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妻とヤクザと濡れた食堂
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:人妻熟女 官能小説   
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1:妻とヤクザと濡れた食堂
投稿者: 花音
私は現在40歳、中小企業に勤めるごく普通のサラリーマン。3年前に郊外に小さな一戸建てを購入し、
そこで36歳の妻と子供2人(中学校3年の男の子、中学校1年生の女の子)で暮らしています。つい最近までは、平凡ですが幸せな生活を送っていました。

この家族に大きな転機が訪れたのは、妻がパートに働き出してからのことでした。妻が働くようになったのは、2人の子供が中学生になり、子育てが一段落したこと、二人の子供の塾費用が予想以上にかかること、長男が来年、高校進学を控え、その学費を準備する必要があったこと、そして何より、家のローンで家計に余裕がなかったことなどが、その理由でした。当初、私は妻を働きに出すことには反対でした。その理由は、妻は身長158cmと小柄ながら、B88W61H88といういわゆるトランジスターグラマーで、ルックスも目鼻立ちがはっきりして童顔なため、実際の年齢より5歳以上若く見える、私にとってまさに自慢の妻であり、そんな妻を人前に出すのは、正直、心配だったのです。しかし、妻の意思は思ったよりかたく、そんな妻に押し切られるかたちで、私はしぶしぶ妻が働くのをOKしたのでした。この時点で、この決断が、その後、私たち家族にとてつもない悲劇をもたらすとは、さすがに想像できませんでしたが・・・。


 
2013/10/19 21:36:48(kZk0qse0)
62
投稿者: 花音
素人の私にも、妻の行方を追うことが相当難しくなったことは十分、理解できました。私は、弁護士に礼を言い、
探偵社を出ました。今頃、妻は萩原に連れられ、どこでどうしているんだろう・・・私は裏社会へと足を踏み入れて
しまった妻の哀れな境遇を不憫に思わずにはいられませんでした。私は、その後も毎日、仕事帰りに、萩原の店の
様子を伺いに足を運んでいました。ほんの僅かでも、妻の消息の手がかりになるものがないか・・・一縷の望みに
かけていました。妻と萩原が行方をくらましてから5日後、いつものように仕事帰りに店のそばを通ると、表の
ドアが開き、店の中に複数の人影がうごめいているのを見かけました。もしや・・・と思って私は近づき、中の様子を
伺いました。店の中は、もうすっかり片付けられていて、横づけされたトラックには、店内や2階にあったであろう
家具や電化製品、厨房器具が積まれていました。私は、トラックの運転席にいた男に、思い切って尋ねてみました。

「あのう・・・仕事中、すいません・・・」
「えっ?・・・あんた誰?」
「私は・・・この店の主人の知り合いなんですけど・・・」
「ああ・・・そういうこと・・・もしかして、あんたも金、貸してたとか・・・」
「ええ・・・まあ、そんなとこです・・・」
「気の毒だけど・・・あんたにまわる金はないなあ・・・ご覧の通り・・・この店は借金のカタに差し押さえられ
 たんだよ・・・主人は消息不明・・・正直・・・この店だけじゃ、足りないんだけどなあ・・・そんなわけだから、
 諦めな・・・それとも、行方を追うか・・・」
「手がかりは・・・あるんですか?」
「さあな・・・何でも、オンナを連れていったそうだから・・・今頃、そのオンナをソープで働かせて、食いつないで
 いるんじゃないか・・・」

 私は改めて、妻が置かれている状況の過酷さを思い知ったのでした。そして、妻からの離婚届けが着いたのは、それから
5日後の事でした。封筒の消印をみると、何と遠く福井県のある町で投函されたことがわかりました。封筒の中には、
一枚のメモが入っていました。そこには、「元気にやっています。あなたもお体に気をつけて下さい。子供たちのことよろしく
お願いします。そして、どうか幸せになって下さい。」と記されていました。私は、これを読んだ瞬間、妻の気持ちを察し、
もう涙が止まりませんでした。こうして、この手紙を最後に、妻の消息は、ぱったりと途絶えてしまったのです。

 あれから5年が経ちました。この間、様々なことがありましたが、一番、心配だった子供たちも、突然、母親を失った驚き、
悲しみ、寂しさを乗り越え、何とか順調にたくましく成長してくれました。上の子は今年、成人を迎え、多感だった下の娘も
気がつけば大学に進学しました。特に下の子は、成長するにつれて妻に似てくるのがはっきりとわかり、私はそんな娘の成長が、
何より、心の支えになっていました。そして、そんな折り、私自身にも転機が訪れ、縁あって今年、5歳年下の、私と同じ
離婚歴のある女性と再婚しました。その女性に好意を持っていたものの、なかなか結婚に踏み切れないでいた私を後押しして
くれたのが、何と、娘だったのです。

「お父さん・・・もういいんじゃない・・・今度は自分のこと考えてよ・・・これまでありがとう・・・幸せになって・・・
 私・・・応援するから・・・」

 この娘の言葉に励まされ、私は新しい生活をスタートしました。新しい妻は根っから明るい性格で、子供たちのとの関係も
良好・・・本当に久しぶりに、我が家に4人で過ごす明るい食卓が戻ってきました。5年前、突然私たちの前に現れた悪魔の
ような男、萩原によって、私たち一家の幸せは踏みにじられ、大切なものを奪われてしまいました。すべてが萩原の計算通りに
進んでいき、私は、それを食い止めることができませんでした。今思えば、私を駅の階段から突き落としたのは、萩原に
間違いないと思っています。私は、5年ぶりに訪れた家族の平安に思い切り浸りながらも、心の片隅ではいつも・・・別れた
妻のことを思っているのです。自分が、幸せを実感すればするほど・・・別れた妻への思いが募ります。「果たして、今頃、
どうしているのか・・・?」「幸せに暮らしているのか・・・?」いやそんなことより「しっかりと生きているのか・・・?」
一人になるとつい、このように永久にこたえがないであろう・・・やるせない問いかけを自分にしている私です。そして、
その度に私の脳裏に浮かぶ妻の顔・・・あの別れの日、私の問いにかけに対して、頷きながら見せた悲しい笑顔が今でも頭から
離れないのです・・・。
          お わ り


13/11/07 22:29 (u3FEq2Dy)
63
投稿者: 愛読者
感動しました。過去は忘れて力強く生きて下さい。
13/11/07 22:35 (KUmaPUJu)
64
投稿者: 花音
これで、投稿3作目の連載を終了します。最後まで
お読みいただき、本当にありがとうございました。
また、今回も、作品に対する温かい応援メッセージを
多数いただいたこと、感謝いたします。みなさんの
応援が、あればこそ、「次回作を!」という意欲が
沸いてきます。その際は、よろしくお願いいたします。

13/11/07 22:37 (u3FEq2Dy)
65
投稿者: ツトム
ID:asurada
花音さんお疲れ様でした。 とても興奮しながら毎日の更新を楽しみにしながら読ませていただきました。 次回作も楽しみにしています。
13/11/07 22:49 (D7Nl0.Hf)
66
投稿者: のぶ
花音さん。お疲れさまでした。そして、ありがとうございました。更新を楽しみにして、毎日読ませていただきました。最後は何かせつない気持ちなりました。ほんとに奥さんは元気に暮らしているのでしょうか? この続編も含め、是非次回作もよろしくお願いします。もし次回作が始まるようでしたら、ここのレスに予告していただければありがたいです。よろしくお願いします。
13/11/07 23:27 (TPM84ytB)
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