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北と東西の三方を山に囲まれ南北に細長く、主要道路や鉄道は南端を掠めていくだけ、観光資源もなく名産品があるわけでもない小さな町。 その町の北端にあり、さらに北東から南西へとたすき掛けの様に流れる川で分断された集落で私は産まれ育った。 同じ町でも南側に住む人々からは「川向こう」と呼ばれ、その集落以外の人が来る事は少なかった。 集落の端には源平の戦いから逃れた平家武者の墓と伝わる石碑があり、毎日必ず誰かがお参りをしていた。 「川向こう」と蔑まれながらも、集落の人々は皆おおらかで争いを好まず寛容的だったが、ただひとつ、集落の風習と言うか掟と言うか…頑なに守っているものがあった。 仏教でも神道でもその他の宗教でもない、土着信仰がそれだ。 「クホウ様」と呼ばれる布で巻かれた手のひら位の大きさの「なにか」を御神体として崇め、独特な信仰が受け継がれていたが、中でも性に関する事は変わっていた。 男子は11歳、女子は初潮を迎えると初体験を済ませる決まり。 ただ男子と女子では大きな違いがあり、毎年10月の新月の日に行われるクホウ様の祭りの時に11歳になった男子は全員、女子は初潮を迎えた次の月にそれぞれにというものだった。
2019/08/01 06:11:29(BuEA45mJ)
初潮を迎えた女子は集落の年寄衆に次の月の「希望するその日」を伝え、当日の夜中に母親に連れられてクホウ様が奉られている集会所に行く。 集会所は平家武者の石碑の脇道を入って竹藪を抜けた場所にあり、一般的な神社の本殿に似た造りで、奥にクホウ様を奉りその前に広い板の間、左右にも20畳ほどの畳敷きの部屋がある。 女子の初体験の相手は「ヒザツキ」と呼ばれ、集落内の25~40歳くらいの男がまず「札引き」と言う方法で5人ほど選ばれ、その後「札合わせ」と言う方法で決まる。 ただ当日夕方まで「ヒザツキ」になった男にもそれは秘密にされ、年寄衆に酒盛りに誘われて家を出て、平家武者の石碑を抜けた所で初めて伝えられるらしい。 集会所脇の井戸の水で御祓をし、何が入っているかわからない苦い精力剤の様なものを飲まされ、女の子が到着するまでただひたすら年寄衆と酒を舐めて待っているらしい。 らしいと言うのは、「ヒザツキ」を経験した人から後になって聞いたので。 夜中になり女の子が到着すると「ヒザツキ」は年寄衆の男と右の部屋に入り、儀式の詳細を伝えられる。 まず能面の様なものと、ローションの様な液体が入った壺を渡される。 お面は目の部分だけ小さく穴が空けられ、紐で縛るのではなく内側に付いた突起を口に咥えて装着する。 前戯はしてはいけない。代わりにローションを付けて入れ、話かける事が出来ない様に咥えるお面を着けるらしい。 もちろんコンドームなどなく、「ヒザツキ」が女の子の中に射精しないと終わらない。 外に射精したり、痛がって入らないからと止める事はなく、一晩中かかっても中に射精して儀式は終わる。
19/08/01 06:16
(BuEA45mJ)
女の子は建物の外で母親と別れ、母親はそのまま家に戻される。 女性の年寄衆と左の部屋に入り、1度裸にされて全身を濡れた布で清浄され、酒を一口飲んだ後に赤い浴衣を着せられる。 布で口枷をされ、お面と同じ様に目の部分だけ穴の空いた白い布の袋を被り、年寄衆に「ヒザツキ」が待つ部屋に連れられて行く。 お互いに相手が誰なのか、儀式の最中もその後も詮索する事がないように釘を刺し、二人きりにして年寄衆は部屋の外で儀式が終わるのを待つ。 儀式は「札引き」「札合わせ」で選ばれた男がたとえ女の子の父親でも変更される事はない。 女の子は隅に置かれた蝋燭の灯りを頼りに部屋に入って行き、すぐに敷かれた布団に横なって膝を立て「ヒザツキ」を待つ。 「ヒザツキ」は帯を解いて浴衣を開き、壺の液体を割れ目に塗り、残った液体を自分の肉棒に塗ってしごく。 勃起すればすぐに、しなければするまでしごき続けて挿入の準備をする。 肉棒に液体を塗り準備が整った段階で、女の子の膝を開いてその前で膝を着く。 「ヒザツキ」の名前の由来はこれだった。 女の子の脚を抱えて肉棒の先で穴を探す。お面を着けた状態で蝋燭の灯りだけでは視認は難しい。 肉棒を上下させ微かな凹みを感覚で当てをつけて挿入を試す。 未成熟な女の子たちの身体は、肉棒をすんなり受け入れる事はほぼほぼなく、大半の子達が仰け反りながら抵抗する。 が、口枷のせいで悲鳴を上げる事も、中断を伝える事も出来ずに「ヒザツキ」に無理矢理貫かれてしまう。 もちろん貫かれただけでは終わらず「ヒザツキ」が中に射精するまで続く。 涙や鼻水で被った袋がびしょびしょになる子、余りの痛みで失神する子、中には全然平気で初めから気持ちよさを感じた子など様々だが、誰一人儀式を拒否した女の子がいなかった。
19/08/01 06:21
(BuEA45mJ)
小さな頃からそういうものだと教えられていた事もあるが、その儀式を経験した大人達が皆幸せそうに見えたのがその理由。 儀式を済ませた次の祭りの日から、女の子達は「大人の女性」として扱われる。 その集落では儀式を済ませた女性をそれまで以上に特別大事にし、労い、守る。死ぬまで蔑ろにされる事はなく、男よりも全てに於いて優遇されていた。 そんな特別な扱いをされている大人の女性達を見て育ったので、自分も早くそうなりたいと思う女の子ばかりだった。 集落で産まれ育った女の子達が他所に出て行く事は本当に少なく、逆に他所から嫁いで来る女性も多くいた。 集落自体それほど広いわけではなかったが、人口は微増で廃れていく事はなかった。 風習に馴染めず他所に戻った女性もいたが、その集落の女性の待遇を見たり近所付き合いをすれば、どれだけ住みやすい所か理解し受け入れる女性が大多数だった。 集落で産まれ育った女の子は前述の儀式を済ませばよかったが、他所から来た女性にはまた別の儀式があった。
19/08/01 06:23
(BuEA45mJ)
別の儀式とは男子の儀式に参加する事で、それは祭り当日の集団筆下ろしの事だった。 女の子の「ヒザツキ」に対して男子には「世話人(せわびと)」と呼ばれる女性がいる。 クホウ様の祭り当日、満11歳を迎えた男子は祭り終盤に集会所脇の井戸に集められ、全員まとめて御祓を行う。 その後、褌ひとつで集会所の左の部屋に詰め込まれ、「世話人」が登場するのを待っている。 「世話人」は「ヒザツキ」と同じ様に、集落に住む35歳~45歳の女性が担当する。 他所から来た34歳以下の女性が集落の風習を理解し住み続ける事を選び、「大人の女性」として生きていくことを望む場合も選ばれる対象になる。 私が満11歳を迎えた時、同じ儀式の対象になった男子は私を含め4人。 昔、子沢山の時代では「世話人」1人に対して男子2~3人だったが、私の時は男子1人に対して「世話人」が1人になっていた。 と言っても、私と同じ年齢以外の世代の「世話人」も兼ねているので「世話人」1人に多い人で10人近くの男子が世話になっていた。 「ヒザツキ 」とまた大きく違うのが、「世話人」はお互いが誰かをしっかり認識出来る事、一生涯「世話人」であるという事、最低でも月一回は男子の性の相手をする事が定められていた。 月一回の性の相手をする事を「ジャズイ」と言う。性欲を溜め込む事は悪い事(邪)で、それを吸い出す行為なので(邪吸い)と呼んだ。 選び方は「ヒザツキ」同様、年寄衆が「札合わせ」を行い相手を選んでいた。 また「世話人」は「ヒザツキ」と違い「札合わせ」の時点で母子は外される。ここも違うところだった。 「ジャズイ」は最低月一回だが上限は無く、「世話人」の都合が付くのであれば受け入れる決まりだった。 「世話人」によっては1日置きに「ジャズイ」を行う人もいたり、男子がたとえば40歳になっても「ジャズイ」の要請があれば受け入れなければならないものだった。 聞いた話では80歳を超えた「世話人」でも相手をしたと。 また「世話人」はただ性の世話をするだけでなく、相手になった男子に親としてみられ、生涯大事にされた。 「世話人」が病気や事故で若いうちに亡くなった時は、一ヶ月後に再度「札合わせ」を行い新たに「世話人」を選ぶが、男がある程度の年齢になって「世話人」が亡くなった場合は、ほとんどの人が新たな「世話人」は遠慮し年寄衆になる。
19/08/01 06:28
(BuEA45mJ)
「ジャズイ」で家を空ける女性の為、その夫である男性は女性の代わりに家事等をこなし、またそれに対して不満も言わず協力していた。 夫にも「世話人」がいて自分が「ジャズイ」に行く時もお互い気持ちよく送り出せる様にと。 小さい頃からの教えにより、集落の男子の家事能力は他の地域の男子に比べてはるかに高く、他所の地域の女性からモテる要因でもあった。 「世話人」は生涯変わらないが、今で言うスワップみたいな事も認められていた。男子がお互い話合い、「世話人」の了解もあればその日のみの交換もできた。ただ乱行だけは禁じられていた。 私の時は「世話人」が必ずコンドームを持って「ジャズイ」に来ていたが、無い時代は誰の子供かわからなくなる為だったらしいが、10人近い男子の「世話人」になっている時点で矛盾があるだろとは思ったが、そこは皆突っ込む事はしなかった。 コンドームは各家からの互助会費でまとめて買い「世話人」に配っていたり、集会所に置かれ記名すれば自由に持ち出す事もできた。 私の母も何人かの「世話人」になり、家の玄関にはコンドームの箱が置かれている事がよくあったのを覚えている。 ここからは私が経験した儀式の話。 部屋で友達と「世話人」の到着を待っていると、年寄衆は数字が書かれた札を私達の首に掛けた。 『もうすぐ世話人がくるからな。札の数字を見て世話人がお前達の側に行く。さ、それぞれの布団で座って待っとれ。』 4番の札を首に掛け部屋の右奥に敷かれた布団に座ってすぐ、「世話人」の女性4人が談笑しながら部屋の前に並んだ。 薄いピンクの襦袢姿で籠を抱えていて、もちろん全員昔から知っている人だったが、濃い化粧のせいか誰がいるのか認識するのに少し時間がかかった。 年寄衆の合図で女性達は動き出し、それぞれの相手の前に座った。 『やっちゃんだったか~!よろしくね!』 「えっと…お願いします!」 『はいはい!これから頑張ってイイ男になってってね~!』 「はい!」 私の「世話人」は家から三軒先に住む由美子さんだった。その時たしか38歳で、私より少し上の息子がいてよく遊んでもらっていた。 他の男子と女性も皆顔見知りなので、和やかに挨拶していた。 挨拶を交わしている最中、年寄衆は低めの衝立を4つ部屋の中に持ち入れ、ちょうど部屋に菱形ができる様に斜めに設置し、中心にはランタンを置いて部屋の戸を閉めた。 集会所は電気が通っていなく、夜はこのランタンか蝋燭の灯りだけになるのでかなり薄暗い。部屋の四隅にそれぞれ蝋燭が灯されていたが、ランタンもあると相手の顔もよく見える様になった。
19/08/01 06:34
(BuEA45mJ)
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