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2015/07/17 16:06:18 (895bltZd)
小さな足音が聞こえ、襖戸の開く音に目をやると、朝
の服装に戻っている義母が顔を俯けて入ってきました。
 薄いピンクのアンサンブルと濃紺のタイトスカート姿
で、眼鏡をかけた顔の化粧もし直したのか、赤いルージ
ュが鮮やかでした。
 「…お腹空いてるでしょ。何もないけどお握り作った
から、ダイニングに…」
 やはり僕とは目を合わそうとはせず、色白の顔を俯け
たまま、呟くような声でいってきました。
 「ありがとう―」
 とだけ言葉を返して、そそくさと下着を穿きジャージ
ー姿に戻り、僕はダイニングに向かいました。
 テーブルの上には丸い皿に何個かの海苔で巻かれた小
さな握り飯が並び、横の皿には僕の好物の卵焼きが置か
れていました。
 僕より少し遅れて入ってきた義母が調理台に向かい、
鍋から湯気の立った味噌汁をお椀に入れて、椅子に座っ
た僕の前に置いてくれました。
 こんな時に義母にどういう言葉をかけたらいいのかわ
からず、
 「いただきます―」
 とだけ照れ隠しのような声でいって、僕は味噌汁を口
に運びました。
 そのまま居間のソファにでもいくのかと思っていた義
母が、どういうわけか僕の真正面に座ってきました。
 「浩二さん…食べながらでいいから聞いて」
 眼鏡の細いフレームに手を当て、義母が神妙な顔つき
で徐に切り出してきました。
 「もう、六時には由美が帰ってくるけど…私たち…こ
れからどうなるの?…あなたを…あなたを、私…拒めなく
なってきてる。…それが、とても怖いの」
 蒼白に近い顔と眼鏡の奥の目に、不安と慄きの表情を
深く漂わせて、言葉を少しいい澱ませ気味に義母がいっ
てきていましたが、僕はそんな彼女の切実そうな声を無
視するかのように食べることに専念していました。
 道理に満ちた理性がまた義母の心に蘇っているのだと
思っていました。
 義母の悔恨と慙愧の言葉はしばらく続き、
 「…このままでは私たち…地獄に堕ちるわ」
 とか細い肩を沈ませて気弱くいった時、
 「お尻の穴まで犯されてよがり狂った女がよくいうね」
 と途方もない下品な言葉を吐いた僕に、彼女は信じら
れないという驚きの表情で目を大きく見開いていました。
 義母のまたしても目覚めた理性を一気にへし曲げるた
めに、故意的にいった言葉でした。
 「でも、好きだよ。亜紀子のあの時の顔。死ぬほど好
きだ」
 それは僕の本当の気持ちでした。
 「いっただろ、前にも。…地獄に堕ちる時は僕も一緒
だって」
 「…こんな年で…それにもましてあなたの義理とはい
え母親なのに…あなたを好きになっている私が…私が本
当に怖い」
 「ごちそうさま、お腹空いてたから美味しかった。卵
焼き最高だったよ」
 明るくそういってから、
 「亜紀子、こちらへおいで」
 と唐突に言葉を続け足しました。
 え?という表情を浮かべた義母でしたが、少しの躊躇い
の後、彼女が椅子を立ち上がりしずしずと僕の側に寄っ
てきていました。
 近くまできた義母の細い手首を捉え、そのまま自分の
ほうへ引き寄せると、彼女の小さな身体は他愛もなく椅
子に座った僕の胸に倒れ込んできました。
 そのまま両腕で包み込むようにして、僕は義母を抱き
締めました。
 間髪を入れることなく義母の唇を奪い重ねました。
 「ううっ…むむぅ」
 と慌てたように小さく呻く義母でしたが、すぐにその
全身から力が抜け、両腕を自分から僕の首に巻きつけて
きていました。
 僕の太腿の上に腰を落とし身を預けながら、義母は自
分の心の中の何かを消し去りたいかのように、首に巻き
つけた手に力を込め、自分の舌を激しく僕の舌に絡みつ
けてきていました。
 まるで愛し合う恋人同士のような抱擁は長く続きまし
た。
 お互いの息が感じあえるくらいに顔と顔を寄せ合って
いる時、
 「亜紀子、もう一度いうけど、二度と悔やみの言葉は
僕の前でいわないでくれよ」
 と義母に向かっていいました。
 「…はい…でも、ほんとに」
 「亜紀子の身体だけじゃない。全部、好きなんだ」
 「…私も…こんな年なのに…浩二さんが好きに」
 「そういえばさ、さっき食事の時、居間のテレビで歌
番組やってたけど…誰だったかな?三味線持ってて演歌
の…長山なんとかって人、亜紀子にそっくりだなぁって
思ってた」
 「気がつかなかったわ…」
 「亜紀子が若い頃、由美と一緒に写ってた写真見せて
もらったことあるけど、似てたよ」
 「…そう。あ、そういえば、あなたが寝ている時、自
治会長さんから電話あったの」
 「自治会長から?…何て?」
 「明日ね、この辺が選挙区の国会議員の候補の方が集
会所に来るので、急で悪いんだけど出てくれないかって
頼まれたの。それが午前と午後の二回もあって、夕方ま
で拘束されそうで」
 「そうなんだ…」
 僕が少ししょげた顔すると、
 「…断わり…ましょうか?」
 と義母が思い直すような表情で言葉を返してきました。
 「あ、いやっ、いいよ。町内のお付き合いも大事だか
ら行ったらいいよ。…ぼ、僕もそういえば出かけるかも
知れないから」
 義母の言葉を聞いて、僕の頭の中は目まぐるしく機転
を働かせていました。
 それならそれでいいと僕は考えていました。
 これからも土日には、いつでも義母と一緒にいれると
いう確信めいたものが僕の胸にありました。
 義母が留守の間に、彼女のあの日記を読もうと思った
のです。
 そしてもし時間がまだあれば、あの野村加奈子に連絡
を取ってみようとも考えていました。
 「あ、それともう一つ…」
 「何、もう一つって?」
 「昨日、居間のソファの下にね、あなたにこの前玄関
で…口紅拭うのに渡したハンカチ落ちてたのよ」
 「ああ…背広のポケットに入れたままだった」
 「それが落ちたのね…見つけたのが私だからよかった
けど」
 「そうだね、亜紀子でよかった」
 お互いがほんの少しだけひやりとする会話で終わり、
僕は義母から離れ居間に移ったのでした…。

        続く
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22
投稿者:ヒール ◆UXGqNwGvto
2015/07/29 12:02:27    (sp9U.yeJ)
みなさん
フランス書院って知ってます?
流れがそれっぽいんですよね。
強姦している男に、しがみ付いて良がったり
いきなり若い娘に言い寄られたり・・・
私も最初から引き込まれて読んでいたので
中傷する気はありませんが、
現実なら、日記は止めさせた方がいいですね。
引出しには鍵は無いし、
もしも、義母さんが他界でもしたらどうします?
娘さんが整理をしていて見つかったら
大変なことになりますよ。
23
投稿者:masa
2015/07/31 15:50:40    (SpFVPsOV)
毎回、引き込まれるお話しで楽しみに読ませていただいておりました。
この度、「官能小説の館」に引っ越しされるとのこと。
検索等で、引っ越し先を上手く探せるか心配しています。
是非、続編掲載の際には、引っ越しサイトをお知らせ願います。
続きを心待ちにしております。

24
投稿者:kkk
2015/08/03 05:05:13    (wFCtXLIa)
コウジさんへ、その後の展開がまだなのでしょうか?
それとも、私が探せないでいるのでしょうか?
「近親相姦 官能小説」へ移動されると思っていましたが・・・
もし違うようでした、新たなサイトを教えてください。
よろしくお願いします。
25
投稿者:コウジ
2015/08/04 13:58:13    (kvsZ68VP)
最初に―

 これまで長くお読みいただいてきた皆様に、先ず
もって、自己都合(身内の不幸事)により長く投稿ま
したことを、深くお詫びを致します。
 また、前回に身勝手にサイト移動までご報告して
おきながらの失礼も重ねてお詫び致します。
 私個人の恥ずかしい実体験と想像(妄想)だけで、
長く拙文をだらだらと投稿させていただき、これほ
どの反響は予期していませんでしたので、驚きやら
感謝やらお詫びの思いでただただ反省しきりの次第
です。
 皆様のご好意におすがりして、またもうしばらく
頑張りたいと思っていますので、次回からは『官能
小説の館―近親相姦官能小説』へ投稿させていただ
きますので、また色々なご感想やらご意見をよろし
くお願い申し上げます。
             筆者敬具


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