「最後の質問です、どうやって可奈ちゃんを説得したんですか？
　察するに、君たちは真面目な学校に通ってる子たちだと思います。そんな可奈ちゃんがよく同意したな、と思ったので、、、」

　瑞穂の回答はこうだった。

　「お金で釣りました。可奈には『何もしないで3～4万円』と言ってます」

　待てよ、、何もしない、は少し違うのでは？と思い突っ込んでみたが、

「『3人で指名された一人がSEXすることになるけど、まず間違いなく景子が選ばれるから』と言ってあります。景子はそれくらい美人ですから。」と。

　参考までに景子ちゃんの写メも見せてくれたが、、、納得だった。

　しかし好都合なのは、私には可奈のほうが好みだった。

　瑞穂と私は同意し、実際に会う日を決めた。私は、詳細を打ち合わせたいので事前に君とカフェかどこかで落ち合いたい、と瑞穂に申し出、瑞穂も了承した。

　予め大阪府心のホテルを検索し、その場所まで来れるかを瑞穂に確認した。
　幸い、3人の住まいからは近すぎず遠すぎず、らしく合意を得た。

　私は大阪に前乗りし、待ち合わせのホテルは別のホテルに宿を取り、当日、集合時間の1時間前に瑞穂と合流した。

　瑞穂もかなりの美形だった。というより私好みで、可奈よりも、、という気はする。
　確かに一般論なら景子なのだろうが、私の好みは景子でない二人のほうが、、、

　「瑞穂ちゃんもすごく可愛いね、、で、何で可奈ちゃんをそんな目に遭わせたいの？」

　時間も少なくので、私は早速本題を切り出した。

　「いえ、、私なんかより景子のほうが断然、、、あ、可奈のことですね、、、」

　進学校の子らしく、言葉を選びながら瑞穂は私の質問に答えた。

　瑞穂の話だと、可奈はそのなかでも優等生らしく、性格は穏やかでしとやかながらも負けず嫌い。それが勉学のことのみならず、彼女たちのなかでは、交際相手のレベルや経験の数、そして内容までをも競い合ってるらしい。
　意外ではあった。
　そんな進学校の子が、、、。
　瑞穂が言うには、勿論表立って競い合いはしないが、互いに「負けたくない」というオーラを発しているらしい。良くも悪くも、、、だと。

　「いい意味ではお互い刺激し合えるし、、とも思うんですよ、、、けど、、、」

　一旦瑞穂は言葉をつぐんだ。

　「けど、、、どうした
の？」

「可奈の負けず嫌いぶりは、、時々カチンとくるんですよね、、私も景子も。
だからいい機会だし、少し痛い目を見れば、と、、、」

　怖いことを考えるものだ、、少しでは済まないのだけど、、、

　「事情はわかった。しかしよくそんな子を同意させることが出来たね」

　ほんとに可奈は来るのか、、今の今まで疑問視していた私だが、

　「可奈の性格はわかってますから。最初は二の足踏んでましたが、『景子が選ばれるよ、きっと』と強調し、そして『それとも可奈、選ばれる自信があるの？』って言ってやったんです。それで断るなら自信があるってことになっちゃうので、スマートに振る舞いたい可奈としては断れなくしてやったんです」

　ほんとに、、賢い子のほうが怖い。

　そこに、瑞穂の携帯に連絡が入った。景子かららしい。

　可奈が渋っているとのことだ。

「すいません、、景子と一緒に一芝居お願いできませんか？」

　瑞穂が言うには、まず可奈を安心させるべく、チェックインの前にカフェに、と。僕に合わせれば安心できる、僕はそういう雰囲気らしいと瑞穂の弁だ。

　そしてその場で僕は景子が気に入った素振りをして、可奈は選ばれないだろうという空気を作りたい、とのこと。

　ほんとにこの子は怖いな、、と思いながらも興味深い提案に条件付きで合意すると回答した。

　可奈の気を惹くべく15万まで増額すると申し出た。それなら一人あたり5万になる。
代わりにそのあと瑞穂も抱きたい、と望んだ。しかも瑞穂にはその5万に更に5万を上乗せする、と。

　「どうしよう、、、私にそれだけの価値あります？」

　困惑しつつも嬉しさを隠せない様子の瑞穂は、可奈をどうしても陥れたい、と正当化する理由をつけ合意した。