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魔少年と熟れた女達

カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:人妻熟女 官能小説   
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1: 魔少年と熟れた女達
投稿者: 鉄剣一
都内某所。私鉄の駅から少し歩いたところにある、どこの街にもある普通の住宅街。築年数の経った、少し古びたマンションの一室に、高校二年生の田中健太(たなか けんた)の姿はあった。

梅雨明け直後の、むしむしとした不快な熱気が、まだエアコンの効いていない部屋の隅々にまでじっとりとこもっている。
西日の差し込む薄暗いリビングには、まだ開けられていない段ボール箱がいくつか転がっていた。
健太は手にしたカッターナイフの刃を、カチカチと三つ、長めに引き出した。ガムテープの貼られた境目ではなく、厚紙の真ん中に容赦なく刃先を突き立てる。
ザリ、と鈍い音がして、固い繊維が引き裂かれていく。力を込め、強引に刃を引く手元には躊躇がない。切り裂かれた段ボールの隙間から、クシャクシャに丸められた古い新聞紙が溢れ出るのを、健太は感情の失せた目で見つめていた。

手元でスマートフォンが低く震え、父親からの着信を告げる。健太はカッターナイフを床に置くと、画面をタップして耳に当てた。

『――もしもし、健太か。荷物は無事に全部届いたか?』

スピーカー越しに聞こえる父親の声は、いつも通り落ち着いてはいたが、どこか他人のような事務的な響きがあった。九州の工場へ単身赴任になってから、父親との会話はいつもこんな調子だ。

「……うん。大体片付いた」

健太は短く、そっけなく返した。壁に背中を預け、足元に転がしたカッターの刃を、部屋履きのスリッパの先でじっと踏みつける。

『そうか。ガスと水道の手続きはこっちからネットでやっておいたから、今日から問題なく使えるはずだ。今月分の生活費と家賃は、例の口座に振り込んでおいたから確認してくれ。足りなくなったら言うんだぞ』

「分かってる。別にそんなに使わないし」

『……健太、お母さんの件では、お前には本当に苦労をかけたと思っている。離婚の手続きや引っ越しでバタバタさせてすまなかった。だが、あの家でお前が一人でいるよりは、学校に近いこのマンションの方が生活もしやすいだろうと思ってね。九州へ一緒に来ずに、一人で東京に残ると言い出した時は驚いたが――』

「その話、もういいよ」

健太は父親の言葉を遮るように、少しトゲのある声で言った。電話の向こうの父親が、一瞬言葉に詰まる気配が伝わってくる。

「自分で残るって言ったんだから。お父さんがいちいち気に病む必要ないでしょ。仕事忙しいんじゃないの?」

『……ああ、そうだな。こっちも明日は朝から現場なんだ。本当にすまないが、しばらくは東京に帰れそうにない。何か困ったことがあったら、すぐに連絡するんだぞ』

「うん。じゃあ切るよ」

父親の返事を待たずに通話を切ると、部屋は一瞬で元の静寂に包まれた。
健太はスマートフォンをソファに放り出し、学校の制服から部屋着に着替えるため、リビングの隅にある少し曇った姿見の前に歩み寄った。

鏡に映っているのは、お世辞にも格好良いとは言えない、冴えない顔立ちの少年だ。少し肉付きが良く、お腹周りもすこし太っている。


黒い詰襟のボタンを外し、制服のズボンを脱ぎ捨てる。
薄手のトランクス一枚になった時、フロント部分が不自然なほど大きく丸みを帯びて、ずっしりと下を向いて生地を引っ張っていた。小太りな体型のせいで余計にそう見えるだけなのか、それとも。
健太はそれを、邪魔な肉か何かを扱うように、無造作に上から手で押し込んで位置を直した。他人の目を避けるようにさっと着替えを済ませてきた、その「癖」だけが、少年の日常に深く染み付いていた。クラスの誰も自分になど興味を持たない。誰の記憶にも残らない、ただの背景のような存在。それこそが、彼が学校という空間で手に入れた、最も都合の良い立ち位置だった。

健太の通う高校は、むさ苦しい男子校だった。
コンクリートの校舎はどこかくすんでいて、廊下にはいつも埃と汗の匂いが染み付いている。高校二年生になって始まった新しいクラスも、荒んだ空気と退屈さに満ちていた。

「おい、聞いたかよ。駅前のマックにいる他校の女さ、マジでビジュ良すぎてバグってたわ」
「マジかよ、お前見たの?」
「おう。色白でスリムでさ、足なんかめちゃくちゃ細くて、ガチでスタイル神ってたわ。あんな可愛い子と付き合えたら最高だよな」

放課後、教室の後方では、制服の着こなしの崩れた不良グループが、机に腰掛けながら賑やかにそんな話をしていた。彼らにとって世界は、画面の向こうにいるような記号化された「可愛さ」と、目先の小競り合いだけで回っているようだった。

健太は彼らの会話から少し離れた教室の隅で、静かに教科書を鞄に詰めていた。誰もが健太のことなど気にも留めない。健太は無害な存在として、静かに帰る支度をしていた。そこへ、同じクラスの野球部員である鈴木翔太(すずき しょうた)が、屈託のない笑顔で話しかけてきた。鈴木はクラスのムードメーカーで、健太のような地味な奴にも分け隔てなく接してくれる、根っから明るい男だった。

「田中、お前また数学トップクラスじゃん。どうやって勉強してんの?」

「いや……たまたま昨日見直したところが出ただけ」

健太はいつもの「大人しい、気の弱いデブ」を演じるように、へらへらと頭を掻いて言葉を濁した。

「またまたー。今度さ、俺にも数学教えてくれよな。じゃあ俺、部活あるから先行くわ!」

「おう、部活頑張って」

鈴木が元気に手を振りながら教室を出ていく。
健太はその背中を見送ると、すぐに顔からへらへらとした笑みを消した。周囲に誰もいないことを盗み見るように確認すると、鈴木が雑に引いたままにしていった隣の机の椅子を、制服のローファーの先で小突くようにコツンと、陰湿に蹴り入れた。それから、自分のノートをパタンと、少し強い音を立てて閉じた。
誰もが楽しそうに、ただへらへらと代わり映えのない学生生活を過ごしているように見えるが、健太にとって彼らの無邪気さは、どこか白々しく、あるいは酷く底の浅いものに思えてならなかった。健太は無害な存在として、静かに教室を後にした。

三時に授業が終わり、健太は特に寄り道もせずマンションに帰宅した。時刻は夕方の四時を回ったところだったが、外はまだもわっとした湿気を含んだ熱風が吹き抜けており、歩くだけで首筋に汗が滲むような暑さだった。
静かな内廊下を歩き、自分の部屋の前で鍵を取り出す。どこに大して特徴もない普通のマンションだが、周りの部屋のドアはどれも固く閉ざされており、住人の気配は全くしない。

自室に入り、鍵を閉める。
ガチャリ、と重い金属音が響き、完全な静寂が戻る。大人の目は一切ない、健太だけの部屋。

健太は制服を脱ぎ捨ててベッドに寝転がると、スマートフォンを手に取った。
特に見るあてもなくTikTokのアプリを開き、おすすめに表示される動画を親指で次々とスワイプしていく。胸元や太ももを強調した流行りのダンスを踊る女子高生の動画でふと指を止めると、健太はベッドの上でじっとそれを見つめながら、「……ふん、頭は悪そうだけど、身体だけはマジでエロいな」とぽつりと独り言を呟いた。それから他愛のないおもしろ動画へと数秒ごとに切り替えていく。続いてYouTubeを開き、登録しているチャンネルの動画をいくつか適当に流し見した。画面の向こうの喧しい笑い声を他所に、健太の心は冷めたまま、ただ時間を潰すためだけに高校生らしくダラダラと画面を眺め続けた。

そうして部屋に引きこもり、だらだらとスマートフォンの画面を眺めて過ごしているうちに、外はすっかり暗くなっていた。気づけば夜の9時を回っている。むしむしとした空気のせいで、じっとしているだけでも肌がうっすらと汗ばんでくる。
お腹の虫が鳴ったのを機にベッドから起き上がると、薄暗いキッチンでインスタントのラーメンを茹で、リビングのテーブルに運んだ。湯気の向こうで、無造作に放り出していたスマートフォンが、短い通知音を立てて明滅した。
画面を見ると、鈴木からのメッセージが表示されている。

『今日の数学のプリント、マジで意味不明。田中、明後日の放課後ウチ来て勉強教えてよ!美味いもん食わせるからさ!』

健太は割り箸をパチンと割りながら、冷めた目でその画面を見つめた。
(明後日の放課後、か。鈴木の家は地元でもそれなりに裕福だって噂だし、こういうクラスの人気者と表向きだけでも仲良くなっておけば、これからの学校生活で何かと都合がいいかもしれないな)
そんな打算から、健太の指先は、画面の上で全く別の言葉を打ち込んでいく。

『いいよー。じゃあ明後日の放課後、鈴木くんの家にお邪魔するね。美味しいものご馳走してもらえるの楽しみにしてるよ』

語尾に親しみやすい絵文字を添えて送信すると、すぐに既読がついた。表面上は愛想よく応じながらも、健太は鈴木という男の、悩みや陰りなど何一つなさそうな底抜けの明るさに、どこか呆れるような冷ややかな視線を送っていた。

麺を一口、口に運ぼうとしたその時だった。
隣の部屋との境にある壁の奥から、ドン、と鈍い衝撃音が響いた。続いて、何か重いものを引きずるような音がかすかに伝わってくる。一人の時間を邪魔されない限り、ただの日常の雑音だった。

ラーメンを食べ終えた健太は、食器をシンクに片付けると、再びベッドに寝転がってスマートフォンの動画を見始めた。気がつけば一時間ほどが経ち、夜の10時を迎えた頃だった。
静まり返った自室の玄関から、突然ピンポーンと甲高いチャイムの音が鳴り響いた。

こんな時間に誰だろう。
健太は不審に思いながらも、ドアスコープを覗き、それからゆっくりと鍵を開けた。

「あ、夜分遅くにすみません……」

ドアを開けると、そこには見知らぬ家族が立っていた。
ネクタイを緩め、心なしかくたびれた表情をした、痩せて骨張った中年の男。その後ろには、退屈そうにスマートフォンをいじる高校一年生位の長女と、落ち着きのない九歳位の長男。
そして、その真ん主に、母親らしき女性が立っていた。

「今日、お隣の302号室に引っ越してきました、高橋と申します。さっき一時間くらい前ですかね、ガタガタと大きな音を立ててしまって……。本当はすぐにご挨拶に伺うべきだったんですが、荷解きでバタバタしてしまって、こんな時間になってしまいました。ご迷惑をおかけして本当にすみません」

痩せた主人が、すまないね、といった風に頭を掻きながら言葉を続ける。

「いやあ、この歳になってからの引っ越しは体に堪えますよ。さっきもタンスをぶつけちゃってね。……夜分にバタバタしちゃって、ご両親はもうお休みですかね? 起こしちゃったら申し訳ないなと思って」

健太は一瞬で表情を切り替え、育ちの良さそうな、少しはにかんだような笑みを浮かべた。

「あ、いえ、大丈夫です。僕、親の仕事の都合で、ここに一人で住んでるんです。だから全然気にしてないですよ」

「へえ、高校生なのに一人暮らしですか。感心だなぁ。ウチのバカ娘なんて、自分の部屋の片付けすらまともにやらないでスマホばかり見てるのに」

主人がそう愚痴をこぼすと、後ろにいた十二歳位の長女が、無言のまま主人の足をいきなり思いきり蹴りつけた。痛みに主人が「あ、痛っ……」と情けない声を漏らして小さく飛び上がり、娘の顔を怯えたようにビクビクと盗み見るが、長女はふいっと目を逸らして完全に無視を決め込む。二人の間に流れる不穏な空気と、それをハラハラした目で見守る母親の様子から、この家族が抱える根深い確執が、狭い玄関口に静かに滲み出ていた。主人は情けなく肩をすぼめ、引きつった笑みで健太に向かって言葉を続ける。

「まあ、そんなわけですから、何か困ったことがあったら、隣なんだから遠慮なく言ってくださいね」

「ありがとうございます。わざわざご丁寧に嬉しいです」

いかにも大人しくて礼儀正しい、近所の好青年。その完璧な演技の裏で、健太の鋭い視線は、主人の横に佇む人妻の肉体を、じっとりと品定めするように捉えていた。同級生たちが追い求めるあの薄っぺらい少女たちとは正反対の、本物の「女」の質量がそこにはあった。

小柄な背丈の女性だった。だが、その肉付きは驚くほど豊満だった。
むしむしとした夏の夜の空気の中、彼女が着ている薄手のサマーニットは、汗を含んでわずかに肌に張り付いている。その布地を内側から強烈に押し上げるようにして、圧倒的な存在感を主張しているのは、信じられないほど大きな胸の膨らみだった。下着のワイヤーが肉に深く食い込んでいるのが服の上からでも分かり、その重そうな肉の質量が、彼女がお辞儀をするたびにずっしりと形を変えて揺れる。

「これ、本当に安物なんですけど、使ってください」

人妻が少し上気した顔で微笑み、タオルの箱を差し出してくる。
それを受け取る瞬間、健太の指先が、彼女の手のひらの、水仕事で少し荒れた、しかしもち肌特有の柔らかく湿った肉厚な感触にかすかに触れた。
その刹那、母親らしきその女性の鼻腔を、部屋の奥から漂う濃密な、どこか腐った生のイカのような男くささがかすめていった。気のせいか、一瞬だけ血圧がふっと上がるような微かな目眩を覚えたが、目の前の健太が浮かべているのはどこまでも無邪気な少年の笑顔だったため、やはり気のせいかと思い直して微笑みを返した。

「ありがとうございます。一人暮らしなので、すごく助かります」

健太はどこまでも無邪気な高校生として微笑んだ。
挨拶を終え、痩せた主人が「じゃあ、お休みなさい。お邪魔しました」と子供たちを促して翻る。

その後に続いて人妻が背を向けた瞬間、健太の目は彼女の背後へ釘付けになった。
薄手のサマーニットの背中側には、肉厚な背肉に深く食い込んでいる、大きなブラジャーの幅広なバンド(紐)のラインがくっきりと浮き出ている。さらに、穿き古したタイトめのスラックスの生地を、内側から丸く、不格好なほどに押し広げているのは、大人の女性特有の、ずっしりと肉厚で大きな尻の膨みだった。歩くたびにその重みのある肉が左右にどっしりと揺れ、太ももの裏までなだらかな肉感が続いているのが、薄暗い内廊下の明かりの中で生々しく浮かび上がっていた。

「失礼します」ともう一度深く頭を下げた彼女の、胸の谷間と、振り返りざまに揺れる巨大な尻の質量を、健太は網膜に焼き付けるように見届けた。

ドアが閉まり、再びガチャリと重い金属音が響く。
完全な静寂に戻った部屋の中で、健太は静かに立ち尽くしていた。
あの人妻の、生活臭のする生々しい肉の感触と、一瞬かすめたあの不穏な空気。へらへらとした仮面の裏で、健太の奥底にある歪んだ悪知恵と、仄暗い熱が、静かに、しかし確実に鎌首をもたげ始めていた。
薄暗いリビングの真ん中で、健太の口元は、普段学校で見せる大人しい少年のそれとは完全にかけ離れた、酷く歪んだ笑みに吊り上がっていた。

この小説は以下で公開してます。
https://www.patreon.com/cw/kuroganenovel
 
2026/06/19 22:48:49(FVXz27nH)
2
投稿者: 鉄剣一
【前回の登場人物・キャラクター情報】
田中健太(たなか けんた)・・・本作の主人公。高校生。学校では「大人しくて地味な少年」を演じているが、冷徹で鋭い観察眼を持つ。まだ自覚のない大きな一物を持つ。


鈴木翔太(すずき しょうた)・・・健太のクラスメイト。クラスの人気者で、裕福な新興住宅街にある立派な一戸建てに住んでいる。この日、健太が数学を教えに自宅へ向かう相手。
高橋家の父親・・・一見すると大人しそうで真面目そうな父親。しかし、一昨日の夜にさっそく長女と揉めているのを健太に見られる。


高橋家の母親・・・物腰が柔らかく、優しそうな雰囲気を持つ母親。小柄で色白、衣服の上からでもはっきりと分かる非常に豊かな肉体の持ち主。


高橋家の長女(15歳くらい)・・・思春期真っ只中の少女。一昨日の夜、父親に対して暴力をふるっていた。


高橋家の長男(9歳くらい)・・・人懐っこく元気な印象の少年。一昨日の引っ越しの挨拶の際にも、無邪気で愛嬌のある様子を見せていた。


二日後の午後三時。梅雨時の重苦しい雲が空を覆い、じっとりとした生温かい空気が肌にまとわりつく。健太は一度マンションの自室に戻って制服から私服のTシャツに着替え、履き古したジーンズに脚を通した。

鈴木の家に向かう前に、ふと思い立ってトイレに立ち寄る。下腹部の肉に埋もれがちなせいで、本人は自分のものをありふれたサイズだと思い込んでいるが、実際には高校生としては不自然なほどずっしりと太いものがそこには隠されていた。
おしっこをしている間、皮をむきあげてみると、強烈な生のイカが腐ったようなものすごい臭いが狭いトイレの中にブワッと立ち込めた。
「……ふっ、くっさ」
思わず口元がニヤリと歪み、低く引きつったような笑いが漏れる。用を足し終えると、健太は慣れた手つきでもう一度ずるりと皮を被せ、元の包茎の状態へと戻した。それを無造作にジーンズの中に収めると、手を洗うこともなくそのままトイレを出た。これから鈴木の家に向かうため、カバンを肩にかけ直して玄関のドアを開けた。

内廊下を歩き、エレベーターホールのボタンを押した。
低く唸るような作動音が響き、緑色のインジケーターの数字が上がってくるのを待っていると、背後からパタパタと騒がしい足音が近づいてきた。

「あ、お隣のお兄ちゃんだ!」

振り返ると、そこには隣の302号室に引っ越してきたばかりの長男――九歳くらいの少年が、小ぶりなサッカーボールを小脇に抱えて立っていた。屈託のない丸っこい目が、健太の姿を見上げてキラキラと輝いている。

「こんにちは。これからサッカー?」

健太は一瞬で顔の筋肉を緩め、近所の子供に慕われる「優しいお兄さん」の笑顔を完璧に作った。

「うん! 近くの公園で友達と約束してるんだ。お兄ちゃんはお出かけ?」

「そうだよ、学校の友達の家にね。……あ、そうだ。一昨日はわざわざご丁寧にご挨拶にきてもらっちゃって、ありがとう。バタバタしてたから、ちゃんとお礼言えなくてさ」

「ううん、パパとママが『お隣さんにはちゃんと挨拶しなきゃダメだよ』って言ってたから! ボク、高橋陽翔っていうんだ」

「陽翔くんか。いい名前だね。僕は田中健太。よろしくね」

健太は屈んで陽翔と目線を合わせながら、親しみやすいお兄さんを演じ続ける。エレベーターが到着し、静かにドアが開いた。二人は並んで中に乗り込む。健太は「1」のボタンを押し、陽翔の様子を伺いながら、世間話を装って自然な口調で問いかけた。

「陽翔くんのところは、お姉ちゃんも陽翔くんも元気いっぱいで楽しそうな家族だよね。お母さんもすごく優しそうだし」

「えー、ママはボクには結構うるさいよ。お片付けしないとすぐ怒るんだ。でもね、お姉ちゃんには全然怒らないの。お姉ちゃんが怒ると、ママは何も言えなくなっちゃうんだよ」

陽翔はボールをポンポンと手の中で弾ませながら、唇を尖らせた。健太は「あはは、お姉ちゃんは強いんだね」と言いながら、考える風を装って何気なく口元に手をやった。人差し指と中指の先を鼻腔に近づけると、さきほどトイレでこすりつけた生のイカのような、ツンとくる強烈な臭いがまだはっきりと残っている。それをそっと吸い込みながら、健太はさらに言葉を繋いだ。

「あ、そういえば、お母さんっておいくつなの? うちの親と同じくらいかなって思って。うちの母親はもう結構いい歳なんだけどさ」

「えっとね、ママはこないだ三十七歳になったって言ってた! 名前はね、美咲って言うんだよ」

「美咲さん、か。綺麗な名前だね。まだ三十七歳なら、うちの親より全然若いお姉さんだな。お母さん、お仕事とかもされてるの? 毎日忙しそうだけど」

「ううん、ママはお仕事してないよ。ずっとお家にいるの。パパが会社に行くから、ママはお家でお洗濯とかご飯作るんだ」

「へえ、そうんだ。じゃあいつもお家にいてくれるなら、陽翔くんたちも寂しくなくていいね」

健太の口元が、陽翔に見えない角度でわずかにぴくりと動いた。高度な自制心で表情を保ちながら、昼間はいつもあの部屋に一人でいるその情報を頭に刻み、さらに核心へと会話を誘導していく。

「でもさ、一昨日の夜、ちょっとお父さんとお姉ちゃんが揉めてるみたいだったけど、大丈夫だった? 急に引っ越してきて、みんな疲れちゃってたのかな」

「あー、あれね。お姉ちゃん、いっつもパパにイライラして文句言ってるんだ。パパ、お姉ちゃんのことすっごく怖がってるんだよ。だからお姉ちゃんには何も言い返せないの。だけどね……」

陽翔は少し声を潜め、困ったような顔をして健太を見上げた。

「パパね、お酒を飲むと、ママにだけ急に大声を出すんだ。この前もね、ママがちょっと薄着でお外に出たら、夜にそのことでパパがママのことをすっごく怒鳴ってたの。ママ、パパに怒鳴られると、すっごく怖がって小さくなっちゃうんだ」

「そっか……お父さん、お母さんには怒鳴るんだね」

「うん。ママはお姉ちゃんにもパパにも何も言えないから、ボクにしか怒らないんだ。パパがママを怖がらせて、ママがボクを怒るから、なんだか嫌だなあ」

「それは大変だね。陽翔くんもよく我慢してるね」

チーンという電子音とともに一階のドアが開くと、陽翔は「じゃあお兄ちゃん、ボク行くね!」と元気よく声を上げて、エントランスの向こうへと走っていった。

「うん、車に気をつけてね」

陽翔の背中を見送りながら、健太はゆっくりと直立した。陽翔が去ったエントランスを見つめる健太の瞳から、先ほどまでの温和な光は完全に消え失せていた。
健太はフッと口元を歪めると、肩のカバンを小さく揺らしながら、ゆっくりとマンションの外へ歩き出した。

スマートフォンに表示されたマップのナビゲーションに従いながら、健太はジメジメとした住宅街を歩き進めた。駅から少し離れたそのエリアは、健太が住む古びたマンションの周辺とは一変して、新築の小綺麗に整った一戸建てが立ち並ぶ、見るからに裕福そうな新興住宅街だった。

目的の場所に近づくと、ひときわ大きく立派なコンクリート塀に囲まれた邸宅が目を引いた。表札には「鈴木」と端正な文字で刻まれている。鈴木が学校で話していた通り、いかもしっかりとした、金持ちの家だった。

健太は玄関アプローチの手前で立ち止まると、ジーンズのポケットにスマートフォンを突っ込んだ。それから、陽翔との会話中に口元へやった指先をもう一度、今度は誰にも見られないようにさりげなく鼻先に近づけてみる。まだ微かに残っている自身の男臭さを確認し、ふっと満足げに口元を緩めた。

一瞬でいつもの「大人しくて地味な田中くん」の表情を作り直すと、健太は門扉をくぐり、玄関脇のインターホンに手を伸ばした。

ピンポーン、と上質な電子音のあと、すぐにスピーカーから声が返ってきた。

「はーい、どちら様ですか?」

インターホンのスピーカーから聞こえてきたのは、鈴木のハキハキとした声ではなく、どこかおっとりとした、しかし妙に艶のある大人の女性の声だった。

「あ、田中健太です。鈴木くんに数学を教えにきました」

「あら、翔太のお友達ね。今開けるわね」

ガチャリと重厚な玄関ドアのロックが解除され、ゆっくりと扉が開いた。

そこに立っていたのは、鈴木翔太の母親だった。

「いらっしゃい、健太くん。翔太から話は聞いてるわよ。わざわざ教えに来てくれてありがとうね」

上品に微笑む彼女の姿を視界に収めた瞬間、健太の奥底にある歪んだアンテナがピクリと反応した。

開いたドアの向こうからは、しっかりと冷房の効いた涼しい空気とともに、高級な柔軟剤の華やかな香りと、大人の女性特有のどこか甘く肉の存在を意識させるにおいがふわりと漂ってきた。健太の鋭い視線は、瞬時に彼女の肉体を観察し、分析していく。

小柄で色白な隣の美咲とは、驚くほど対照的なタイプの身体だった。
年齢は四十代前半といったところだろうか、と健太は目で測る。鈴木の母親は、すこし大柄で存在感のある体格をしていた。肌の色は美咲のような抜けるような白さではなく、不健康さのない、落ち着いた大人の質感を湛えている。

そして何より目を引いたのは、ぼってりとした肉厚な唇だった。その唇のすぐ近くには、どこか艶めかしい印象を与える小さなほくろが一つ、ぽつりと張り付いている。そのほくろと肉厚な唇が、彼女の顔立ちに隠しきれない淫靡な艶っぽさを与えていた。

仕立ての良いゆったりとしたチュニックに、黒いレギンスパンツという上品な部屋着姿だが、服の上からでもその肉感は十分に伝わってきた。お尻の膨み自体は比較的普通なのだが、その分、胸のボリュームが美咲のそれよりも明らかに大きく、ずっしりと前へせり出している。チュニックの生地を内側から強く押し上げるような圧倒的な胸の質量は、彼女が「どうぞ、入って」と手招きをして身をよじるたびに、重々しく揺れた。

「さあ、上がってちょうだい。翔太、今2階から降りてくるから」

「あ、お邪魔します……」

健太はいつものように、気弱で大人しい少年を演じながら、ペコペコと頭を下げて靴を脱いだ。しかし、前かがみになったその顔の裏側では、獲物を前にした肉食獣のような、酷く歪んだ邪悪な笑みが浮かんでいた。

クラスの人気者である鈴木の、誰も知らない上品で肉厚な母親。
隣部屋の美咲に続き、また一人、男としての野性的な好奇心をかき立てる女性を目の当たりにし、健太のジーンズの奥では、自覚のない太い質量が、静かに熱を帯び始めていた。
26/06/19 22:49 (FVXz27nH)
3
投稿者: 鉄剣一
「翔太、田中くんが来てくれたわよ。早く降りてきなさい」

鈴木の母親が、吹き抜けになった階段に向かって少し声を張り上げ、もう一度息子を呼んだ。その声の響きに合わせて、彼女の豊かな胸元がチュニックの生地を大きく揺らす。

「おー! 今行く!」

二階からドタドタと小気味よい足音が響き、すぐに階段から鈴木翔太が姿を現した。学校で見せるのと同じ、屈託のない明るい笑顔だ。毛足の長い上質なカーペットを踏みしめながら、翔太は玄関まで駆け寄ってきた。

「田中、わざわざありがとな! マジで助かるよ。さ、上がれよ」

「うん、お邪魔します……」

健太はいつものように、少し背中を丸めて遠慮がちな声を出し、翔太の後に続いた。

案内されたリビングは、外観から想像した通り、天井が高く開放感のある空間だった。磨き上げられたフローリングの上には、見るからに高価そうな無垢材のダイニングテーブルと、それに合わせたシックな椅子が並んでいる。

「そこに座って待っててね。今、お茶を淹れるから」

母親はそう言い残すと、オープンキッチンの方へと歩いていった。

彼女が後ろを向いてキッチンへと進み出た瞬間、健太の目はその背中に引き寄せられた。ゆったりとしたチュニックの薄い生地越しに、彼女の重みのある胸を後ろから支えている、ブラジャーの大きなバンド(太いアンダーベルト)の輪郭がくっきりと浮かび上がっていたのだ。大柄で柔らかな彼女の背中の肉に、その太いバンドが容赦なくぎゅっと食い込んでおり、ベルトの上下に肉がわずかな段差を作っている。その臨場感のある生々しい後ろ姿に、健太は仮面の下で静かに目を細めた。

しばらくすると、母親がトレイを持って戻ってきた。上品な磁器のカップに注がれたアールグレイの紅茶からは、華やかなベルガモットの香りが立ち上っている。その傍らには、銀の皿に美しく盛り付けられた、いかにも高級そうな洋菓子が添えられていた。

「どうぞ、遠慮しないで召し上がってね」

母親はそう言うと、翔太の隣の椅子を引いて腰掛けた。どうやら、そのまま同席するつもりのようだ。

「いただきます……。すごくいい香りですね」

健太は行儀よくカップを手に取り、一口すする。そして、おっとりと微笑む母親に丁寧にお辞儀をした。その一連の動作の最中、健太の冷徹な双眸は、借りてきた猫のような大人しさを装いながら、至近距離にある彼女の肉体を冷酷に観察していた。

椅子に腰掛けたことで、彼女のゆったりとしたチュニックが胸元で大きく突っ張っていた。鈴木の母親の胸は、ずっしりとした重みでわずかに下垂しているような、成熟した大人の女性特有の豊満な形状を予感させた。

「翔太、本当に学校で田中くんに迷惑かけてない? この子、家では全然勉強しなくて困っちゃうのよ」

「おいおい、母さん、田中の前でそれ言うなよ! 俺だってやる時はやるって」

翔太が照れくさそうに頭を掻くと、母親は「あら、本当に裏切らないでよ?」と上品に笑いながら、愛おしそうに息子の髪を何度も優しく撫でた。その眼差しには、我が子をすべて包み込もうとする過剰なまでの甘やかしと、強い母性本能が滲み出ている。

そんな二人の様子を適当に聞き流しながら、健太はときどき、彼女の身体に幾度も視線を送り、その大人の肉感が持つ匂いと圧倒的な質量を脳内にサンプリングしていった。

一通りの世間話が終わり、紅茶を飲み干した頃、翔太が立ち上がった。

「じゃあ、そろそろ上の部屋に行こうぜ。母さん、ごちそうさま」

「ええ、しっかり勉強するのよ。田中くん、よろしくお願いしますね」

「はい、お邪魔しました」

母親に見送られながら、健太は翔太の後ろについて階段を上った。二階にある翔太の自室は、最新のゲーム機やスポーツブランドのポスターが飾られた、いかにも今時の高校生らしい部屋だった。

「いやー、母さんがいると調子狂うわ。あ、適当に座ってくれよ」

ベッドの端に腰掛けた翔太と、用意された丸椅子に座った健太は、最初の数分間、最近のクラスの話題や流行りのゲームについて簡単な世間話をした。健太は相変わらず聞き役に徹し、翔太の警戒心を完全に解いていく。

「よし、じゃあ……そろそろやるか。この前の小テストの範囲、マジで意味不明んだよな」

翔太がバツの悪そうな顔でカバンから教科書とノートを取り出した。健太はあらかじめ用意してきた基本的な数式の問題をいくつかノートに書き写し、「まずはこれを解いてみて」と翔太の前に差し出した。

「うわ、最初からきつそうだな……」

翔太はシャーペンを握り締め、眉間に皺を寄せてノートに立ち向かい始めた。

健太は、翔太が数式を組み立てていく手元を黙って見つめていた。だが、開始からわずか数分で、健太の内心には冷ややかな呆れが広がっていった。学校では要領がよく、誰からも好かれる人気者の鈴木翔太だったが、机の上の学力に関しては驚くほど「バカ」だった。公式の使い方が根本から間違っているだけでなく、単純な計算ミスすら自分で気づいていない。必死に頭を抱え、ノートにガリガリとシャーペンを走らせる翔太の姿を見下しながら、健太の胸の奥で、歪んだ優越感が静かに鎌首をもたげる。学校の主役が、自分の前で無様に脳を絞り出している。その構図だけで、健太にとっては十分な娯楽だった。

「……なあ、田中。ここ、マイナスじゃなくてプラスになるのか?」

「あ、いや、そこは符号が反転するから、マイナスで合ってるよ。その前の行の計算を見てごらん」

「あ、そっか! やべえ、全然気づかなかった」

翔太は再びガリガリとノートに向き直り、完全に自分の世界に入り込んで問題を解き始めた。

二階で二人が勉強を始めているであろうその頃。

一階のリビングでは、母親がテーブルに残された二つのカップを片付けようと立ち上がっていた。

翔太のカップをトレイに乗せ、続いて健太が使っていたカップを取り上げたとき、彼女はふっと奇妙な違和感を覚えた。上品なアールグレイの香りが残るはずの空間に、何とも言えない、かすかに腐ったような悪臭が立ち上ったのだ。

「あら……?」

気のせいかと思い、母親は何気なくそのカップの取っ手――先ほどまで健太の指が触れていたであろう場所へと、自身の鼻先を近づけてみた。

その瞬間、彼女の理性を揺るがすような、奇妙な衝撃が走った。

鼻腔に届いたのは確かに不快で不味な臭気のはずなのに、なぜか脳の奥を直接痺れさせるような、抗いがたい引力を持っていた。異様で忌々しいはずなのに、どこか意識が「もっと確かめたい」と囚われてしまうような、女性としての根源的な領域を揺さぶる生々しい何か。胸の奥が妙にざわつき、にわかに心臓の鼓動が速くなって激しく鐘を打ち鳴らす。これまで経験したことのない、理性をじわじわと侵食していくような不思議な昂ぶりだった。

しかし、それは本当に一瞬の出来事だった。

母親はトレイを持ったまま小さく頭を振ると、すぐにその奇妙な感覚を頭から追い出した。

「嫌だわ、急に動悸かしら。少し疲れが出たのかもね」

我が子への無償の愛に満ちた穏やかな日常の中で、彼女はそれ以上気にとめることもなく、いつも通りの微笑みを浮かべてカップを流し台へと運んでいった。

それからさらに十分ほどが経過した頃。二階の自室では、翔太が完全に集中し、周囲への注意力を失っているのを見計らい、健太がふっと席を立った。

「あ、鈴木。ちょっとトイレ借りていい?」

「ん? ああ、廊下出てすぐそこにあるよ。勝手に使って」

「うん、ありがとう」

健太は物静かに部屋のドアを開け、廊下に出た。

確かに翔太の部屋のすぐ近くにトイレのドアがあったが、健太は最初からそこに入る気などなかった。

廊下の奥へと進む健太の胸の中では、心臓がいつもより速くドクドクと鐘を打っていた。大人しい生徒を演じながら、いつ誰に見つかるかわからないスリル。その緊張感と背徳的な興奮が入り混じり、全身の血が熱くなっていくのを自覚する。足音を完全に消しながら、二階の廊下の奥へと進む。

この邸宅の二階には、翔太の部屋以外にもいくつか扉が並んでいた。健太は一つひとつのドアノブに手をかけ、音を立てずにわずかに開けて中を覗き込んでいった。一つは物置のようになった客間、もう一つは閉ざされたクローゼット。

廊下の突き当たりにある最も大きな木製のドア。それを慎重に押し開けると、遮光カーテンの隙間から薄暗い光が差し込む、広々とした主寝室が姿を現した。

(……ここが、あいつの両親の部屋か)

健太はあえてドアを閉めず、数センチだけ隙間を開けたままにして、いつでも逃げ出せるように廊下の気配に細心の注意を払いつつ中へと滑り込んだ。

部屋の中央に鎮座する大きなダブルベッドが、健太の歪んだ想像力を刺激する。先ほどリビングで見せつけられた、あの鈴木の母親のずっしりと肉厚な身体。あの豊かな胸が、夜な夜なこのベッドの上でどのように横たわり、どのような声を漏らしているのか。学校での上品な母親の仮面を剥ぎ取った姿を思い浮かべ、健太の脳内には卑猥で冷酷な妄想が瞬時に広がっていった。

健太はベッドサイドに歩み寄り、母親側のものと思われる枕を無造作に掴み上げた。よく見ると、カバーの皺の間に、彼女のものらしき長い茶髪が一本身をよじらせるように残っている。彼はその枕に顔を強く押し付け、思い切り息を吸い込んだ。大人の女性特有の頭皮の匂いと、微かなシャンプーの残香が混ざり合った生々しい臭気が鼻腔を満たす。健太はフッと満足げに息を吐くと、その枕を元の位置に整えることもせず、ベッドの上へぽいと無造作に放り出した。

さらに彼は図々しくも、寝室の壁際に据え付けられた高級そうなチェストや棚へと近づいた。躊躇することなく、滑らかな手つきで引き出しをいくつか開けていく。

男物の衣類が並ぶ引き出しをスキップし、さらに奥の棚を開けたとき、綺麗に畳まれて整然と並ぶ女性用の下着の山が目に飛び込んできた。

健太は開け放たれたドアの隙間に視線を走らせながら、そのうちの一枚を指先でつまみ上げた。それはしっとりとした艶やかな光沢を放つ、薄紫色のシルク調の生地だった。持ち上げてみると後ろ側の布地が極端に細くなっており、それは大人の色香を放つTバックの形状をしていた。

「……へえ、あのおばさん、こんなの履いてるのかよ」

健太はニヤニヤと独り言をこぼし、それを顔に近づけ、思わず鼻腔に強く押し当てた。そこから漂う生々しい肉の存在を嗅ぎ取ろうとするかのように、深く息を吸い込む。

それだけでは衝動が収まらず、健太は理性のタガが外れたように、その布地の中心――最も彼女の肌に密着していたであろうクロッチの部分を口に含み、思いっきりガリリと噛み締めた。強烈な背徳感と征服感が彼の脳内を支配する。

同時に、あの重みのある胸を包んでいるはずの大きなブラジャーも探そうと棚の奥に目を凝らしたが、この限られた滞在時間内ではとうとう見つけることができなかった。

「……焦る必要はないか」

健太は低く呟くと、口の形に歪んで湿ったTバックを、畳み直すこともせず引き出しの中へクシャクシャのまま無造作に放り込み、ガリリと少し雑にチェストを閉めた。

健太は音もなく寝室のドアから這い出ると、一階へと階段を降りていった。

リビングからはテレビの音が聞こえてきた。母親はまだリビングにいる。健太は「トイレを探す迷子」の体裁を保ちながら、リビングとは反対側の、薄暗い奥の廊下へと足を進めた。風呂場の脱衣所だ。

健太は音もなくその脱衣所へと滑り込んだ。電気がつけっぱなしになっており、白を基調とした空間が明るく照らされている。その中央にはドラム式の洗濯機があり、上部の蓋が少しだけ開いていた。

中を覗き込むと、そこには誰のものか分からない衣服がいくつか放り込まれていた。健太は獰猛な獣のように、ためらうことなく洗濯機の中に両手を深く伸ばす。

まず、一番上にあった汗の染みたTシャツや部屋着の短パンを掴み、顔に近づけた。その瞬間、先ほど玄関先ですれ違った時に鼻腔をくすぐった、あの母親特有の大人の女の匂いがふわっと鼻孔に注がれた。

(……間違いない、これあのおばさんの服だ)

確信を得た健太は、さらに興奮を高めて腕を奥へと突っ込み、他の衣類の隙間にぬるりと手を滑らせた。年頃の息子がいる手前、さすがに自分の下着をそのまま上に晒すのは憚られたのだろう。他の洗濯物の奥底、外からは決して見えない暗がりに、それはひっそりと、隠されるようにして押し込まれていた。健太にとって、それらはまさに暗闇から掘り起こされるのを待つ「隠されたお宝」そのものだった。

――あった。

衣類の迷宮の最奥から、這い出させるようにして引きずり出されたのは、大柄な母親の尻を包んでいた、水色の薄手なレースのパンティだった。健太は血走った目を剥き、迷言を残すこともなく布地の中心――股肉が直接触れていたクロッチ部分に目を凝らす。彼女が着用していたその場所には、わずかながら生々しい使用済みの痕跡を思わせる染みが、くっきりと残されていた。

健太の口から熱い粘っこい唾液が溢れ出る。彼は躊躇なくその中央部分を自身の口へと運び、ガリリと飢えた犬のように噛み締め、ねっとりと舌を這わせて舐め上げた。大柄な雌特有の、動いた際にかいた汗の濃厚な蒸れと、どこか生々しい粘膜の匂いが、じっとりと舌を濡らす。健太はそれを自身の肺の最奥まで満たすように、ズウウッと深く深く吸い込んだ。

「はぁ、はぁ、すげえ……おばさんの味、たまんねえ……」

興奮に肩を揺らし、荒い呼吸を撒き散らしながら、健太は再び乱暴に洗濯機の奥底へと手を突っ込んで貪欲に探る。隠された宝箱のさらに奥、次に彼の指先が捉えたのは、先ほどのパンティとは比較にならないほどの圧倒的な質量と存在感を放つ、信じられないほど大きなブラジャーだった。

紐が伸びて壊れそうな勢いで引きずり出したそれは、とても同級生の母親のものとは思えないほど異様に巨大な肉塊を支えるための肉厚なカップを有していた。健太はそれを両手で高々と広げ、まるで極上の戦利品を誇示するように掲げた後、顔全体をその巨大なカップの窪みへと強く、窒息せんばかりに押し当てた。鼻腔を満たすのは、あの豊かな胸元から発せられていた、強烈な生活臭と雌の熱気だ。

ハァハァと狂ったように匂いを貪りながら、健太は無造作にブラジャーをひっくり返し、ホックの近くにある白くくたびれたタグを指先でめくり上げた。

「すげえ、あのおばさんHカップもあるんだ。」思わずつぶやくと悪魔的な笑みを浮かばせる。

心臓が早鐘を打ち、全身が震える。慣れることなど到底できない、強烈な背徳的な興奮。健太は使用済みパンティと使用済みブラジャーを、誰に見つかることも恐れ、震える手でそれを自身の服の中、お腹の辺りに必死に押し込み、シャツの上から隠した。

ジーンズの奥で、埋もれていたはずの太い質量が、大きく成長していることを健太ははっきりと感じていた。

この小説は以下で公開してます。
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26/06/19 22:51 (FVXz27nH)
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