そして３月ひなたは卒業した。｢卒業おめでとう｣｢ありがとうございます｣と照れながら頭を下げた。｢後は入籍だけだけど…｣既に婚姻者の欄には２人のサインは書いてあったが、ひなたはまだ未成年だから保護者の同意が必要だった。｢行こうか｣と俺達２人で××園に向かった。園に着いた。事務所で園長の在宅を確認すると、職員が｢ちょっと待って下さい｣と言って奥に行き、オバサンが出て来た。俺達の顔を見て｢あっ!?｣と驚き｢奥にどうぞ｣と言って通された。｢ひなちゃん…久しぶりね…何年振りかしら？｣｢Ｃ１以来だから６年です｣と言った。俺は｢あの園長さんは？｣と尋ねると｢あの人は二年前に他界して、今私が園長をしています｣と言った。俺達は驚いた。｢ひなちゃん…こんな事言うのもおこがましいけど…あの人にお線香あげてくれる？｣と言った。ひなたは俺を見た。俺は頷いた。｢はい｣と言った。｢良かった…あの人喜ぶわ…あの人ね亡くなる前…ひなた達に悪い事した…ちゃんと謝りたいって言ってのよ｣と言った。

｢帰る前にあげて行ってね？…｣と言って少し涙ぐんだ。｢あっ!?…今日は何か用事があって来たんでしょう？｣と言って｢何？私に出来る事なら何でも言って｣と言われ、俺は鞄から婚姻届を出し｢あの俺達結婚するんです｣と言うと園長は驚き｢まぁっ…そうなの？結婚するの？｣と言った。｢はい…それで保護者の所に同意のサインを貰いたくて…いいですか？｣と言うと｢そんな事でいいのならいくらでも｣と言い席を立つと書類棚から印鑑を出した。｢ここね？｣と言ってサインを書き印鑑を捺した。｢ひなちゃんおめでとう…あんなに小さかったひなちゃんがねぇ…時の流れって早いわねぇ｣と言い｢結婚式はいつ？｣と聞かれ｢入籍だけで式はしないんです…それは２人で話し合って…｣と言うと｢あ～そうなの？残念だわぁ｣と言った。…その後帰る前にひなたは仏壇に線香をあげた。｢またいらっしゃいね？｣と言われ｢はいまた｣とひなたが言って、俺達は家に帰った。｢園長さん歳とったね｣と言うと｢うん…おばあちゃんになった｣とひなたは呟いた。

俺達は４月１日に婚姻届を提出した。｢エイプリルフールだけど嘘じゃないよね？｣とひなたが言った。俺は｢嘘じゃないよ｣と言うと、ひなたは嬉しそうに笑い｢今日から宜しくお願いします…あなた｣と言った。｢あなた｣と言われ俺はくすぐったさを覚えた。その夜初夜を迎えた。沙希は気を使い友達の家へ泊まりに行った。行く時に｢今日は遠慮しないでいっぱい頑張って｣と言い出掛けた。夫婦になったから俺は遠慮せずにひなたの中に出した。ひなたも｢嬉しい…｣と言った。二回戦した。｢愛してる…もう…離さないからな｣と言うと｢うん…ずっと一緒だよ｣と言った。…それから３年が過ぎひなたは身籠もり、沙希は正式に？内縁の妻となった。…ひなたが出来ない間(口でしてくれたが)、沙希が抜いてくれた。ひなたが子供を産むと、次は沙希が妊娠した。勿論俺は認知している。…２人の妻と２人の子供と仲良く今も暮らしている。

ハッピーエンドで本当に良かったです。

素敵な作品をありがとうございました。

う～ん、すごい。
なにかこの場だけで公表されるにはもったいない作品です。
題名も内容の濃さに比較してあまりにもシンプルです。
しかし、これからもっと多くの人が読むでしょう。
一歩間違うとヘビーになる内容で、読み手に暖かい幸福感が...
書き手の人柄から滲み出る、真似できない内容です。