしいと訴えているようだったが、泣き虫にな
りかけている祖母の顔を見るのが嫌だったので、それを僕は振り切って自分の室の
畳に寝転がった。
 実家に戻ったら、またあの、そこそこ口煩い母親と、適当に放任主義の父親相手
との生活が始まり、それほどには面白くもない学校生活の、ただ若さが飛び交って
いるだけの渦の中で、暮さなければいけないと思うと気が少し滅入るのだが、学校
の宿題よりも、もっと大事な宿題が僕にはあるのだと自分に言い聞かせ、怠け者の
動きで畳を転がり、窓の下のスポーツバッグの中から、祖母から預かった小さな封
筒を取り出した。
 これが今の僕の最大の関心事だった。
 封筒から黒い小さなUSBメモリーを取り出す。
 ノートパソコンは足の下だ。
 足で引き摺り寄せたパソコンの横に差し込む前に、僕はふいと手を止めた。
 もう少ししたら家を出て、列車に乗らなければいけない。
 懐かしの、でもない実家まで一時間ちょい。
 この忙しない時間で、自分の想像では、相当に重厚な読み物のような気がするも
のを、中途半端な気持ちで読みたくないと思ったので、USBメモリーを基の封筒に
戻した。
 すぐに突飛に、朝方の寺での尼僧の顔が頭に浮かんだ。
 エロい三文小説でも読んで暇を潰すか、と思い、パソコンの尼僧アプリを出した。
 祖母のことが気になったが、どうせ毎度のことで、僕に持たせる野菜や椎茸を詰
めた大きな土産物を、台所か庭先で拵えている最中のはずだ。
 吉野という人のUSBメモリーほどの期待感もないまま、僕は画面をあちこちスクロ
ールしながら、竹野という男と尼僧の最初の頃の、行き掛り付近に目を止めた。

 十一月二十六日
 
 六日前の午後、寺の檀家の有力な人が以前から、寺のお守り役で使ってやってほし
いといっていた人物を連れて訪ねてきた。
 村会議員を長く勤めた人で、、寺へのお布施も人よりも多い人の紹介だったので、
無下には断れない状況下での面談だった。
 果たして私の思いは脆くも崩れ、第一印象としてはあまり良くなかったというのが、
私の感想だった。
 竹野という四十代半ばの男で、顔かたちは兎も角、初対面で私を見た時の目に奇妙
な不吉感のようなものを、私は感じたのだった。
 それでもその紹介者とは、何か深い関りがあるようで、結局のところ私のほうが折
れるかたちで採用することになったのだった。
 しかし、後日のことで私の第一感は正しかったことを、私は自分のこの身を以って
知らされることになった…。

 一昨日の夜の八時過ぎだった。
 私の住家の玄関のチャイムボタンが、一度だけ小さく鳴った。
 「明日の夜、八時に来る。チャイムを一階だけ鳴らす」
 前日の深夜に、竹野が私にいい残していった言葉の通りだった。
 私は奥座敷の仏間で、仏の前にぬかずいて、得度の経読みに没頭していた。
 八畳間の仏間で、祭壇には三年前に他界している、夫の笑顔の遺影が飾ら
れている。
 そして私の背後の畳には、事前に私が用意した布団が敷かれていた。
 時間にして数十分も、一心不乱に努めていた私の声が、一度だけのチャイ
ムの機械的な音で、まるでそれが合図でもあったかのように止まっていた。
 その場を立ちあがり、私は心中に恥辱の思いを深く抱きながら、そのくせ
自分の気持ちを異様なくらいに昂まらせながら、足を擦るようにして玄関に
向かった。
 「暗い玄関に入るのは嫌だから、灯りを点けておけ」
 とも、竹野は昨夜にいっていた。
 玄関の硝子戸越しに、男性の影がはっきりと見えた。
 訪問者が誰なのかも確認することなく、私は鍵を開けていた。
 坊主頭で、法衣と袴姿の上にオーバーコートを羽織って立っていたのは、
やはり竹野だった。
 「寒いっ」
 の一言と一緒に竹野が、玄関口へ身体を滑り込ませてきた。
 いきなり冷えた両手で、私の頬が挟み込まれ、顔を押し付けられるよう
にして唇を塞がれる。
 口の中で歯が、強い舌の力でこじ開けられる。
 煙草と酒の入り混じったような匂いが、私の口の中に一気に充満した。
 餌を貪る獣のように、竹野の舌が私の狭い口の中で這い廻ってきた。
 ほとんど無抵抗の状態で、私は竹野の荒々しい舌の責めを甘受していた。
 やがて私は気づかされる。
 私の身体の中のどこかに、ポッと赤い火が点り出すのだ。
 昨夜もそうだった。
 狭い便所の中で、私はいきなり竹野に襲われ、板壁に背中を押し付けら
れるようにして、片方の足を高く抱えられ、竹野のつらぬきを受けた。
 暫くして、私をつらぬいている竹野が驚いたような顔をして、目を見つ
めてきた。
 「あんた、もう濡れてきてるじゃねぇか?」
 私の身体も心も知らないところでの、女としての恥ずかしい反応だった。
 「ふふ、あんた、得度を受けて出家してるんじゃなかったんかい?」
 蔑むような目を猶更にぎらつかせて、竹野が私の唇を唇で、掠奪るかの
ような勢いで塞ぎにきた時には、私に口の中で歯を強く閉じる力は亡くな
ってしまっていたのだった。
 されるがままに、私は立ち尽くしていた。
 竹野の片手が私の法衣の裾を割って、股間の奥深くに潜ってきた。
 全身が妖しく上気してきているのを、私は知った。
 「へへ、昨夜と一緒だな」
 法衣の裾の中深くに潜った竹野の指先が、私の身体の不覚な潤みを掬い
取ってきて、淫猥な笑みを浮かべながら、その指先を私の顔の前に翳した。
 「あんた、相当に淫乱だな。それにマゾっ気も相当なもんだ。今から責
めがいがあるぜ」
 その後、私は竹野に抱き支えられるようにして、いきなり奥座敷まで連
れ込まれた。
 「おう、用意がいいじゃねえか」
 室の中央に床が延べられているのを見て、竹野は感心したような笑みを
浮かべて、その布団の上に倒れ込むように身体を崩し、
 「へへ、俺もちょっとな。今日は色々持ってきてるんだ」
 とそういって、オーバーコートのポケットから出してきたのは、赤い縄
の束ねたものと、男のものを形どった黒色の性具のようなものと、透明の
液体のようなものが入った小瓶だった。
 「これが全部お前の役に立つってことさ。おい、こっちへ来い」
 まるで自分の家の中にいるかのように、竹野は横柄な態度で私を呼びつ
けてきたのだが、私のほうにすでに抗う気持ちがなく、彼のいう通りにした。
 竹野は私を自分の傍に引き寄せると、いきなり法衣の上から赤い縄で縛り
つけてきて、布団に転がして、
 「のっけから強烈な責めをお見舞いしてやるよ」
 とそういうと、後ろ手に縛られた私の身体を俯けにしてきて、両足の膝を
立てるようにといってきた。
 両手の自由を奪われた状態での、四つん這いの姿勢だった。
 嫌な予感が私の胸を突いた。
 法衣の裾を大きく捲りあげられた。
 露わになった私の臀部の前に竹野がいた。
 いつの間にか竹野はズボンもブリーフも脱いでいた。
 「ああっ…い、いやっ…そ、そこは」
 私は悲鳴のような声を挙げて、四つん這いの姿勢を崩そうとしたが、男の
竹野の力は強く、どうにも動けなかった。
 私の悲鳴の要因は、剥き出された臀部の尻穴付近に、唐突にべっとりとし
た粘い液体が塗り込まれてきたからだった。
 「ふふ、昨夜あんたをバックから犯した時にな。この尻穴見てすぐにわか
ったよ。ウンチ以外にここを使っているってことがな」
 私しか知らない恥ずかしい秘密を暴露されて、私は慌てふためき、顔を布
団に強く埋め込むしかなかった。 
 夫を亡くして数年、五十をとっくに超した年齢でも、無性に寂しく切なく
なる夜があり、夫が生前に教えてくれた、その部分への愛撫の行為に、時折
耽る夜があった。
 そういう行為を亡夫は好み、それ用の器具も残していてくれていたのだ。
 厳かな得度の洗礼を受け出家の身に服していながらの、不埒不遜な行為で
あることを知りながらの愚行だった。,
 その恥辱の愚行を、昨夜犯されたばかりの竹野に知られてしまった私に残
されているのは、この男への観念の屈服しかなかった。
 顔は見えないが竹野はおそらく勝ち誇ったような顔で、私の臀部の恥辱の
部分を責め立ててきているのだろうと思った。
 ずぶりという感覚で竹野のものは、私の胎内深くに滑り込むようにして侵
入してきた。
 「ああっ…いいっ」
 布団に子を深く埋め込んだ中で、私は呻くような声で喘いだ。
 冷たく固いだけの器具の感触とはまるで違う、それは快感だった。
 人のものが入ってきているという、生温かい圧迫に、私は忽ちにして酔い
痴れていた。
 「ふーむ。歳食ってる割にはいい締まり具合だぜ」
 勝利に酔ったような竹野の声が聞こえた。
 「ああっ…いいっ、いいわ。…も、もっと」
 「もっと何だ?」
 「もっと犯してっ…わ、私を滅茶苦茶にしてっ」
 竹野への完全な屈服と、これからの隷従を誓わせられ、私はこれ以上ない
くらいの絶頂の極致に達していた。
 もうこの人とは離れられないと、心の隅で思った。
 
 ここまで読み終わった時、玄関口のほうから僕を呼ぶ祖母の声がした。
 室を出ると玄関の上がる口に、大きな紙袋が置いてあった。
 「これ、お母さんにね」
 といとも容易そうに、紙袋の横に腰を下ろした祖母がいう。
 「重くないんだろうね。去年の夏休みの時なんか、途中で袋破れて往生し
たんだから」
 不平の目で祖母を睨みつけて僕は返した。
 「もう少ししたら出かけないと」
 少し寂しそうな目でいって、祖母はすたすたと自分の室に入っていった。
 居間で手持ち無沙汰でいると、
 「雄ちゃん、ちょっと来て」
 と祖母の呼ぶ声がしたので行くと、
 「これ、私から」
 と室の中央に立った祖母が、僕に小さな封筒を差し出してきた。
 「沢山は入ってないけど、真面目な本でも買って」
 「何だよ、それ」
 「この休みで色々とあなた、大人の勉強したから」
 「うーん、そうかな?」
 祖母が僕の前にさらに近づいてきた。
 祖母の化粧のいい匂いが、僕の鼻先を心地よく漂った。
 「私のこと、嫌いにならないでね」
 「なるわけないじゃん
 「もう一度キスして」
 僕も一歩足を踏み出した。
 祖母の華奢な両肩に手を置き、身を屈めるようにして唇を近づけていく。
 祖母の唇の柔らかい感触が、僕の心に沁みた。
 すると祖母が、いきなり両腕を僕の首に巻き付けてきた。
 「帰ってほしくない…」
 寂しい声でそういった祖母に、僕は言葉を返せなかった。
 「ね、最後にもう一度、名前を呼んで…」 
 祖母のその言葉には、僕はおまけ付きでしっかりと応えた。
 「昭子、
愛しているよ」
 重い紙袋とスポーツバッグを下げて駅に着くと、雑貨屋の叔父さんがにこやか
な顔で寄ってきて、
 「兄ちゃん、いい夏休みだったかい?」
 と聞いてきたので、
 「ええ、この村が益々好きになりました」
 と笑って応えた。
 僕の真後ろで、祖母はもうべそをかいていた…。 
 
 
                   続く
  
 
 
 
23/03/01 17:28 (kerVcSpH)
114
投稿者: (無名)
引き続き末永くよろしくお願いします。くれぐれも無理をなさらずに。
23/03/01 22:23 (JfYyVmIL)
115
投稿者: 雄一
夏休みが終わり、五日目の午後だった。
 学校からの帰り道、友達も特にはいない僕は一人で、通学路を家に向かって歩い
ていた。
 私鉄沿線の駅を降りて、家までの一キロ足らずの道を、いつものように顔を俯け
て、どこを見るでもなく、何を考えるでもなく、僕の悪い癖の歩幅の狭い歩き方で、
広い国道から逸れた住宅街の緩い坂道を歩いていると、
 「上野君」
 といきなり女性の声で呼ばれた。
 足を止め振り返ると、学校でよく見かける女性だった。
 現代国語を教えている、女教師の沢村…確か名前は俶子とかいうのだった。
 年齢はよく知らないが、三十代半ばくらいで、生徒間の間では、少し濃い化粧が
特徴なのをもじって、マダムと渾名されている女性だった。
 これまでにその女教師と僕との間には、生徒と教師以外の関係は何もないし、僕
自身も興味一つ抱いていなかった。
 背後から僕を驚かすように声をかけてきた、沢村先生の顔は今日も濃い目の化粧
だった。
 肩の下辺りまで伸ばした髪は薄い栗毛色に染まっていて、色白の小ぶりの顔をさ
らに白く見せているような化粧で、横に微かに長い唇の紅の赤さが際立って見え、
細い銀縁の眼鏡の奥の、目の周りのアイラインも濃い感じだった。
 濃い目の化粧のせいもあって、美人といえば美人だが、誰から見てもそうだとい
う感じでもない。
 夏休み前の生徒間情報では、この春頃に離婚をしているとのことだ。
 「上野君、帰宅部だから早いのね」
 十メートルくらい前から小走るように、僕に駆け寄ってきて、赤い唇から健康そ
うな白い歯を覗かせて、少し嫌味っぽく話しかけてきた。
 淡いクリーム色のツーピース姿で、中の白のブラウスのボタンが上から三つほど
外れていた。
 この沢村先生とは何もないはずの僕は、少し慌てたように周囲に目を廻していた。
 「今日は午後からの授業なかったので、そこの区立図書館でちょっと調べものし
たかったんで来てたの」
 こちらが聞きもしないのに、沢村先生は屈託なさげに話してきた。
 百メートルほど先に図書館があるのは、僕も当然知っていた。
 「ああ、そうですか」
 そういって頭をちょこんと下げて、歩きかけた僕の二の腕を、先生は優しい力で
掴み取ってきて、
 「せっかくこんなところで会えたんだから、どこかでお茶しない?」
 と掴んだ僕の腕を引くようにしていってきた。
 沢村先生の化粧そのものの匂いが、僕の鼻孔をついてきた。
 一学期の時の僕なら、間違いなくその誘いは固辞して、一目散にその場から駆け
出していただろうが、この夏休みの自分の激動の経験がものをいってか、僕の足は
躊躇いなく止まり、沢村先生の眼鏡の奥の少し細めの目に、応諾の意を伝えていた。
 図書館からもう少し坂を登ったところに、僕もたまに行く個人経営の喫茶店があ
った。
 高いビルの一階で、それほど広くはない店内だったが、七十代のマスターが入れ
るキリマンが僕は好きだった。
 その店のもう一つの特徴は、新聞雑誌の他に、マスターが読んだものと思われる、
旧い文庫本が細長い棚を占領して置かれていることだった。
 店内には短いカウンターに一人と、窓側のボックス席に若いカップルがいるだけ
だった。
 僕と沢村先生の、年齢的にも互いに着ている服のバランス的にも、少しばかり奇
異なカップルは、奥のボックスに腰を下ろした。
 二人で向かい合うもう少し前くらいから、僕は何かがおかしいと思っていた。
 先生のとの間の空気に、奇妙な違和感を抱いていたのだ。
 出されたコーヒーを二口ほど啜った時、
 「この前夏休みの宿題レポート出してくれたじゃない?」
 と静かな口調で切り出してきた。
 例の僕の田舎の高明寺の、平家の落人の歴史についてまとめ上げて提出したものだ。
 あの曰く因縁の、尼僧から借りた寺の資料を基に、どうにかA4用紙七、八枚にまと
めて、僕は書き上げていた。
 早速、勉強の話かよ、というような表情で、僕が先生に目を向けると、先生のほうが
かなり戸惑っているようだったので、訝りの目でもう一度先生を見返した。
 「ううん、そ、それはとても上手にまとめてあって、さすがに文章上手な上野君だな
って、先生もおもったわ。…た、ただね」
 辛そうに、先生のほうが僕から視線を逸らし、横に置いたトートバッグからゆっくり
と折り畳んだ紙片を取り出し、恐る恐るの表情で僕の前に差し出してきた。
 A4用紙三枚の、最初のページの書き出しを見て、僕は声も顔も失った。
 氷のように固まった僕の頭の中に、記憶がはっきりと蘇ってきていた。
 夏休みの終盤の頃、僕はあの寺で見せてもらい、自分のスマホに取り込んだ資料を繰
ったりして、曲りなりに宿題レポートしてまとめ上げた。
 日はいつか忘れたが、午後の二時くらいには仕上げて、夕飯まで時間はたっぷりあっ
たので、遊び心で、例の尼僧の愛欲日記をスマホとにらめっこをしながらパソコンに打
ち込んでしまっていたのだ。
 それも宿題レポートと同じアプリの中へ、取り込んでいたことを忘れ、それをコピー
して添削や確認をしないまま、今、目の前にいる沢村先生に提出していたのだった。
 「そ、それは…あ、あなたの創作なの?」
 上擦ったような声で聞いてくる先生の目を、僕は当然に正視できなかった。
 二学期早々にこれかよ、と僕は心の中で愚痴りながら、残っているただコーヒーに手
も出せず黙りこくってしまっていた。
 悲しいことに詳しい説明が、目の前にいる沢村先生に、どうしても話せない事情があ
るのだ。
 タイミングが悪いというのか、店内に流れてきている静かなBGMが、この場にまるで
ふさわしくない、尾崎豊のあの曲だった。
 「…高校の国語教師の私としていえることは、あれがあなたの創作ではあってほしく
ないってことだけ」
 顔を俯けたまま、沢村先生は静かな口調でいって、冷めかけたコーヒーカップに手を
伸ばしていた。
 先生はもしかして、このことを僕に告げるために、帰宅部の僕の時間に合わせて、あ
の坂道で待っていたんじゃないか?
 ふと僕はそう思った。
 それはそうだ、こんな話は学校の職員室でできることではない。
 そう思うと、それまで僕の意識の中に全然存在していなかった、この沢村先生に奇妙
な親近感のようなものが、心の中に湧き出てきていた。
 「あ、あれは、僕の創作なんかじゃありません」
 意を決したような顔で僕がいうと、
 「そ、そだわよねぇ。先生もそう思ってた」
 とそういって、安堵したような笑顔を見せた。
 そして、それから三日後の土曜日、僕は沢村先生の訪ねていた。
 喫茶店でのすこし面映ゆいような面談の翌日、昼休みで校庭に出ようと玄関にきた時、
また背中のほうから沢村先生に声をかけられた。
 周囲に人がいないのを確認して、
 「この土曜日、何もなかったら、私の家に来ない?」
 と早口で聞いてきた。
 「はい」
 何も考えないまま僕が即答すると、
 「これ、私の家」
 そういって先生は、すぐに僕の前から離れていった。
 僕が登下校でいつも乗降する駅から、僕の家から反対方向に歩いてに十分くらいのと
ころに建つ五階建てのマンションの五百二号室だった。
 沢村先生は、休日ということもあって、化粧もほとんどしていなく、白のポロシャツ
にチェック柄の短パン姿だった。
 玄関を入ると、すぐに女性の化粧の匂いが僕の鼻をつき、祖母の住む田舎から帰った
何日間か忘れていた、妙に上擦ったような気持ちを、僕は思い出していた。
 「この前行った喫茶店ほど美味しくはないけど、コーヒー、もうちょっとだからね」
 キッチンで忙しなげに動き廻っている先生の顔は、学校にいる時とはまるで違ってい
た。
 
 
 

23/03/02 13:48 (jIB1JSSY)
116
投稿者: 雄一
…どちらかというと細身な体型で、短パンを穿いた足の線もスラリとしていて、
何より僕が驚いたのは、ポロシャツの胸の膨らみの大きさだった。
 口紅を引いただけのような、素顔に近い色白の顔を見て、何もあんなに化粧し
なくても充分に奇麗なのにと僕は思った。
 何げに壁の時計に目をやると、十時半を少し過ぎていた。
 先生の入れてくれたコーヒーは、美味しそうなバームクーヘン付きもあって美
味しかった。
 ところが、僕が沢村先生の家をこうして訪ねてきた理由と、先生が僕を招いて
くれた理由がわからずに、コーヒーを飲み終えて暫く、テーブルの前で言葉を失
ったように黙り込んだ。
 テーブルを挟んで僕の真正面にいた先生も、そのことにはたと気づいたらしく、
顔を横に向けて一人笑いをしていた。
 「私ね、あなたが一年の時から、あなたの作文能力は凄いと思って感心してた
の」
 「あ、ありがとうございます。何か買ってくればよかったな」
 照れ隠しで、ここを訪ねた時、内心で少し悔やんだことを言葉にした。
 「人や物を見る洞察力が優れてないと、文章はなかなか上手く書けないのよ。
それともうひとつは想像力。これも大事なのよ」
 国語の先生が、国語の先生らしいことを真顔でいったのに、
 「僕の場合は妄想だけで」
 と茶化すようにいうと、先生が急に目を凝らしてきて、
 「う、上野君の…今、抱いている妄想ってある?」
 と謎掛けしてきた。
 赤い唇を噤むようにして、僕を見つめてきている先生に、僕もしっかりと視線を
逸らさずに見つめ返していた。
 この辺は夏休みの僕の体験効果の現れだと、自分自身で思った。
 
妖しくなり出した空気感の中での、視線と視線のぶつけ合いで勝ったのは、どうや
ら僕のようだった。
 先生のほうが、何かに挫けるように僕から視線を逸らしたのだ。
 ダイニングルームの室全体に、妙に息苦しい空気感が一気に漂い出してきている
のが、若い僕にもわかった。
 その少し危険そうな雰囲気を払拭しようとしてか、沢村先生が椅子から立ち上が
ろうとした。
 「先生、動かずにそこにいてっ」
 僕は少し強い口調でいって、自分が椅子から立ち上がっていた。
 テーブルを廻り込んで、沢村先生の真後ろに立った。
 手をすぐに先生の膨らみの豊かな胸に持っていった。
 ポロシャツの生地を通して、先生の乳房の張りのある柔らかさを、僕は自分の手に
実感していた。
 間髪を入れず、僕は身体を屈め、顔を先生のただ唖然としている顔に近づけた。
 唇が触れた。
 先生の唇には何の抑止力も働いてはいなかった。
 先生の歯と舌の感触が、僕の舌に苦も無く伝わってきていた。
 誰に教えられたのでもなく、自然なまま十六歳の僕は動いただけだった。
 自分でも少し信じられないような僕の動きの、原動力の根幹は間違いなくあの夏
休みの激動的で、激情的な体験が大きく作用していると僕は確信していた。
 乳房を揉みしだく僕の手は、ポロシャツの下に、先生はブラジャーをしていない
ことを察知していた。
 固くし凝っている乳首の感触が、僕の手のどこかしこに伝わってきていた。
 塞いだ口の中でも、先生の舌は喘いでいるようだった。
 ここに来る道すがらでも、まるで考えてもいなかった事態だったが、降って湧い
たようなこの機会を逃すわけにはいかない、と経験もまだ浅い少年の僕は思った。
 ここでこの先生を尚責め立てて、恥ずかしい陥落の憂き目に遭わせたいという嗜
虐的な発想に僕はとり憑かれた。
 唇を離し、怯えを露わにした先生の片腕を掴み上げ、
 「ベッドはどこだ?」
 と大人びた口調で聞いた。
 慄きながら先生が指した指のほうにドアがあった。
 六畳ほどの広さの洋室になっていて、長い壁に沿うように女性らしい仕様のベッ
ドが見えた。
 「全部脱げよ」
 先生をベッドの上に押し倒して、冷徹ぶった声で僕はいった。
 僕の思いもかけない豹変に、沢村先生は驚きの表情を露わにしたが、大声を出す
とか強く拒絶して暴れるという所作はどこにも感じられなかった。
 僕の穿った見方かも知れなかったが、むしろ先生の目には学校では全く見せるこ
とのない、性に激しく飢えた女の目のような、陶酔感のようなものが、細い銀縁の
眼鏡の奥から滲み出てきている感じだった。
 ベッドに座ったままで先生は、僕のいう通りにした。
 肌の色は白く、腰の周りのくびれが際立ち、改めて見る乳房は丸く盛り上がり、
豊潤そのものだった。
 これはここで一発抜いておかないと、夏休みの経験を踏まえて僕は思い、全裸の
先生の身体に若さを思いきりぶつけていった。
 僕を迎える先生の順応も早かった。
 相思相愛の恋人同士のようにして、それまでの異様な雰囲気も忘れたかのように
僕たちは愛し合った。
 「な、中に出してっ。…き、今日はいいの」
 僕が達する寸前に、先生は縋るように僕にいった。
 そしてこの先生も、自分が達する前に、
 「お、お願いっ。…と、俶子って呼んで」
 と僕にそうせがんできた。
 祖母の顔が、僕の頭を過ったのはいうまでもなかった。
 裸のまま、先生…いや、俶子はキッチンに行き、冷たい麦茶を持ってきて、また
僕の横に添い寝してきた。
 暫く経ってから、徐に俶子に聞いてみた。
 僕が誤って提出した、あの尼僧の書いた文章のどこに刺激を受けたのかと。
 「ぜ、全部よ。全部に興奮してしまって、私、その夜寝れなかった」
 「それでオナニーかい?」
 「ええ、したわ…」
 「先生、いや俶子は淫乱なんだな。学校ではしとやかぶってるくせに」
 「私、自分にも男の人に虐められたいとか、恥ずかしいことされたいとかの願望
があること知ってるの。このこというの、あなたが初めてだけどね」
 「そういう人っているんだよな」
 「あら、あなた他にもそんな人知ってるの?妬けちゃうわ」
 祖母の顔がまた頭に浮かんだが、これは誰にも話せない。
 「私、二年前に離婚してるんだけど、ほんとに正味の話、性の不一致だったの。
旦那が私と同じマゾ志向で…」
 「そうなんだ。男にもそういうのいるとは、聞いたことあるけど」
 「マゾの女からしたら最低よ。でも、女の人のマゾは好き。だからあれに興奮し
たのよ。ところでその人ってあなたのお知り合いなの?」
 思わぬ話の進み具合で、十六の少年の僕は、三十代半ばの老練な熟女の逆責めに
合い、かなりの部分まで秘密を暴露させられてしまっていた。
 勿論、祖母との話は、断じて何一つ話さなかったが。
 その尼僧さんに会わせてほしいと俶子に懇願されたが、それはこれからの君の僕
への忠誠次第と交わして逃げた。
 熟女を横にしていた僕は、長い話の真ん中くらいから、もう復活の狼煙を濛々と
挙げていた。
 俶子も僕の話に、また酔い始めていた。
 「ここに縄あるかい?」
 突拍子もないことを僕は尋ねていた。
 「な、ないわよ、そんな。だって誰も縛ってくれる人なんかいないもの」
 不貞腐れたような声で、俶子はいった。
 ないのを聞いて、僕も本心は安堵していた。
 「恥ずかしいことしようか?」
 「僕の前で何でもできる?」
 「うーん。今だったらできるかも…」
 「俶子がションベンするところ見たい」
 「まあっ…」
 「嫌なら帰る」
 「意地悪なのね」
 「うん」
 「わかったわ。おトイレで?」
 「風呂場がいいかな?」
 「い、いいわ。丁度今、したくなってるし」
 行こうという前に、僕はもう俶子の手を取ってベッドから起き上がっていた。
 僕も俶子も素っ裸のまま、浴室に駆け込んだ。
 実際の僕には、女性の放尿を見たことは一度もなかったが、自分の口から出した
ことだから今さら後には引けなかった。
 一人住まい用の浴室は狭かった。
 「こ、ここにすればいいの?」
 少し恥ずかしげに俶子が洗い場に立っていった。
 「少し見にくいけど、いいんじゃない?」
 膝を曲げて両足を少し開き気味にして、俶子が洗い場に座った。
 したかったというのは本当らしく、尿はすぐに俶子の股間から勢いよく飛び出た。
 「ああ…や、やっぱり恥ずかしい」
 「変態女」
 僕の口から勝手に言葉が出た。
 「見られて嬉しいか?」
 「は、恥ずかしい…で、でもあなたに見られて…う、嬉しいっ」
 「ふふん、学校の教師がよ、生徒に見られてションベンとはな」
 「お、お願いっ…そ、それはいわないで」
 会話を交わせば交わすほど、自分自身が卑猥になっていくのがわかった。
 「次は俺のションベンを、その顔で受けてみろ」
 「ああ…そ、そんなっ」
 「嫌なら帰る」
 そんな下卑た会話のせいか、本当に僕の尿意も限界に来ていた。
 「お、お願い…あなたのおしっこ、の、飲ませて。か、顔にかけて」
 「ふん、淫売のどうしようもない女め」
 この時の自分の顔がどんなだったかは、僕は知らない。
 見たこともない淫獣のような、ひどい顔をしていたのだと思う。
 僕の下腹部から勢いのいい飛沫が、俶子の恍惚の顔に思いきり当たっていた。
 俶子の口が惚けたように開けられていて、そこに僕の勢いのいい飛沫が飛び
散り、半分以上が口の中に入っていた。
 尿まみれになった洗い場で、僕は俶子の片足を持ち上げるようにして、下か
らつらぬき犯した。
 それまでの獣じみた興奮が、僕の絶頂を早めたのは仕方のないことだと思っ
た。
 シャワーを先に使った僕は素っ裸のまま、俶子のベッドに仰向けに寝転んで、
茫然とした顔で白い天井に目を向けていた。
 自分が今、何を考えているのかわからなかった。
 沢村先生が俶子で俶子が沢村先生。
 自分はこれからどちらに重きを置いていったらいいのか?
 二人は一体どんな関係になっていくのだろうか?
 思考が難しくなりそうなので、僕の得意な、どうにかなるさという投げやり
思考を採択して、考えることを止めた。
 俶子がシャワーを終えて、バスタオルを身体に巻き付けて室にきた。
 「お腹空いたでしょ。何か作るわね」
 そういって濡れた髪の毛を、小さなタオルで拭きながら室を出ていこうとして、
ふいに足を止め、
 「今日は遅くまでいてね」
 と哀訴するような目でいってきた。
 昼食は俶子が作ってくれたピラフで終え、二人はまたベッドに横たわった。
 俶子は高校教師という実像をどこかに置いてきたかのように、一廻り前後も年
下の僕に限りなく尽くしてくれ、意地悪根性でいう僕の要求に何でも応えてくれ
た。
 僕の目の前でオナニーして見せろというと、はい、と応えて、本気で自慰行為
に励んだ。
 僕のものを咥えろといわれると、汗をかいて熱心にしてくれた。
 昼食を終えてからの二人は全裸のままだった。
 三時のコーヒータイムの時、俶子が僕の耳元に囁いてきた。
 「また、したくなってきた」
 若い僕は躊躇することなく、俶子の要望に応えてやった。
 五時を過ぎた頃、帰ると僕がいうと目に涙を滲ませ、
 「私を嫌いにならないでね…」
 と少女のような純真な声でいって、僕を送り出してくれた。
 帰り道の途中の図書館の横に、芝生のある小さな公園があった。
 俶子の家を出て二百メートルほど歩いたところで、その公園に寄っていこうと、僕は
決めていた。
 ポケットからスマホを取りだし耳に当てた。
 「雄ちゃんっ…」
 僕の名前だけいって、相手は声を詰まらせてしまっていた。
 僕も名前だけ呼んでやった。
 「昭子…」


 (筆者後記)

 またしても投稿ボタンの早押しです。
 すみません。





 
 
 
 
  



23/03/02 22:19 (jIB1JSSY)
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