美央はバドを止めて花壇の縁石に座って和哉と話し始めた。俺はそれが気になり集中出来きずに、空振りを連発した。すると彩香が｢アキラ何してん｣と言われ俺は｢ゴメンゴメンちょっと疲れた｣と言って誤魔化した。日が落ち段々と暗くなり始めた。｢もう見えないから止めよう｣と言った。美央達はまだ話し込んでいた。｢美央っ!!戻るよっ｣と言うと｢あっ？うんっ分かったぁ｣と言って立ち上がり｢じゃぁの和哉君っ｣と言って俺達方へ来た。彩香が余計な事を言った。｢美央ちゃんアノ子彼氏？｣俺はピクッとしたが｢違うよっ…同級生だよっ｣と否定すると｢アノ子美央ちゃんの事好きなんじゃない？｣とまた余計な事を言った。俺は聞いてない振りをして階段を上がって行った。俺は少し不機嫌だった。原因は解っていた。小学生男子に嫉妬している自分に気付いていた。…家に戻るとすぐにシャワーだけ浴びた。出てくるとすぐに夕飯になった。その時姉に瑠衣を送る様に言われた。美央は｢私も行くっ｣と言った。ついでにアイスを買って来る様にと頼まれた。

アキラと美央がしあわせになって欲しいです。

俺達は車に乗り込んだ。道すがらそんなに会話がなかった。…すぐに瑠衣の家に着いた。門扉の所に瑠衣母が立っていた。｢ありがとねアキラ…宜しく言っておいて…じゃぁね｣と言われ｢またねっ｣と言って車を発進させた。…少しすると美央が｢アキラ君どうしたの？何か機嫌悪いね？｣と言い俺の顔を覗いた。態度に出ていた様だった。｢アイツ美央が好きなんだね｣｢えっ!?アイツ？｣｢うん｣｢？…和哉君の事？｣｢うん｣｢そう？私は友達だと思ってるけど…｣｢いやっアイツは絶対好きだって…確証はないけど分かるよ｣と言うと｢そんな…どうしよう｣と言った。｢いつか告白されるかもよ？｣と言うと｢そんな事言わないで…変に意識しちゃうから｣と困った顔をした。…後にこの時の会話が本当になったがまだ少し先の事だった。…美央は｢私が好きなのアキラ君だけだから｣と言った。コンビニに寄りアイスと雑誌を買い家に帰った。駐車場に車を入れると俺は美央にキスをした。美央は笑った。…姪２人は俺から袋を奪い取った。節操がないなぁと俺は苦笑いした。

アキラ君ガンバレ！美央ちゃんを絶対にはなさないで！

夜１０時過ぎに美央と千葉は帰った。…次の日、地区の少し大きめの公園で盆踊りがあった。夕方、彩香達と美央を連れて行った。会場は賑わっていて出店も幾つか出ていた。まず彩香達にかき氷を買ってあげた。俺は歩き回るのも面倒なので、３人に小遣いを２千円ずつ渡し｢ここに居るから何か買ってきなっ…無駄使いすんなよ？｣と言うと３人は｢は～いっ｣と言ってすぐに買いに行った。１５分位すると彩香がジュースと焼きそばを持って戻って来た。彩香に｢美味い？｣と聞くと｢うんっ｣と言った。｢少し頂戴？｣と言うと｢ヤダっ買って来れば？｣と断られた。｢じゃぁ戻って来るまでここに居ろよ？｣と言うと｢うん…分かった｣と言った。俺は席を立って焼きそばを買いに行った。焼きそば屋は混んでいて待たされた。俺の２人前で作り置きがなくなり更に待たされた。やっと購入して戻る時にジュースを買い戻った。席には彩香ではなく紫織がだけがいた。｢彩香と美央は？｣｢彩はまた買いに行ったけど美央ちゃんはまだだよ｣と言った。