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祖母・昭子 その後
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:SM・調教 官能小説   
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1:祖母・昭子 その後
投稿者: 雄一
「凄い人ね…」
 「だから近場の神社でいいといったのに」
 「いいじゃない。あなたも私も東京っ子なのに、日本一の明治神宮に一度もお参りして
ないんだから。それに…」
 「え?何だって?」
 「来年の雄ちゃんに栄光がありますように」
 「栄光って?」
 「東大の入学試験に合格しますようにって、日本一の神様にお願いするの」
 「あ、あれはだな…ものの弾みでいっただけで…」
 「だめっ。指切りして約束したんだから」
 明治神宮の入り口から御社殿までの参道は、大晦日のこの夜、当然のように人、人、人
でごった返していた。
 紀子に無理矢理誘われて、僕は彼女が言うように、まだ一度も来たことのない明治神宮
に来ていた。
 一ヶ月ほど前、奥多摩の祖母の家で、初めて紀子を抱いた時、その後の寝物語で、
 「俺、まだ将来の夢なんて何もないんだけど、何かのテッペンに立ってみたいから、東
大でも狙ってみようかな?」
 と何の脈絡も、勿論、見込みもなしに、ぼそっと言ってしまったことを、紀子のほうが
真に受けてしまって、喜色満面の笑顔で僕に抱きついてきたことを、大晦日のこの日まで
引き摺ってきているのだ。
 後で、冗談だよ、と何度も訂正と取り消しの言葉を言ったのだが、紀子はまるで聞く耳
を持とうとしなかった。 
 今夜のここへの参拝をいい出したのも紀子で、まるで大奥のお局にでもなったように、
僕に自宅まで迎えに来させ、人で混雑するに決まってる大晦日の、中央線から山手線の電
車内でも、人混みと痴漢から自分を守れと言ってきたり、言いたい放題、したい放題の有
様だった。
 自惚れていうのではないが、紀子をほんとの女性にしてやったのは僕のほうで、もう少
ししおらしくなるのかと思っていたら、真逆の結果になってしまっていて、人生経験のま
だ浅い僕は、女ってわからん、と思うしかなかった。
 それにしても、この人の多さはまるで東京中の人が全部集まってきているような喧噪さ
で、僕は早く退散したい思いで一杯だったが、紀子のほうは僕の片腕を両手で痛いくらい
に掴み取ってきていて、
 「お前、そんなにくっついてくるなよ」
 とぼやきながら僕がいうと、
 「恋人同士だからいいじゃん」
 と悪戯っぽく白い歯を見せて笑ってくるだけだった。
 少し前にあった紀子の両親の離婚問題も、不倫騒動を起こした父親のほうの全面的謝罪
を母親が、娘のためにと渋々ながら許諾したことで、元の鞘に戻ったようで、その頃は半
泣き状態だった紀子も、生来の小煩い小娘に完全復活していた。
 紀子との東北への一泊旅行も滞りなく済ませていて、仙台のシテイホテルで、僕は彼女
とベッドを共にしていた。
 僕の祖母のように、長い人生を経験を踏まえた官能的な深さは無論なかったが、清流の
川で弾け泳ぐ若鮎のように清々しさに、他の女性の時にはないような感動にまたしても取
り込まれ、早々の撃沈に陥っていた。
 ひたすら陸上競技に打ち込んできている、紀子自身は自分の躍動的な身体の特性にはま
だ気づいてはいないようで、
 「私たちってまだ十六なのに、こんなことばかりしてたら、不純異性交遊か淫行罪で逮
捕されない?」
 などと無邪気な顔をして言ってきたりするのだ。
 押し競饅頭のような身動きできない人混みの中で、紀子は最後まで僕の腕を、両手で強
く掴み取ったまま、どうにか本殿の参拝所の前に辿り着き、僕は型通り五円玉を、紀子は
と見ると、硬貨で一番大きい五百円玉を惜しげもなく投入していた。
 騒然とした人の群れの声と熱気の中で、
 「これ、私からの雄ちゃんへの投資だからね。これから受験勉強頑張ってね」
 と横の何人かが振り返るような、大きな声を張り上げて言ってきた。
 そう言われても、半分は口から出まかせで出た言葉だし、僕には自信の欠片すらなかっ
たので、曖昧な笑顔を見せて曖昧に頷いてやるしかなかった。
 大鳥居を抜けようやく境内の外に出ても、駅のほうから歩いてくる人の波は引きも切ら
なかったが、僕はそこで奥多摩の祖母の顔を、はたと思い出した。
 毎年のことだが、大晦日の新年のカウントダウン前後には、いつも祖母に電話をするの
が僕の慣例になっていた。
 スマホで時刻を見ると、零時に七分前だった。
 「婆ちゃんに電話したい」
 まだ僕の腕から手を放さずにいる、紀子に独り言のように言って周囲を見廻したが、ど
こも蟻の群れのような人だかりで、静寂なスポットなどどこにもあるわけがなかった。
 かまわずに、スマホの画面に祖母の番号を出し、発信ボタンを押すと、やはり一回のコ
ールで祖母が出た。
 「雄ちゃん…」 
 周囲の喧騒の中でも、祖母のもう泣き出しそうな声が、はっきりと聞こえた。
 「婆ちゃん、今、明治神宮に来てる」
 片方の耳を抑えて、僕も精一杯声を張り上げて祖母に言った。
 横にいる紀子と初めて契りを交わした翌日に、雑貨屋の前の無人駅で言葉を交わして以
来、長い間、会ってはいない、祖母の色白で小さな顔が僕の脳裏に、懐かしくそして妙に
物悲しげに浮かんだ。
 あの時は紀子も一緒だった。
 二人はともに笑顔で言葉を交わしてはいたが、十六と六十代の女同士の瞬時の視線の交
錯に、鈍感な僕でも気づくくらいの、小さな火花のようなものが散っていたのを思い出し、
僕は思わず目を瞬かせた。
 若い紀子はともかくも、年齢を重ねている祖母の女の勘は鋭い。
 僕ら二人を駅で見送り、帰宅した祖母はきっと何かを嗅ぎ取るような、そんな気が僕は
していた。
 狭い歩道を歩く人だかりの中で、カウントダウンを叫ぶ声が合唱のように聞こえてきた。
 「婆ちゃん、おめでとう!」
 零時になった時、僕はありったけの声でスマホに口を寄せて叫び、横にいる紀子に目を
向けた。
 紀子の少し大人ぶって化粧した、艶やかな顔がいきなり僕の顔の前に近づいてきて、周
囲の人だかりを気にもせず、大胆にも唇に唇を強く押し当ててきた。
 耳に当てたスマホから、祖母のおめでとうの声がどうにか聞こえたが、紀子の思いがけ
ない行動に、僕の気持ちは完全に奪われていた。
 僕のマフラーの上に手を廻してきて、重なった唇は十秒近く離れなかった。
 唇が離れてすぐに、
 「冬休みの終わりに、また行くね」
 と祖母に声を張り上げて言って、僕はスマホのオフボタンを、慌てた素振りで押して、
改めて紀子の顔を見た。
 「おめでとう。これ私の新年のサービス。…それと」
 「何…?」
 「あなたのお婆ちゃんへの、小さなジェラシー」
 歩道の雑多な流れの一部を止めるように、紀子は少し上気した顔で、僕を本気とも冗
談ともつかぬ顔で見つめてきていた。
 祖母とのことについては、紀子には絶対に話せない、大きな秘密を抱えている僕は背
筋を少しヒヤリとさせながら、それでも普通の顔で彼女の目を見返した。
 「年越し蕎麦食べよ」
 紀子は明るい声でそう言って、まだまだ人通りの絶えない歩道を、原宿のほうに向か
って歩き出した。
 腕はしっかりと紀子の手で掴まれたままだった。
 若者の街といわれる原宿は、普段の平日でも夜の更けるのは、遅いのが当たり前なの
だが、大晦日のこの夜は、まさに老若男女を問わない人混みで、雑多なネオンも煌々と
していて、元旦の日の出まで、この喧噪は続けっ放しになるのではないかと思えるくら
いの賑やかさだった。
 僕にミノムシのように、しっかりとくっついている紀子からの声も聞き取りにくく、
こちらも大声を出さないと、会話が成り立たない。
 芋洗いの芋になって歩きながら、僕は虫と蛙の鳴き声しか聞こえない、、奥多摩の静
寂の夜をふいに思い出していた。
 綿入れを着込んで、蜜柑の置かれた炬燵の前で、一人静かにテレビの紅白歌合戦を見
入っている、祖母の小さな顔が、僕の目の奥のほうに続いて浮かび出てきて、この冬休
みの最後には、絶対に奥多摩へ行こうと、横の紀子には内緒で、そう決心した。
 
 この二日前の、二十九日の午後、僕は国語教師の沢村俶子の住むマンションにいた。
 前日の夜、高校教師で三十五歳の俶子から、生徒で十六歳の僕に、相談事があるので、
昼前に自宅に来て欲しいとのメールが入っていたのだ。
 (美味しいビーフシチューご馳走するから、明日のお昼前に来て)
 これまでにこのビーフシチューの誘いで、何回のに肉体労働を見返りに強いられてき
たか憶えてないが、続いてのメール送信で、私の結婚のことで…と書かれていたので、
僕は「りょ」と返信して、今、俶子の家のリビングに座っていた。
 「お話は食べてから」
 そういって、俶子はデミグラスソースのいい匂いのする、ビーフシチューと野菜サラ
ダの盛り合わせを目の前に置いてくれた。
 年明けの月末に、俶子は隣の市で同じ教師をしている五つ年下の男性と、晴れて華燭
の典を挙げるのだ。
 そのことは前から知らされていて、僕はこれまでの二人の関係を抜きにして、心から
の祝いの言葉を言って祝福していた。
 「私が高校の時の教頭先生の紹介で、昔風のお見合いみたいな場からお付き合いした
んだけど、高校では化学を教えている人で、真面目一筋で、誰かさんみたいな戸っぽい
面が一つもなくて…面白味には欠けるけど、私もそうそう贅沢言える顔でも年齢でもな
いし、この辺が年貢の治め時かなって思って、プロポーズ受けちゃったの」
 口ではそういいながら、眼鏡の奥の目を艶っぽく緩めたりして、僕に話していたのは、
ついまだ最近のことだった。
 「よかったじゃないですか。先生が幸せになってくれたら僕も嬉しい」
 いつもと違う丁寧語で、僕は俶子に祝福の言葉を送った。
 二人のこれまでの関係は、これで自然消滅ということになるのだったが、僕のほうに
は何の拘りも未練がましい思いもなかったので、
 「明日からは、沢村先生と一生徒に戻って、学校では仲良くしましょ」
 といってやると、俶子は目から涙をぼろぼろと零して、
 「そんなに明るくいわれると、逆にすごく寂しくなるじゃない」
 といって眼鏡を外して、ハンカチで目を拭ってきた。
 その俶子からの誘いが、目の間前のビーフシチューだったのだが、何故かあの時のよ
うな、恥ずかしながらも嬉しそうだった表情ではないようだったので、
 「何かあった?」
 と目ざとく僕は尋ねた。
 俶子の驚きの告白を聞くまで、多少の時間を要したが、話を聞いた僕も暫くは返答の
しようがなかった。
 結婚相手が今になってどうこうというのではなく、相手の父親の実の弟の顔を見て、
俶子は愕然としたというのだった。
 俶子が大学を出て高校の国語教師として、最初に赴任した高校の先輩教師と、何かの
教育セミナーで県外へ一泊二日で出かけた時、新人の彼女に優しく接してくれ、それが
きっかけで男女の関係に陥ったのが、今度結婚することになった相手の叔父になる人物
だったのだ。
 叔父という男は、俶子と関係を持った時にはすでに結婚していて、聡子もそれを承知
で、何年も肉体関係を続けたということのようだった。
 大学を出たばかりでまだ処女だった俶子に、男は縄で全身を縛り付けたりとか、蝋燭
を熱い蝋を身体に垂らしたりとかの、通常ではない行為で彼女を抱き続け、他にも野外
露出を強要したりとか、排尿や排便するところを見られたりと、恥ずかしいことを散々
に彼女の身体に沁み込ませた元凶のような男だった。
 女を女として扱わない、冷徹な甚振りや辱めに、何度も止めてくれるよう懇願し、つ
いには別れ話まで進展したのだが、それまでの恥ずかしい写真を種に、ずっと引き摺った
 その後に、その男は何の病気かは俶子にも記憶はないのだが、職場を休職し一年ほど
病院での入退院を繰り返し、交流は自然消滅のようになった。
 それから何年か後、俶子はある男性と結婚をしたのだが、どういう因果なのか、その
男も彼女の最初の男と同じ異常な性嗜好で、俶子自身は、男というのはみんな同じ性嗜
好者であるという曲がった思い込みが観念的に、身体にも心にも宿りついてしまってい
たということのようだった。
 十日ほど前に、俶子は婚約者から家族と親戚一同が介した集合写真を見せられ、その
時に、自分の処女を捧げた、相手の男の顔を見つけてしまったのだと、聡子は顔面を少
し蒼白にして、僕に話してきたのだ。
 婚約者にその男の今の素性を聞くと、現在は教職員を辞めて妻の父親が経営している
不動産会社に、専務という肩書で勤務しているとのことだった。
 俶子にとって、自分の女としての人生を捻じ曲げた、淫獣のような男が身内にいると
ころへ嫁いでいくのは、屈辱的な人身御供か、悪魔への生贄でしかないというのだった
が、話を聞いた聞いた僕もその通りだと思った。
 しかし、そのことを結婚式を一ヶ月後に控えた婚約者に、正直に告白する勇気は自分
にはないと俶子はいうのだったが、十六の僕には事情が重すぎて、何とも応える術も手
段も思い浮かばなかった。
 見ると、俶子は自分の前に置いたビーフシチューを、一度も口に入れていないようだ
った。
 「いいの。まだ若いあなたに、どうにかしてもらおうなんて思ってないから…ただ、
誰かに聞いて欲しいと思ったら、あなたの顔しか思い浮かばなかっただけなの。気にし
ないでね」
 無理そうな笑顔を見せて、俶子は逆に重々しく顔を沈ませている僕を、歳の離れた姉
のような口調で、慰めるように言ってきた。
 「で、でも、婚約者に黙ったまま結婚したとしても、きっと幸せな結婚生活にはなら
ないと思うけど…」
 正直な僕の気持ちを、僕は声を詰まらせながら、どうにか正直に言った。
 「そうね、余計な不幸者をまた作ってしまうだけかもね。ありがとう、雄一君。いい
意見を言ってくれて…私のこと真剣に考えてくれてるのが、すごく嬉しい」
 俶子のその声が、急に気丈な響きで聞こえてきたので、顔を上げると、
 「あなたの助言で、私、決めたわ。これからもあなたの下部で生きてく」
 と明るい声で言ってきた。
 それもどうか、といおうと思ったが、その時は僕は喉の奥にぐっと詰め込んだ。
 「あ、そうだ。あなた、東大目指すんだって?」
 「えっ、だ、誰に?」
 聞いた瞬間に、犯人が誰かすぐにわかった。
 あのバカ、と腹の中で僕は舌打ちしていた。
 「いいことよ、あなたなら一生懸命頑張ったら行けると思う。私も全面的に応援する
からね」
 「どうかな?…僕の学力は片輪みたいなものだから…」
 「数学がまるで弱いもんね」
 「弱いなんてもんじゃない。それにしても、あのクソバカ」
 「いいじゃない。彼女、すっごい嬉しそうな顔していってたよ」
 「女の口軽は最低だ」
 「未来の奥さんになる人を、そんなに言うもんじゃないわ」
 「えっ、そ、そんなことまで、あいつ」
 ほどなくして、僕と俶子はいつもの決まりごとのように、彼女の室のベッドにいた。
 どうしようもないお喋り娘への、僕の憤怒はまだ収まってはいなかったが、聡子のほ
うは、僕との対話で気持ちがすっきり振り切れたのか、
 「どこで誰と浮気してたのか、この僕ちゃんは」
 聖職の人とは思えないような、艶めかしい目をこちらに向けてきていた。
 着ていたセーターとスカートは、すでにカーペットの下に落ちて包まっている。
 紺色のブラジャーと揃いのショーツが、僕自身も久しぶりに見る白い裸身に好対照に映
えて、若い僕の下腹部の一ヶ所に集中し始めていることを知らされていた。
 「俺が欲しいか、叔母さん?」
 僕は徐に俶子が仰向けになっているベッドに駆け上がり、その場で身に付けていた衣服
のすべてを脱ぎ晒して、両足を少し拡げて仁王立ちの姿勢をとった。
 「叔母さん、そんなとこで偉そうに寝そべってんじゃないよ。お前の一番欲しいものに、
きちんと挨拶しろよ」
 急に芝居がかった声で言う僕の意を理解したかのように、俶子も眼鏡の顔を真顔に引き
締めてきて、おずおずとした動作で上半身を、ベッドから起こしてきた。
 どこでどういうスイッチが入ったのか、僕自身もわからないでいたが、俶子の身体への
嗜虐の衝動がどこからともなく湧き上がってきていた。
 十六の自分よりも二十近くも年上のこの女には、何をしても許される、という妙な自惚
れめいたものが、聡子と知り合った頃から漠然とだがあった。
 僕の二面性の性格の裏側にある、嗜虐の嗜好と、俶子のこれまでの、ある意味、不幸な
男性遍歴で知らぬ間に培われていた、被虐の思いが、歯車の歯が噛み合うように合致して
いるのかも知れなかったが、とにかく僕自身が淫猥な気持ちになってくるのは事実だった。
 ベッドに座り込んだ俶子の顔のすぐ前の、僕の下腹部のものはすでに半勃起状態になっ
ていた。
 俶子の両手がそこへ添えられてきて、間髪を置かず彼女の赤い唇が半開きになって、僕
の股間に迫ってきた。
 濡れて生温かい感触が心地よかった。
 俶子の身体を抱くのはいつ以来だろうと思い返しながら、僕は背中を少し屈めて、彼女
のブラジャーのホックを外しにかかっていた。
 室には暖房が入っていて温かかったが、聡子の背中はそれだけではない汗のようなもの
で肌は湿っていた。
 僕の下腹部のものは、俶子の口の中で早くも臨戦態勢を整えていて、学校のグラウンド
にある鉄棒のように固く屹立していた。
 満を持した態勢で、僕は俶子の口から刀を抜くように、唾液でしとどに濡れそぼった屹
立を抜き、彼女の上体をベッドに押し倒し、小さな布地のショーツを一気に剥ぎ取り、熟
れて脂の乗り切った太腿を大きく押し広げて、自分の身体をその間に割り込ませた。
 「ああっ…う、嬉しい!」
 感極まったような声でいいながら、聡子は僕の両腕を両手でがっしと掴み取ってきた。
 俶子の大きく拡げられた、股間の漆黒の下に目をやると、薄黒い肉襞が開いていて、そ
の中の濃い桜色をした柔らかな肉が、滴り濡れているのがはっきりと見えた。
 僕は固く怒張しきった自分のものに手を添え、狙いを定めるようにして、濃し全体を前
に押し進めた。
 「あ、ああっ…す、すごい!…は、入ってきてるわ…ああっ」
 久し振りに聞く俶子の咆哮の声は、室一杯に響くくらいに大きくけたたましかった。
 僕の腕を掴み取っている彼女の手の指も、痙攣を起こした人のように強い力が込められ
てきていた。
 じわりと締め付けるような圧迫の間に、三十五歳の女の身体から発酵したねっとりとし
た脂が潤滑油のようになって、俶子の胎内に僕のものは深く沈み込んだ。
 僕の腰が動くと、その潤滑油は温みのある摩擦を、僕のものに心地のいい刺激となって
与えてきて、俶子は俶子で僕の腰の淫靡な動きに幾度となく呼応し、眼鏡の奥の目を瞬か
せ、喘ぎと悶えの声を間断なく挙げ続けたのだった。
 「は、恥ずかしい…こ、こんな」
 「俶子の顔がしっかり見れるから、俺は好きだよ」
 僕はベッドに胡坐座りをして、俶子と胸と胸を合わせて重なるように抱き合っていた。
 俶子が汗に濡れそぼった裸身を晒して、僕の腰に跨り座っていて、重なった腰の下で、
列車の連結器のように、二人の身体は深く繋がっていた。
 顔と顔が否応もなく触れ合い、相手の息遣いまではっきりと聞こえるほどに密着してい
て、俶子の胸の膨らみの柔らかな感触が、汗に濡れた僕の胸に心地よく伝わってきていた。
 「あ、あなたの汗の匂いって、いい匂い」
 「俶子の女の匂いも、俺は好きだよ」
 「わ、私って、悪い女?」
 「どうして?」
 「の、紀子さんのこと知ってて…こんな」
 「そしたら、俺は大悪党だ」
 「大悪党でも好き!…キスして」
 お互いの歯と歯のぶつかる音が聞こえるくらいに、僕は唇を強く俶子の唇に重ねていっ
た。
 閉じた口の中に広がってくる、俶子の息が、燃え上った身体の熱の上昇を訴えるように、
ひどく熱っぽかった。
 結果を先にいうと、国語教師の俶子とその教え子の僕との、身体の交わりはその日が最
後になった…。



                          続く
 
 

 
 
 

 
 
 
 
 
 

 
 
 
2023/06/01 13:19:07(.AwPQuri)
2
投稿者: (無名)
お帰りなさい!!
再開ですか?!
最高に嬉しいです。
このまま続いてほしいと切に願います。
23/06/02 15:04 (tWtp9voa)
3
投稿者: 雄一
奥多摩の雑貨屋の前の駅に降りたら、道の脇に雪が泥を被って残っていた。
 気温も都内よりは体感で二度か三度ほどは低い。
 午後の二時過ぎに着いたのだが、祖母には知らせてなかったので、そのまま坂道へ向か
おうとしたら、
 「雄ちゃん!」
 と背中のほうから呼びつけられ、驚きの目で振り返ると、祖母の小さな身体が雑貨屋の
前で、僕を呼び止めた相手も僕以上に驚きの目をしていた。
 黄色のダウンジャケットとジーンズ姿で立っていたのは、祖母の小柄な身体だった。
 「な、何?…あなた、どうして!」
 まだ信じられないという顔をして、祖母は眩しそうな顔で言ってきた。
 「大晦日の日に言ったろ。冬休みの終わりに来るって。また婆ちゃん、驚かせてやろう
と思ってさ」
 「まぁ、大変。ちょっ、ちょっと待ってて」
 そういって、祖母は出てきたばかりの雑貨屋に向かって、小走りに走り出した。
 僕もその後を追いかけて店に入ると、店主の叔父さんが、
 「お、兄ちゃん、久しぶりだね。元気にしてたかい?」
 といつもの人の良さげな笑顔で、声をかけてくれた。
 祖母の頭の中にもう固定観念化されている、僕の好物のすき焼き用の材料と、ミネラル
ウォーターを買い込んで、僕が荷物の全部を持って家までの坂道を上がった。
 正月を挟んで一カ月前後、顔を見ていない祖母だったが、自分の身内ながら、この人は
歳をとらないのかと思うくらいに、若々しく見えた。
 化粧も普段はほとんどしていないようだったが、肌の色の抜けるような白さが、控えめ
に塗った口紅の色を際立たせている感じだった。
 坂道を僕の前を歩く祖母から、そよと吹く風が、女の身体を想起させる匂いが、僕の鼻
孔をくすぐったく刺激してきていた。
 まるで自分の家のような懐かしさに浸りながら、僕は居間の炬燵の前に座り込んだすぐ
に、ジーンズの後ろポケットに入れたスマホの、嫌な予感を告げる振動があった。
 予感は当たった。
 「こら、私に内緒でどこ行ってるの」
 着信ボタンを押すと同時に、怒鳴るような嫌な声が聞こえてきた。
 「何だよ」
 ぶっきらぼうに言葉を返すと、台所仕事を終えた祖母が、湯気の立つお茶を盆に載せて
居間に入ってきて、白い歯を覗かせながら、奇妙な視線を投げつけてきていた。
 「どうして私に黙って行くの?」
 相手はハナから喧嘩腰の口調だった。
 「ど、どうしてって、何で…何で、お前にいちいち、休みの行動まで言わなきゃなんな
いんだよ」
 「奥多摩なら私も行きたかったのに。この前は駅で少ししか話せなかったでしょ」
 「あ、ああ、俺から言っといてやるよ。じゃな」
 僕は電話を早く切りたい一心だった。
 「冬休みの宿題、みんなやってあるから、私も今からそっちへ行こうかな」
 「バ、バカ、止めろ。か、家族のことで婆ちゃんと相談があるから来てるんだ。お前の
相手してる暇なんかない」
 その後も、愛がないとか身勝手とか散々に悪態をつかれ、ようやく電話が切れ、祖母の
顔をの覗き見ると、半分は呆れ顔で、半分はほほえまし気な笑顔だったので、僕は照れ隠
しで、まだ熱いお茶を一気飲みして噎せ返ってしまった。
 「ところで婆ちゃん、お寺の住職さんって、もう退院してるの?」
 余計な電話騒動の後、気になっていたことを祖母に尋ねると、
 「もう、お寺に戻ってるわよ。腸が弱っていて閉塞とかいう病名だったみたいでね。簡
単な手術したみたいで、養生が大事なんだって。あっ、あなたが突然やってきたんで、う
っかりしてたけど、家で採れたお野菜、お寺に持っていくんだった。そうだ、あなたも一
緒に今から行く?」
 「そうだね、夏休みにお世話になったから、行こうかな」
 「もう、用意してあるの。行きましょ」
 高明寺までの道すがら、僕は今から訪ねる、尼僧の綾子の顔を思い浮かべていた。
 色白で背が少し高く、細面の顔に袖頭巾がよく似合ってた人だったが、僕の追憶は彼女
の細身の裸身にまで及んでいて、特に彼女の妹を巻き込んで、三人で過ごした夜のことが、
つい二、三日前のことのように、はっきりと蘇ってきて、前を歩く祖母には申し訳なく思
ったが、若い下半身は足が交互に動くたびに、不謹慎で良からぬ反応を示し出していた。
 本堂の横の住家の玄関戸が開いて、久しぶりに見る袖頭巾の色白の顔は、やはり病み上
がりの間もない、なよやかな表情だったが、僕のほうに驚いたように向けてきた目は、は
っきりと僕を男として見てきていると、独りよがりかも知れなかったがそう思えた。
 僕が手に持ってきた野菜の入った袋には、祖母が種類別に小分けして新聞紙に包んであ
って、少し重さもあったので、そのまま台所の冷蔵庫まで運んでやり、祖母と綾子のいる
居間に戻ると、二人は何かの話で楽し気に談笑していた。
 「ほんとに今の若い子は、こちらの都合も何も考えずに、急にやってくるのよ」
 「でも嬉しいことじゃない、昭子さん。そうやってこんなお孫さんが訪ねてきてくれる
なんて、中々ないことよ。羨ましいわ」
 「いつまでたっても子供で…」
 満更でもなさそうな顔で祖母はそいって、徐に立ち上がり、おトイレを、と小さな声で
いい残して、廊下に出て行った。
 綾子がそれまでの表情を一変させて、僕に言ってきたのはそのすぐ後だった。
 「明日、帰るの?」
 「え、ええまぁ…」
 「明日のお昼に、もう一度ここへ来て」
 「えっ…?」
 「二人で会いたいの、お願い」
 いきなりの申し出に僕は戸惑ったが、綾子の色白の顔と、切れ長の目の真剣さに気圧さ
れるように、僕は声に出さずに頷いていた。
 「あ、あなたのことをね、ずっと思ってたの」
 「じ、じゃ、明日の今頃くらい…」
 廊下を歩く足音が聞こえてきたので、それだけで二人の話は終わった。
 祖母はともかくも、尼僧の綾子のことまでは、僕の目論見には入ってなかったのだが、
確か五十代半ばの年齢の、あの時の綾子の目は間違いなく女の目に変じていたのだけは、
僕にもはっきりとわかった。
 帰り道で、単細胞で軽薄な僕は、今日の晩御飯のすき焼きで、二人分のスタミナが増
幅されるだろうかと、少し真剣に考えていた。
 その夜、祖母にも心配されるほどすき焼きの肉を鱈腹食った僕は、炬燵の背もたれに
満腹の腹を凭れさせながら、いつの間にかうたた寝してしまっていて、気づくと胸に毛
布の小さいのが掛けられていた。
 「お風呂沸いてるわよ」
 僕の斜め横でテレビを観ながら、何かの繕い物をしていた祖母が、僕に声をかけてき
たので、のっそりと起き上がって風呂に向かった。
 浴槽に浸かりながら、人生の最後はこういう静かなところで、心穏やかに過ごせたら
いいな、と柄にもないことを思っていた。
 その時に誰が僕の傍にいてくれるのか、と考えたら、すぐにあの小煩い小娘の顔が浮
かんだので、手で湯を顔にぶつけ浴槽から立ち上がった。
 祖母の寝室に入ったのは十一時過ぎだった。
 懐かしい祖母の室の匂いが、単純な僕のモードをすぐに男に立ち変えていた。
 洗面室から聞こえてきていたドライヤーの音が止んだ。
 戸が静かに開いて、スタンドの灯りだけの中を、紺地に白の花柄模様の入った寝巻姿
の祖母が入ってきて、そのまま鏡台の前に行き、小さな身体を折り曲げるようにして座
った。
 腰に巻いた濃い橙色の帯が、僕の身体のどこかをひどく刺激した。
 「起きてたの?」
 顔に何かクリームみたいなものを塗りながら、祖母が心にもないような愚問を呈して
きたが、僕はやり返すことなく、布団に身体を俯せにしながら、祖母の女の仕草を見つ
めていた。
 普段ならしないはずの口紅を引いて、祖母は一言も言葉を発さず、僕の横に身体を沈
めてきた。
 「昭子」
 枕に頭を置いたその下に手を潜らせて、僕は自分の身体を少し起こして、祖母の目に
視線をぶつけた。
 「はい…」
 少し眩し気な表情で、短く祖母が応えてすぐに、僕は祖母の口紅を引いたばかりの唇
を塞ぎにいった。
 風呂上がりの石鹸と化粧クリームと、祖母の身体の匂いが心地よく入り混じって、僕
の鼻孔を占拠してきた。
 舌をゆっくりと差し出すと、祖母の歯もゆっくりと開いてきて、僕の口の中に祖母の
温かく爽やかな息が充満してきた。
 僕の舌の先が、祖母の滑らかで小さな舌を捉えたかと思うと、すぐに意思を持った生
き物のように絡みついてきた。
 自然の流れのように、祖母の寝巻の腕が、僕の首に静かに巻き付いてきていた。
 僕の片方の手も自然な動きで、祖母の寝巻の襟の中へ潜った。
 肌理の細かさが、若い僕にもわかるくらいの滑らかさで、手の指に伝わってきて、同
時に乳房の柔らかな膨らみまでを感じさせられ、僕は内心で小さくときめいき、夏休み
のある夜、初めて祖母の肌に触れた時の、驚きの感触を思い出していた。
 口の中で、祖母の舌のほうが、僕よりも積極的に動いてきている感じだった。
 乳房を掴み取った僕の手に、少し力を込めてやると、祖母は顔を少し週に揺らせて、
喉奥からくぐもったような声にならない声を漏らした。
 僕が掴み取った乳房は、祖母の弱点ともいえる左側だった。
 唇を離し、祖母の耳元から細い首筋に向けて這わすと、
 「ああっ…」
 とはっきりとした声で喘いできた。
 僕の首に廻していた手に、強い力が入ってきたのがわかった。
 僕の下半身にも、勝手に力が入ってきていた。
 掛け布団を跳ね上げ、祖母の寝巻の襟を思いきりはだけてやると、白い滑らかな肌
がほんのりとした朱色に染まって、丸い乳房と一緒に、僕の目に飛び込んできた。
 「ここが弱かったんだよね、昭子は」
 僕は改めて、祖母の左側の乳房に手をかけて、軽く揉みしだきながら、切なげに顔
を歪めている祖母の顔を、笑みを浮かべて窺い見た。
 「い、意地悪…」
 そういって顔を横に背けるのを見て、そこの乳房の頂点にある桜色をした、乳首に
指二本を這わして軽く摘まんでやると、
 「ああっ…だ、だめっ」
 と声を張り上げてきて、今度は顔だけでなく、小柄な全身を激しく捩らせてみ身悶
えしてきた。
 小さな豆のような乳首が、異様なくらいに固くし凝っているのがわかった。
 指の次にそこへ舌を這わせてやると、悶えの声はさらに大きくなった。
 橙色の帯を解いて、小さなショーツだけの裸身にしてやると、祖母は娘のような羞
恥の表情を見せ、両手で顔を塞いでいた。
 「久し振りに見るけど、昭子、いつ見ても変わることなく奇麗だ」
 僕は本心からそういってやった。
 「歳は間違いなくとっているから…だめ」
 本当に悲しそうな声で祖母が言ったので、
 「女の人は年齢じゃないということを、僕に教えてくれたのは、昭子のこの真っ白
な身体だ。僕にはいつも奇麗に見える」
 ここだけは、何故か、俺ではなく僕と、僕は言っていた。
 「も、もっときつく、もっと強く抱いて!」
 祖母は両の手を、また僕の首にしがみつくように巻き付けてきた。
 それからの僕は、自分の唇と自分の手で、焦る気持ちを抑え込んで、祖母の白い裸
身を丹念に確か寝るように這わしまさぐっていった。
 祖母の身体の下に纏わっていた、小さな布地のショーツを脱がし、繊毛が短く生え
出した箇所に、そっと手を添えると、祖母はまた敏感に反応し、蓑虫が脱皮する時の
ように全身を何度も捩じらせた。
 祖母の細い木の枝のような、両足の間に僕は身体を移し、手早くトランクスを足元
から抜き、すでに固く屹立しきったものを、祖母の薄黒い小さな林のような茂みの下
に突き当てた。
 腰を少し前に動かせると、僕のものの先端が、見てすぐわかるくらいに濡れそぼっ
ている祖母の肉襞を割り開いて、祖母の胎内に潜った。
 「ああっ…い、いい」
 細い顎を突き立て、細い首をのけ反らせて、祖母は感極まったような喘ぎの漏らし、
自分の指を歯で噛み締めていた。
 初めて僕を男にしてくれた、あの懐かしいような圧迫と柔らかな摩擦が、固く屹立
した僕のものを、さらに奥のほうへ誘うように包み込んできた。
 祖母の身体でしか感じることのできない、僕には感動以外にない刺激と興奮だった。
 もうこの態勢での、この繋がりだけで充分だと僕は思いながら、祖母の裸身と顔を、
僕なりの慈愛を込めた目で見つめた。
 「ああ…ほ、ほんとに…き、気持ちいい」
 僕の視線を感じたのか、祖母が顔を上に上げて、訴えるような目で言ってきた。
 「お、俺もだよ、昭子。お前が一番だ」
 薄笑みの顔で僕もそう返した。
 どれくらいの時間が経ったのかわからなかったが、自分なりには、少しでも長く祖
母の身体と繋がっていたいという思いもあったのと、心行くまで祖母を堪能したいと
いう気持ちもあって、同じ態勢のままで、腰の律動もゆっくりとして、心を込めたつ
もりだったが、終局の昂ぶりは僕のほうに先にきて、
 「あ、昭子…」
 と短く呼んだ時には、すでに祖母の胎内深くに、僕の迸りは激しく飛びっ散ってい
たような気がする。
 「ゆ、雄ちゃん!」
 祖母も僕の名前を叫ぶように呼んで、両手を僕の腕に強くしがみつかせてきた。
 長かったのか短かったのかわからない、心地のいい熱気の中の時間が過ぎて、二人
が布団の中で寄り添っていた時、祖母がぽつりとした声で、
「雄ちゃんに言うの忘れてたけど、あの、紀子さんって子、この前、駅で別れた後、
すぐに私にハガキくれたのよ。ちゃんとお礼も言えずすみませんでしたって」
 と思いがけないことを言い出した。
 「へえ、そうなの」
 「で、最後のところにね、雄ちゃんはお婆ちゃんが大好きな人です。いつまでも可
愛がってやってください。私も頑張りますって。いい子だわね」
 「あいつ、そんなことを…」
 「奇麗な毛筆だったわ」
 「ああ、中学まで書道教室へ行ってたみたいだよ」
 「あなた、あの子を大事にしないとね」
 「ああ見えて、結構、小煩いんだよ」
 紀子の手紙の、私も頑張ります、の意味を僕は漠然と考えた。
 文章通りの意味なのか、もしかして祖母へのライバル意識なのか?
 まさか、僕と祖母の秘めた関係は知らないと思うのだが…勘の鋭い奴だからな。
 紀子が今日の昼間の電話で、こらっ、と言ってきた声を思い出し、僕は小さく身
震いして、祖母の顔を覗き込むともう目を閉じていた。
 明日はお寺だ。
 僕も頑張ります、と誰にいうともなく言って、僕は目を閉じた…。




                                続く
 
 

23/06/03 16:39 (nPtg7y2I)
4
投稿者: (無名)
おとぎ話の作風は変わってませんなあ。16歳のガキが初体験から無敵に熟女を食いまくるなんてあると思いますか?
23/06/05 08:09 (yP0SYdDK)
5
投稿者: (無名)
昭子さんとのからみは、やはり最高です!!
引き続き、作品の継続をお願いします。
楽しみにしております。
母親学級とのからみもないのでしょうか?!
23/06/06 11:38 (Rng.qedv)
6
投稿者: 雄一
高明寺へ行くための、祖母への口実はこうだった。
 夏休みに寺の古文書を借りてまとめた、「平家落人伝説」の続きを、冬休みの宿題でやり
たいので、資料をもう一度見たいとお願いに行く、と学生の本分である勉強の名目を掲げた
のだ。
 祖母は少しばかり怪訝そうな顔をしたが、勉学という大義名分には逆らえず了承した。
 二時間くらいで帰ると言って、午後二時きっかりに、僕は尼僧の綾子の住む住家を訪ねた。
 玄関のチャイムボタンを押すと、まるで玄関戸の向こう側で待っていたように、戸はすぐ
に開いた。
 昨日の顔とは全然違う、喜びと嬉しさの表情を露わにした笑顔で、僕を居間に招き入れて
くれた。
 「嬉しい…」
 僕が来ることを信じて用意していたのか、温かいコーヒーを出してくれ、今にも泣き出し
そうな顔で、正面から僕を見つめてきた。
 僕は、綾子に今日改めて会った時の、言葉を考えていなかった。
 だから居間で、綾子が淹れてくれたコーヒーの湯気を見るまで、何も口に出して話せなか
った。
 だが、まだ病み上がりのはずの、綾子の色白の顔が、昨日、祖母と訪ねた時とは全然違う
明るさに満ちていることは明らかだった。
 それと、ハナから僕のことを、祖母の孫という目で見ていないということも、鈍感で単細
胞な僕にもわかるほどだった。
 「ほ、ほんとに、身体はもう何ともないの?」
 コーヒーを一口啜って、ようやく言えたのはそれだった。
 「昨日ね、あなたが突然に来てくれて、あなたの顔が見れた時…」
 「え…?」
 「病気で弱ってた私の身体の中に、深い山奥のね、谷川の澄んだ水が沁み渡ってきたよう
な気がしたの」
 戸惑いの気分でいる、僕の目の目の奥を覗き込むような表情で、色白で細面の顔をはっき
りと朱色に染めながら、綾子が言ってきた。
 「そ、そんな…奇麗な考えで、僕はここへ来たんじゃないよ」
 どこからかそよとした風が吹いて、綾子の化粧と女の体臭のような匂いが、僕の鼻孔を刺
激してきて、妖しい動悸を湧き立たせてきた。
 それは昨夜の祖母を抱いた時のような、純でしおらしい気持ちではなく、病気上がりの綾
子への不埒不遜な情欲の思いだった。
 綾子の法衣の胸の辺りの僅かな膨らみが、僕の邪な心の歯止めを外そうとしてきているた
が、その思いを制御し抑制する気持ちは、若い僕にはもうなかった。
 座布団から腰を上げ、黒い座卓を廻り込むようにして、僕は綾子の傍に近づいた。
 身を捩じらせもせず、綾子は僕を受け止めるように両手を差し出してきた。
 さらさらとした、袖頭巾の感触が僕の頬を撫でてきて、法衣の襟の奥からまた綾子の匂い
が僕の鼻先を強く突いてきた。
 顔と顔が見合す間もなく、僕は綾子の唇を強く塞ぎにいった。
 綾子の濡れたような柔らかな唇の感触と、つるっとした歯の感触を、僕は舌の先に感じた
のと同時に、口の中で彼女の息の熱さを知った時、僕の頭のどこかが弾けたような気持にな
った。
 「綾子の大学ノートを思い出した」
 唇を離して、綾子の袖頭巾の下の耳の辺りに囁くように言った。
 この半年近くの僕の女性遍歴の記憶の中で、綾子が何のためにかわからなかったが、赤裸
々な表現で書き綴った日記は、十六の僕を幾度も、淫猥で未知の興奮の世界へ誘ってくれた
のだ。
 僕を見つめていた綾子の切れ長の目が、一瞬、空中で泳いだようになり、白い顔に急に赤
みが指し、恥ずかし気に顔を俯かせていた。
 「ほんとだよ。何回も興奮させられた」
 追い討ちをかけるように言ってやると、僕の両腕を掴み取ってきて、赤らんだ顔を胸に埋
め込んできた。
 「妹さんは元気にしてるのかな?」
 「えっ、ええ…」
 「三人で寝た時の、あれはよかったな」
 「………」
 「綾子は、妹、栄子さんだっけ?彼女に抱かれてる時、すごく感じてたな」
 「そ、そんなこと…き、聞かないで」
 「竹野のこと、まだ覚えてるよな?」
 「…………」
 「縄で縛られるの、好きだったんだな?」
 僕の胸の中で、綾子の身体が恥ずかしさのせいか、段々と萎んでいっているようだった。
 僕の手が綾子への言葉嬲りをしながら、彼女の法衣の襟の中に潜り込んでいた。
 ブラジャーはしていなくて、綾子の柔らかな乳房がすぐに掴み取れた。
 「あ…ああっ」
 綾子の滑らかな感触の肌と、マシュマロのように柔らかな乳房が、手に心地よかった。
 綾子、ともう一度名前を呼び顔を上げさせると、瞳のくっきりとした目が潤んでいるよう
だった。
 室の隅に置かれているストーブの熱気と、僕と綾子の体内温度の上昇のせいもあって、僕
の額から汗が滲み出ていた。
 「竹野って男いたよな?」
 乳房を揉みしだかれながらの、僕からの問いかけに綾子は切なげな顔で目で頷いてきていた。
 「そいつのこと好きだった?」
 目を瞬かせて綾子が、首を二度ほど振った。
 細長い首が、法衣の襟を際立たせて妖艶に見せていた。
 僕と二人きりでいる、この場にそぐわない僕からの、意地の悪い問いかけに、綾子は少し焦れ
だしてきているようだった。
 「俺のことずっと思ってたっていうけど、男なら誰でもいいんじゃないかい?」
 綾子の白い法衣の襟は、もう相当に乱れていて、片側の乳房は薄黒い乳輪と乳首まで露わにな
ってしまっていた。
 僕の問いかけに、綾子の顔が忽ち、悲し気な表情になって、目から涙が出てきそうな感じだっ
たので、
 「ごめん、今のは言い過ぎだな」
 僕は素直に詫びの言葉を言って、もう一度唇を、悲し気に震えている綾子の唇に近づけていき、
優しく重ねていった。
 ストーブと人の熱気で温もり切った室で、僕は綾子の袖頭巾以外の衣服のすべてを脱がし、僕
も素っ裸を晒し、毛の柔らかな絨毯に身体を密着させて横たわった。
 十六の少年と五十代半ばの尼僧の、男女二人は、お互いがお互いを貪り合うように、身体を幾
度も上下させたりして、激しい抱擁を繰り返した。
 さすがに僕のほうは、病気明けの綾子を気にかけて、何度か彼女に気遣いの言葉をかけたりし
たのだが、彼女は首を激しく振って、僕から片時も離れないようにしがみついてきていた。
 燃え上りの激しい綾子の下腹部は、触れた僕も少し驚いたくらいに、滴り濡れ切っていた。
 僕が驚いたことはもう一つあった。
 綾子を仰向けにして挑もうとしていた僕を、彼女自らが身体を動かせてきて、いきなり四つん
這いの姿勢をとってきたのだ。
 二ヶ月ほど前、僕が綾子と彼女の妹の栄子の二人を同時に抱いた時、僕に背後からのつらぬき
を受けた時の刺激と興奮が、今も記憶にはっきりと残っているからと、恥ずかし気に打ち明けて
きて、その体位を自分から望んできたのだった。
 僕のほうには、その時の記憶は鮮明にはなかったのだが、つらぬかれた本人の言葉に、僕も逆
らう気持ちもなく、綾子の細い背中を見下ろす体位で応じた。
 僕が腰を律動させるたびに、綾子は、いいの、いいのと幾度も悶えの声を挙げ、袖頭巾の頭を
上下左右にうち震わせていた。
 綾子をつらぬきながら、昨夜の祖母のことを、僕はまた思い出していた。
 祖母と綾子の二人を同時に愛するのはどうだろうという思考が、僕の性格の裏側から湧き出て
きていたのだ。
 昨夜の僕は、祖母に対して、自分らしくもなく、妙にセンチメンタルな気持ちになっていた。
 綾子の日記では、祖母と彼女は一度、いや、何度かは肌と肌を合わせ、悦楽の境地に浸ってい
るはずだ。
 前に国語教師の俶子と祖母の三人で、図らずも肌を交えた時の興奮は、僕の記憶にもしっかり
と残っている。
 もしかしたら、今日がそのチャンスだったかも知れなかったが、綾子の病気上がりもあったか
ら、次回の楽しみにと、僕はつらぬきの行為に専念した。
 綾子の顔が見たいと、今度は僕が要望して、態勢を変え、彼女を仰向けにした。
 「は、恥ずかしい…私」
 そういった綾子は、汗を滲ませた顔を上気させ、息も絶え絶えの表情だった。
 「身体は大丈夫か?」
 「こ、今度…あなたにいつ会えるか…」
 「近いうちにまた来るさ」
 「きっとよ」
 「ああ、きっとだ」
 もっと激しくと思っていたが、綾子の息の荒れ具合と、病後間もない身体に無理強いはできな
いと、それから間もなく、僕は優しい気持ちになり、労わる気持ちのまま果て終えた。
 暫くは熱気の充満しきった居間で、二人はぐったりとした身体で、絨毯の上で並ぶようにして
身を横たえていた。
 「私…ね。今ある人から結婚を申し込まれているの」
 天井のほうに目を向けながら、綾子がポツリとした口調で言ってきた。
 「そう…」
 僕も目を天井に向けて短く返しながら、ふと、同じようなことを言っていた、国語教師の俶子
の顔を思い浮かべていた。
 「お寺の檀家の副総代の人で、私よりも七つも年下の人なんだけど、三年ほど前に離婚してい
る人。去年の夏前くらいから、それとなくプロポーズみたいなことされてたんだけど、妹の夫の
不始末のことやら、色々あったでしょ。…あなたとも知り合えた」
 「いい人ならいいじゃん。まだ綾子も先は長いんだから」
 そう応えて、十六の少年の言葉ではないな、と僕は胸の中で苦笑したが、綾子が幸せになって
くれたらと、この前の俶子の時と同じ気持ちになっていた。
 「それでも、私…何故だかあなたのこと、忘れられそうにない」
 「何言ってんだよ、こんな十六のガキのことなんか、きっぱり忘れたらいいよ。そもそも、こ
んなガキのどこがいいのか、俺、わからん」
 僕は正直な自分の気持ちを言った。
 「ほんと、とんでもなく歳の離れたあなたを、こんなに思ってしまうなんて。剃髪して得度し
た資格なんてまるでないと、自分でも恥ずかしく思ってるんだけど…わかったのは、男と女って、
理屈じゃないってこと」
 「…だよな。俺も綾子を知ったりして、何か激動の半年間だったような気がしてる」
 「あなたはね、自分ではまだ気づいていないのかも知れないけれど、女の持って生まれた母性
本能を揺さぶる何かを持っているの。だから年齢関係なしに、女の人にあなたは愛される…今の
時代の言葉で言うと、フェロモンっていうのが、生まれつき備わっている気がする。…そして、
私もそれに嵌ってしまっている」
 「そうなの?」
 尼僧の綾子に説教みたいにそういわれても、僕自身にはさっぱり意味もわからないし、当然に
そういう自覚すらなかった。
 「要するに女の人にモテるってことか?…なら嬉しいことだ」
 「悔しいけれど、何故か、あなたを憎めないのね。それと何故か、まだ十六というあなたの年
齢が見えなくなるの」
 これまで自己分析などしたこともない僕は、綾子に褒められているのか、不思議がられている
のかよくわからなかった。
 何か、綾子を抱いたということを忘れてしまうような、変な気持ちのまま、またの再会を約束
して、僕は彼女の泣きそうな顔に見送られて辞去した。
 家に帰ると、居間で祖母が洗濯物を畳んでいた。
 身体にぴっちりっとした黒のタートルネックのセーターと、ジーンズ姿のせいもあってか、祖
母の小柄な身体が、ひどく小さく見えた。
 ただいま、は言ったが、僕は何とはなく、祖母に接近しないようにして、台所の冷蔵庫からミ
ネラルウォーターを取り出して、帰り支度をするために、僕の室に行こうとした。
 「綾子さん、元気にしてた?」
 背中に祖母の何気ない口調の問いかけの声があり、少し驚いたように僕の足は止まった。
 「あ、ああ、す、少し痩せて見えたけど、声は元気だったよ。婆ちゃんにもよろしくって」
 「そう、私も先週から行ってないから、一度行ってあげないと。…で、宿題の資料か何か借り
てこなかったの?」
 どきりとさせられる祖母の言葉だったが、
 「ああ、無理して色んなもの頼んじゃったので、また次に来るまで用意してくれるって」
 それから何秒かの、微妙な間があったが、
 「何時の列車なの?」
 というあっさりとした祖母の声に、僕は胸を撫で下ろして、
 「晩飯食ってからにしようかな?」
 と内心で、せめてもの罪滅ぼしの気持ちで祖母に言った。
 「まぁ、大変。何か作らなきゃね。何がいい?」
 祖母はそういって慌てたように立ち上がり、台所に駆け寄っていった。
 キムチ鍋にうどんを入れた温かい料理で、僕は腹を満腹にして、最終の一つ前の列車で、何だか
奇妙な感じの奥多摩旅情に別れを告げた。
 祖母は勿論、駅まで見送りに来てくれて、列車の窓の前で、何か口を動かせながら、本当に涙を
浮かべて手を振ってくれた。
 翌日、学校に出ると、靴脱ぎ場で、背中にぶつかってきた奴がいた。
 振り返ると、長い髪を後ろに束ねた紀子で、わざとぶつかってきた感じだった。
 ご機嫌斜めの顔だというのが、すぐにわかった。
 自分を誘わずに行った、僕の奥多摩行きを怒っているのかと思ったら違った。
 偶然かどうか、二人の上下関係を何となく示すように、紀子の靴箱の真下が、僕の靴入れになって
いる。
 紀子は挨拶の声もかけず、すたすたと廊下を歩いて行った。
 その日の昼休みに、紀子の不機嫌な原因がわかった…。



                                      続く
 
 

 
  
 
23/06/07 10:04 (a03nleHB)
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