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ある超常の愛の記録
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:超能力・超常現象等体験告白
ルール: 私は超能力者、そんな私の空想H体験告白
  
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1:ある超常の愛の記録
投稿者: ◆AU/OjWxByc
私事を語るにあたって単刀直入に申し上げるが、私は地球という惑星に住む人間という種族ではない。一応、生命体といえばそう言えるが、今の人間という生き物には理解が及ばない存在だ。そういった存在は私以外にもたくさん存在する。

私の性別は地球の男女で言えば女になる。

私、というか私の種族の場合は地球でいう精霊、妖精、妖怪と呼ばれる存在に該当する。力の力量によっては神と呼ばれる上位の存在もいる。

私自身の場合は自慢ではないが、上位の存在である神に相当する。といっても万能と言うわけではない。

私にはいろんな呼び名があるが、どれも定まったものではない。それに対してはとくに気にしていない。

何かの物語ならば最後は愛する者に本当の名前を呼ばれて微笑むのがお約束だが、私の場合は愛する者が知っている私の呼び名だけで十分だ。
決まった名などあったりなかったりするのだから。

すでに言ってしまったが、超常の存在である私にも愛する者がいる、それはひとりの人間の男だ。いつ、どこで、どの時代、どの世界の出来事かはわからないが、その男はただの人間から私達に近い存在となった。その男との思い出も数多く存在する。

ついでに言えばその男にも名前が複数ある、いや私と何度も会うたびに名前が変わると言った方が正しいか。
ここでいう「何度」とは一人の人間が一生のうちに何度も同じ者に会うという意味ではない。
何度生まれ変わっても会うという意味なのだ。

その男はもちろん、私自身も転生の度に性格も人格も変わる。良いこともあれば悪いこともある。だけど変わらないものだってある。まさに転生の旅だ。

私自身の超常の力は難しい説明も必要とするが、難しく言えば集合的無意識の世界、簡単に言えば私が思い描く夢の世界の創造だ。
夢と言っても寝て見る夢ではない。私自身や私の愛する男、その周りに存在する家族や友人などが形成する世界の創造である。

まれに私と同等の力を持つ招かれざる客もやってくるが、それはそれで私が愛する男のスパイスとして利用しているからある程度、大目に見ている。これは超常の私と幸か不幸かそんな女に愛され続ける男が紡ぐ物語だ。
 
2021/10/17 16:27:18(59dOTj9v)
42
投稿者: 蟹 ◆AU/OjWxByc
冷静に考えれば世界は一見、平和なようで知っているか知らないか、遅いか早いかの違いで残酷な仕組みが今でも続いている・・・と誰かが言っていた。

今でもオヌマの謎は解明できないが、ハルさんはあいつらが人間の煩悩、負の感情、マイナスエネルギーを餌にしている事に確信を持っていた。

オヌマが出現し、奴らとの戦いが始まって数十年。戦闘要員、一般人の死傷者0というのは嘘ではない。だが一般には知られていない事実があった。

最初のオヌマ達が現れた際に昏睡状態になった人間達がいたのだ。だが、そいつらはただの哀れな被害者ではなかった。

警察が念入りに調べた結果、そいつらは小規模な犯罪から企業に大損害を出すほど万引き犯、さらに特殊詐欺などを行っていた反社会勢力のメンバー達だった。もちろん、全員接点があるわけではない。

とくに万引き犯は万引きGメン、詐欺グループは出し子、受け子の役割を持つ人物を追っていた警官達が昏睡状態になった彼らを発見していた。

はじめはただの偶然と思われた。オヌマの出現が続く度に犯罪者、または犯罪を犯そうとしていた者が昏睡状態になるという現象が続いた。

そして確信に近づく瞬間もあった。セイヴァー、シルフィー、黒影トルーパー達がオヌマを倒すと昏睡状態になった犯罪者が目覚め、回復したのだ。

しかし、その時のハルさんはまだ半信半疑だった。だが、次のオヌマ襲撃で確証を得る決定的瞬間がついに来た。犯罪者に黒い血管のような物が現れ、それが黒い蔦になると全身に巻き付き、身体が消滅しそうになる現象が起きたのだ。幸いこれもオヌマを倒した事で事なきを得た。

これを知った狗道家、夜戸家、政府は悠長な事など言っていられないことを悟った。政府はこれまで甘すぎるとも言えた日本の法律を1日で変え、半ば強制的に国民にそれを強いた。当然、非難が相次いだ。しかし、政府はオヌマにも劣らない暴走寸前の正義の鬼、狂気の悪魔とも言える勢いで有無を言わさなかった。逆らった者、盾突く者は容赦なく非国民であるという戦時中の言葉を復活させた。国民はそれに震え上がった。

政府も正気の沙汰ではなく、もはや手段など選んでいる余裕はなかった。国民にオヌマが関与しているということを公表しなかったのは、この法案が互いを罵り合い、疑心暗鬼、誹謗中傷によってマイナスエネルギーが増加し、オヌマの更なる出現を防ぐ防波堤の役割もあったからだ。
21/12/18 00:24 (.1q3Vcu0)
43
投稿者: 蟹 ◆AU/OjWxByc
懲役10年、20年とされていた罰則も見直され、死刑もやむなしという過激なものに変わったがそれだけではない。

本来、責められるべきではない被害者に何かしらの非が認められた場合、被害者も加害者として家族、親族はおろか少しでも関わった者はみな同罪で非国民とするという法律まで作られた。場合によっては当然、死刑。

もはや恐怖政治だった。だが誰も逆らえなかった。盾突こうものなら国は容赦なく、弱者を切り捨てる判断をした。

それには何の躊躇もなかった。そしていつしか、無知と何の疑いもなく誰かが何とかしてくれると思って生きてきた奴が悪い、それこそが害悪であるという歪んだ価値観も生まれた。いや、むしろ歪んでいると言えるだろうか?

防衛は人間どころか、生物として当たり前の本能。そんな基本的な事を忘れている奴が悪で、絶滅するだけのとろいクズ。

なんてことを思っている俺もすっかり国の思想に染まっているだろう。

今の法に変えた政治家の1人が言っていたが、その人は決して口だけが達者ではなかった。むしろ口だけの者が国を守るなどとんでもない話だとも豪語していた。同時に何も考えず、ただ周りがどうにかしてくれる事を待つ国民を守るのもどうかと思うことも話してくれた。
21/12/18 01:34 (.1q3Vcu0)
44
投稿者: (無名)
それから政治家たちの熱弁は続いた。

「巧妙?言葉巧み? 笑止千万! そんな言葉を使っていいのは超一流の詐欺師だけだ!!」

その言葉を合図に怒号が響いた。

「電話の声が息子に似ていた?泣き声が似ていた?ふざけるな!それは貴様らがクズだからそうなったんだ!」

それは詐欺などの犯罪で食い物にされた被害者を非難するどころか、拳でぶん殴り、無理やり言うことを聞かせる恐怖を与えるかのようだった。

「この際だから言ってやる!自分が国民だ?ふざけるな!国民なら自分の国の法律ぐらい知っておけってんだ!家畜のブタ以下のゴミなんだよ!ぬるま湯に浸ってぼーっとしている奴は!奴隷にならないと何もできない上に現実を見ないクズ!てめえの立場をわきまえろ!」

言葉遣いも乱暴になり、その言葉は一部の犯罪被害者達を凍り付かせ、ビクつかせた。中には自殺した人もいたかもしれない。

しかしそれすらも想定内であった。この国に必要なのは役に立つ者、使える者。逆に役に立たない者、使えない者はいらないのだ。

「使い物にならない奴隷の話はここまでにして使い物に奴隷の話をしよう。言っておくが、ありきたりな美辞麗句は抜きだ。言葉を飾らずに言おう。昨今、我々はオヌマという化け物と戦い、幸いにもそれと戦う力がある事を国民の皆が知ったのは記憶に新しいだろう」

電話の声だけを肉親と信じ、命と時間を削って得た大金を簡単に我が子だからという理由で渡す神経を持つ親、いい年をした大人なのに幼子のままという認識を持ち続けた親には到底理解できない演説が始まった。

「その力とは果実の鎧の戦士、黒影トルーパー。足軽のごとき姿はまさに国のために戦う者の姿そのものだ。もちろん、この足軽の鎧をつける者はただ働きではない。家族のため、自分のため、ひいては国の未来のために命を捧げる覚悟を持って大金を得たい者だけが身に着ける事を許されるのだ。いつまでも甘ったれた神経でいる奴が触れる事はおろか、視界に入れる事すらも許されない鎧でもあるのだ」

黒影トルーパーの志願兵とそれに伴う報酬。使える兵隊を得るために使えない国民とは名ばかりのクズを切り捨てる選択。

未来の命を守るという名目で非情にして無情、冷酷な日本が今ここに誕生した。
21/12/18 11:07 (.1q3Vcu0)
45
投稿者: 蟹 ◆AU/OjWxByc
戦極ドライバーの原料となるレアメタルの採掘。警察、自衛隊がオヌマに対抗するための軍資金に国家予算、税金は回された。おかげで政治家の贅沢三昧は多少なりと制限された。当然だ。国民に使える奴隷になれと宣言したのだから。

恐怖政治で国民は誰も彼もが有無を言わさずに教育方針の改正、死に物狂いであらゆる仕事につく事を強いられた。

おかげで特殊詐欺の被害者、引きこもりなどは減少した。恐怖政治では何も変えられないとフィクションではよく聞くが、それこそフィクションだ。

何もやらず、勘違いと間違った居心地の良さにどっぷり浸かったからこの国はオヌマの温床になったのだ。

もっと早くからこうしておけばよかった。何でもかんでも馬鹿みたいに受け入れるからクズがのさばる。

今までがどうかしていたのだ。誰もがそう思い、国民の大半はその思想に染まっていた。そして、それについていけない者は・・・

使えない者は多少の犠牲はやむを得ないとか何とか言われ、世間から悪とみなされた。

弱者などと言っていられない。少しでも国のやり方に文句を言おうものなら、非国民と言うの名の犯罪者として容赦ないレッテルを張られた。

使えない国民(ゴミ)はいらない。しかし、どこまでも残酷で冷徹な決断によって守られたものがあるのもまた事実であった。
21/12/18 11:36 (.1q3Vcu0)
46
投稿者: 蟹 ◆AU/OjWxByc
それから数10年、オヌマの出現は多少なりと収まった。しかし、不平不満を持つ人間はどんなに法律を変えようと生まれた。人間の心は法では縛れないのだ。だからこそオヌマもいなくならない。

そもそもなぜ、犯罪者にオヌマの黒い蔦が巻き付くのか、消滅するとどこへ行くのか、それすらも解明されていなかった。

謎の部分はまだあった。オヌマ出現の前に存在したとされる発展途上や貧困の国の人間、軍資金を得てテロ活動を行っていた組織らは本当にある日突然消えただけなのか。ハルさんはこれに対して最後まで疑問に思っていた。

いかなる動機があろうとテロリストは世界の悪だが、そいつらが都合よくいなくなってくれたのか?とも推察していた。

・・と金曜の夜、俺は黒影トルーパーの成り立ちや強制的な法改正、ハルさんから聞いた疑問を思い出しながら銭湯の番台についていた。

まだ営業時間だが、オヌマ対策もあり、今日は先輩の貸し切りとして入浴中は営業時間終了の札を下げるつもりだった。

そして

ガララッ

引き戸を開ける音がして俺はその方向に振り向いた。そこには夜戸さんがいた。

「いらっしゃい、夜戸さん」

俺は番台として彼女に挨拶した。

「こんばんわ、一郎くん」

夜戸さんは丁寧にお辞儀までした。服装は制服で青いブレザーに蝶ネクタイ、ブラウスとスカート、黒いストッキングにローファーといったものだ。白い顔と薄い青紫色の瞳、背中まである艶やかな長い黒髪、そして大人の女性顔負けの豊満な肢体。

本当に美人だ。普通なら誰もがそう思うだろう。だが俺は3年前の出来事を知っているだけにどんなに彼女が美人でも恐怖を抱いてしまう。
21/12/18 12:25 (.1q3Vcu0)
47
投稿者: 蟹 ◆AU/OjWxByc
夜戸さんは入浴券を俺に見せて、俺は番台として入浴の許可を彼女に与えた。その瞬間・・・

「はい、お客としての役目はここまで。ここからは私と一郎くんの二人だけの話にしたいの」

「え?」

突然の夜戸さんの言葉に俺は戸惑った。

「えーと、世界に関わるお話ですか?」

「もちろん。でもその前に私と一郎くん、狗道家と夜戸家に関わる話でもあるの」

夜戸さんはそれまで明るい笑顔から雰囲気が変わった。初めて見る暗そうな顔だった。暗そうな顔・・・そう思うとあの3年前の光景が脳裏によぎる。

そんな俺をよそに彼女は話を続ける。

「その話はお互い、湯船に浸かりながら話さない?」

その言葉、その提案に俺は一瞬、耳を疑った。

「へっ!?」

俺は情けない声を上げてしまった。

「私としてはすべてを隠さず、話し合いたいの。心も身体も」

暗そうな顔から今度は恥ずかしそうに顔を赤くしながら、自身の提案を強く示す。

学校一の美人と一緒にお風呂。それも裸で。俺は心に妙なものを感じながら彼女を見つめた。


21/12/18 16:00 (.1q3Vcu0)
48
投稿者: 蟹 ◆AU/OjWxByc
「と、とりあえず業務時間終了のお札と鍵かけてくれない?」

顔を赤くしながら夜戸さんはそう命じた。

「え?あ、はい」

俺は少しもたつきながら業務終了の札をかかげ、引き戸に鍵をかけた。

「かけたわね。次にザクロの錠前、持っている?」

ザクロの錠前。それは俺が親父から受け継いだ鮮血の救世主のロックシードだった。ちなみにその親父は創世のベルト・ゲネシスドライバーとドラゴンフルーツエナジーロックシードで鎧とベルトが変わっただけのセイヴァーに変身している。

「ええ、持ってますけど」

そういって俺は常にお守り代わりに持っているザクロロックシードをポケットから取り出した。

初めて渡された時は2年前の14歳の頃。ゲネシスコアがセットされた戦極ドライバーとブラッドオレンジの錠前も渡され、俺は訓練も兼ねて初めて変身した。親父の指導はマジできつかった。あの時は赤い創世の弓ソニックアロー1本で二刀流の俺を圧倒した。といってもその頃の俺は本物の武器を握ったことがない素人のガキでしかなかった。それから1年後、15歳になった俺は戦闘員オヌマと戦い、なんとか初陣を飾った。

初めて俺が変身した時の姿は祖父、親父がベルトを使っていた時と何ら変わらなかった。しかし、俺はまだセイヴァーの真価を発揮していなかったのだ。

「私も自分が持っている錠前を見せるわ」

そう言って夜戸さんは赤と紫の錠前を見せた。その錠前は初めて見る異質なものだった。解錠するボタンは右側に3つあり、形は釘状で縦に並んでいる。

錠前のボタンの名前はアンロックリリーサーと呼ばれ、夜戸さんが持っている錠前は黄緑色だった。

ロックシードは一般的に南京錠の形状をしており、U字を逆さにしたような掛け金が特徴だ。ロックシードはその部分をスライドシャックルと呼ぶ。

夜戸さんの錠前はその部分も黄緑だった。

「これは私達、夜戸家に伝わる異界の果実そのものを模したヘルヘイムロックシードよ」

異界の果実。それについては狗道家である俺も知っていた。ロックシードを作り、ロックシードに変える禁断の果実だ。
21/12/18 17:26 (.1q3Vcu0)
49
投稿者: 蟹 ◆AU/OjWxByc
異界の果実。またの名をヘルヘイムの果実。それは北欧神話の死者の国ヘルヘイムを名の由来にしていた。

赤と紫の皮に覆われ、白い果肉を持つ錠前のような形をした果実。かつては狗道家と夜戸家のみが特殊能力で生み出し、栽培できた植物で現在では夜戸家のみが必要最低限のロックシードを生み出すために栽培していると聞いている。

ハルさんの能力によって改良が施され、見た目は不気味だが、非常に美味いらしい。さらにすべてのロックシードは狗道家と夜戸家の意思次第で良からぬ考えを持った者が持つと自爆する仕掛けがあるとも俺は聞いていた。

夜戸家に伝わる異界の果実そのものを模したロックシード。どうしてそれを親戚の夜戸さんが・・・?

俺はある可能性に気付いた。

もしや、夜戸はハルさんの孫・・・?


21/12/18 18:27 (.1q3Vcu0)
50
投稿者: 蟹 ◆AU/OjWxByc
「一郎くん、ザクロロックシードを右手に持って、私も右手に持つから」

そういうと夜戸さんは自身の右手にヘルヘイムロックシードを持った。

それに合わせて俺は右手にザクロロックシードを持った。改めてロックシードの表面キャストパッドを見つめる。この表面はロックシードが持つ力は地球の果実を模す形で固定化したフロントパネルだ。ザクロと言うより、黒線がないスイカ、黒線にあたる部位には赤い粒々があり、無理やりザクロに見せているといった感じだ。中央部にはナンバリングがあり、俺が持つザクロロックシードには数字ではなくL.S.- MESSIAHと黒い字で記載されている。スライドシャックルとアンロックリリーサーは黒で解錠ボタンである後者は右上にある。

夜戸さんが持つヘルヘイムロックシードもまた特殊だった。俺のザクロを含めて通常のロックシードの本体(エネルギーのシードコアを格納している)であるシーリングボディは銀色なのが一般的だが、彼女のものは紫色だった。そしてキャストパッドはヘルヘイムの果実そのもの。

それだけではない。ナンバリングは黒字でL.S.- HELLと記載されているが、その文字が逆さなのだ。おかげで彼女の右手にあるヘルヘイムロックシードはこちらから見てナンバリングの文字が逆さにならない。

「私の左手があなたのザクロロックシードを起動させるから、一郎くんは左手でヘルヘイムロックシードを起動させて。解錠ボタンはあなたから一番下よ」

「は、はい」

釘状のアンロックリリーサーは3つの内、2つがダミーなのか。俺から見て一番下・・・彼女から見て一番上か。

俺は左手の指で本物の解錠ボタンを探り当てた。間違いない、ここだ。

夜戸さんのほうも左手の指でザクロの解錠ボタンを探り当てた。

俺と夜戸さんの両手が互いかざす形になる。

「次はこの銭湯と狗道神社とそこにある屋敷を強くイメージして」

「はい」

「イメージしたら解錠ボタンを同時に押すのよ」

そう言われて俺は夜戸さんに言われた場所を強くイメージした。俺の銭湯、思い出の狗道神社、そして3年前の出来事を見た屋敷・・・

「行くよ」

「はい」

『『ザクロォ!ヘルズ!』』

かっこいい合成音と不気味な合成音が同時に鳴る。

ザクロは赤、ヘルヘイムは紫に発光した。

次の瞬間、俺と夜戸さんの周囲は白い煙のようなものに覆われた。そして・・・
21/12/18 20:55 (.1q3Vcu0)
51
投稿者: 蟹 ◆AU/OjWxByc
俺達は普通に銭湯の中にいるだけだった。

「あれ?何も変わってない?」

「いいえ、玄関を開けてみて」

「今度は開けるんですか?」

さっきかけたばかりの玄関を鍵を再び・・・と思いきや、鍵がかかってない。

「あれ?どうして・・確かにちゃんと」

そう思うも俺は玄関を開けた。

銭湯の周囲はいつもと変わらない景色が視界に飛び込んでくるはずだった。しかし、どういうわけか、玄関の下にあるアスファルト道路は変わっていないが、向かいの家はおろか、隣の家などの建築物の類がなく、代わりに青々とした木々が生えている。

俺は左側を見た。そこには少し遠くにあるはずの狗道神社が振り向いただけで見える位置に移動していた。

「いったいこれは?」

「あれは狗道神社で狗道神社ではないもの、ここの銭湯もそうよ。私とあなたの集合的無意識が狗道家と夜戸家の力によって特殊能力のエネルギーが質量として物質化、実体化したもの。簡単に言えば頭の中のイメージを私達に宿る特殊能力で本物っぽく作った見て、聞いて、触れる現実に近い幻の世界よ。実体を持った疑似仮想現実とも言えるわね」

夜戸さんの言っている事に理解が追い付かないが、ロックシードを通じて俺と夜戸さんに宿る力によってこの空間が作られたということなのだろう。

「正直さっぱりですが、ここが現実っぽい空間って事だけは理解できます。こんな能力が俺に・・・とにかくこの空間で何を?」

「浄化の儀式よ。私とあなたが行う儀式でオヌマの穢れを清めたのち、私と一郎くんを通じて戦っている人達に付着したオヌマの穢れも清めるのよ」

オヌマの穢れを清める浄化の儀式。ついに俺もそれを行う日が来たのか。

そして俺はこの後に続く彼女の言葉に驚愕することになるとは俺は夢にも思っていなかった。
21/12/19 16:50 (Gg8DFK7W)
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