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1:敬子が堕ちた軌跡
投稿者:
貴之
◆iCdgR6D1oU
山田敬子は、旦那を送り出した後のリビングに「静かだ」と感じる。
マンションの一室、ベランダに面したリビングの椅子に座っているのに、、、毎日、1人になるたびにそう感じる。 窓の外からは集団登校をする子供達の笑い声が、廊下の向こうからは洗濯機の音が聞こえているのに・・・。 いつもと同じように右手をマウスに伸ばしながら、左手の人差し指でパソコンの電源のボタンを押す。 アナウンスの音が鳴り、ディスプレイが水色に染まり、ようやくデスクトップが表示されると、いつもと同じようにマウスを操作していく。 カーソルはディスプレイの上を移動し、マウスはクリックの音をたて、、、数分もかからずにいつもの、、、黒い背景に赤い模様が波打つ掲示板が表示された。 敬子の人生には「最高」と「最低」が無かった。 学生の時を思い返しても、成績は悪くないがトップを狙える位置でもなかった。 友人だと思える相手は大勢いたが、進学や就職でほとんどが途切れてしまった。 就職した会社で認められたが、何かを任されるほどではなかった。 旦那を愛していると思っていたが、たった3年で残業と出張・・・そしてセックスレスな毎日しか残らなかった。 全てにおいて、そうだったとしか思えない人生の先に今の「日常」があった。 「日常」は平和だった。 退屈を感じるほど、昨日と変わらない時間が流れていった。 同じ時間に鳴る目覚ましを恨みそうになるほど、狂いそうになるほどの「安全」な時間の連続だった。 自分しかいない空間は、他人の視線ほどの小さな刺激すら存在しなかった。 それは敬子の心を蝕みながら、幼少の頃から築いてきた心の仮面すら剥ぎ取っていった。 それは、誰だろうと悪い結果を生むだろう。 夏休みの中学生が、一人暮らしを始めた大学生がそうなるように。 ただ、それらと敬子の間にある違いは、「期間」だと思う。 「このまま死ぬまで同じなのではないか」とゆう絶望感だけだったのではないかと思う。 家事に慣れるほど時間が心を締め付ける。 インターネットを始めた敬子が、それにのめり込むのを責める事は誰にもできないだろう。 その内容がたとえアブノーマルな、卑猥なものだったとしても。 敬子はその日のうちに、自分の知る卑猥な単語を検索した。 ただでさえ退屈にまみれているのだから、他人の幸せなニュースよりも刺激を求めるのは当然だった。 ただ、敬子はソコで止まれなかった。 敬子は自分でも気付いていない。 けれど指は止まらない。 なぜならば幼少の頃からずっと、そうしないといけない、そうあるべき、それが「普通」とゆう思い込みに囚われていた。 敬子の心は、本当はその奥底に「普通ではない状況」を求めていた。 最初は読むだけだった。 けれどすぐに、指が股間に伸びた。 読む内容はすぐに卑猥なアブノーマルなものに変わっていった。 読んで知った単語を検査すると、さらに激しい内容が表示された。 その内容を読み、惹かれた単語を検索してまた読み、、、それを繰り返し、敬子は自分でも気づかないうちに深淵に向かって進んでいった。
2019/07/18 19:17:20(CL5e37fP)
投稿者:
貴之
◆iCdgR6D1oU
その日も同じように、たった1人になった家の中で、パソコンの前に座っていた。
右手にマウスを握りながら、部屋着にしているスカートの中に左手を入れる。 クリトリスを弄りながら、前日まで晒されていた女性の独白を探し、見つけ、指の動きを早めていく・・・・。 女は掲示板で、自分を囲む男達の前で告白していた。 男の指の動き、服の脱がされ方、自分がした奉仕、、、、そして男の・・・ そこまで読んだ時、インターフォンの音が鳴った。 無機質なその音は敬子の意識を一瞬で現実に引き戻したが、敬子は2回目のインターフォンの音が鳴るまで動けずにいた。 3度目、4度目の音に急かされるように、敬子はスカートとシャツを整えながら玄関に向かった。 鍵を開けて開いた扉の先に立つ男に、至高の時間を邪魔された事とは別の不快感を心に感じる。 男は見上げるほどの、おそらくは190センチくらいの背丈で、なのに100キロを超えているだろう太った体型だった。 日焼けした皮膚に汗を滲ませ、威圧的に、、、けれど少し卑屈な目の男だった。
19/07/18 19:28
(CL5e37fP)
投稿者:
貴之
◆iCdgR6D1oU
たしかに見覚えのある男だった。
誰だっただろうか・・・そんな失礼な疑問を解決したのは男の言葉だった。 「駐車場の・・・契約の・・・契約の更新を・・・」 あぁ、と思った。 こんな事で私の邪魔を、、、と怒りもした。 書類にハンコを、、、と言われて振り返り、不快な気分でリビングの扉を開いた。 電話台にしている棚の引き出しを開け、ハンコを探す。 意識の中にには、初めて会った日の記憶を反芻していた。 男には、初めての日から不快な印象を持っていた。 このマンションの一室に越してくるよりも先に、下見で見学をした日の午後から。 転勤ではあったが、結婚したばかりの男の隣で、「ここが新しい家か。」とゆう心を、良い気分だったはずの心に「なに?この男」と思わせるほどの雰囲気だった。
19/07/18 19:38
(CL5e37fP)
投稿者:
貴之
◆iCdgR6D1oU
男は180を超える背に100キロをゆうに超えていそうな体をしていた。
浅黒くて脂ぎった顔、下品な印象の分厚い唇、醜く突き出た腹、、、そのどれもが醜いと、汚いと感じさせた。 そうだった、この男は駐車場の管理人だ・・・ 家の近所の、旦那が通勤に使う車を停めている駐車場の管理人。 もうそんな時期か・・・そう思った。 つまりは結婚して再来月で丸3年が経った証拠でもある。 3年か・・・。 「あの、、、更新との事なんで、ハンコもらえますか?」 敬子の思考を男の声が邪魔する。 本当に不快な男だ・・・と敬子は心の中で毒づいた。 振り返り、廊下の先のリビングの扉を開けたまま、引き出しの中のハンコを探した。 不快な用事を早く済ませたいと急いだが、そんな日に限って手間取ってしまう。 さらに不機嫌になった敬子が玄関に戻ると、男はなぜか焦っているように目を泳がせ、落ち着かない仕草をしていた。 噴き出した汗を滲ませた顔が、さらに男の印象を悪くした。 さっさと追い出したくて、早くこの男を視界から追い払いたくて急いで捺印した。 けれど男のほうも「もういいでしょうか?」と聞く暇もなく、書類を鞄になおしもせずに玄関を飛び出していった。 なんだったのだろう?とゆう疑問は、敬子の心にはあまり湧いてこなかった。 そんな不快な醜い男の挙動よりも、楽しい時間を邪魔された事を考えていた。 男が去り、閉まった玄関の扉に鍵をかけると敬子は振り返った。 視線の先には開いたままのリビングの扉があり、パソコンのディスプレイが見えている。 敬子はさっきまで読んでいた体験談の内容を思い出しながら、廊下を進んだ。 敬子はまたマウスに手を伸ばし、左手をスカートの中に入れる。 さっきまで読んでいた記事を10分ほどかけて読み返していく。 敬子のクリトリスが熱を取り戻すころ、文字の中の女が膣の中に精液を受け止めた。 右手でマウスをクリックした。 リロードのマークを見つめながら、クリトリスを刺激する指をゆっくりと動かしている。 黒地に赤色の模様がちりばめられた、特徴的で下品なデザインのページが更新された。 ・・・スレッドが増えている。 それに気づいた敬子は、スレッドの標題を読んだ瞬間に悲鳴を上げた。 そこには、ついさっき作られた新しいスレッドが表示されていた。 『隠れマゾ 淫乱人妻 敬子』
19/07/20 08:47
(hZfJqu12)
投稿者:
貴之
◆iCdgR6D1oU
「次は山田・・・か」
(・・・めんどくさい・・・ただただめんどくさい) 「今月の更新は、こいつで最後だな」 (さっさと終わらせて、またエロサイトでも見よう・・・) (あ、しかし山田と言えば・・・あの奥さん・・・エロい体をしてたな・・・。) 荒木耕三は45を越えさらに太り続けている腹の脂肪を揺らしながら、その醜い顔を不服そうにしかめたり下品な笑みを浮かべたりしながら 歩いている。 (せいぜいエロい服装しててくれよぉ、奥さん・・・) (そしたら毎日毎日、深夜まで帰らない旦那にかわって可愛がってやるよ・・・) 自分勝手な願望を思いながら、体の中で唯一の自慢である太くて長いチンポが熱くなり始めるのを感じ ながらインターホンを押す。 「あの・・・駐車場の契約更新の件で・・・」 玄関を開けた敬子を見て、見とれてしまった。 そこには契約の時に見たのと同じ魅力的な女性が立っていた。 自分の思い過ごしだろうけれど、あの日よりも性的な魅力を感じてしまう。 (奥さんを可愛がる想像をしながら来たせいだ・・・そうに違いない・・・) そう頭の中で何度も念じるが、チンポがさらに硬くなっていく。 焦る自分の心を見抜かれないように、股間の膨らみを隠しながら契約書を見せる。 怪訝そうな、不快感を露にした敬子の表情にも気付かずに、視線はその唇と胸を見ていた。 「あの・・・更新との事なんで、ハンコもらえますか?」 少し睨むような目をしてから背中を向けた敬子の体を、腰から尻のラインを目で楽しむ。 肉感的な敬子の体は、さっきまでの自慰のせいもあってか耕三の性欲を刺激した。 (あぁ、見えなくなった・・・) (っつたく・・・家なんだからノーブラでいろよ・・・) たった数秒を退屈に感じた耕三は、敬子の体が隠れたリビングの扉を向いたまま視線を泳がし・・・あるものを発見する。 それを見つけた瞬間、耕三はパニックに陥った。 喉は一瞬で渇き、顔からは汗が吹き出した。 戻ってきた敬子に、かろうじて契約書の押印欄を指差したあとは、契約書を鞄にも戻さず、その理解不能な空間から逃げた。 (まさか・・・) (まさか・・・まさか、そんなはずが・・・) 何度も自問しながら足早に駐車場の管理事務所をめざした。 (まさか・・・あり得ない・・・・けれど、見間違うはずがない・・・) 耕三はデスクの前に座り、つけっぱなしのパソコンを叩く。 真っ暗なディスプレイはすぐに点灯し、黒地に赤色の模様がちりばめられた下品なデザインのサイトが表示された。 敬子がハンコをとりにいったリビングを思い出していた。 ついさっき見た、開け放されたままの扉の奥の光景を思い出していた。 テーブルの上のパソコンの画面に表示されていたのは、確かにこの模様だった。 見慣れた、見間違えようのない特徴的な・・・・ 耕三は口だけで荒く息をしながら、顔から汗を滴らせながら、キーボードを打った。 --------------- 隠れマゾを見つけた 真面目そうな顔をして、ホントは飢えたメスだったんだな 今頃、マンコを弄ってるんだろう? --------------- 日中の出入りなどほとんどない月極め専用の駐車場の管理事務所の中、キーボードの音が響き続ける。
19/07/20 09:17
(hZfJqu12)
投稿者:
貴之
◆iCdgR6D1oU
突然、画面に表示された自分の名前。
敬子は恐怖を感じながらも、マウスをそのスレッドに合わせてクリックした。 (そんなはずはない・・・私のはずがない・・・私じゃない・・・・) 祈るような気持ちで中身を読む。 たった3行の文字に心臓が締め付けられる気持ちになった。 更新ボタンを押すと、次の書き込みが表示された。 読み進むにつれ、偶然とは思えない自分との合致をいくつも発見し絶望していった。 敬子を罵る見知らぬ男は、敬子の髪型を、その毛色を、右目の下の黒子を、、、そしてまさに今、敬子が着ている服装までを言い当てていた 。 (そんな・・・そんな、まさか・・・まさか・・・・) (なぜ・・・?・・・あり得ない・・・) 敬子は恐怖した。 指が震える。 締め付けられたように息苦しい。 更新するたびに短く、けれど確実に文字が増えていった。 屈辱的な言葉、理不尽な決めつけ・・・それが今、自分に向けられている。 今まで読んだ体験談の女性達と同じ・・・いや、それよりも悪い立場になったかもしれない。 混乱した意識は、その体の芯が熱くなっていくことに気づかなかった・・・。 その日から、敬子の生活は一変する。 退屈な自由しかなかった日常が、卑猥な不自由で塗りつぶされていった。 オナニーの時間も、回数も、時には場所までも指定された。 身に着ける服から指の動かし方まで命令された。 下着は履く事を許されず、外出の時はコートの下に胸の部分を切られたシャツを着させられたりもした。 ゆっくりとエスカレートする指令の文字。 敬子は支配され抑圧される事に悦びを感じめる。
19/07/20 09:22
(hZfJqu12)
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