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1:和菓子屋のおばさん
投稿者:
ナオヤ
水曜日の朝でした。会社に行くため、車に乗り込もうとした僕の目に、久しぶりの光景が飛び込んで来ました。
幅1.5mほどの小さな電動シャッターが、『ギィィ~。』と音をたてて上がって行きます。6軒隣にある『和菓子 乃むら』のお店のシャッターです。 久しぶりというのは、ここ1年、ずっとこのシャッターは閉まったままになっていたからです。 シャッターが半分くらい上がると、中からは白い割烹着を着た女性が現れます。友人の母親でもある、乃村のおばさんです。 久しぶりに見たおばさん。僕に気づくと、丁寧に頭を下げてくれます。そんなおばさんに聞きたいことがあった僕ですが、そのまま車へと乗り込むのでした。 会社へと車を走らせる僕。おばさんを見たおかげで、あることが頭をよぎります。それは、おばさんにずっと聞きたかったことでした。 『乃村くん、どうなの?』 一年前に原因不明で倒れ、それ以来何も入ってこない彼の現状。しかし、『脳の病気。』と聞かされているだけに、どうしても聞くことが出来なかったのです。 1年ぶりに見たおばさん。仕事柄なのでしょうか、60歳そこそこの年齢にも関わらず、背が少し曲がっています。 背が曲がっているというより、両肩が前へ垂れているのです。顔が美形なだけに、どこか残念にも思えます。 おばさんが美人だと気づいたのは、僕が高校生になってからのこと。それまでは、『乃村の母ちゃん』でした。 しかし、思春期を向かえ、性の対象にも広がりをみせた僕は、おばさんが美人であることにようやく気づくのです。名前は『加寿代さん』というらしい。 夜の10時。和菓子屋の朝が早い加寿代さんは、布団に入り、眠りに着こうとしていた。姿勢の悪い彼女は、いつも身体を横にして寝ている。 この日もいつもと同じ姿勢をとり、両の瞼をとじた。 しかし数分後。彼女の頭には、あるモノが浮かび上がって来ていた。それは眠ろうする彼女の感情を妨げることになってしまうのでした。 浴衣の裾を掻き分けた彼女の手は、寝ている足のすき間へと入り、白の下着に触れて止まった。指先は、僅かに自身のクリトリスに押し付けられている。 『しようか?やめようか?どうしようか?』 彼女は一瞬躊躇った。彼女自身、性への欲求が強い訳ではない。どちらかと言えば、苦手である。だから、淡白だった御主人ともうまくやって来れたのだ。 それに、自分の身体を慰めるなど、半年近くもやってはいない。心のどこかで、『この年で…。』という後ろめたさも持ってしまっているのでした。 加寿代さんの細い指が、下着の上からクリトリスを掻きます。久びさの感触は、彼女の中の『性』を呼び起こしてしまいます。 『しよう…。もう、しよう…。』、そんな気持ちが高まり、彼女の手は下着の中へと入り、直にクリトリスに触れてしまうのでした。 彼女の指が大切な穴へと触れ始め、手はブラジャーを押しのけて乳房を揉み始めます。指が穴へと入ると、彼女は安心を覚えるのです。 『よかった…。ちゃんと濡れる…。』 久びさの手淫に、やはりそれを心配してしまいます。しかし、ちゃんと濡れてくれる女性器に『まだ、女は終わってない。』と安堵をするのでした。 そんな彼女は、人差し指と中指を立てます。その二本の指が唇に押しつけられると、それは『男性の唇』へと変わるのです。 自分の指に口づけをしながら、彼女はアソコを濡らしました。押し込まれる指に、女の快感を求めてしまうのです。 加寿代さんが身体を起こします。まだ、身体は満足を得られてはいません。それなのに、彼女は布団から出て、立ち上がりました。 寝室の扉が開かれ、誰もいない真っ暗な廊下を歩き始めた彼女。手をつきながら階段を上り、2階のある部屋へと入って行きます。 照明がつきました。この部屋の明かりがつくなど、ここ一年なかったことです。そこは、息子の部屋。僕の友人である乃村くんの使っていた部屋でした。
2019/08/01 10:58:47(NrAm96WS)
投稿者:
ナオヤ
おばさんは、とても淑やかな方です。うちの母のように自分から喋るタイプではなく、話を聞く側。
輪の中心ではなく、端にひっそりといるタイプ。それは、病院でいる友人も同じような感じだった。母親をそのままコピーしてしまったようだ。 11時30分が過ぎた。僕の時間を気にしたおばさんが、『ヤスちゃん、一回帰るねぇ?』と息子に告げる。 駐車場へと出たおばさんは、『ナオヤくん、おばさんのところ何もないから、お昼どこかで食べる?それともお買い物して、おばさんの家で食べる?』と聞く。 僕が選んだのは、後者だった。あの誰もいない空間で、おばさんと二人だけで居られるというのが、なんともエロくて堪らないのだ。 スーパーに入り、カートを押しながら、おばさんと買い物をする。僕が押すカートに、品物を選ぶおばさんが入れていく感じです。 その素材から、お昼ごはんはオムライスと想像できた。更に洗剤やトイレットペーパー、乾電池までもが入れられ、完全に買い物モードのおばさんでした。 車を持っていないだけに、車に乗ってきた僕に甘えようとしたのだと思います。 昼食は、やはりオムライスでした。母とは違うおばさんの味。ここで、あることを思い出します。それは、中学生の頃の話。 中学は給食ではなく、各自お弁当持参でした。母親の作ってくれたお弁当をみんなで食べるのです。 そんな僕は、乃村くんと『弁当、交換しない?』と言ってみたことがありました。他人の家のお弁当って、やはり気になったのです。 彼もうちのお袋の味には興味があったらしく、二人のお弁当は交換をされます。彼の母、つまりは加寿代さんの料理の味は最高でした。 ほんとに美味しくて、それ以降も何度も交換してもらったものです。その彼女が作ってくれるオムライスを食べ、そんなことを思い出していました。 そして午後2時、僕はおばさんの家を後にするのです。 僕が帰り、また誰もいなくなったこの家。人に気を使うのは好きではない加寿代さんですが、やはり一人はどこか寂しくも感じます。 スーパーで買ったものの整理しながら、そのビニール袋に最後に残ったのは単3の乾電池でした。 それはテレビのリモコンとかに入れられるものではありません。昨日の夜、突然動かなくなってしまった、あのピンクローターに使われるものだったのです。 彼女は息子の部屋へと入ると、またあのピンクのローターを手にしていました。馴れない手で電池の交換をし、そしてレバーを上げます。 『えっ?どうして?』、加寿代さんは焦りました。電池切れだと思っていただけに、動かないおもちゃに動揺します。 それほど、このおもちゃは今の彼女には無くてはならない存在となってしまっていたのでした。 結局、レバーを何度も入り切りしてもそれが動くことはありませんでした。壊れてしまったのです。 翌日の月曜日の朝。朝8時前には開くはずの『和菓子 乃むら』のシャッター。しかし、その日はなかなか開かず、1時間遅れの開店となります。 中からは名も知らないお手伝いさんが顔を出し、早速訪れたお客さんの応対を始めていました。加寿代さんはと言えば、まだ布団の中で目を閉じています。 10分ほど前にお手伝いさんから、『奥さんはまだ寝ていてください。私がお店に出ますから。』と優しい言葉を掛けてくれたからです。 それでも加寿代さんは、『私もお店に出ないと。』と身体を起こしました。掛けていた布団が落ちると、彼女の着ていた浴衣がありません。 それどころか、ブラジャーもパンティーも身に付けてはなく、全裸で布団に転がっていたのです。彼女の手は股間へと滑り込みました。 さっきまで激しく濡れていたはずのそこは、ちゃんと拭き取られています。 遅れてお店に顔を出した彼女は、『ごめんなさいねぇ。』とお手伝いのおばさんに謝ります。そこにはお客の姿はなく、お手伝いさん一人でした。 『大丈夫ですよ。』と声を掛けてくれたお手伝いさん。名前は『佑子さん』と言うそうです。年齢は48歳。隣町に住む方のようです。 手を洗い始めた佑子さんの手。その手を見た加寿代さんの脳裏には、数分前の出来事がプレーバックをされていました。 『奥さん、好き…。私、奥さんのことが好きです…。もっと感じてください。』 そう言って自分を責めてくれていた、彼女の手。数年ぶりに人の手でアソコを責められ、激しく濡れながら逝かされてしまった自分。 相手が同性だったのに後悔はなく、まだ心のどこかでその手を待ち望んでしまっている自分がいました。
19/08/03 09:09
(CroKmFM.)
投稿者:
ナオヤ
佑子さん、48歳。『乃村さんのところ、お手伝いさん探してるみたい。』、そんな話が彼女の元に届いたのは、3ヶ月前のこと。
隣町に住んでいた彼女ですが、このお店の和菓子が好きで、昔からよく買いに来ていたのです。ただ、和菓子だけに興味があった訳ではありません。 そのお店を切り盛りしている加寿代さんのファンでもあったのです。黒髪の昔美人の加寿代さんに、どこか惹かれてしまってもいました。 彼女が働き始めてから、2ヶ月後。『奥さんって、夜の方はどうされてるんですか?』と加寿代さんに聞いていました。 Y談ではなく、美人の奥さんがずっと一人なことが、彼女には不思議だったのです。性格もあったのでしょう、普通の会話として聞いていたのです。 もちろん、加寿代さんは答えをはぐらかしました。そんな話には馴れてはいません。それを、『可愛い。』と思ってしまう彼女でした。 ある時から、佑子さんは奥さんの変化を感じていました。『男が出来たか?』と思うほど、加寿代さんが少し変わったからです。 晴れた顔を見せることも多く、それがまさかおもちゃ遊びで得られるものだとは彼女自身も思いません。ただ、どこか変わったのは分かります。 奥さんの中の『性』が充実をしているのを悟ったのです。 しかし、その日だけは違いました。またあの沈みがちな加寿代さんに戻った気がして、『男と別れたか?』とさえ思います。ローターが壊れた、あの日です。 そして、佑子さんは前々から何度も言っていた言葉を、この日も掛けてしまいます。 『奥さん?身体、元気ないですよ?私、お手伝いしますよ。』 それは『性』への誘い。同性である加寿代さんといつでも性行為をするというアピールです。 もちろん、加寿代さんは『朝から、なにを言ってるのぉ~。』と一蹴をします。ただ、その言葉が明らかにいつもより弱いことを彼女は見過ごしません。 加寿代さんの着ている割烹着の上から乳房を掴み、男とは違う女の手の面白さを伝えます。『ちょっとっ~。』と叫び、その場に座り込んだ加寿代さん。 しかし、佑子さんの手は巧みで、すぐに股間へと手が滑り込んで来るのです。 『旦那さん亡くされて、寂しいでしょ?私も同じです…。』 優しく囁いてくれたこの言葉。『私も、』という言い回しに、加寿代さんは『私と同類』という感覚を彼女に持ってしまいます。 その一瞬の躊躇いが後に響いてしまいます。佑子さんの手は巧みに動き、スカートを掻き分け、加寿代さんの着けていたガードルまで攻略をしてしまうのです。 ガードルを抜けた手は、躊躇いもなくパンティーの中へと侵入をし、直に彼女のオマンコへと触れて行きます。 僅かに濡れたオマンコの穴へと指は滑り込み、束ねた髪で出てしまっている耳たぶを彼女の唇が摘まみます。 『奥さん、しよ?…、私としよ?』と言う声に、加寿代さんは首を降りますが、『私にさせて?私に任せて?』の言葉にもう何も言えませんでした。 必死の願いには、どこか弱い彼女でした。それは25年前、この家でも同じような出来事があり、その時も彼女は許したのです。 それは、後に彼女の旦那さんになる方でした。男性に『させてくれ!させてくれ!』と言われ、彼女は堕ちたのです。 佑子さんに手を掴まれ、他人の家のように加寿代さんは奥へと着いて行ってしまいます。『寝室はどこですか?』と聞かれ、素直に指をさしていました。 寝室へと連れ込まれた加寿代さん。頭に浮かんだのは、お店のことでした。『8時開店、すぐに終われば充分に間に合う。』、まだそんな思いでした。
19/08/03 09:52
(CroKmFM.)
投稿者:
ナオヤ
寝室に入り、布団の上へと座った加寿代さんだったが、まだどこか現状を理解出来ずにいました。『今からセックスをする。』という実感が湧かないのです。
距離を詰められ、立ったままに服を脱いでいく佑子さんを見ても、『なにしてるのだろう?』とぼんやり思ってもしまいます。 『相手が服を脱ぎ始めたから…。』、たったそれだけの理由で彼女も着ていた割烹着を外し、服を脱ぎ始めました。 しかし、先に下着になった彼女から、『うれしいです。私、奥さんのこと好きでしたから。』と言われ、ようやく物事の理解を始めます。 最初に気になったのは、その距離。詰めてきていた彼女の距離は、『自分を逃がすつもりはない。』というそんな距離だと感じさせるのです。 佑子さんが躊躇いもなく、ブラジャーを外します。それを見た彼女は、『大きな胸…。』と感じました。 そして、12歳も年下の48歳の彼女の肌を『きれい。』だとも思ってしまうのです。 『奥さん、脱がせましょうか?』、彼女に聞かれ、それは断ります。『自分は年上。しっかりしないと。』いう意識が拒んだのです。 隣で立っていた佑子さんが腰を屈めて、パンティーを降ろし始めました。加寿代さんの目にはその股間が見え、彼女にはある疑問が浮かびます。 『どうして、何もついてないの?』、下着を脱いだ相手の股間には何もなく、それを不自然に感じてしまいました。 そこで全てを理解するのです。『この人は女性。私が誘われたのは女性。何をしていいのかも分からない。』と一気に不安がよぎります。 躊躇いたくはありませんでした。自分が年上だけに、余計にそんな姿は見せたくはありません。しかし、明らかに相手よりも服は脱げておらず、焦ります。 加寿代さんはブラジャーを外しました。見た目にも佑子さんよりも垂れた乳房を晒し、恥ずかしさが込み上げました。 そんな彼女に、『奥さんのおっばいきれい。』と言われ、少しだけ気が紛れます。残ったパンティーに手を掛けた時、加寿代さんは顔に重さを感じます。 佑子さんの手に顔ごと抱えられ、唇を奪われてしまったからです。数年ぶりの人肌の唇。それは、いつもオナニーでやっている指へキスとは感触が違います。 唇はちゃんと濡れ、あの柔らかさがあったのです。 『これ、女の唇っ!』 加寿代さんの唇がそう拒絶をしました。同性ですから、余計に分かります。 しかし、佑子さんの手が脱ぎかけたパンティーに入ると、彼女の身体はそれを許してしまうのです。 佑子の手は、加寿代さんのオマンコを責め始めていました。『時間があまりない。』と分かっているだけに、その気にさせることを優先させています。 舌を出しても絡ませては来ない奥さんの唇に、『やめた~。』と別れを告げ、パンティーを掴んでしまうのです。 『奥さんの見せて~。全部見せて~。』 膝立ちをしていた加寿代さんの股間からパンティーが下げられ、布団までの30㎝が落ちます。他人の前で股間を見せるのも数年ぶりです。 そのパンティーを頭に被るように、仰向けに倒れた佑子は加寿代さんの股間の下へと頭を入れます。そして太股を両手で掴むと、クンニを始めるのです。 加寿代さんのオマンコが他人の舌で汚されて行きます。望んだ形ではないかも知れませんが、彼女のアソコはハッキリと濡れ始めてしまいます。 快感で腰があがり、支えるのも大変になる身体を手をついて支えました。そこは、佑子さんのお腹。彼女は、佑子のお腹に手を置いたのです。 『奥さん、舐めて~!私のも舐めて~!』 佑子が叫びました。言われた加寿代さんは身体と首を延ばして、目の前の女性器覗き込みます。真っ黒な陰毛の奥にそれはありました。 陰毛の湿りで、佑子さんの股間の様子が想像出来ます。彼女も濡れているのです。 しかし、そこまででした。やはり、加寿代さんには女性の性器に口をつけることは出来なかったのです。彼女は『女』なのです。
19/08/03 11:28
(CroKmFM.)
投稿者:
ナオヤ
『奥さん、舐めてください!私のも舐めてください!お願いしますっ!…、舐めてよぉ~~!!』
自分の下半身にいる女性から、何度も何度もお願いをされました。しかし、どうしてもそれに応えられない加寿代さん。 『ごめんなさい…、ごめんなさい…、』と謝るうちに、彼女の声が震え始めます。それは涙腺を緩めてしまい、目からは涙が溢れるのです。 『ごめんなさい…、ほんと、ごめんなさい…、』 加寿代さんは雰囲気に流され、ここに来たことを初めて後悔をしていました。『女同士で愛し合う。』というのはこういうことなのです。 いつしか彼女はうつ伏せにされ、佑子の舌が背中を這っていました。長く延ばされた手は股間へと向かい、指がオマンコを責め立てています。 『もっと喜んで!もっと喜んでよぉ~!』、下唇を噛み、声をあげようとしない奥さんに、佑子も必死でした。 思うようなセックスに持っていけてないことに、佑子も焦っていたのです。 しかし、加寿代さんの身体が震えました。『ウッ!…、ウッ!…、』と耐えながら、逝ってしまっているのが分かります。 『どうしてぇ~?どうして、もっと本気で喜んでくれないのぉ~!』と思いながら、佑子は指で奥さんを何度も逝かせていたのです。 そんな彼女は、奥さんをこう思ってしまうのです。 『なに、この女!つまらない女!』 加寿代さに憧れていたはずの自分は、もういません。思い通りにならなかった『獲物』に、苛立ちさえ感じてしまうのでした。 その夜、佑子さんは奥さんへと電話を掛けます。それは、突然の退職願い。お昼には何も言わなかったはずの、彼女の心変わりでした。 『そう。ありがとうねぇ。』と言って電話を切った加寿代さん。明日からの仕事のことより、辞めると言い出した彼女のことを心配してしまいます。 そして、やはり朝の出来事が気になりました。『自分の対応?』と、セックスでの自分の振る舞いを考えていたのです。 『年が違うから、彼女と求めるものも違った。』、加寿代さんはそう結論付けました。 加寿代さんは布団へと入り、目を閉じます。最近の手淫の多さを感じてしまい、『今日は寝よう。』と考えてました。 しかし、無理でした。同性とは言え、身体を火照らせてしまわれた彼女の身体は、温かい人肌を欲しがりました。 明らかに数ヶ月前よりも、スムーズに指を受け入れ始めた自分の女性器。そんな彼女は次の心配を始めています。 それは佑子さんから得られなかったもの。男の男性器。『自分の身体が男を欲しがらないか?』という心配でした。
19/08/03 11:58
(CroKmFM.)
投稿者:
ナオヤ
そんな頃でした。僕がいよいよ行動として、おばさんに示し始めたのは。
加寿代さんと会うのは、ほとんどが日曜日の朝。彼女が息子の病院に行く時に、僕も一緒に着いていくのだ。 駐車場に車を停め、助手席から降りてきたおばさんの手を取る。手は握られたまま歩き出し、待合い場を抜け、エレベーターに乗る。 そして、彼の病室が近づいて来た頃、ようやく離されるのだ。帰りも同じである。病室を出ると手は繋がれ、それは駐車場の車までとなる。 これは普通の行動ではない。それは、二人ともに分かっている。しかし、僕以上におばさんの方が気を使ってくれる。 『息子のお友達が私と手を繋いでくる。まだ無邪気な子供、悪気などない。』と思ってくれるため、何度も繋がれてしまうのだ。 おばさんを乗せた車は、お昼前に病院の駐車場を出ました。帰りは5分程度の道のり、出発した時にはそうなるはずでした。 しかし、車は僕達の自宅には向かわず、小さな港へと向かいます。そこに停まっている小さなボートに乗り、おばさんとある島へと渡るのです。 それは、おばさんの生家のあった島。今はもう、誰も住んではいません。 『どこか行きます?車あるから。』、僕の言葉におばさんは考えました。行く場所ではなく、僕の言ってきた言葉の意図をです。 手を握られ、そしてどこかへ行こうと誘われたことに、おばさんもやはり考えたのです。 『おばさんの島、連れていってくれる?』、考えた彼女はそう言って来ました。13時半出発、帰りは16時半。3時間半と時間が限られているため、要らぬ心配をしなくてないいと考えたのです。 ボートは20分掛け、島に着きました。港には島の方数人がいるだけで、寂しいものです。生家に向かって歩き始めた加寿代さん。 彼女予想通りに、僕にその手を掴まれます。しかし、彼女は思ってもみなかったことに慌てます。それは、手を掴んできた僕の力強さ。 誰も知らない島に来たことで、僕もどこかへ開放的になってしまい、普段よりも手に力を入れてしまったのです。 ここは、誰も僕達を知らない。おばさんも帰るに帰れない。思いがけない3時間半が始まってしまうのです。
19/08/03 13:24
(CroKmFM.)
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