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デリシャス・フィア
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:強姦輪姦 官能小説   
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1:デリシャス・フィア
投稿者: いちむら沙織
まえがき



大学に行けなかった作者が、女子大生への憧れだけで書いた、勝手な想像だけの内容です。
性描写も少なめで、つまらなかったらすいません。
前作の「警鐘」「ひとしずくの排卵」みたいな展開です。
2012/01/13 00:20:58(7ttMdAeM)
27
投稿者: いちむら沙織
13



月明かりのせいで青白く染まったファミリアホールの屋根には、英才と貞淑を意味する巨大な紋章が掲げられ、誇らしげにこちらを見下ろしている。
昼間のマスコミ連中はどこかで待機しているのだろうか、その姿はない。
メールの内容をもう一度確認する。

『わたしに会いたかったら、今夜22時にキャンパスのファミリアホールに来て。花織ひとりで』

優子を装った誰かがこのメールを送ってきたことは明らかだけど、優子は必ずそこにいるはず。
花織が深呼吸をすると、胸のふくらみが服の中でふかふかと揺れた。
夜風が冷たく吹き抜けて、掲示板のポスターのめくれをはためかせている。
足元では虫が鳴いている。
扉は花織の手のひらをずしりと重く押し返して、開かれるのを拒んでいるようだ。
暖められた空気が建物の中から漏れてきて、薄暗い視界の先に舞台が見えてきた。
それを取り囲むように座席が湾曲して並んでいる。
昼間のそれとは違った異様な空間が、花織に警告を発していた。
腕組みをして脇の下に手を挟むと、舞台に向かう通路の段差に一歩を踏み出した。

カコン……。

ブーツを鳴らした音が反射して追いかけてくる。
汗で蒸れた足を前に進めて、舞台を目指して段差を下りていく。
ゆっくり、慎重に、そう……それはオナニーするみたいにたっぷり時間をかけて、目的を果たすまであわてない。
性欲は置いてきたつもりだった。
けれども媚薬の成分は花織の婦人神経と複雑に絡み合い、快楽の穴をふくらませていく。

私はそんな女の子じゃない。
あの薬がいけないんだ。
どうやったらこのムズムズが治まってくれるのかわからないんだよ。
おねがい……、もうやめて……。

気がつくと花織は舞台の中央にいた。
今すぐにでも股間に手を伸ばしたい気持ちを我慢して、今日の乙女座の運勢見るの忘れちゃった、と心で呟く。
そして優子の色気話に懐かしさを思いながら、バックヤードの方へと足を向ける。
こんな時だというのに、いや、そこはやはり可愛らしいというか、暗い通路の向こうに幽霊の存在を信用してしまう気分になっていた。

「……?」

花織の目になにかが映った。
なんだろうと思ってしゃがみ込み、床に落ちているそれに目を凝らす。
バッグから携帯電話を取り出して、画面の明かりを当ててみた。
頼りない光の先にぼやけた輪郭が浮かび上がり、とたんに花織の表情が一変する。
それは見覚えのあるシュシュだった。

「優子……」

グロスが乾ききった唇をほとんど動かさないで、ぽつりと名前をこぼす。
どうか無事でいて欲しいと祈る思いでシュシュを拾い上げてみると、数メートル先にまた別のなにかが落ちているのが見えた。
女性用の上着、またその先にはスカート、長袖のシャツ、スパッツ、キャミソール……。
そして予想していた通りに、ブラジャーとショーツがおなじ場所に脱ぎ捨てられている。
そこは倉庫の扉に突き当たった場所だった。

おそらくこの扉の向こうには優子がいて、心無い男の前で恥ずかしい姿にさせられているに違いない。
でも私がそれを目にした瞬間、私への乱暴が約束されてしまう。
こんな事ならあんなサイトに登録するんじゃなかった。
元はといえば通販サイトで買ったサプリメントの中身を疑わなかった自分の不注意から始まった事だけど、媚薬はもうこの体に染み付いているし、つくづく自分が情けない。
あん、もう、運転免許だってまだ取ってないし、海外留学もしたいのに、こんなところで寄り道してる暇なんかないって。
ああ……、レイプなんてされたくないよ……。
だけど優子も大事だし、どうしよう。
こんな時に小田くんがいてくれたら……。

閉ざされた扉の前でなかなか決心できずにいると、建物のどこかで人の足音が聞こえたような気がした。
いや、耳を澄ませると確かに聞こえる。
歩幅は広めで、足音のトーンは低く、迷わずこちらに近づいてくる。
じりじり、じわじわ、その距離はどんどん縮まっていく。
花織は足音がする暗闇の方を見て、今度は優子が閉じ込められているであろう倉庫の扉を見た。
暗闇……、扉……、足音……、優子……、交互に振り返っているあいだにも何者かの気配は迫ってくる。

「いや!」

その瞬間、自分の手がどう動いて足をどちらに踏み出したのか、見えない力に背中を押されたのか、花織は倉庫の中へ転げていた。
バッグの中身が床に散乱する。
手帳も化粧ポーチも携帯電話も、どうにも手がつけられないほどあちこちに散らばって、その中からサプリメントの入ったピルケースがひとつ、勢い良く床を滑っていった。
それが何かに当たってパキンと音をたてた時、花織はようやく顔を上げた。
薄汚れて埃っぽい床を想像していた花織の目には、綺麗に磨かれたフローリングと、鏡のような水溜まりが映っていた。
正しい状況判断をするにはもう少し時間がかかりそうだ。

どうしてこの部屋の床は濡れているのだろう。
どうしてたくさんのパイプ椅子が不自然に組み合わさっているのだろう。
どうしてその椅子の上に学園祭の衣装を着たマネキンがあるのだろう。

つぎつぎに湧いてくる疑問点を整理していくうちに、花織はあることに気づく。

そういえば優子がいない。
それに私に迫っていた足音も聞こえないし、その姿もない。
媚薬に手を出したせいで、私はとうとうおかしくなってしまったのだろうか。
誰かの息づかいが確かに聞こえているのに、ここには私一人しかいない。

ありえない状況の中で花織の瞳はめまぐるしく動き回り、ある場所で止まる。
マネキン……、学園祭……、黒い衣装……。
見れば見るほどよくできている。
天井から垂れ下がっている三本のロープはそれぞれ、マネキンの胴体と両脚を吊し上げ、お尻の部分をその下のパイプ椅子の座面に座らせている。
つばの広いトンガリ帽子で頭部を隠し、こうもり傘みたいなマントを広げ、はだけた胸の谷間から乳首までリアルに膨らんでいる。
今風なニーハイブーツをスマートに履きこなし、その豊かな太ももから視線をなぞっていくと、なんとも生々しい下腹部が果肉の断面を思わせるほど濡れている。
そしてそこに突き刺さっているのは、魔女にふさわしいホウキだ。
柄の部分にくくりつけられた太いバイブレーターが、人形の性器をぐにゃぐにゃと掻きあさって、粘り気のある液体を垂れ流させている。
そのおかげで床に水溜まりをつくった部屋ができあがるのだった。

いったい誰がどんな目的でマネキンにこんな悪戯をしたのだろうか。
膣の場所からは噛み合わせの悪い音がくちゅくちゅと聞こえてくるし、女の子の生活臭というか、恥ずかしい匂いも漂ってくる。
やだもう、私のあそこ、なんだか重たくなってきちゃった。

花織がそうやってクリトリス周辺をもやもやさせていると、倉庫内の空気が微かに動くのがわかった。

やっぱり誰かいる。
カボチャのお面……、違う。
ゴーストの白いテーブルクロス……、これも違う。
だとしたら……。

花織の視線はもうそこから離れない。
その時だった。
魔女の姿をしたマネキンの体が大きく波打って、白い乳房は羨ましいほど揺さぶられ、異物をくわえた膣口からは絶頂のサインが飛沫(しぶき)をあげて吹き出した。

「っ……、あっ……、うっ、ぐっ、んっ、……、……」

痙攣した声が細々と聞こえたのと同時に、頭部を隠していた三角帽子がはらりと落ちた。
そこから現れたのは、赤々と火照った頬と、汗の粒が滲む額と、さまよう目と、湿った唇。
すべてのパーツを頭の中の記憶に当てはめてみると、それは霧嶋優子とほぼ一致するのだった。

あれ?優子にそっくりだ。
ていうか優子だよ、これ。
そっか、私は優子に会わせてもらう為にここに呼び出されて、そうしたら優子がいたわけだから、驚くほどのことでもないじゃん。
でも何でだろう、全身の力が抜けて立てないし、泣きたくないのに涙が出てくる。
悲しい出来事が起きると、人は誰でもこんなふうに胸が寒くなって、目の前の事実を否定しようとするのだろうか。

局部を責め続ける甘い刺激に気を失いかけている優子の前で、花織の意識は感情ごと真っ逆さまに落ちていった。
優子は人に犯されたのではなく、最強の媚薬「デリシャス・フィア」に犯されていた。
花織もまた自分が彼女のように変わり果ててしまうかも知れないという恐怖と快感で、その場に失禁した。
その直後、視界を遮る手のひらが見えたかと思うと、誰かに後ろから抱きつかれる格好で体を絞められた。
抵抗する気力はもうほとんど残っていなかった。
されるがままに体を預けていると、背後から声が聞こえた。

「見ちゃダメだ!」

その声には聞き覚えがある。

「俺が推理ゲームだなんて興奮していたから、結局優子を助けてやれなかった。ごめん」

私に何か言ってくれているけど、言葉を理解できる状態じゃない。
でも、とても安心する声。

「もう終わったよ。花織は大丈夫だ。花織だけでも助けることが出来て良かった」

彼がしゃべるたびに、彼の喉仏が私の髪を撫でている。

「もっとはやく自分の気持ちに気づいていたら……、花織のことが好きだって気づいていたら……」

なんだかわからないけど、とても幸せな気持ちが溢れてくる。
ほかの事は何も考えたくない。
今はだだずっとこうしていたい。
色々ありすぎて、なんだか疲れちゃったな……。

小田佑介の腕の中で、岬花織は深い眠りに就いた。
12/02/06 11:04 (JcdnLd.D)
28
投稿者: いちむら沙織
最終話



雀はいつだって時間に正確だ。
いつも通りの朝がやって来ると、花織はベッドから起き上がって、ふわぁと欠伸をした。
夕べ、あの場所からどうやって家に帰って来れたのか、記憶がまったくない。
寝ぐせのついた髪に手ぐしを通しながら洗面台まで行き、鏡に映った自分を見て変顔をしてみた。

「メイク落としてないじゃん、最悪」

冴えないにらめっこは早々と切り上げて、洗顔と歯磨きを済ませる。
郵便受けから新聞を取って、さっそく星座占いをチェックした。

「乙女座のあなた、恋愛は成就するかも……。そうなんだ、でもまさかね」

新聞をテーブルの上に置くと、さっさとそっぽを向いて携帯電話をいじりはじめる。

あ、メールだ。

メールの着信を知らせるアイコンがあった。
送信者は小田佑介だった。

『おはよう。夕べはいろいろ大変だったけど、ちゃんと眠れたか?優子は検査入院で病院にいるから心配いらない。S病院の210号室だ。あと、昨日俺が言ったことは忘れてくれ』

昨日、小田くんは私に何を言っていたんだろう?
そのあたりがどうしても思い出せない。
とても大切なこと、とだけ記憶している。

花織の中で小田の存在が大きくなっていた事だけは、疑いようのない事実だった。



数日後、黒城和哉は、高校時代の恩師でもある秋本文子と共に姿を消した。
彼は彼女と生きていくことを選択し、自分が犯してきた罪から逃げようとした。
しかし、男女の関係にあった二人が駆け落ち同然になにもかもを捨てて手に入れたものは、先の見えない逃亡生活に他ならない。
小田は、自分の推理が彼を追い込んでしまったことを後悔したが、ひとつの強姦事件を解決できたことに自己満足もしていた。
黒城和哉はただ現実から逃げる為に姿を消したわけではなかった。
自分が触れてしまった犯罪の匂いを忘れたかったからなのか、自身が接触した五人の女の子たち宛てに、ある物を送りつけていた。
「薬」と名の付く物に関しては知識を蓄えていた黒城だからこそ、媚薬にも詳しく、またその逆も知り得たのだ。
黒城が最後に残していったもの、それは「デリシャス・フィア」の副作用を相殺させる効力をもった「ピリオド」という内服薬だった。

「薬の名前なんて誰が付けたのかわかったもんじゃない。可愛い名前の裏にある得体の知れない成分を知っておくことと、使い方さえ間違わなければ大して害はないさ」

いつだか黒城が自慢げに話していたことを花織は思い出す。

お見舞いがてらに、優子のことをからかいに行ってやるか。

花織は自分のアパートを出て、駅に向かう道とは違うルートを歩き出す。
やがてバス停のまるい表示板が見えてくると、足取りはいっそう軽やかになる。
鼻歌でも歌いたくなる気分をこらえて、ポケットからモバイルオーディオのイヤホンを取り出し、くすぐったそうに耳に着けた。
街の風景に溶け込んでいるその後ろ姿は、とても魅力的で、無防備だ。
花織よりも高い位置からの目線が、目標物を捉えて背後から近づく。
さりげなく様子を伺いながら、それはもう日常の中の自然な出来事と変わらないモーションで、目的を果たそうとしていた。
緊張した息遣いがすぐそばまで迫っているというのに、花織は首を傾げてエッジの効いたエレキギターに聴き入っている。
もう二人のあいだに距離はない。

……え?

花織は何かの気配に気づいて後ろを振り返り、そこにいた人物の顔を確かに見た。



バスは時刻通りにバス停にさしかかったが、そこに人がいないのを確認すると、速度を上げてそのまま通り過ぎて行った。
その風景がフェイドアウトしてスクリーンが真っ暗になった直後、「デリシャス・フィア」の文字が浮き出たかと思うと、血を流したようにタイトルが溶けていく。
そこでようやくエンドロールが流れはじめる。

岬花織

霧嶋優子

小田佑介

黒城和哉

平家洋

美山砂羽

徳寺麻美

植原咲

秋本文子

数馬良久

S大学ミステリー同好会スタッフ一同

動画が終わると部屋の照明が点けられ、学生の一人がパソコンからUSBを引き抜く。
それを合図に、気持ちいいほどの拍手と歓声が部屋中に湧き上がって、そこにいる全員の表情に光が射した。
ハイタッチ、笑顔、肩を組み合う仲間、この時ばかりは男子と女子のボーダーラインを越えて、それぞれが睦まじく喜びを分かち合った。

「グッジョブ!」

「いいじゃん、いいじゃん!」

「まあ、オレの才能のおかげだと言って欲しいね」

「よく言う。さんざん女子にこんな事やらせておいて」

「けどさあ、やっぱり学園祭でこんなの上映するのはヤバいよな?」

「男子は好きかも知れないけど、女子はぜったいひいちゃうよ」

「そう?私は好きだけど」

「本当に裸になったわけじゃないんだし、観たい子にだけ観てもらったらいいんじゃない?」

「いくらフィクションだからってさ、カズヤが犯人ていうのは笑える」

「ヒロシ先生も教授じゃなくて准教授なのに、偉くなったもんだな」

「オダのセリフもウケる。『今の俺には花織が必要だ』なんて。クッ」

「笑うな」

「そういえばカオリンがいないみたいだけど」

「あれ?ユウコは何も聞いてないのか?」

「あ、ミサキ先輩ならバイトがあるからって、途中で帰っちゃいましたよ」

「まさかフーゾクのバイト?」

「んなわけないでしょ。ホールスタッフらしいよ」

「話もどすけどさあ」

「勝手にもどすなよ」

「講堂にいたカオリをアパートまで連れてったのって、誰?」

「あれってオダが連れて帰るって設定じゃなかったっけ?」

「オレはひとりで帰ったよ」

「そうだっけ?」

「あとあれ、最後のバス停でカオリンが連れ去られるシーンて、あんなのあった?」

「それってまさかサプライズってやつ?」

「オレそんなシーン撮った覚えないけど」

「まあいいんじゃないですか?だってミサキ先輩ルックスいいから、もっと出しちゃえばいいんですよ」

「本当のミスキャンパスって、カオリンだもんね」

「ねえ、はやく打ち上げパーティー行こうよ」

「車、誰が出してくれんの?」

「オレ、今日はノンアルにしとくわ」

「とか言って結局飲んじゃうくせに」

誰かがなんだかんだ言い出せば、また誰かがなんだかんだ言い返す。
みんながそれぞれの情熱を持ち寄って、かけがえのない時間を共有する。
そうやって絆と絆が束になって、さらに太い絆になっていくのだと、ここにいる誰もがそう思った。
冗談と笑い声がざわざわと散らばって、誰もいなくなった部屋のデスクの上には、まだ熱を残したままのパソコンと、誰かが忘れていったUSBだけが静けさの中にあった。



岬花織のアパートの郵便受けには配達された新聞が挟まったままになっていて、その他の郵便物をなにがなんでも受け入れまいと幅をきかせていた。

大学のミステリー同好会が企画したショートフィルムの撮影も無事終了し、バイトも途中で抜け出して、今頃はサークルの仲間とお酒を飲みながら盛り上がっていたはずなのに、自分はどうしてこんな状況の中にいるのだろうか。
ビデオカメラは三脚の上でこちらを狙っているし、撮影はまだ終わっていなかったのか。
そろそろお腹が空いてきてもいい時刻なのに、食欲がわいてこない。
それどころか、もっとも汚らわしい欲求が脳から信号を発信している。
こういう生理現象を英語で何て言っただろうか。
半身浴をしているみたいに体中が熱くなって、下半身だけがぶよぶよにふやけて濡れている。
目の前にいるこの人は撮影スタッフなのだろうか。
だとしても被写体の私には肌を隠すものが何ひとつないし、演技じゃない言葉が勝手に口から漏れて止まらない。
カラオケに行った時だって、こんなに声が裏返ったことなんてなかったはず。
そうだ、昔レディコミで読んだ色っぽいセリフを真似て言ってみたら、この状況が理解できるかも知れない。
こんな感じだったかな。

「ああ……やだ……、おかしくなっちゃうよ……」

なるほど、言ってみるとアソコに鳥肌が立ちそうになるほど気持ちいい。
膣の粘膜がすり減っていく感覚は、目の前の男の人が腰を振ったり、舌で舐められたり、指でかき混ぜられると敏感にわかる。
さあどうしようか。
そろそろ我慢ができなくなってきた。
セックスなのか、レイプなのか、現実なのか、夢なのか、幸福なのか、恐怖なのか、どうでもよくなってきた。
ただもう、女の子が口にするには恥ずかしすぎる言葉を吐息にして、絶頂の中をさまよっていたい。

「ああん……あっ……、おま……こ、あっあっあっ、イク……イクイク……、お……んこ、だめだめ、あっ……あっ……」

花織が白眼を剥いてぐったりするのを確認すると、男は脂ぎった唇を動かして、オーガズムの回数をカウントした。

「これで七回目か……」

冷ややかな眼差しは花織の日常生活を根こそぎ奪い、深層心理(ディープ)を読み取って、絶頂……意識喪失……覚醒のサイクルをいつまでも繰り返していた。



それから三日後、市内のあるアパートの一室で全裸の女子大生が発見され、72時間ものあいだ監禁状態でレイプされ続けたというニュースが、世間を騒がすことになるのだった。

「性をもてあそぶ者は、性で償え。トリック・オア・トリート」

おわり
12/02/08 23:38 (j18iKPwG)
29
投稿者: ThirdMan
お疲れ様でした!
すっごく面白かった!
12話あたりで3回読み返して、終わってから、もう一回読み返しました。
トータルしたら7,8回読んでる気がする。
ほんと、うまいよねぇ。
表現力とか形容の仕方とか、まさに素晴らしいわ。
いい勉強になりました。

しかし、それにしても・・・。
うわぁ!!S大学の連続強姦事件がぁ!
このオチはさすがに読めなかった。
俺の作品の布石にするつもりで、思いっきり使わせてもらってたんだよね。
また書き直しやぁ!
こうなりゃ香織だけでいくしかない。
それにしても最後の香織のエロシーン、萌えたなぁ。
いったい犯人は、誰なんだろうね?
これから、もう一回読みなおして、自分なりに頭の中で妄想したろw

本当にお疲れ様でした。
次回作も期待してます。

12/02/09 18:32 (A7K66JWH)
30
投稿者: ThirdMan
香織→花織

間違えました。
申し訳ないです・・・。
12/02/09 18:35 (A7K66JWH)
31
投稿者: いちむら沙織
そんなに何度も読んでいただけて嬉しいです。
けど読み返すうちに、つじつまが合わないところとか、ちっちゃなほころびがあっちにも、こっちにも、ってなりそうで少々不安ですが、やっぱり書くのは好きなのでまた書いてます。
オチは苦し紛れから出たものなので、まあ素人ならではということで甘めに見てください。
ありがとうございました。
12/02/11 00:10 (jCoQQ7zt)
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