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密かな楽しみ~孝史と香奈~ 総合
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:痴漢 官能小説   
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1:密かな楽しみ~孝史と香奈~ 総合
投稿者: 自治厨
ここに続編とかレスしてもらえると、文句も出ないし、待ち望んでる人も喜
ぶ。
というわけで、いままでのを全部レスに入れときます。
 
2009/04/09 02:05:36(fb/4vYbM)
7
投稿者: 自治厨
【06】
「ねぇ香奈。相談したい事があるんだけど・・・あとでちょっといい?」
練習が終わり、卓球台を折りたたんでいた時に紗耶香が言った。
「え?うん・・いいけど。じゃあ久しぶりに三人で御飯食べに行く?」
香奈は紗耶香の方を振り返って答えた。
紗耶香は折りたたんだ卓球台に寄りかかり胸の前で両手の指を絡ませながら
うつむいている。
香奈は紗耶香の顔を見た。
肩まで伸びた細くしなやかな茶色がかった髪を後ろでくくり、くくりきれな
い前髪が額の両側から頬の横を細く垂れている。
長いまつげ、くっきりとした二重で目尻が少し下がっている大きな目、小さ
く高い鼻、程よく濡れた淡い唇、細くしなやかな顎に小さなホクロがひと
つ、小顔で白い肌。
『キレイだな・・・。』
魅入られたように紗耶香を見つめていた時
「あのさ。」
紗耶香がこちらに顔を向け口を開いた。
香奈は、ハッと我にかえり紗耶香から目をそらしてしまった。
「あのさ、二人で話したいんだ。由美にはまだ・・・アイツさ、話し方は間
が抜けてるけどお喋りじゃない?だからさ、帰りにさ、香奈の家に寄ってい
い?」
紗耶香は小声で上目遣いに言った。
「・・・うん・・いいよ。」
なんだか由美を仲間外れにしてるような気持ちになって香奈は少し悪い気が
した。
帰り道は三人一緒だけど由美の家が一番近く途中で別れる。紗耶香の家が一
番遠い為、香奈は家につくまでは紗耶香と一緒だ。由美に気付かれる事はな
い。
『でも何だかなぁ。由美は確かによく喋るけど・・・紗耶香だって似たよう
なもんじゃない。でも・・なんだろ?大事な話なんだろなぁ。』
後片付けをする紗耶香の後ろ姿を見ながら香奈は心の中で呟いた。


『あ・・・そういえば・・・。』
紗耶香が香奈の家に来るのは初めてだ。紗耶香だけでは無く、友達が家に来
るのは初めてだ。
口数も少なくめったに自己主張する事もない香奈は昔から友達が少なかっ
た。
イジメられる事は無かったが、ごく少数の限られた友達付き合いしか無かっ
たからか、香奈の家に友達が訪ねて来ることは無かった。
その事に気付いた香奈は、嬉しいような恥ずかしいような気分になり思わず
笑みが零れてきたが、ふと気がかりな事を思い出した。
『アレ・・ちゃんと隠してたよね?それに・・パソコン・・紗耶香、使わな
いよね?』
香奈の誰にも知られたくない秘密、今では日課となったオナニーに欠かせな
いレディコミやパソコンのお気に入りに入ったアダルトサイト。
もし紗耶香に見つかれば軽蔑されてしまう。
『大丈夫・・・本は押入の衣装ケースの下に隠してる。パソコンはユーザー
ログインしないとワカンナいはずだから。』
香奈は、頭の中で自分の部屋を見回して確認した。


部室で着替えを済ませた香奈は自転車に跨り、いつものように紗耶香と由美
と三人で校門を出た。

時刻は7時を過ぎた頃、辺りは真っ暗になっている。
繁華街を抜け、さびれた商店街を通り国道に出ると、だんだんと人気が少な
くなる。
街灯が遠い間隔で道路を照らしている。
この時間になると車の通りはまだ多いが、市街から住宅街へ小高い丘を突き
抜けて伸びるこの道の歩道を歩く人は殆どいない。
三人は、何時ものごとく他愛もない話をしながら自転車をこいでいた。
紗耶香もいつもと変わらない。
『悲しい話とかじゃないみたい。』
香奈は少し安心した。

風が冷たい。
あとひと月もすれば冬になる。
少し強い風が吹いた。
前を走る紗耶香と由美のスカートが揺れてめくれあがる。
『紗耶香、そんな短いスカートじゃ見えちゃうよ。』
香奈は紗耶香の後ろ姿を見ながら思った。
案の定、また強い風が吹いた時、紗耶香の小さなお尻の部分が捲れ上がり白
い下着が丸見えになった。
『ほら。誰もいないからいいけど・・。』
紗耶香は気にとめる様子は無く、短いスカートをひらひらさせ、由美とお喋
りしながら自転車をこいでいる。
『恥ずかしくないのかな・・・見られるかも知れないのに。パンツぐらい構
わないのかな?あたしには・・・あんな短いスカート無理だよ。』
そんな事を考えながら二人の後をついて行く。

後ろから来る車のヘッドライトが香奈達の頼りない自転車のライトをかき消
し前方を明るく照らし出した。

街灯の真下あたりの側道に車が止まっている。
シルバーのコンパクトカー。
プジョー106。
もちろん香奈には車種なんて解らないが、見覚えのある車。



『あの車・・・この前の!!』
香奈は数日前の出来事をリアルに思い出した・・・。

09/04/09 02:09 (fb/4vYbM)
8
投稿者: 自治厨
【07】
『どうしてこんな事になったんだろう・・・。なんで・・・オレがいけなか
ったんだろうか・・・。』
孝史は仕事を終え帰宅する途中、側道に車を止め昨日までの事を考えてい
た。
月曜の夕方、クタクタではあったけど、真っ直ぐ家に帰る気分ではなかっ
た。


妻の陽子は、土曜日に子供を実家に預け、夜遅くに帰宅した。連絡は無かっ
たし携帯も繋がらなかった。仕事は休みのはずだった。
帰ってきた陽子は、孝史が見たこともないオシャレな服を着ていた。
遅くなった理由は、パート仲間から頼まれて替わりに出勤したという。
陽子の寝室には、孝史の知らない間に買ったのだろう洋服が沢山あった。
香水嫌いだったはずの陽子の化粧台には、半分程使用された高価な香水があ
った。
洗濯物の中に普段なら付ける事のない派手な下着があった。

そして、陽子の浮気を間違いないものと思わせる出来事があった。

それは日曜日の夜。
孝史は、子供達を風呂に入れた後、居間でテレビを見ながらタバコを吸って
いた。
昨日から今朝にかけての出来事が孝史の頭の中でぐるぐると廻っていたが、
はっきりと陽子に聞く勇気がでず、孝史は悶々としながらも何事もなかった
ように振る舞っていた。
ヴーッヴーッと低く唸るような音がする。
携帯の振動音。
『電話かな?誰だろ?』
孝史はソファーに置いていた自分の携帯を見た。
鳴っていない。
振動音はキッチンの椅子にかけられた陽子の鞄の中からのようだ。
キッチンで洗い物をしている陽子は気付いた様子は無く、せわしなく手を動
かしている。
「電話だよ。」
そう言おうとした矢先、振動音は消えてしまった。
多分メールだったのだろう。
孝史はそのまま黙ってテレビの方を向き直し、煙草を吸い続けた。
煙草を吸い終わると孝史は子供達を寝せるため、二階に向かった。

ようやく子供達が眠り、孝史は居間に戻った。
キッチンには陽子の姿は無い。
風呂場から水の音が聞こえる。
『風呂か・・・。』
孝史はソファーに腰を深く沈めテレビをつけたが、くだらない番組ばかりだ
ったのですぐに消してしまった。
ふとキッチンに目をやると陽子の鞄は無くなっていた。寝室に持って行った
のだろう。
イライラが孝史の体の中を這いずり回る。

孝史はおもむろに立ち上がると、足音を忍ばせ陽子の寝室に向かった。
音をたてないよう注意深くドアを開け中に入ると電気をつけた。
部屋の中を見渡す。
化粧台の上を見ると、あの香水は無かった。どこかにしまったのだろう。
携帯が置いてある。
いくら妻とはいえ、他人の携帯を盗み見るのは罪悪感がある。今までだって
ただの一度も見たことは無い。
だが孝史はどうしても陽子が浮気しているのかどうか確証が欲しかった。
『何もなければ・・・通話履歴もメールも・・・何もなかったら俺の思い過
ごしだ。何もありませんように・・・。』
携帯を開き、着信履歴を確認する。
実家の母親、保育園、パート先、知っている女性の名前、孝史。
疑わしいものは無い。
リダイヤルを確認してみる。
実家の母親、保育園、パート先、知っている女性の名前、孝史。
何もない。
『やっぱり思い過ごしか・・・。』
次に受信メールを見てみる。


今日の日付、20時43分。
「さっきのメール?」

既に開封してある。
送信者の名前は「アキヒロ」
孝史は震える指先でボタンを押して内容を見た。


『from-アキヒロ-


昨日は会えて嬉しかったよ。

今度はウチにおいでよ。
たくさんシよう!!


今度はいつ会える?』


どうやら返信してあるようだ。
慌てながら送信メールの画面を開いた。


21時37分

『アタシも会えて嬉しかったぁ。(*⌒▽⌒*)
なかなか会えないもんね。(>_<。)

えぇ~アキヒロの部屋に行くの?
キャーヽ(≧▽≦)/
アタシこわれちゃうよぉ。(≧∀≦)
でもたのしみ~。

最近ダンナの帰りが早くなったからなぁ・・・でも何とか時間作って会いに
行くから!(≧∀≦)
連絡するから待っててね。
今からお風呂入るぅ~。
キレイにしとかなくちゃネ!!(≧ω≦)b

じゃ、また今度!
好きだよぉ~(^з^)/チュッ』




「・・・なんだ・・・コレ・・?アキヒロ?誰だ?・・・陽子・・・お前や
っぱり・・・。」

孝史は愕然とした。
嫌な予感は当たっていた。
陽子の変化に気がつかなかっただけだった。

孝史が仕事で遅くなる日々が続いているうちに陽子は「アキヒロ」と出会
い、情事を重ねながら変わっていったのだ。


孝史は、携帯を閉じると化粧台の上に戻し、フラフラと自分の部屋へ向かい
ベッドに座り込んだ。



気がつくと朝になっていた。


それからの事はよく覚えていない。
慌ただしく家を出て出勤したものの、まるで仕事に身が入らず、ボーっとし
ていた。

終業時刻が過ぎたのも気付かないでいたぐらいだ。



とても家に帰る気にならない。

孝史は国道脇の側道に車を止め、とめどなくこみ上げてくる脱力感と挫折
感、嫉妬と自己嫌悪が体を支配していくのを感じながら、何故こうなったの
か、原因は何なのか、これからどうすべきかを考えていた・・・。

09/04/09 02:10 (fb/4vYbM)
9
投稿者: 自治厨
【08】
プジョー106の車内。
孝史は考え込んでいた。
時刻は午後6時25分。
辺りは暗くなり街灯の明かりがシルバーのボディと車内を照らしている。
この車は結婚した当初、孝史が無理を言って買ったものだった。値段は安く
排気量も小さいが、なにせ外国車の為、国産に比べ頻繁に故障があり、修理
代もかかる。
それを承知で孝史は陽子に何とか了解を取って買った。
元々バイクが好きでドゥカティに乗っていたが、結婚生活をするにあたり無
駄を省く為に売り払い、それからバイクに乗ることは無くなった。
欲しいのは山々だが、車二台に家のローンや保育園料等々を支払っていく
と、とてもバイクなど所持することは無理だった。
だから自分が乗る車だけは好きなものが欲しかった。
だが、後にも先にも孝史が我が儘を通したのは、これだけだった。
「何故なんだ・・陽子。なにが不満だったんた?」


ここ半年くらいは孝史の仕事の都合で帰りが遅かった。休日も出勤するか寝
ているかのどちらかで、家の事などほったらかしにしていた。
確かに、陽子と会話する機会は少なくなり、寝室も別々な為、セックスの回
数も減っていた。
ここ最近はまったくしていない。


妻が浮気するキッカケなりチャンスなりはあったろう。

だからといって浮気に走るならば、世の中の女はみな浮気するだろう。
生活するという事は、そういうものだ。
孝史には答えが見つからなかった。


「アキヒロって誰だよ!?ソイツがそんなにいいのか?そんなに優しいの
か?癒してくれるのか?ソイツとのセックスは、そんなに良かったの
か!?」

孝史は、陽子と「アキヒロ」がセックスしている場面を想像してみた。
愛する妻が他の男に抱かれる。
服を脱がされて乳房を愛撫され、乳首を吸われる。
男の手が陽子の下半身に伸び、下着の中へ吸い込まれる。
男の愛撫で声をあげ喘ぐ陽子。
自ら男の股間に手を伸ばし、パンパンに膨れ上がったペニスの感触を楽し
み、ズボンを脱がせ孝史のペニスよりも遥かに太く長い反り返ったモノを見
つめ笑みを浮かべてイヤらしく舌なめずりする陽子。
そして、股間に顔をうずめ喚起の表情でペニスをくわえ必死に舐めまわす。
陰部からはダラダラとだらしなく愛液を垂れ流しヒクヒクとさせながら愛お
しそうにペニスを口に含み上下させる。
おもむろに顔を上げると、まるで盛りのついた雌犬のように懇願する。
「お願い・・・入れて・・・。」
涎を垂らしながらペニスに頬ずりする陽子に、男は言う。
「何をどこに入れて欲しいんだ?ちゃんと言わなきゃ入れないぜ?」
イヤらしく笑みを浮かべる男に陽子は答える。
「あなたの・・チ○ポを・・アタシのオマ○コに入れて・・・。」
「どんなチ○ポをどんなマ○コに入れたいんだ?」
「・・・アナタの太くて長くて固い勃起したチ○ポを・・・アタシのグチョ
グチョになったイヤらしいオマ○コに入れて!」
「ダンナに入れてもらえよ。オレはしゃぶって貰えりゃいいから。」
「あぁぁ・・・イジワル言わないで!我慢できないの!アナタのチ○ポじゃ
なきゃダメなのぉ!お願い!入れてぇ!太いチ○ポ入れてぇ!ダンナのチ○
ポよりアナタのチ○ポがイイのぉ!!早くぅ!!ちょうだぁい!!!」

「陽子はスケベな女だなぁ。ほら入れてやるよ。」

足を広げ、陰部をヌラヌラと濡らし懇願する陽子に、男は太く長い反り返っ
たペニスを突き立てる。
「あああぁぁぁぁぁ!!イイぃぃぃ!!気持ちイイぃぃ!!奥までズンズン
くるぅ!!突いてぇ!!もっと激しく突いてぇ!!」
男にしがみつき両足を男の腰に絡ませ涎を垂らしながらヨガリ狂う陽子。




孝史は想像しながら嫉妬に苦しみ、陽子を憎んだ。
しかし、孝史の心とは裏腹に股間は膨れ上がっていた。
陽子が他人に抱かれ喘ぐ姿を想像しながら孝史のペニスは勃起していた。
不思議な感覚だった。
『オレはMなのか?そんな素質があったのか?』
自虐的な想像に興奮した孝史は、ベルトを緩めるとファスナーを開け、これ
以上無いくらい勃起したペニスを取り出すと無我夢中で扱き始めた。

街灯の明かりが車内を照らし、孝史のペニスはテカテカと光り、先端からは
半透明の液体がこぼれていた。
陽子が実際にされたであろう行為を想像し、いつも以上に興奮した孝史は、
車道を通り過ぎる車のヘッドライトが車内を浮かび上がらせた後、前方から
小さな光が3つ近づいてくるのにも気付かず快感に浸りながら右手を激しく
動かした・・・。

09/04/09 02:10 (fb/4vYbM)
10
投稿者: 自治厨
【09】
人気の無い国道の歩道を走る三人の自転車。
香奈の前方を走る紗耶香と由美は話に夢中になっている。
数十メートル先には側道に止められたシルバーの車が街灯に照らされてい
る。
『あの車・・たしか・・この前の・・だよね?』
香奈は、数日前に目撃した出来事を思い浮かべた。
運転席に座る男が、右手で下腹部から伸びた棒を握っていた場面。
生まれて初めて見た光景。

香奈は確かめたくなった。
というよりも、純粋な好奇心からあの車の中で行われていた行為を見てみた
かった。
三人が漕ぐ自転車は、段々とあの車に近付いて行く。
ここからでは中の様子は見えない。
あの運転手は乗っているのか?
あの時の行為をしているのか?
香奈の心臓は、その鼓動の速度を速めていく。

『・・・よし。』
香奈は、十メートル程手前で自転車を降りると自転車を押しながら成るべく
自然な振る舞いを心掛け、ゆっくりと車に近づいて行った。

街灯の明かりがフロントガラスに差し込み車内の様子がぼんやりと解る距離
まで近付いた。
香奈は前方を向いたまま、目線を車に移した。人が乗っている。
若い男だ。三十歳くらいだろうか。
上を向き目を瞑っている。
男は此方に気付いていないようだ。
香奈の心臓は、周りに聞こえるのではないかと思えるくらい大きな音で速い
リズムを打っている。『・・寝てる・・のかな?』
そのままゆっくりと車の側に自転車を押していく。そして横目で車内を覗い
てみた。

『・・・あ・・!!』

期待通りと言っていいのか、車内の男はズボンと下着をずらし反り返ったペ
ニスを右手で握り締め上下に動かしていた。
香奈は無意識に立ち止まり、その男の行為を見つめてしまっていた。
男はそんな香奈の存在に気がつかず夢中でペニスを扱いている。
赤黒くテカテカしたペニスの先が街灯の明かりに照らされヌメヌメとした光
を放っている。
相変わらず上を向き目をつぶっている男の右手の動きが速くなった。
香奈の顔は、その白い肌の殆どを真っ赤に染め、皮膚が痛いくらいにジンジ
ンしている。
『なんで・・こんなトコで・・痴漢・・変態・・だよ・・・。』
香奈は、眼前で行われている行為を食い入るように見つめ、ハンドルを握る
手に力が入っているのさえ解らないでいる。
体が熱い。
足に力が入らない。
しかし他人の車を覗き込んでいる不自然さを何時までも続けている訳には行
かない。車の男がこちらを振り向くかもしれない。男との距離は1メートル
程しかない。
男がこちらに気付いて車を降り襲ってくるかもしれない。
「急いでこの場を離れなければ」
香奈が車内から目を逸らそうとした瞬間だった。
男の反り返ったペニスの先から白い液体が勢い良く噴き出し、衣服やハンド
ルに飛び散った。
香奈は射精という行為を目の当たりにした。

『はあぁっ!!』

香奈は緊張と驚きのあまり声をあげ、ハンドルから手を離し両手を口に当て
た。
当然、自転車はガシャンと音を立て倒れてしまった。
その声と物音に男は驚いてこちらを振り返った。
男と香奈は互いに驚いた顔で目を合わせた。
一瞬の沈黙が永く感じる。

「ご・・・ゴメンナサイっ!!」

香奈は何故だか咄嗟に謝ると、慌てて鞄を拾い上げ、倒れた自転車を起こし
一目散に逃げ出した。

09/04/09 02:11 (fb/4vYbM)
11
投稿者: 自治厨
【10】
香奈は無我夢中で自転車を走らせた。
夜の冷たい空気が頬にあたるが香奈には何も感じない。
ただ夢中でペダルを漕ぐが足に上手く力が入らない。
とても悪い事をした後の罪悪感、取り返しのつかない事をした時の後悔、そ
して求めていたものが手には入ったような達成感と背徳感が胸の中で渦巻
き、複雑に絡み合う感情が顔の皮膚をジンジンと焼き、手足を震えさせてい
た。

そんなつもりは無かった。
ただゆっくりと通り過ぎる刹那に車内を覗き、行われている行為を確かめる
だけのつもりだった。
しかし香奈の体はそれを許さず、無意識ではあるが、大胆にも立ち止まり、
車内を、その男の行為を、反り返ったペニスを凝視していた。

『あたし何であんな・・・見つかっちゃったよぅ・・・目が合っちゃったよ
ぅ・・・。』

今はただ、自慰行為をしていた男に見つかってしまった恐怖の為、一刻も早
くあの車から遠ざかりたかった。


どれくらい走ったろうか、香奈は後ろを振り返った。
あの車はもう見えない。
追い掛けてくる気配も無い。
香奈はスピードを緩めた。
「・・・はぁっ・・!」緊張から解放され、安堵の溜め息をついた。
それ程走った訳では無いが、軽い疲労感が襲ってきた。
鼓動は相変わらず速い。
頭皮と腋の下がヒンヤリとする。大分汗をかいているようだ。

ふと前方を見ると、交差点の横断歩道脇にある信号機のそばで紗耶香と由美
が待っている。
「香奈ぁ~!お~そぉ~い~よぉぅ!」
相変わらずの口調で由美が叫んでいる。
『そう、これが私の現実。さっきの事が夢みたい。』
香奈は友人達の顔を見るとほっとした。
「なぁんで遅いのよぉ。て言うか後ろ見たらいないし~。」
「ご・・ゴメン!あの・・鞄・・落としちゃって。拾おうと思ったら転んじ
ゃって・・それで・・遅くなっちゃって・・・。」
香奈は、まさか先程の出来事を話す訳にもいかず、思いつく精一杯の言い訳
をした。
「大丈夫?ケガしてない?」
紗耶香が心配そうに香奈の顔を覗き込んだ。
「え・・あ・・うん!大丈夫だよ。ケガも無いみたい。」
慌てながらも紗耶香に笑顔で答えた。
「そう?なら良かった。・・・でも香奈、顔真っ赤だよ?」
紗耶香にそう言われて、香奈は自分の頬を触ってみた。
熱い。
先程の興奮がまだ冷めていない。
香奈の頭の中にさっきの出来事の一部始終が蘇る。
下半身を露出し、勃起して反り返ったペニスを自らの手で上下に扱き、射精
を迎えた男性の自慰行為。
振り返った男の顔。

「どうしたの?ボーっとして?ホントに大丈夫?」
紗耶香の声で我に返った香奈は
「あ、ゴメン。考えごとしてた。」
と返すが、友人の前で淫靡な回想をしていた恥ずかしさから、まともに紗耶
香の顔を見ることが出来なかった。

「じゃあアタシ帰るねぇ~。バァイバァ~イ。」由美はこちらを振り向かず
手だけを降りながら走り出した。

この交差点で由美とは帰り道が別れる。
紗耶香と香奈は横断歩道を渡り自転車を走らせた。
「ねぇ香奈。具合悪いんだったら今日はもういいよ。」
その一言で、紗耶香の相談の事を思い出した。
「大丈夫だよ。ゴメンね、心配かけて。」
香奈は平静を振る舞い笑顔で紗耶香に答えた。
「ホントに?じゃあ、香奈ん家に寄るね!」
嬉しそうに紗耶香が答えた。

香奈の家は、住宅街の外れの新興住宅地にある。
香奈が小学校の時に両親が購入した。
決して大きくは無いが、二階建てで小さな庭があり、香奈の部屋にはロフト
もついている。
「うわぁ。いいなぁ。一戸建て。アタシんちなんかアパートの狭~い部屋だ
かんね~。うらやましいわ~。」
「・・・なんか、話し方がオバサンみたいだよ。」
紗耶香の言葉に香奈が返すと二人して笑った。

出迎えた母親が、香奈が初めて友達を連れてきたと大喜びして紗耶香にひっ
ついてきたので、二人は早々に香奈の部屋に向かった。

「へぇ~ここが香奈の部屋かぁ~。カワい・・・て言うか・・・シンプル
な・・・部屋ですなぁ・・・。」
確かに香奈の部屋は、飾り気も無く、おおよそ年頃の女の子の部屋には見え
なかった。
部屋の隅に勉強机があり、その隣にパソコンを置いたOA机、備え付けのクロ
ーゼット、二人が座れるくらいのソファー、そして全身が辛うじて映るくら
いの鏡。
壁にはカレンダーが貼ってあるだけで装飾のためのモノは何一つない。
六畳くらいの部屋だが何もないので広く感じる。
素直な紗耶香の感想を聞いた香奈は笑いながら、「あたしそういうの無頓着
だからね。紗耶香の言うとおりだよね。」
と言った。
紗耶香はハッとして慌ててフォローした。
「あ・・あのね、そんな意味じゃなくてね・・ほら・・なんつーの・・そ
う、カッコいいって言ったの!」
慌てる紗耶香に香奈は寂しそうな顔をして言った。
「そんなに気を使って話さないでよ。あたし、紗耶香や由美とは何も気にせ
ずに話し合いたいの。そんな友達いままで出来なかったから。だから、遠慮
なんかしないでよ、ね?」
紗耶香は香奈の顔を見つめた。どこか影のありそうな知的で端正な顔だち、
うつむいた瞼から今にも涙が零れそうに見える。堅く閉ざされた淡い色をし
た唇を見たとき、紗耶香は思わず呟いてしまった。


「好きだよ。香奈。」
09/04/09 02:12 (fb/4vYbM)
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