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1:義母・亜紀子
投稿者:
コウジ
(義家族との体験―義母・亜紀子より続く)
…青木との情欲を赤裸々に綴った義母の日記は、その 後、十日から二週間ほどの間隔をおいて生々しく書き記 されていました。 義母の日記から青木という男を想像すると、僕とはま るで異質の人物のようで、体型的にも無駄な贅肉のない 精悍さがあり、自分の強靭な身体能力と、普通人とは少 し違う事の善し悪しの判断能力を度外視したような、も っと動物的な感覚と感性で生き抜いてきているというし たたかさのようなものがあり、おそらく義母の精錬で聡 明実直な人生ではほとんど遭遇することのない、ある意 味、破天荒な人物のように思いました。 何となく決められた階段を一歩ずつ上がり、安心と安 全と安泰の道を、ただ無機的に生きてきていただけの自 分にはないものだらけのような、そんな男のような気が しました。 義母の日記から青木が発した言葉の一つ二つを抜粋し ても、彼が自分の感性と感覚だけで生き抜いてきてたと いうのが窺い知れました。 「なぁ、先生よ。その歳でも俺みたいな男に抱かれて 、あんた、いい気持ちだろ?男と女ってのはよ、理屈じゃ ねぇんだよ」 とか、 「あんた、さぞかし立派な教育を受けて、真面目一筋 に生きてきたんだろがよ、男と女の間で、これだけ本心 で気持ちよく楽しめるてこと知らねぇのも、一度きりの 人生でそれはそれで不幸なことだと思うぜ。先生は俺に 会えてよかったよ」 などという言葉で、不遜にも青木は元聖職者の義母を、 強靭な体力を活かした老獪な手練手管で、いとも短い期 間で屈服に追い込み、陥落させていたのでした。 義母が青木に初めて尻穴を犯されたのは、四度目の逢 瀬の時のようで、そのあたりの件は次の通りでした。 …青木に肩を抱かれ、いつものホテルのいつもの室に 入り、最初に私は彼の前に膝まづく。 青木のズボンとトランクスを脱がし下ろして、汗と男 の体臭の強く入り混じったものを口で愛撫するのだ。 そうしろ、という青木の命令だった。 そしていつものように丸いベッドに投げ出され、衣服 を乱暴に剥ぎ取られ、はしたない愛欲の行為に淫れ堕ち る。 あるところで、というよりも青木と二人でホテルの室 のドアを開けて入った時あたりから、私は自らの意志と 理性を失くし、愚かで淫乱な女になり下がり、はしたな くあられもない喘ぎの声を上げ、彼の背中にしがみつい ていくのだ。 女としての自分自身に、これほどに下品で卑猥な魔性 の心が潜んでいたことを、あろうことか自分を陵辱した 男によって知らされたのが悔しく哀しかった。 私はしかし、まだ決して全ての面で青木には屈してい ない、と強がりではなく心の中では思っていた。 少なくとも気持ちの中に、彼への思慕的な思いは断じ てなかった。 年甲斐もなく消え入りたいくらいに恥ずかしいことだ が、自らの意思とは関係なく、ただ動物の牝として屈し ているだけなのだ、といつも心の中で私は叫んでいた。 その夜も、私はベッドの中央で仰向けにされ、青木の 強いつらぬきを受けていた。 つらぬかれながら彼の肩にはしたなくしがみつき、ふ と目を開けると鏡張りの天井に、両足を淫らに開き、赤 黒く引き締まった肌をした男に覆い被さられている無様 な痴態を晒け出している自分がいて、愕然とした思いに なるのだった。 天井の鏡に妖しく無様に映る自分自身の痴態は、激し い羞恥と同時に、身体のどこか奥底にある熱い昂まりの 坩堝を刺激し、意思とは裏腹に青木の背中にしがみつい ていくのだった。 青木の身体が予告もなく不意に私から離れた。 昂まりくる快感に不覚ながらも酔い痴れようとしてい た私の身体を、青木はいとも容易く起こし、俯けに這わ した。 四つん這いの姿勢で、私は再びのつらぬきを受け、叫 び声のような咆哮を上げて、首を激しくうち震わせた。 と、腰の律動を続けながら青木の手の指が、私の臀部 の窄まりのあたりを不意になぞってきていた。 これまでにも一度もなかったことで、予期していなか った行為だった。 青木の固い指先が、私のその窄まりゆっくりとだが突 き刺そうとしてきているのがわかり、私は驚き慌て慄い た。 直感的に青木の魂胆がわかった。 臀部のその小さな窄まりは、排泄だけの機能と疑うこ とのなかった私だったが、最初に青木の指を感じた時、 思わず背筋に鋭く電流のようなものが走るのを感じたの だ。 「い、いやっ…」 私の慄きは頂点に達し、慌てふためくように前ずさり に青木から逃げようとした。 しかし私の逃亡は、青木の手でいとも容易く阻止され た。 「ああっ…」 青木のつらぬきを三たび受け、私は儚く声を上げて悶 えた。 もう逃れるすべはなく、私の窄まりへの指での愛撫も 続くこととなった。 唐突にひんやりとした粘液のようなものが青木の手で、 臀部の窄まりのあたりに塗り込まれるのを私は感じた。 それは乳液のような粘い感触だった。 「ああっ…だ、だめっ…いやぁっ」 青木の指の先端が私の窄まりの中に埋没してきたのが わかり、これまで以上の高い声を私は上げた。 急激に私を襲った、声を出さずにはいられないくらい の、初めての激し過ぎる体感だった。 ぬめぬめとした感触の中で青木の指が、私の窄まりを 出たり入ったりしているのがわかった。 全身を激しくうち震わせるような体感は長く続いた。 やがて青木の指が抜け、間髪をおくことなく、私の身 体をつらぬいていたものが、指の代わりに窄まりの先端 に突き当てられるのがわかった。 「ああっ…いやっ…い、いたいっ」 身体をを引き裂かれるような激痛が一瞬全身に走った。 まるで違う部分に青木のものが、強烈な圧迫感を伴っ て押し入ってきているのを私は実感させられていた。 そして私を襲った激痛は長くはなかった。 激痛のすぐ後に、生まれて初めての愉悦的な深い体感 が、私の身体をとって変わって支配していた。 恥ずかしいことだったが、堪えのようのない悦びだっ た。 「ああっ…お、犯されて…私、犯されてるっ」 あられもない言葉を私は叫んでいた。 「し、死ぬっ…死んじゃうっ…ああっ」 青木の腰の律動はまるで勝ち誇ったようにそれから長 く続き、私は意識をどこかで遠のかせていた。 そこまでを読み終えた僕の心の中に、ある思いが湧き 上がってきていました。 それは失望感に似たような感情でしたが、それはもし かして裏返していうと、青木という会ったこともない男 に対しての、僕の嫉妬心だったのかも知れません。 今朝、義母を車に乗せた時の妙に嬉しかった気分が半 減したような気持ちになり、もう続けて義母の日記を読 みたいという気持ちが何故か失せていました。 何となく白けたような嫌な気分になり、室を一度出よ うとしていた時、義母の机の上に置いていた携帯がけた たましく鳴り響きました。 着信メロディで、それが義母からだというのがすぐわ かりました。 「もしもし、浩二さん?」 僕の不埒な行いを何も知らない、朝の車の中と同じよ うな明るい義母の声でした。 「亜紀子、どうしたの?」 嫌な日記を読んだ気分のままの声で聞くと、 「雨が急に降り出してきてね、バザーが中止になった の。もう少しで片付け終わって、お昼には帰れるわ」 まるでバザー会場にいるよりは、僕と一緒にいるほう が嬉しいといわんばかりの、無邪気で浮き浮きとしたよ うな義母の声でした。 ある考えが咄嗟に僕の頭に浮かびました。 「すぐに迎えに行くよ、亜紀子。外で一緒にご飯食べ よう」 とそういって僕は、 「でも…」 と言葉を濁す義母を制して、 「親子だからいいじゃない」 といって一方的に携帯を切りました。 朝、義母を降ろした駅裏公園の駐車場で彼女を乗せる と、そのまま郊外に向けて車を走らせました。 「最近できたばかりなんだけど、美味しい讃岐うどん の店があるんだよ」 「そう…」 きっと初めてなはずの僕と二人での外食に、義母はま だ少し浮かなさそうな顔つきで、しきりに眼鏡の細いフ レームに手をやっていました。 義理とはいえ親と子ですから、誰に憚ることもないな いはずですが、やはり義母は僕との特殊な関係をどこか で意識しているようでした。 讃岐うどんを二人で食べるというのが、僕の目的では ありませんでした。 そのうどん店は郊外を少し走りきったところにありま した。 店の中は休日のせいもあってそこそこに混んでいまし たが、長く待つこともなく席に座れることができました。 釜揚げうどんを二人で食べている時、 「僕たちのこと、みんなどう見てるんだろうね」 と僕が義母に声をかけると、彼女は色白の顔を見る間 に朱色に染め、深く俯いてしまっていました。 そして帰路。 行く時に事前に目星を付けていた交差点を、僕はウイ ンカーランプを点けないまま左折しました。 幅五、六メートルほどの農面用道路のすぐ向こうに、 大きな看板の立つ建物が見えました。 その看板には、夜なら点いているネオンの細いガラス 管が縦横無尽に走るようにへばりついていました。 地中海にある都市の名がホテルの名前になっていまし た。 横目で義母の顔を見ると、驚きの表情が露わになって いて、見る間に蒼白になり強張ってきているのがわかり ました。 「どこに行くの?」 と義母の慄いているような固い声を僕は無視して、車 を目の前の建物の入口に進入しました。 「ね、何?…何するの?浩二さんっ」 大きなシャッターの中へ車をねじ込むように入れると、 薄暗い空気の中で義母は、驚きから怒りの表情に一変さ せているのがわかりました。 「亜紀子を抱きたくなってきた」 そういって僕は義母の震える肩に手を置きました。 「いやっ…いやよ、こんなところでっ」 義母は僕の手を振り切るように肩を強く揺すり、明ら かに憤怒の表情を満面に滲ませていました。 すったもんだのやり取りが薄暗い車内でしばらく続き ましたが、 「亜紀子…ここが青木との思い出の場所だからか?」 という僕の非情で冷徹な殺し文句で、義母は言葉を失 くし、哀しい表情を一杯にして車を降りました。 このことは以前に義母に青木との情交写真を見せて詰 問した時に、ホテルでの逢瀬を彼女自身の口から白状さ せていましたが、実際の場所がここだということは、僕 は知らぬふりを決め込んでいて、日記のことは億尾にも 出さずにました。 このホテルがまさしく青木との情交の場であるという ことは、従って義母しか知っていない事実になっていた のでした。 人気のないロビーで室内写真付きのボードで三階にあ る丸いベッドの室を見つけると、僕はさも何も知らぬ気 で使用開始ボタンを押しました。 義母には堪え難い僕の選択だったと思いました。 義母の日記の通りの室でした。 丸い大きなベッド、ガラス越しに丸見えの浴室、そし て見上げると天井一面が鏡張り。 車を降りてから義母はずっと蒼白な顔で、無言で沈鬱 な表情のままでした。 午前に読んだばかりの義母の日記の一文を僕は思い起 こしていました。 (…室に入ると青木の前に私は膝まづく。そうしろ、と いう青木の命令だった) 内ドアの入口付近で沈鬱に萎れて立ち竦む義母の前に 僕は進み出ました。 固く縮みきっている義母の肩を抱き、そのまま下へ押 し下げるようにしました。 義母の膝が力なく折れ床に膝まづきました。 四年前の青木のことを義母が思い出しているのかどう かは、その時の僕にはわかってはいませんでした。 僕が自分の手でズボンのベルトを外しトランクスと一 緒に脱がし下ろすと、義母の目が小さく驚くのが見えま した。 義母の側に寄り彼女の肩を抱いた時に、かすかに鼻腔 を刺激した心地よい匂いで、僕の下半身のものは一気に 勃起状態になっていました。 真横にそそり伸びた僕のものの先端の近くに、まだ蒼 白なままの義母の顔がありました。 義母のうなだれていた細い両肩が何かを諦めたように、 さらに小さく竦み、握り持っていたバッグから離れた手 が、僕の屹立したものに触れてきました。 やがて僕のものは義母の小さな口の中に埋没しました。 義母は眼鏡の奥の目を深く閉じ、何かを振り切るかの ように一心不乱に僕のものを、小さな口で長く愛撫し続 けました。 義母の熱心で丹念な愛撫に、不覚にも暴発寸前という ところまで追い込まれた僕は、途中で自分から彼女から 離れ、そのまま四年前に青木がしたように、小さな身体 を抱え上げベッドに投げ下ろしました。 義母の衣服の全てを脱がし全裸にし、鏡張りの天井が 彼女の視線に入るように、ベッドに仰向けにしました。 すぐに義母の眼鏡の奥の目に、驚愕の表情が浮かびま した。 「綺麗だよ、亜紀子」 そう優しい声でいって、僕は義母の真横に添い寝しま した。 「ひどい人…」 自然な動きで義母の片手が僕の首に巻きついてきてい ました。 「何が…?」 「知らない…」 「こういうところって、僕もあまり慣れてないけど、 女の人を殊更に綺麗に見せるね」 「………‥」 「由美と…結婚前に一度だけ入ったことある」 「由美のことはいわないで…」 「妬ける?」 「そんなじゃない…嫌なの」 「青木のこと思い出さない?」 そこで僕は初めて青木のことを口にしましたが、義母 はその言葉を遮るように、 「抱いてっ…」 といいながら両腕を僕の首に巻きつけてきました。 僕もすでに素っ裸になっていて、体験のほとんどない といっていい妖しい空間の中にいることと、義母からの かすかな女の匂いで昂まりは一気に増幅していました。 「ああっ…こ、浩二さんっ…いいっ」 僕の固い屹立が義母の身体に突き刺さった時、義母も 一気に昂まりが増幅されたのか、いつにない激しい悶え の声を上げて首に巻きつけた手に力を込めてきていまし た。 「亜紀子、素敵だ…」 「ああ…浩二さん、私も…もうどうなってもいい」 本当の恋人同士が愛し合うように、僕と義母の身体は 丸いベッドで激しく抱擁し合い、幾度となく唇を深く長 く重ね合いして、めくるめく絶頂の熱く大きな渦の中に 沈み堕ちたのでした…。 「…私がお昼前に電話入れた時から、こんなこと考え てたの?」 お互いが茫然自失とした時間の中で、義母が僕に尋ね てきました。 「えっ?…あっ…まぁ、そうだったかも」 「悪い人…」 「今日は…もう我慢の日だと思ってたから」 「…私もよ…バザーが中止と決まった時ね…すぐに、 浩二さんの顔が浮かんだ」 「それは嬉しいことだ」 「お昼から二人でいれるって…」 「抱かれたいって思ってた?」 「いや…そんな」 「なんだ、違うのか」 「…少しは…」 「僕はすぐに思ったよ。だからここに来た」 こんなところに来たいと考えた僕の本当の動機、つま りは義母の日記に触発されたとは、さすがに彼女には正 直にはいえませんでした。 「そういえば亜紀子、例の自治会長の小村さんだっけ? あの人とのこと、前に聞いた時はぐらかされたけど…何 かあるんじゃないの?」 不意に話題を変えて、以前から気になっていたことを 義母に尋ねた僕でしたが、 「な、何もないわ…」 とまたしても素っ気なく冷ややかに返答されたことで、 そのことへの僕の疑心暗鬼はいやが上にも増幅するばか りでした…。 続く
2015/08/05 01:24:49(V6/fPNrC)
投稿者:
kkk
じっくりと読みながら、情景を想像して・・亜希子さんも、普通に受け入れてくれる様になったと、思えますね。
しかし、心のどこかに引っかかるものがあって(当たり前ですが)、難しい立場を演じていますね~。 最後に、「実はね」・・・で続く、なんて読んでいるこちらが・・・待てないというか、TVドラマの様ですよ(^^) 内容は十分ですね、読ませて頂いている方はもっと、もっと読みたいと思うが・・・ 書いている方は大変だろうな~と、読み終えて思いますが・・・ このくらいの長さは読ませて欲しいです・・大変ですがよろしくお願いします。 おせっかいですが、 文字数は30文字くらいは折り返ししませんのでその方が書くにも見るにも楽ではないでしょうか? 1行が長すぎると見づらくなりますので、難しいですね。
15/08/09 06:03
(8xQlhWs8)
投稿者:
(無名)
ついつい、引き込まれる作品ですね。
続きが楽しみです!
15/08/10 13:38
(kfr8y4JV)
投稿者:
コウジ
「それって…まるでストーカーじゃない?」
義母の告白を聞いての僕の第一声がそれでした。 彼女の告白の概要は、町内会長の小村から結婚を強く迫られて いるということで、それはもう半年以上も執拗に続いているとの ことでした。 半年ほど前に、町内会の役員改選があり、その時、義母が会計 監査員に選出されて間もない頃から、アプローチをかけられ、最 初は平易な交際申し込みだったらしいのですが、町内行事や役員 会議で頻繁に顔を合わせている内に、相手の方が一方的に思慕の 思いを強くしてきたらしいのです。 しかし義母のほうは最初から、小村という男を異性の対象とし ていなくて、町内会行事の職務上の関係人物という認識しかなか ったので、彼の突然の個人的な申し込みには大きく驚いたとのこ とのようです。 僕は中学時代に小村の息子の武と同級生だったこともあり、一、 二度自宅へも遊びに行ったこともあるのですが、武の父親のその 頃の印象はほとんどなく、今の町内会長としての印象しかありま せんでした。 そういえば以前に町内会のドブ掃除の時に、唐突に小村から声 をかけられたことがありましたが、彼との会話はそれくらいで、 面識的にはほとんどないといっていいくらいの人物でした。 たしかその時に小村と交わした会話の内容も、義母についての ことで、そのことは前に彼女にも話したことがありました。 大きな商社の役員で退職しているとのことで、年齢は義母と同 じくらいで、風貌的にはそれなりの品性も備えているような感じ でしたが、僕にはそれ以上でもそれ以下でもない、普通の初老の 男という印象しかありませんでした。 義母の話では、小村は五、六年前に夫人を病気で亡くしていて、 そこそこに大きな邸宅に、一人息子の武と二人暮らしで、家政婦 を雇っているとのことでした。 三ヶ月ほど前に、町内会で総勢二十人くらいの一泊の温泉旅行 があって、義母の役員としてそれに参加していました。 そして旅館での宴会の後の二次会にしつこく誘われ、夜の温泉 街に数名で出かけ、その帰路の少し暗い道で酔った勢いでかどう か、数人の前で抱きつかれたことがあると、怖気を露わにした顔 で義母は話したのでした。 「私…あの人の全てが嫌い」 と普段は人の悪口などめったに口にしない義母が、顔をさも不 快そうに歪めて断言的にいうので、 「はっきりと口に出して断わってないの?」 と言葉をかけると、 「何度もはっきりとお断わりしたわっ…」 と義母は少し怒ったような強い口調で反論してくるのでした。 町内会会長の小村と開会監査員の義母の間では、その職務上、 携帯番号やメールアドレスの非開示は不可能なことで、それを 小村は利して、特に最近になって頻繁に連絡をしてくるという ことでした。 義母の携帯への着信を無視すると、町内会行事にかこつけて 自宅の固定電話までかけてくるというので、 「亜紀子、そんなことなら、僕が小村と直接会って、はっき りと断わってやるよ」 義母の口から琴のあらましを聞いた僕は、少し憤慨気味の表 情を露わにして、彼女の目を見てそういいました。 男の僕の、しかも義母の息子としての出番だと確信しての言 葉でした。 「ありがとう…でも」 僕の強い口調に少し気圧されたように、義母は小さく呟くよ うにいって、またすぐに表情を曇らせました。 「大会社の役員までして、そんなストーカー行為みたいなこ とは許せない。しかも町内会長という立場の立派な悪用だよ、 それは」 「…今の私も偉そうなことはいえないわ。それに事が大きく なったりして、あなたや由美に迷惑がかかったりしたら…」 「いや、こういうことは早い段階で手を打たないと、それこ そテレビなんかでよくあるような事件になったりすることがあ るからね」 「心配かけてごめんなさい…でも、もう一、二度、私からし っかりとお話して、はっきりとお断わりするから…お願い、も う少しだけ時間を頂戴…」 と義母は僕に懇願するようにいって、 「…こうしてあなたにお話できただけでも、随分、気持ちが 楽になったわ」 とさらに言葉を続けたのでした。 そうして話がそのあたりまできていた頃、布団の中で義母の 隣りに添い寝していた僕は、愚かさを絵に描いたように、また 場の状況も考えず、また不埒な行動に出ていました。 布団の中で僕は身体を横向きにして、義母の乳房のあたりに 手を伸ばしていたのです。 そんな僕の不埒千万な行為を、黙ったまま軽く制してくる義 母の手を何度も払い除け、掌と指を駆使して、彼女の小さく柔 らかい膨らみの乳房をまさぐり揉みしだいていたのです。 つい一昨日に抱いたばかりの若い加奈子の、張りのある肌と はまた異質の、滑らかさと艶やかさのある義母の熟した肌心地 に、僕は飽きることを知らずに、長く弄びました。 義母の決して大きくはない乳房の上の小豆のような乳首が、 彼女の拒む動きとは裏腹に、すでにつんと固く尖ってきている のがわかりました。 吸い込んだ息を義母は、何度か細い肩まで揺らせて大きく吐 き出してきていました。 町内会長のいざこざの話で、すっかり萎んでいた僕の下腹部 のものに、再びよからぬ兆しが出てきていました。 「はぅん…」 そんな風な響きの声だったと思いますが、義母の小さな口が 小さく開き、熱っぽい吐息と一緒に吐き出されました。 「亜紀子―」 義母の乳房への愛撫を続けたまま、彼女の耳元に唇を近づけ、 そう囁いてやると、 「ああ…わ、私。…私って…どうなるの?…怖い」 乳房周辺への僕の一極集中的な愛撫に、不覚にも湧き上る予 期せぬ快感に、自分で自分が制御できなくなっていることに義 母は気づき、動揺と狼狽の入り混じったような不安げな声を上 げるのでした。 「まだ今からもっと…亜紀子を激しく愛したいだけさ」 義母のまだかすかに残っている理性の気持ちとは相反するよ うに、朱色に染まり出した耳朶から細い首筋にかけてを舌でな ぞるように舐めてやると、 「ああっ…こ、浩二さん…私…ああ」 とかたちよく尖った顎を突き上げるようにして、すでに熱く 昂まったような声を発し、義母の手が布団の中で僕の腕にしが みついてきていました。 「可哀想な亜紀子だけど…これからもっともっと、僕は亜紀 子を虐めたい…いいね?」 この時の僕の目は、おそらく情けのかけらもない鬼か蛇のよ うに妖しく邪淫に濁っていたと思います。 どこからの発想か、清楚でしとやかなこの義母を恥ずかしく 虐めたいという淫靡な欲情が、僕の頭の中に唐突に湧き上って きていました。 僕は上体を徐に起こし、義母の身体の上に覆い被さり、 「亜紀子、前に僕が買ってきた縄とか電動器具は?」 と首筋に舌を這わしながら尋ねました。 アダルトショップで僕が買ってきたその紙袋は、いつもと同 じに箪笥の横に置かれていることは知っていての問いかけでし た。 そういって義母の顔を覗き見ると、遅いくる愉悦に堪え忍ぶ ように眼鏡の奥の目を固く閉じながら、顔の向きでその場所を 僕に告げていました。 「捨ててなかったんだ」 「…だ、だって」 「だって、何?」 「あ、あなたのものだから…」 「また縄で縛ってほしいと思ってたから?」 「ち、違うわっ…そんな」 「今から縛ってやる」 「ああ…そ、そんな…いやっ…いやです」 「恥ずかしい亜紀子が見たい」 「いやっ…そ、そんな」 「この前…赤い縄が亜紀子には似合って、素敵だったよ」 「いや…」 義母の拒絶の言葉を無視して、僕はそこで起き上がって動き、 箪笥の横の紙袋を取り、布団に戻りました。 紙袋から赤い縄を取り出し、上布団を捲り義母の小さな身体 を強引に起こして、彼女の色白の裸身に縄を巻きつけていきま した。 義母は所々で抵抗を強くしたりしてましたが、小柄で華奢な 体型では男の僕の力に適うわけもなく、しばらくして彼女の裸 身は縄の餌食となり、暖房の効いた空気の流れる中で、布団に 仰向けに転がされたのでした。 後ろ手に括られ、小さく丸い乳房を挟むように上下に赤い縄 を幾重にも回され、細い首に巻かれた縄尻を両足の膝のあたり に巻きつけられ、海老折りのようにされて転がっていました。 「ああっ…いやっ…は、恥ずかしいっ。な、縄を解いてっ」 両手両足を拘束され、まるで蛙が無様に仰向けにされたよう な恥辱の態勢に、義母は消え入らんばかりに不自由な身体を激 しく揺すり、泣きそうな顔で僕に懇願するのでした。 「さて、これからどうしようかな?…亜紀子、どうしてほしい ?」 「いやっ…は、早く縄を解いてっ」 「あれあれ、下のほう丸見えだよ。…今まであまり気がつか なかったけど、亜紀子は結構毛深いんだね」 「いやっ…み、見ないでっ」 「ちょっと探検してみるか」 そういって僕は、両足を深く足を折り曲げられ、包み隠すも のなく露出した股間の漆黒の茂みに顔を埋めていきました。 義母の仰向けになった太腿の裏側に僕は両手を置き、上体を 屈めて彼女の漆黒のあたりを凝視すると、濃い茂みの中の肉の 裂け目がしっかりと見えました。 左右にある薄い肌色の肉襞が少し割れ、その中のピンク色に 近い柔肉が何かに濡れ光っているように覗き見えていました。 そこの中のほうから白い樹液のようなものが卑猥な感じで、 滲み出ているのが見え、それがつい少し前に自分の放出したも のだと僕はすぐに気づきました。 「あれ…?」 と僕は少し頓狂な声を上げて、義母の太腿に置いていた手を 茂みの中に添え当てました。 義母のその部分の左側の肉襞の下に、小さな黒子があること に僕は気づいたのです。 「こんなところに黒子あったって知らなかったなぁ…亜紀子、 知ってた?」 義母はあられもない態勢で、僕に好奇な視線で凝視されてい ることの恥ずかしさに堪え切れないというように、声も出せな いまま顔を激しく左右に振り続けていました。 もう一度目を凝らして義母のその部分を凝視すると、僕の放 出液とは違う、滑りのある透明の液がかすかな泡のようなもの を沸々と滲み出させているのが見えました。 それは義母のまだほんのかすかに残っている理性の心に、ま るで相反する女の肉体の哀しい性がそうさせていることを、彼 女自身も気づいているのかも知れないと、僕はふと思いました。 僕との最初の過ちの時、義母は三十も年下の男の僕の理性や 道理をかなぐり捨てた欲情の前に、些細な抗いはあったものの 結果として屈し、僕の男を受け入れたこと。 そしてあの青木との情交を綴った義母の日記の中で、彼女が 女としての自分の不甲斐なさを赤裸々に書き記していたこと。 うまくはいえないのですが、清廉な教育の道をひたすら聡明 実直に生きてきた義母自身には、わかることのなかった、女と しての邪淫性か、悪い表現でいうと淫乱性のようなものが、彼 女の身体のどこかにかたちのない悪魔のように潜んでいるのか も知れないと、僕の浅薄で知恵足らずの頭はそう考えるのでし た。 哀しいことなのかどうかは別にして、そのことに義母はまだ 気づいていないか、薄々とは感じているとしてもまだ半信半疑 でいるのかも知れないと、僕は思うのです。 「亜紀子のここ、何もしてないのにひどく濡れてるよ」 義母の下腹部の漆黒の茂みの前に顔を置いたまま、僕はわざ と嘲り笑うような口調で彼女にいいました。 縄で拘束された不自由な態勢で、狼狽と同様の表情を繰り返 すしかない義母の顔に、さらに大きな羞恥の表情が混ざり、彼 女はもう声を声として出せないくらいに顔全体を引きつらせる ように歪ませていました。 「ああ、このままだと、亜紀子の汁と僕の放出したものが、 布団に流れ出ちゃうよ」 義母のその茂みの中の、しとどに濡れそぼった柔肉の裂け目 から、白濁色の液の滑った滴が、本当に流れ落ちそうになって いました。 室の周囲を見渡すと、鏡台の上に小さく畳まれたハンカチの ようなものが見えたので、僕は素早く動いて取ったガーゼ地の 小さな布を開いて、義母の尻肉の下に敷きました。 滑った白濁液は間もなく敷いた布地に流れ落ち、濃い染みと なって広がりました。 「浩二さん…もう、お願いだから許して」 そこはかとない羞恥の渦の中で、ようやくの思いで哀願の声 を出した義母に、 「そうだね…これから僕の質問に正直に答えられたら、その 縄解いてやるよ」 と僕は仰向けの彼女の真横に胡坐をかいて座り込み、またわ ざと意地悪い声でそういいました。 「正直な答えじゃなかったら、夜までこのままお仕置きだよ」 「そ、そんなっ…」 これまでの義母との秘めた関係の過程や、彼女の日記の盗み見 で、清廉で聡明実直なはずだった義母の、彼女自身ですらもまだ 気づかないでいる、女としての淫靡な本質の一端を垣間見た僕で したが、同時に自分自身の淫靡な嗜虐性についても、一体自分の どこにこういう陰湿な性癖が潜んでいたのかと、内心でひどく驚 いているのも事実でした。 「亜紀子の、生まれてからの男性体験を聞きたいな。…これま での男性の経験って何人なの?」 「そんな…そんなことっ」 「最初から答えられないんじゃ、亜紀子、終わりだね」 「浩二さん、あ、あなた…おかしいわっ」 「亜紀子をこのまま放置して、夜まで外に出かけてくるよ」 「そ、そんな…ま、待ってっ」 「答える?」 「ひどい…あなたってひどい人…あ、あなたを含めて…二…三 人」 「ふぅん…最初っていくつの時?…相手は?」 「…二、二十…五、六歳。…名前は…忘れました」 「名前忘れるって…亜紀子みたいに几帳面な人がね?」 「ほ、本当です…」 「正直に話してる?…亜紀子」 「ほ、本当に知らないんですっ…知らない男に…暴行受けて」 「えっ?…そうなの」 屈辱の中での亜紀子の、途切れ途切れで苦しげな言葉に嘘がな いということが僕にはわかりました。 「もう…許して」 「だめだね。…その次は亡くなったお義父さんってこと?」 亜紀子が見知らぬ男に襲われて暴行を受けたということの追求 は敢えて避けました。 二つ目の質問には義母は小さく首を頷かせただけでした。 「それからは由美という子供ができて、平和に暮らしてきたん だよね?…あの青木と会うまでは」 不自由で窮屈な態勢のままの義母の顔が急に曇り出しました。 「青木にも最初は暴力で犯されたんだよね?」 義母は暗い顔つきで唇を強く噛み締めていました。 「で、青木とはそれから半年だっけ?」 「お願い、浩二さんっ…もう、やめてっ」 「最初はともかく…何度か青木に抱かれた時って、亜紀子は女 として感じたんでしょ?」 「…………」 「いえないの?…終わり?」 「ま、待って…は、はい…感じさせられました…ああっ…」 「自分が淫乱だということわからなかった?」 「…………」 「そして僕との山小屋での過ちだ。…亜紀子は、あれ、僕に犯 されたって思ってる?」 義母の日記では、彼女のその時の微妙な心情はある程度わかり ましたが、これはもう一度彼女の口からしっかりと確認したいこ とでした。 「どうだったの?」 と僕は義母の恥辱と屈辱にまみれた顔を覗き込むようにして問 いかけました。 「…あ、あれは…私が…私が悪いと思ってます」 「どうして?」 「どうしてって…私の…気持ちがしっかりしてなかったから」 「でも、結果的には、僕は亜紀子を犯した」 「…そ、そんな風には…私は思っていないわ」 「どう思ってるの?」 「それは…だから今もこうして…あ、あなたと」 「そうか…亜紀子は、じゃ、僕のこと好きでいてくれてるの?」 「ああ…あなたのこと…好きよ」 「こんな厭らしいことされてても?」 「…き、今日の、浩二さん…少しおかしいだけ」 「優しいんだね、亜紀子は」 約束通り、僕は義母の拘束を解いてやりました。 義母の白い肌のあちこちに縄目の跡が残っているのが妙に扇情 的で、縄の戒めから解放されても、まだ羞恥の表情が残る彼女の 顔と、それを見ただけで僕の下半身はまた男としての反応を、あ からさまに露呈していたのでした。 布団の上に正座した義母の顔の前に、僕は仁王立ちしました。 覚悟したような義母の顔が、僕の股間に近づき、何もいわなく ても彼女の唇が、すでにもう屹立状態の僕のものに添え当てられ たかと思うと、抵抗なく口の中に含み入れられました。 僕のその部分への彼女の口での、何か思いを込めたような丹念 な愛撫は長く続きました。 そしてその後、義母は布団の上に四つん這いになり、僕の固い もののつらぬきを長く受け、はしたなく悶え狂ったのでした。 「ああっ…浩二さんっ…犯してっ…もっと強く犯してぇっ」 「亜紀子、犯されるの好きなんだ?」 「ああっ…す、好きよっ…あ、あなたが好きっ」 「むううっ…あ、亜紀子っ、逝くぞっ」 後背位の態勢のまま僕も昂まりの頂点に達し、義母の脇腹のあ たりを強く掴んで、低い呻き声を上げ二度目の迸りを彼女の体内 深くに放出したのでした。 義母は最後の頃は、一言の声も出さないまま、息を止めるかの ようにして意識を失くしていました。 そのまま僕も布団に倒れこむようにして、息を荒くした状態で いつしか深い眠りの中に陥りました。 目を覚ますと室の窓のレースのカーテンの外が暗い闇になっ ていました。 寝ていた僕の真横で、義母はまだ深い眠りの中にいるようで、 すややかな寝息が耳に聞こえていました。 置時計を見ると六時少し前の刻限でした。 布団の下に忍ばせていた携帯を開くと、あの野村加奈子からの 着信が二度ほど入っていました…。 続く
15/08/11 02:08
(vUMTFr47)
知性のある亜希子さんの従順なところが読んでいて刺激ですね。
しとどに濡れるようになった彼女の割れ目ももっと拝見したいですね~って、無理か(^^) このころは騎乗位とか座位で跨らせて・・・というのはなかったのでしょうか? 朝の食事の支度中に催すような事はないですよね、由美さんに見つかるかもしれないので・・自重された方が・・。 と勝手に想像していますよ。 加奈子どのの事もあり、身辺が忙しくなりそうな感じですね。
15/08/11 04:57
(q2PDHpdx)
投稿者:
コウジ
布団の中で、僕が時計を見たり携帯を覗いたりして、ゴソゴソと
動き回ったせいでか、間もなく義母が目を覚ましました。 一瞬の間、目が合ったのですが、彼女はすぐに気恥ずかしげに視 線を逸らし、寝返りを打って背中を向けていきました。 義母が動いたことで、布団の中に充満していた、ほんわりと生暖 かい女性的な空気の匂いが、まだ半分寝ぼけ眼の僕の鼻腔を心地よ く擽っていきました。 「今、何時…?」 しばらくの沈黙の間の後、背中を向けたままの義母が、物憂げな 声で聞いてきました。 時刻をいってやると、義母の後ろ向きの小さな頭が驚いたように すぐに動き、 「お夕飯、何も用意していないわ…」 と困惑したような声を出しました。 「由美も外で食べてくるんだし、僕らもどこかへ食べに行こう」 僕は即座にそう提案し、自分からそそくさと起き上がり、 「シャワーだけ浴びてくる」 と言葉を続け、義母の返事を待つことなく、素っ裸のまま室を飛び 出しました。 シャワーで汗を流して、バスタオルを腰に巻き室に戻ると、すでに 布団は押入れに戻されていて、白のバスローブに着替えた義母が、鏡 台の前の丸いスツールに座っていました。 「私も、シャワーを使ってきます」 義母はそういってスツールから立ち、僕の前をすり抜けるようにし て室を出て行きました。 二人が支度を整えて家を出たのは七時過ぎでした。 寿司が食べたいと僕がいって、車を郊外にある回転寿司店に向けて 走らせました。 家を出て十分も走らないところにもう一軒の回転寿司店があったの ですが、親子ではあっても義理の仲ということもあるのと、なさぬ関 係になっていることで、お互いに近所の人の目に何となく気が引ける ような思いがあって、遠いところまですっかり日の暮れた夜の町を走 っているのでした。 車中では、さすがに恥ずかしい行為に耽った後だったこともあり、 朝と同じ服装の上に、黒のコート姿で助手席に座っている義母の口も 重く、表情も少し強張っているようでした。 「亜紀子、何か怒ってる?」 ハンドルを握ったまま横目使いで義母を見ながらいうと、美しく化 粧をし終えた彼女の色白の顔が、ややうつむき加減のまま、左右には っきりと揺れ動いていました。 それから少しだけ間をおいて、 「怒ってなんかいないわ…恥ずかしいだけ…」 と義母は義母はポツリと呟くようにいったのでした。 「僕は…どうやら亜紀子といると、自分でも気づかなかった本性み たいなものが、驚くくらいに素直に出てしまうような気がしてる。… 卑猥な悪い本性ばかりみたいだけどね…」 と僕が少し自嘲的な口調でこぼすと、義母はまた顔を左右に強く振 りながら「いつも…いつまでもあなたを拒めないでいる私が、一番悪 いの…」 と彼女はそういってまた表情を曇らせたのでした。 土曜日ということもあって、回転寿司店は大勢の家族連れでごった 返していましたが、カウンター席は意外に空いていて長く待つことな く座れました。 と、一頻り食べ終わった頃でした。 「よう、浩二―」 という声と同時に、背後から肩を叩かれたので振り返ると、あの小 村武が爪楊枝を口に咥えながら、にやけた顔で立っていました。 瞬間的に僕は、嫌な奴に会ったと思ったのですが、表面上は普通に 驚いたような顔をして、 「やあ…」 と短く言葉を返したのでした。 小村のすぐ後ろに、彼の同伴者らしい、長い髪を派手な茶色に染め た、すらりとスタイルのいい若い女の子が立ち竦んでいました。 「この前はすまなかったな…」 と小村は片目を軽く瞑って、片手を挙げていいながら、僕と隣りに いる義母に交互に目をやり、まるで品定めでもするかのような少し横 柄な態度をとっていました。 「いや、こちらこそ役に立てなくて…」 といいかけた僕の言葉を遮って、小村は隣りにいる義母に向かって 大仰な態度で挨拶をし始めたのでした。 「すみません。僕、小村武といいます。こ、浩二君とは中学の同級 生でして…あの、それから僕、小学校は第二小学校を卒業しています っ」 カウンター席の椅子に座っている義母の細い肩越しに、腰を前に屈 めながら、小村は早口で挨拶したのです。 義母のほうも面識のない男からの、突然の挨拶を受けて少し戸惑っ たようですが、そつのない笑みを浮かべながら、 「どうも…はじめまして」 と如才のない挨拶を返していました。 勘の鋭い義母のことですから、この男が町内会長の小村の息子であ るということは、すぐに察知したと思いますが、さすがにそこで父親 とのことは億尾にも出さず、余計な言葉も出すことはありませんでし た。 「浩二、ちょっとだけいいか?」 と小村からもう一度肩を叩かれ、僕は義母を残して、彼の後をつい て店の外に出ました。 店の裏側まできて小村は煙草に火を点けながら、 「すげぇ美人だな、お前のお義母さん」 と感嘆の声を煙と同時に吐きました。 「用って何だ?」 僕は小村の言葉を無視して問い返しました。 小村の同伴者の若い派手な女の子は、そこから少し離れた車に乗り 込んでいました。 「野村加奈子の件だけどな…うちの事務所、まだ諦めてねぇんだよ。 何とか、骨折り頼めねぇか?」 「無理だって。彼女とは面識なんかほとんどないんだから」 「それは前にも聞いたけどな…でも彼女のほうが一方的なのかも知 れんが、お前にかなりご執心なのは間違いないんだ」 「だから、それは僕には関係ないことだ…もういいか」 「ああ、すまんかったな。…ところでお前さ、彼女の住んでるとこ 知ってる?」 「どうして?…知るわけないだろ」 「いや、お前と会ったあの夜な、少し遅い時間だったんだけど、彼 女のアパート訪ねようと思って近くまで行った時にな、そのアパート の駐車場から出てきた車の運転手がお前だったような気がしたんで… あ、ごめん、綺麗なお義母さん待たしちゃ悪いな。またな」 小村との会話を終えて僕はすぐに店の中に戻りましたが、気持ちが 激しく動揺しているのが、自分でもわかりました。 あの夜、一歩間違ってたら野村加奈子のアパートの前で、小村と鉢 合わせしていたかと思うと気が気ではありませんでした。 「顔色悪いわよ…お話合いで何かあったの?」 目ざとく義母は僕の動揺を見透かし、心配そうな顔を横に向けて覗 き込んできていました。 「今の人、第二小学校とかいってたけど…私のこと、知ってるのか しら?」 義母が少し不思議そうな顔をして呟きましたが、それはあの野村加 奈子から伝わっている話だとは、さすがに僕の口からはいえませんで した。 店を出て帰宅の途中で、由美から携帯が入り、酒でも飲んだのか、 少し呂律の廻らない口調で、駅裏公園の駐車場に十時に迎えにきてほ しいと一方的に喋ってから、 「あら、あなた外に出てるの?」 と車窓の外の雑音に気づき、そう尋ねてきました。 「あ、ああ…お義母さんと回転寿司に行っての帰りだよ。まだ時間 あるから、お義母さん家に降ろしてからそちらへ向かうよ」 僕は妙に少し慌てたような口調になっていましたが、由美は気づく ことなく、 「あら、仲のお宜しいことで」 と嬉しそうに冗談口調で返してきて、携帯は切れました。 家に着く少し前、義母がまたポツリと呟くようにいってきました。 「何か…毎日がドキドキハラハラのようで…何だか怖いわ」 寿司店で偶然会った小村武のことをいっているのか、さっきの僕と 由美の会話でいった冗談の言葉を気にしているのかわかりませんでし た。 「…悪いことはできないわね。…いつかきっと報いがくるわ」 といって深い溜め息をついて、それきり家の前まで車を降りるまで、 一言も声を発することはありませんでした。 義母を家の前で降ろして、そのまま僕は駅裏公園に向かいました。 その道中で僕は、野村加奈子に携帯を入れました。 いつものように彼女は嬉しそうな声ですぐに出ました。 もう自宅に帰っているということを確認してから、 「…申し訳ないんだけど、君とはしばらく会えそうにない。すまない」 と告げると、加奈子は忽ち泣きそうな声になって、どうしてですか?と 聞き返してきました。 小村武と今日会ったことはいわずに、彼が加奈子のスカウトに躍起に なっていて、色々と自分の周辺まで嗅ぎ回っているので、これからは彼女 のアパートにも迂闊には行けないということを、僕は少し大袈裟にいって 彼女の理解を求めたのでした。 自分だけの保身で喋っていることはわかっていました。 加奈子はもう完全に泣き声になっていましたが、 「ごめんなさい。私のことで関係のないあなたに色々と迷惑をかけて…」 と健気に詫びをいわれた時は、さすがに僕の胸も痛みましたが、ここは 非情になってでも、彼女の理解を得ておかないと駄目だと思い、 「しばらく…いや、当分はお互いに連絡もし合わないようにしよう」 と念押しの言葉をいったのでした。 どこか遠いところででも会えないの?と加奈子は強く食い下がってきまし たが、君のことは僕は忘れない、という真に篭った一言でどうにか了解をも らえました。 駅裏公園の駐車場に着いたのは九時半前だったので、僕はシートを後ろに 倒して仰向けになりながら、義母が哀しげに呟いた言葉を思い返していまし た。 毎日がハラハラドキドキで、怖い。 悪いことをしていると報いは必ずくるといった義母の言葉に、残念ながら 馬鹿な僕には反論の言葉もありませんでした。 どうなるのかな?と僕自身も考えてみるのですが、本能的なだけの欲望に負 け、好き勝手なことをしていて、名案などあるはずがないのだと、僕はただ 思い知らされるばかりでした。 しかもこの時の僕の頭の中を支配していたのは、今日の昼間に抱いた義母の ことでした。 意識的に僕から視線を外し、襖戸を静かに開けて、気恥ずかしげに頬を染め て入ってきた時の、義母のなよやかな表情を、僕はいつの間にか思い出してい たのです。 そして邪淫な僕の手で、熟れた白い裸身に赤い縄を幾重にも巻きつけられ、 羞恥の顔をさらに激しく見せた義母の姿を、僕は目の上に思い描いていました。 結局のところ、愚かな僕のいきつくところは、義母への今も飽くことのない 情欲を、自分の意思で今はまだ断ち切ることはできないということでした。 十時少し前になってフロントガラスをふと見ると、ジャージーの上下姿でジ ャンパーを着込んだ由美が、こちらに向かって歩いてくるのが見えました。 由美が車の助手席に乗り込むと、車内にアルコールの匂いが漂いました。 「ごめんね、こんなに遅くなっちゃって」 と由美は大きな息を忙しなげにしながら、赤い顔で僕にいってきました。 「初めはね、お食事だけでということだったんだけど、男の先生三人が盛り 上がっちゃって、あなたの好きなパブっていうの?そこに行ってたの」 「それはそれは」 「パブって若い人たち多くて、踊れたりして、変なところじゃないのね」 「わかってくれたら何よりだ」 「ところでお義母さんと外食って、あなたから誘ったの?」 「あ、ああ、そうだよ。由美も外食だから僕たちも行きませんか?って。ほ んとは僕が寿司が無性に食べたかったんだけどね」 「なぁんだ、そうなの…二人のデート楽しかった?」 「回転寿司屋さんだからね。ムードも何も…」 由美の言葉に冗談口調でそう返したりしながら、僕は内心で、これが、義母 のいうハラハラドキドキの気分か、と思ったりしてました。 帰宅すると義母がダイニングにいて、僕と由美の二人に温かいお茶を出して くれました。 一頻りの母娘の会話の付き合いをして、僕から順に風呂に入り、二階の寝室 に入ったのは十二時前でした。 そして酒の入った由美は、ベッドに入るとすぐに僕の首に腕を巻きつけてき たのでした。 昼間に義母の体内に二度も放出している僕でしたが、妻の由美の張りのある 肌に触れると、また愚かにも下半身は男としての反応を、愚かにも露わに催し てきていたのでした。 全裸に剥いた由美を仰向けにし、僕は頭を彼女の足のところにして上に跨り 覆い被さりました。 僕の目の前には由美の下腹部の、義母よりも少し柔らかい感じの茂みがあり ます。 逆に由美の顔の前には、すでに愚かにも屹立状態になった僕のものがあるは ずでした。 僕のものを由美はすぐに口の中に含み入れていました。 僕も由美の茂みの中に顔を埋め、肉と肉の裂け目を割って舌を這わせました。 僕のものを含んだ口で、由美が短かな呻き声を間断なく上げていました。 ふと、あることを思い出し、僕は由美の裂け目のところの肉襞のあたりを凝 視すると、何と義母とほぼ同じ箇所に黒子が見えたのでした。 僕だけしか知らない驚きの発見でした。 そして昼間に義母にした時と同じように、由美を四つん這いにして後背位で 由美の身体を激しくつらぬいたのでした。 酒の酔いがまだ残ってでもいるのか、由美の喘ぎと悶えの声は階下にまで届 きそうなくらいに、一際高くそして長く続いたのでした。 荒く吐いていた息が治まりかけ寝入る寸前に、僕はまた義母の愁いを秘めた 顔を思い出し、明日も義母と一緒に過ごせると思いを巡らせながら、意識を虚 ろにしていったのでした…。 え 続く (筆者付記) 長く飽くことなくお読みいただいている皆様に改めてお礼を申し上げます。 温かい期待の言葉や鋭いご指摘もあり、迂闊な手抜きはできないと肝に銘じながら、 これまでの実体験の記憶をさらに振り絞って思い返し、もう少し頑張りたいと思って いますので、宜しくお願いします。 尚、次回は新規レスでと考えています。
15/08/13 00:22
(.Swnin2j)
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