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1:義母・亜紀子 それから…
投稿者:
コウジ
(義家族との体験―義母・亜紀子より続く)
翌日、新潟駅から上りの上越新幹線に乗ったのは、まだ雪の降る午後 四時過ぎでした。 座席に腰を深く降ろした僕が最初にしたのは、肩までを使って長く大 きな溜め息をついたことでした。 この旅の本来の目的だった、大学時代の友人の病気見舞いを終えて、 駅に向かうタクシーに乗り込んだ時、すぐに携帯が鳴りました。 つい今しがた見舞ったばかりの、友人の浅野からでした。 「浩ちゃん、今日は遠いところわざわざ来てくれて、ほんとにありが とうな」 明るい声でしたが、病人らしい弱々しさがどこかに感じられました。 「何だい、さっきもお礼いってもらったばかりじゃん。どうしたの?」 「うん、今日はほんとに嬉しかったよ。浩ちゃんの顔見れて…」 「ああ、僕も祐ちゃんの少し痩せてたけど、明るい声聞けて安心した よ」 この後に、沈黙の間が何秒かありました。 「どうした?祐ちゃん…」 「うん、ごめん。…浩ちゃんの声聞いたら胸詰まっちゃって。…俺ね… 実は癌なんだよ」 「えっ?何だって?」 「腸閉塞もなんだけど…ほんとは膵臓癌なんだ。それもステージ4に近 いステージ3。…こちらの遅い桜が見れるかどうか…」 「な、何だよ、急に。どうしている時にいってくれなかったの?」 「浩ちゃんの明るい顔久しぶりに見れて、何だかいいそびれてしまって ごめん。…あ、浩ちゃん、ごめん。母ちゃん戻って来たから、もう切るな。 ありがとう…」 そういって携帯は相手側から一方的に切断されました。 タクシーももう駅に着いたので、僕は慌てて降り、こちらから何度もか け直したのですが、一度も繋がることはありませんでした。 僕はもう一度病院に戻ろうかとも思ったのですが、友人の浅野のわざわ ざ携帯での告白の気持ちを思うと、足は後ろには向きませんでした。 そういうことがあっての、座席での僕の深い溜め息でした。 新幹線は舞い降る雪の中を、ほとんど音も立てないまま疾駆していまし た。 何か全身に得体の知れない重さと、やるせなさだけが残ったような長い 旅だった気がしていました。 温泉旅館で加奈子と二人で朝を迎え、彼女の運転する車で大粒の雪の降 る中を、昨日、彼女に迎えに来てもらった信越線の水原駅まで送ってもら いました。 その途中のコンビニの駐車場に加奈子は車を止め、 「お願い、三十分でいいから、もう少し一緒にいさせて…」 と赤い手袋をした両手を顔の前で合わせて、可愛げに懇願されたので、 「いいよ、僕ももう少し加奈子の顔を見ていたいから」 と笑顔でいって片目を瞑ってやると、 「嬉しいっ」 と彼女は運転席から身を乗り出すようにして、僕の肩に抱きついてき ました。 朝方には降っていなかった雪が、また深々と降り出してきていました。 加奈子は車を降りて、コンビニで温かいコーヒーを買ってきてくれま した。 「昨日いわなかったけど、私…二日ほど前から阿賀野市内のビジネス ホテルに泊まっているの」 可愛い唇を窄めて熱いコーヒーに息を吹きかけながら、加奈子が呟く ようにいってきたので、 「どうして?」 と理由を聞くと、 「お祖母ちゃんがね、お金出してくれて、もうここにはすまなくてい いって…」 と彼女は応え、 「都会に行くまで、ホテル住まいしてたらいいって…加奈子に辛い 思いをさせたのだから、こんなものではすまないけど、ぜひそうしろ って、泣きながらお金渡してくれたの」 そう言葉を続けました。 大粒の雪が見る間に、車のフロントガラスに積もり出していました。 「いいお祖母ちゃんだね…きっと優しくて綺麗な人なんだろうな」 「旅館で仲居をしてた若い頃には、結構有名な美人だったらしくて、 何度か芸者さんになればって誘われたらしいわ…」 「会ってみたかったね…」 「浩二さん、年上の人が好きみたいだから…あ、ごめんなさい」 加奈子が何を指していっているのかは、すぐにわかりましたが、 「そうだね…年上の人好きだけど…でも、若い加奈子も今は好きだよ」 と僕は冗談めいた言葉を返して、また片目を瞑ってみせました。 まだ何ヶ月か前の、病院のベッドで義母と抱き合っているところを、看 護師だった加奈子に見られたのが、随分と昔のことのような気がしていま した。 「私、亜紀子先生に、前にこちらへ帰ったってメールしたんです…」 「ああ、そうみたいだね。聞いてるよ」 「まぁ…先生、私たちのこと知ってるのかしら?」 「うん、前に一度、僕から少しだけ話したことあるけど…ここへ来る時 にもね、やんわりとだけど釘刺されてるんだ、ほんとは」 「まぁ、どうしましょう?」 「まぁ、余計な心配させるのもあれだから、僕もだけど…君も黙ってた ほうがいいんじゃない?」 「そうね…そうします。でも…」 「でも何?」 「ごめんなさいね。もし浩二さんとまだ続いているんだったら…私、亜 紀子先生に少し嫉妬しちゃう」 「そんなじゃないさ…」 雪ですっかり視界のなくなったフロントガラスに目を向けて、僕は加奈 子に切ない嘘をつきました。 「ごめんなさい、何度も。そうだ、私、明後日くらいにはもうこの新潟 を出ますから…」 「ああ、そう。住むところなんかは決めたの?」 「ネットで探しました。…ご心配なく。浩二さんのお家から随分と離れ てますから。…だって近いと私までが毎日苦しくなりそうだから…」 加奈子はいつもの快活な声でそういって、僕に無理におどけたような顔 を向けてきていきました。 それから昨日、加奈子に迎えに来てもらった水原駅で、今日は加奈子と の別れの時を迎えたのです。 加奈子は車を降りて、改札口まで見送りに来てくれました。 別れ際に加奈子が差し出してきた手袋を脱いだ手を握り返してやると、 「向こうで会える日を、ずっと待ってます。…私、負けませんから」 …といって強い視線を僕に向けてきました。 新潟までのローカル電車の中で、加奈子が別れ際にいった言葉を思い出し、 僕は何かやるせない物思いに耽っていました。 彼女は多分、これからの苦難にも負けないといったのだと思いますが、僕 に投げつけてきた強い視線には、また違う意味合いがあったのかもと、僕は 妙な邪推に囚われていました。 もしかしたら、加奈子は僕と義母の関係を指して、自分の意思を告げたの かもという思いでした。 加奈子がまた同じ街に戻ってくると聞いた昨晩にも、僕の心の中に過ぎっ た不穏な予兆らしきものが、もうこうして早速に具現化してきていることを 感じていました。 加奈子のほうに僕という、保身にばかり走る身勝手な男を見限るという思 考は欠片もないのは明白でした。 だとすれば僕のほうから、多少の強引さを持ってでも彼女を見切るしかな いのでしたが、ここでもまた自分の優柔不断さが表に出てきて、何の決断も できないでいるのが実情です。 しかも僕自身の今が、なさぬ関係を断ち切れないでいるどころか、逆に日が 経つにつれ、離れがたい思慕が増幅するばかりの状況に陥ってしまっています。 肝心要の部分から逃避していて、都合のいい打開策など思い浮かぶはずはあ りませんでした。 詰まるところは、全てが中途半端なままの流れにまかせるしかないのか? これまでの自分の生き方は、どちらかというと何事においても慎重居士で安 全に穏やかに生きるというのが、僕なりの処世観でした。 非常識で危険なことは、当然のように関わりのないように避けて通ってきて いました。 しかし現実の今の自分は、明らかに一触即発的な危険な境遇に、自らの意思 ではどうすることもできずに、この身を浸らせてしまっています。 何事にも慎重なはずだった僕でしたが、義母、加奈子、妻の由美を含めると、 三人の女性に僕一人が糸を縺れさせるように絡み、その場凌ぎ的に虚構に近い 愛を振り撒いている…そんな風に思えるのでした。 列車はすでにトンネルだらけの地域に入ったようで、暗くなった窓に顔を向 けると、自分でもわかるくらいに萎れた覇気のない顔が映って見えました。 ふと、僕の頭の中に、中島みゆきの「糸」の歌詞フレーズが浮かんできてい ました。 縦の糸はあなた、横の糸は私…。 今の自分の周りには、紡ぐのが難しい斜めの糸が何本か錯綜しているのは明 白でした。 この北国への旅も、加奈子のこちらでの新たな再起を確認して、安堵して彼 女の幸せを願えたらという、都合のいい魂胆みたいなものを僕は心の中であわ よくばと期待していたのです。 そんな僕の身勝手な淡い期待は、加奈子の祖母と叔父の、三人の血族の間の 爛れた肉欲関係を聞かされて、脆くも雲散霧消し僕はただ驚愕の境地に引きず り込まれただけでした。 加奈子の叔父と祖母がどういう性格の人物なのか知る由もないことですが、 雪国のおそらくは過疎に近い田舎で、七十四歳の母と五十を過ぎた息子が、不 条理な肉欲関係を続けている情景の生々しさは、過度に卑猥な妄想力を働かせ 過ぎた僕自身の愚かさもあるのかも知れませんが、心に受けた衝撃は決して小 さくはないものでした。 さらにそこに姪であり孫娘になる加奈子が、図らずも複雑に絡んでしまった ことは、僕の驚愕を一層増幅させたのはいうまでもないことでした。 そんな醜悪非道な環境の中で、加奈子の幸せを願うこと自体があり得ない話 で、彼とは女が一度は逃げ延びた北国の街を出ることは、至極当然の結論なの でした。 深い傷心の加奈子に、もっと違う場所に行けば?とは、さすがに保身的な僕 にもいえない台詞でした。 加奈子が同じ街に戻ったら、また大きな波風がきっと立つだろうと、という 予感以上のものを、僕は心密かに感じていました。 やはりこの旅で加奈子に会った時、僕ははしたない欲情に負けることなく、 もっと毅然とした態度をとるべきなのでした。 例え加奈子に深い恨みを買うことになるとしても、はっきりと別離の宣言を 自分はするべきだったという悔恨だけが残っていました。 そういうことからして、自分が今置かれている立場の危うさを、僕はつくづ くと思い知り、痛感させられていました。 そして病に伏す友からの、あまりに悲劇的過ぎる衝撃の告白。 車窓の外の景色を真っ白に染めている雪とは真逆に、どす黒く澱み荒んだ自 分自身。 何とも重きに過ぎた旅の終わりに、僕の脳裏に浮かんだのは、妻の由美では なく、義母の亜紀子の顔でした。 矢も盾も堪らぬ思いで、僕は携帯を手に取っていました。 帰宅の時間を由美と義母の二人に、同じ文言でメールした後、義母にだけ引 き続いて、 (亜紀子、疲れた旅だった) と追伸的に書き足し送信しました。 ほどなくして由美からは、 (了解、お疲れ様。私は明日がバレーの練習試合があるのと、今夜も同僚と の食事会で、あなたのお迎えできないけど、ゆっくり休んでて) という絵文字を駆使した返信があり、少し遅れて義母からも返信がありまし た。 (何かあったの?) たったそれだけの短い文言でしたが、僕には義母の案ずるような愁いのある 顔が、携帯の小さな画面にありありと映り出ているように見えました。 僕の左手の親指は、また即座に目まぐるしく動いていました。 (見舞いに行った友人がね、重度の癌なんだって…。病室にいる時にいわず に、僕が駅に向かった時に携帯でいきなり告げてきたんだよ。僕は戻れなかっ た…) 加奈子とのことは、さすがに書くことはできませんでした。 (あなたの同級生ならまだお若いのに、お気の毒ね…) (病院に戻れなかったのは、何か、のんべんだらりと生きている自分が恥ず かしかったからかも知れない) (恥ずかしいのは私。あなたを苦しめている…) (早く帰って亜紀子を思い切り抱きたい!) その文言をうった後、義母からのメールが途絶えました。 いつの間にか車窓の外の景色が一変していて、真っ白な雪景色がどこかから 消え、薄暮の市街地の光景が長く続いていました。 新幹線を下車する少し前、唐突に義母からのメールが届きました。 (あなたを苦しめているのは…やっぱり私。でも離れられない。ごめんなさ い…) あれほど重きに過ぎた旅に落胆していた僕の心に、いきなり閃光のような明 るい光を注ぐ義母からのメール文でした。 何となく陰鬱な気持ちでいた今の僕が一番欲しかった、義母からの言葉でし た。 寒い雪国で冷やされた僕の身体の中の血液が、一気にほの温かく和んできて いました。 (間もなく新幹線下車予定。明日は日曜日) (お気をつけて…) 新幹線を下車し私鉄を乗り継いで、終点駅からタクシーで家に辿り着いたの は、あたりがすっかり暗くなった七時前でした。 玄関のチャイムボタンを押すと、中のほうで小さな足音が聞こえ、ドアが開 いて小柄な眼鏡姿の義母が、白い歯を見せて立っていてくれました。 「おかえりなさい…」 襟の大きな白いタートルネックのセーターに濃いグレーのカーディガンを羽 織り、厚い布地の色の濃い長いスカート姿に、僕はただいまをいうのも忘れ、 少しの間うっとりと見とれたように玄関口に立ち竦みました。 「寒かったでしょ?」 理知的な赤い唇と、綺麗な歯並びの中から出た義母の何気のない言葉にも、 僕の心はひどく感動していたのです。 「あ、ああ…ただいま」 ようやく我に返ったように、慌てた素振りで言葉を返した僕を義母は少し不 思議そうな顔をして見ながら、 「由美から連絡いってるでしょ?二人だけのお鍋よ」 とそういってダイニングのほうに戻っていきました。 暖房の効いた明るいダイニングに入ると、玄関では感じなかった何か懐かし い愛着のある匂いが、食卓の上で湯気を立てている鍋の匂いと相俟って僕の鼻 腔を心地よく擽りました。 「ビールか何か飲む?」 と冷蔵庫の前に立つ義母が声をかけてきました。 「あ、ああ…うん」 まるで他人の家に来ているような戸惑いぶりで、僕はまた頓珍漢な返答をし ていました。 「どうしたの?おかしい…」 ビール瓶を手にした義母が、本当に可笑しそうな笑顔を見せて近づいてきて いました。 「今日は由美もいないから、隣りに座っていい?」 色白の顔をかすかに朱に染めながら、義母は少し気恥ずかしげにいってきま した。 「あ、ああ…そうして。亜紀子の側で美味しくビール飲みたい」 僕はどうにか平静を戻してダウンジャケットを脱ぎ、椅子に座り込みました。 いつもは由美が座る椅子に義母は少し恥らいながら座り、僕に冷えたビール を注いでくれました。 あまり飲めない義母でしたが、私も少しだけ、とはにかむようにいったので ビールを注いでやり、取り敢えず僕の無事の帰還をということで、笑顔で乾杯 をしました。 「お友達、お気の毒ね。癌って…?」 「うん、膵臓癌っていってたけど…」 「お若いのにね…ご結婚は?」 「まだしてなかった…」 コップ半分だけのビールで義母の顔は朱色から、熟した柿色のように赤く染 まっていました。 鍋は僕の好きな味噌鍋でした。 「昨日のテレビでは新潟のほうはひどい大雪だっていってたけど、大丈夫だ ったの?」 「うん、雪はすごかったよ。でも街歩いてる人たちは、こちらが騒ぐほど気 にしてない感じだったね」 「そう、私は身体小さくて細いから、寒いところは骨身に凍みるから住めな いわ。この前の日光でも寒かったもの」 「雪は多かったけど、寒さはそうでもなかったなぁ」 そんな他愛のない会話が続いた途中でした。 僕がうっかり手を滑らせ、持っていたレンゲを床に落としてしまい、それを 拾おうとした僕と、一緒に動いた義母の身体が同時に前屈みになって、肩と肩 がぶつかり、そのはずみで彼女が身体のバランスを崩したので、僕が手で支え ようと抱き止めたのです。 片方は義母の腕を、そしてもう一方は彼女の胸に当たっていました。 思わず二人は顔を見合わせ、義母のほうから離れようとしたのを僕が腕を掴 んだまま離そうとはしませんでした。 義母の胸に添え当てた手もそのままにして、僕は義母の顔に視線を向けまし た。 義母の乳房の小さな膨らみの感触が、僕の手に服地を通して柔らかく伝わっ てきていました。 見合わせた義母の眼鏡の奥の切れ長の目が、激しく泳ぎ戸惑っているのがわ かりました。 そのまま義母のか細い身体を引き寄せるようにして、椅子に座った自分の太 腿の上に載せると、改めて両腕で彼女を強く抱き締めました。 「お、お鍋があるから、危ないわ…」 そういって義母は、まるで小さな子供がむずかるように肩を揺らせてきまし たが、それほどに強い拒否反応ではありませんでした。 「亜紀子…キスしたい」 僕の顔のすぐ下に、恥ずかしげに怯えた表情の義母の小さな顔があり、僕が そういうと、 「何か向こうであったの?」 と鋭い問いかけをしてきたのでした。 「何もないさ。…どうしてそんなこと聞く?」 「メールでも疲れたって…」 「新潟は新幹線では近くなってるけど、やっぱり空気も何もかもが違う。降 っていた雪のせいだけじゃなく、とても遠いところへ来たと思った…」 「お友達のご不幸以外にも、あなたに何かあったのかしらって…」 「亜紀子が夢の中でも、とても遠かったよ」 「夢、見てくれたの?」 「どうかな?…キスしたい」 そういった後、僕は義母の顔に顔を近づけていきました。 唇と唇が触れ合う寸前に、義母が小さく吐いた息の匂いが僕の鼻腔をまた心 地よく刺激してきました。 閉じられた唇の中で、義母の歯の奥に潜んでいた小さな舌を、僕の舌が素早 く捉えました。 しばらくすると義母の腕が、僕の首筋に巻きついてきていました。 椅子に座ったままでの、僕と義母の抱擁は長く続きました。 義母の舌を飽きることなく弄びながら、僕は頭の中であらゆる思考を錯綜さ せていました。 このまま義母を彼女の寝室まで連れ込んで行こうかとか、居間のソファの上 でとかの不埒な思考が走り巡っていました。 しかし、好事魔多しという言葉がここで適切なのかどうかはわかりませんが、 僕の携帯のメール着信音が唐突に鳴り響いたのです。 それも妻の由美専用の着メロでした。 慌てて開くと、同僚との食事会が早く済みそうなので、後一時間ほどで帰宅 するという連絡でした。 少しの間を置いて、義母の携帯にも由美からの同じ内容のメールが届きまし た。 「やっぱり今日はこんな一日だったんだな…」 と僕は独り言のように小さく呟いた後、 「僕たちの楽しみは明日だね?」 と義母のほうに目を向けていって、苦笑いを浮かべました。 そう遠くない内にこの街へ戻るといっていた加奈子との、微妙に中途半端な 別離があり、友人からの悲し過ぎる告白を聞かされたりで、かてて加えて待ち 望んだ義母との抱擁にも水を差され、何ともほろ苦いやりきれなさの残る一日 だったような気がしました。 「お風呂入れてくるわね…」 少し乱れかかっていた身なりを整えるようにしながら、義母はダイニングを 出て行きました。 何か本当に憤懣やる方のない、僕の一日が過ぎようとしていました…。 続く (筆者付記) 旅情編を終わらせ、完結編に向けての、もう一山二山の難題が、浩二と義母の 間に生じますので、それから…というサブを補足してもう少し頑張らせていた だきますので、よろしくお願いします。 何分病み上がりの身であり、時に遅筆する場合もあるかも知れませんが、どう かご容赦願います。 これからもたくさんの方の、ご批評ご指摘にも十分に傾聴していきたいと考え ていますので、またご意見なりご感想もお願いいたします。 筆者 浩二
2015/11/17 01:13:28(atUuUJ8o)
投稿者:
無名
加奈子は、コウジと交わる亜紀子を垣間見て、女の嫉妬心
から一方的な愛へと移ったのか?はたまた誤認したのか?
15/11/19 00:25
(IHngdjyR)
投稿者:
kkk
続編を有難うございます。
新スレにした事で、過去スレが流れて良かったと思いましたが・・・。 >何分病み上がりの身であり 現在体調がすぐれないようですが、お体大事に。 亜紀子さんの様子が出てくると読んでいて安心感というか、更なる期待が膨らみますね。 前にも書かせて頂きましたが、終わらせて欲しいとは思っていません・・・朝起きたら、新たな投稿があるかな?という期待感がなくなりますので。 日記的でも良いと思っていますので、亜紀子さんとの生活感のある様子を継続してほしいです。
15/11/19 06:09
(81EX9phh)
投稿者:
風来坊
私の友人は教員夫婦でした。
その友人から聞いた話ですが、教職員は職場内の 恋愛が多く、婚姻外恋愛(不倫)も驚くほど盛んだと。 友人もご多聞にもれず数十人との経験者だそうです。 ところが、その友人の奥様(小学 教諭)も、同僚教諭と、 かなり以前から、深い関係だったことが判明したそうです。 コウジさん、奥様の由美さんはバレー部の顧問とか、何か と忙しそうですが、大丈夫なのでしょうかね。妙に気になります。
15/11/19 17:01
(M5c01O.q)
投稿者:
(無名)
次回作今か今かと待ってます 。楽しみです
15/11/23 11:41
(zXJk9NLV)
投稿者:
コウジ
翌朝の十時過ぎ、僕がいたのは義母の寝室の布団の中でした。
由美は早朝からバレーの練習試合の付き添いで出かけ、義母も町内会の配り 物があるとかで、九時過ぎに外出してました。 前夜、由美が帰宅する前に、僕のほうから義母には、室の布団は畳まずに敷 いておくようにいってあったのです。 九時前にパジャマ姿のまま、寝ぼけ眼でダイニングに降りると、義母が忙し なげに僕の朝食の用意をしてくれてました。 「食べたらお皿だけ流し台に置いてね。…お布団は敷いてあるから」 僕がトーストを頬張っている時に、義母は慌てて出かけていきました。 コーヒーを飲み終えて義母の寝室に入ると、暖房が緩く効いていて、中央に 義母が朝まで寝ていたはずの布団が整然と敷かれていました。 中に潜り込むと、義母の残り香が鼻腔をつき、もうそれだけで僕の下半身は 微妙に疼きかけてきていました。 義母の帰宅は昼前くらいになるとのことでした。 頭の上あたりにある机に目をやったところで、ふと僕はあることを思いつい て、布団から身を起こしました。 机の引き出しに手をかけ、義母の日記の青い大学ノートを数冊取り出しまし た。 最初に見開いたのは直近の日記で、一昨日の金曜日に書かれたものでした。 …このところずっと熟睡できない日が続いている。 体調的にどこか不具合でもと思うのだが、これといって体感的に思い当たる こともない。 歳を重ねると一般的に睡眠時間は短くなるというのは、あながち嘘でもなさ そうだ。 昼過ぎに町内会長から電話が入る。 用件は日曜日の配布資料(ゴミ収集日変更等)の内容の確認ということだっ たが、わざわざ私に連絡をくれるようなことでもないのに、と思いながら話を 聞く。 案の定、配布資料の件は早く済んだのだが、そこからが個人的な内容になり、 また一度改めてゆっくりと会える時間を作ってほしいと懇願を繰り返される。 何度いわれてもその気持ちはないのでと固辞し続けていると、彼が急に声を 潜めるようにして、 「中学教師をされてるあなたの娘さんの件で、少しお話したいこともあるの で…」 と唐突に切り出してきた。 思いも寄らない町内会長言葉に、一瞬、私の気持ちは動揺し動いたが、中学 教師の娘と彼の間に接点などあるはずはないもないと思い、私は取り合うこと なく自分のほうから電話を切った。 おそらくは私と会うための、町内会長の出任せの口実だと私は踏んだのだ。 現に町内会長からの電話はそれきりなかった。 室の掃除と整理をする。 するといつも気になるのは、箪笥の隅に置かれている紙袋。 そういえば浩二さん、今、遠い新潟。 お友達のご病気見舞いとか。 どこに泊まっているのか、少し気がかり。 誰にでも優しすぎる彼。 もしかして…。 私の眠りの浅さの原因は、身体の問題では間違いなくなさそうだ…。 町内会長と義母のやり取りで、まだ今も彼が義母に執着しているのがわかり、 老いらくの恋の執念深さを知らされたのも、僕には驚きの一つでしたが、唐突 に妻の由美の話が出たのが、何よりも第一な気がかりでした。 由美のことで町内会長の小村から義母に、一体何の話があるというのか? 義母のいう通りで、二人の間に接点などどこにもあるはずはないのです。 話のニュアンスとして、おそらく良からぬ話の類いと推測できますが、元教 師の母親譲りの生真面目さで、教職の仕事に精魂を傾けている由美に、よもや の間違いなどあるはずがないと僕も思うのです。 義母の日記の最後の件りあたりは、僕の新潟行きを書き記していましたが、 これも僕にすれば薄氷的というか、背筋に冷や汗か脂汗でも伝い流れそうな文 面でした。 女の勘の鋭敏さというものを、心ならずも僕は痛感させられました。 気を取り直し、僕はまたページを繰りました。 一ヶ月ほど前の日付のところで、僕との熱い絡みが書かれていそうな箇所が ありました。 時計を確認してから、僕はそのページに目を集中しました。 …土曜日の夕食後の居間。 珍しく部活から早く帰った由美と浩二さんの談笑し合う声が、流し台に立つ 私の耳に聞こえてくる。 普通にどこにでもある家族の団欒の場だ。 そんな当たり前の光景に、気持ちが何故か穏やかにできないでいる自分に私 はふと気づき、そして心の中でそのことを深く恥じた。 嫉妬とまではいえない気持ちの動揺に、私はただ怖れ慄いた。 娘のいない今日の昼間、あれほどに激しく私を愛してくれた浩二さんが、居 間のソファで由美と声を出して屈託なく笑い合っている。 どこにもぶつけようのない愚かな憤懣が、自分の心の中に湧き上がってきて いることに気づき、慌ててその愚かしく情けない思いを否定しようとする私。 ダイニングのテーブルに座り、新聞を読むふりをしながら、変にざわつく心 を鎮めようと、私は小さな活字に目を傾注した。 それでも頭の中に浮かんでくるのは、浩二さんとの昼間の恥ずかしく燃えた 情景だった。 新聞の活字が飛び飛びにしか見えないまま、私は昼間の出来事を恥ずかしく 思い起こしていた。 午前中、珍しく?仕事で出勤していた浩二さんが帰宅したのは、午後二時前 だった。 由美は部活に出かけていていない。 室で机に向かい町内会の会計整理をしていた私の耳に、外で車の止まる音が 聞こえ、玄関のドアの開く気配を感じ、電卓を叩いていた私の手が止まり、自 然に心がざわつくのがわかった。 朝、彼が仕事に出かける前、ダイニングでいきなり背後から、私を抱き締め てきた。 両脇の間を抜けた浩二さんの両手が、私の胸を強く捉えてきた。 「あっ…」 と短い声を上げて首を後ろに振り返らせると、背の高い彼の顔がすぐ上にあ った。 抗う間もなくいきなり唇を重ねられた。 強く抗えない自分が、もうそこにいた。 重ねられた口の中で、浩二さんの強引な舌に、私の舌はただ翻弄されるばか りだった。 セーター越しに乳房にも、浩二さんの手が這っていた。 胸をまさぐってきている彼の手の荒々しさに、私の乳房は痛いくらいにもう 疼いてしまっていた。 「昼過ぎには戻れるから、室に布団を敷いておいて」 立って抱き竦めたまま私の唇と乳房を堪能した彼はそんな言葉を残して、間 もなく出かけていった。 残された私は半ば放心状態になったように、近くの椅子に倒れ込むように座 った。 そして時間が経過し、冷静さを取り戻した私の心を苛んでくるのは、またし ても深い慙愧と悔恨の思いだった。 去年の十月の、あの風雨の中の山小屋での、予期せぬ深い過ち。 悔やんでも悔やみ切れない間違いを、私と浩二さんは罪深くも、あの日一度 だけの悔恨とできず、今日のこの日まで引きずってしまっているのだ。 でも彼を責める気持ちは、私には微塵もない。 若い浩二さんの倍近くも歳を重ねている、女としての自分の愚かさを恨み、 自身の理性の脆弱さを呪うしかないのだ。 今と同じで彼に抱かれると、義理の母という自分の立場も、六十を過ぎている 年齢すらも、まるで波打ち際の砂山のように脆く崩れ忘れ去ってしまう。 自分一人しかいなくなった家の中で、私は何かを払拭するかのように、家事仕 事に遮二無二動き回った。 そうして室の机に向かい、町内会の会計処理にも没頭していたのだ。 それが浩二さんの帰宅の気配を感じただけで、まるで若い女性のように、胸が もうときめいてしまっていた。 目を下に向けると、自分で敷いた布団が見えた。 廊下を歩いてくる浩二さんの足音に、私の身体に動悸が生じ、震えるように竦 んだ。 襖戸が開きブルゾン姿の浩二さんが見えた。 「亜紀子、遅くなってごめん」 「おかえりなさい…」 私もだったが、彼の声も変に上ずっているのがわかった。 私が椅子から立ち上がろうとした時、浩二さんはもうすぐ目の前にいた。 片腕を掴まれ引き込まれるように、私は彼の胸の中に抱き竦められた。 躊躇いの気持ちが私の気持ちの中にかすかに残っていたのか、包み込まれた腕 の中で、小さく拒絶の仕草をした。 そんな私にかまうことなく、浩二さんの唇が私の唇に素早い動きで襲いかかっ てきた。 そして重なった口の中で朝と同じように、私の舌はすぐに浩二さんの荒々しい 舌の餌食となった。 抱き合ったまま二人の身体が布団に倒れこむ。 唇を塞がれたまま、スカートのホックを外される。 彼の手がいきなり私の下腹部に伸びてきた。 ガードル越しに股間を強くなぞられる。 唇が離され私が大きな息を吐いている間にも、浩二さんは休むことなく動き、 ガードルとストッキングとショーツまでを一気に脱がされてしまう。 下半身だけを裸にされ、私は狼狽え慌てて両手で前を覆った。 浩二さんの動きは止まることなくまだ続いた。 私の身体の下に廻り、強く閉じていた両足を、左右に強引におし開いてきたの だ。 「ああっ…い、いやっ」 私はさらに慌てて、彼の力に対抗して足を閉じようとしたが、若い男の人の腕 力の前では徒労にしか過ぎなかった。 大きく割られた足の間に、浩二さんの顔が素早く潜り込んできていた。 手で必死に塞いでいた股間の頂点に、彼の鼻先が押すように当たってきていた。 「亜紀子、手をどけて」 下のほうから浩二さんの声が聞こえてくる。 彼の鼻先がそれを催促するように、私の手に何度も触れてきた。 やがて私は浩二さんにいわれた通りに、隠していた部分からゆっくりと手を動 かせていた。 彼に間近で見られている。 そのことを意識して私は恥ずかしさに、全身が自分でもわかるくらいに熱く火 照った。 「ああっ…」 とまた私ははしたなく声を上げた。 浩二さんの若い弾力のある舌が、無防備になった私のその部分に、突き刺さる ように強く押し入ってきたのだ。 下のほうから掬い上げるように、浩二さんの舌が露骨に、私のその部分をなぞ ってきた。 堪えようのない強い快感が、私の全身を一気に襲った。 心の奥底のどこかで待ち望んでいたような、それは快感だった。 それからの私は、もう彼のなすがままの女になっていた。 布団の上で激しく身を捩じらせ、恥ずかしい喘ぎ声を幾度となく上げさせられ、 彼の舌の愛撫を長く私は受け続けた。 その後、浩二さんが私から離れたかと思うと、真横に仰向けになった。 彼の手が私の頭にそっと触れた。 それだけで浩二さんが何を求めているかを私は察する。 彼はまだズボンを穿いたままだった。 身体を起こし、彼のズボンのベルトに手をかける私。 露わになったストライプ柄のトランクスの布地の一部が、三角に盛り上がって いるのが見えた。 布地の膨らんだ箇所に手を添えると、彼の固く屹立したものの感触が布越しに はっきりと私の指に伝わってきていた。 もうその時の私に躊躇いの思いはなく、浩二さんのトランクスを両手でゆっく りと下に降ろした。 彼の男性自身が跳ねるように私の目に飛び込んでくる。 浩二さんの肌の色よりも少し色濃い屹立に向けて、私は彼からの指示を受ける ことなく自らの意思で顔を近づけ、唇をそっと添え当てた。 そういう行為に対する嫌悪感は、私の心の中には微塵もなかった。 あるのは彼が期待し悦ぶ行為に専念しようという重いだけだった。 低俗感も下劣感も何もなく、私は彼のものを愛することに没頭した。 間もなくして浩二さんが徐に動き、私の身体を仰向けにしてきた。 両足を高く持ち上げられ、そのまま私の股間に彼の股間が密着してきた。 浩二さんの先端が私の部分を捉えたかと思うと、そのままいきなり突き刺すよ うに腰を前に動かせてきた。 「ああっ…こ、浩二さんっ」 強烈過ぎる圧迫感に私は忽ち打ちのめされ、一瞬、意識を失いかけそうになっ た。 「亜紀子…」 という彼の声が、随分と遠くから聞こえたような感じになっていた。 「亜紀子の…すごい」 「ああっ…いいっ…いいわ」 息が止まりそうになるくらいの快感を伴った圧迫感は、それから絶え間なく続 き、私は瞬く間に忘我の境地に陥っていた。 これまでに誰に抱かれた時にも感じなかった深い愛情の籠ったような、身体と 身体の密着だと、その時の私は本心から思った。 ずっとこのまま彼に愛されたいと、私はそこではっきりと思った。 同時に彼をずっとこのまま愛したいと私は思った。 「こ、浩二さん…す、好きっ」 「ああ、亜紀子…僕もだよ」 浩二さんの顔が私の顔の間近にきていた。 唇が強く重なり、彼の舌がまた私の口の中で躍動し、彼の唾液が私の喉を流れ 落ちるのを私は体感した。 私の両腕が彼の首に強く巻きついていた。 浩二さんの腰の律動は止むことはなかった。 このまま死ぬまで続けていてほしいと、はしたなくも私は真剣に願った。 義理の母と婿という意識は、いつからか知らぬ間に、少なくとも私からは完全 に消失していた。 三十以上の年齢差も私は完全に忘れ、欲情に溺れきった牝犬のような気持ちに 陥ってしまっていた。 「ああっ…も、もう…浩二さん…私」 「私がどうした?」 「き、気が狂いそう…ああっ」 「そんなに気持ちいいの?亜紀子」 「え、ええ…ほ、ほんとよ…ほんとに気が狂いそうっ」 「狂えばいい…狂った亜紀子が見たい」 「い、いじわる…ああっ…もう、だめっ」 身体の奥底から絶え間なく湧き上がってくる快感に、私の意識が遠のきかける のを見計らうように、浩二さんは腰の律動を微妙に操作してきて、動きに強弱を つけたりしてくるのだ。 そうして長い時間、私は若い彼に翻弄され、年甲斐もなく身を焦がされて遂に は夥しい迸りを体内深くに浴び、絶頂の極地を迎えさせられたのだった。 この人を私は愛してしまっている…私は意識を失くす寸前に心底からそう思っ た…。 大きな息を二度三度吐いて、僕は義母の日記から目を離し、取り出した数冊を また机の引き出しの中に戻しました。 義母の布団の中にまた潜り込むと、僕の胸の中に色々な思いが錯綜して浮かん できていました。 あの山小屋での出来事から、今読んだ日記はまだ三ヶ月も経っていない頃に、 義母は僕に対してもうそこまでの感情を持っていてくれたことに、驚きと同時に 少なからぬ感動みたいなものを感じ、妙な面映さのような思いと嬉しい気持ちが 内心から湧き上がってきていました。 この先がどうなっていくのかは、僕自身にもよくはわかってはいません。 わかってはいませんが、少なくともハッピーエンドの世界は望めないのは、僕 は覚悟していなければならないということは明白でした。 今の自分にその覚悟があるのかどうか?…正直、そのことから今も僕は逃避し ているのが現状のようです。 しかし、男と女の間に生ずる愛の感情というものの、千差万別さや奥深さとい うものを、この数ヶ月で僕は身を持って体験し思い知らされているのも間違いの ない事実です。 妻の由美への愛、義母への愛、そして若い加奈子への愛。 三つの愛のどれにも、僕自身は欺瞞はないと断言はできるのですが、それらが 蜘蛛の糸のように絡んでくると、僕の不明晰な頭脳と身勝手な感情では解決しき れない問題が生じてくるのです。 そこでまた僕の不明晰な頭脳は、将棋の千日手みたいな堂々巡りになり、思考 が止まります。 そのことから逃避しようとする僕の愚かな頭に浮かぶのは、彼女たち三人の女 としての個々の魅力なのです。 妻の由美の豊満といっていい乳房の膨らみ、若い加奈子の弾力性のある滑らか な肌、そして義母の何といっても年齢を超越しきった白く澄み切った艶やかな肌 の感触。 今こうして義母の布団の中に身を沈めている分だけ、また今しがた読んだ彼女 の日記の熱情的な文章を目の当たりにした現時点では、間違いなく義母への愛が 他の二人より勝っているのは、単純な僕の頭の中では明確な事実でした。 何よりももう一時間もすると、義母はここに帰ってくるのです。 義母の布団から醸し出される女の匂いに、僕はまるで少年のように心を熱く躍 らせながら、大きな息を何度も吸っては吐き、吐いては吸いながら彼女の帰宅の 時を待ちました…。 続く (筆者付記) 長らくお待たせしてすみませんでした。 病気休暇の煽りで仕事が山積し、出張ばかりしていましたので 申し訳ない限りです。 まだもう少し頑張りたいと思っていますので何卒よろしくお願 いもうしあげます。
15/11/25 03:06
(xqXGwAjy)
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