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悪姉

投稿者: ◆0jVt1ao7Gw
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2020/12/17 04:45:06 (fjxJMfLm)
「性格は顔に出る」

子供の頃から私は、大人達に
「性格がキツそうだ」
と言われていた。

幼稚園や小学校に入学しても、顔のせいで、リーダーに担がれてしまい、先生にも目をつけられていた。

そのせいで、私は男子から距離を置かれ、周りは女子ばかりになり、バレンタインにチョコを貰うようになった。

ホワイトデーには、女子にお返しを配り、異性では弟や父にしかプレゼントを贈らなくなった。

中学に入ると、私に「レズ疑惑」の噂が流れ、仲の良かった友達や担任と、「愛し合ってる」なんて話まで出ていた。

くだらない噂を流す男子は嫌いだけど、女好きと言う訳でもなく、もて余した「恋心」は唯一信頼できる家族に向けられた。

うちに遊びに来るのは、同い年の女子か、弟の友達の男子ばかり。

そんな自分を変えたくて、芸能人になろうと、オーディションに応募したりもした。

書類審査がパスしたオーディションで、二次選考で水着審査があると知って、家族に反対され、私は夢を諦めた。

今にして思えば、中学生を水着で審査する大人の感覚も理解できて、辞退して良かったと思った。

高1の時、学校を出ようとした時に、あの大地震が起きた。

いつまでも収まらない揺れに、恐怖を感じ、家族が被災してないかと、心配になった。

あの夜は、父も自宅に戻れず、母親と3人でテレビを見ながら、大きな余震に怯えて眠れなかった。

トラウマになった緊急地震速報のチャイムを聞くたび、動揺する母と弟を励ましていた。

大事な高校受験を控えていた弟は、ストレスから勉強が手につかず、私が部屋に行ったり、部屋に呼んで、勉強を教えるようになった。

休憩時間には、ベッドに横たわる弟にマッサージしてあげたり、私が眠くなると、ベッドで寝ている隣で、弟が勉強をしながら、私を見守っていた。

必死に「強い娘」「強い姉」を演じて、家族の絆を紡いでいた私の中に、もう一人の「悪い自分」が覚醒した。

「一緒に寝よう」
とベッドに弟を誘った。

(何もしないから)
と思いながら、疲れて眠った弟を抱いてる私の中で、性欲が溢れて行った。

「優しい姉」を演じている癖に、弟に邪な感情を抱いてしまう自分に嫌悪した。

いけない妄想は、寝ている夢の中でも広がり、朝になるとパジャマにまでシミが出来ていた。

家族の起きる前にシャワーを浴びながら、悪い自分の汚れを流そうとしたけど、流しても流しても、汚れは身体の奥から溢れて行った。
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22
投稿者: ◆0jVt1ao7Gw
2021/01/02 13:40:37    (eUubxrBg)
大切な人が愛した人の「生命の灯火」が消えようとしていた。

「少し考えさせてくれ」
「ダメ、すぐにでも決めて」
「どうして?」
「だって、もう時間がないでしょ?」
と私は真剣に詰め寄った。

「本気なんだね?」
「うん、でもお兄さんの為だけじゃなく、お姉ちゃんの為でもあるし、私にとっては最後の機会になると思う」

「最後?」
「うん、私、一度だけ堕胎した事があるの」
「産みたかったけど、就活しなくちゃいけなくて、大切な人の赤ちゃんを堕ろしてしまったの」

「人工中絶したって事?」
「そう、だから一生結婚しないって決めてたの」
「でも、お姉ちゃんが泣いてる事を知って、お世話になった人の為に、恩返しがしたいの」
「………」
「お兄さん、私を抱いて下さい」
「………」
しばらく沈黙した後、
「君を抱くのは、人工受精って方法もあるけど、」
「お兄さんは、私を抱きたくないの?」
「お義兄さんやお義姉さんの事を考えると、」
と言うので、
「迷ってる暇なんてないでしょ?」
「私が抱いて、って言ってるの!」

叔父は俯きながら溜め息を洩らした。

「一緒に、お風呂に入りましょ?」
「どうして?」
「私を娘にしたいなら、父親として一緒にお風呂に入ったって、おかしくないでしょ?」
「それは、」
「早くして!お姉ちゃんが起きて来る前に!」

半ば強引に叔父の腕を引っ張って、浴室に向かった。

本心では後継ぎを欲しがっている癖に、遠慮する叔父の態度に、私はイライラしていた。

「こんなの間違ってるよ。もっと自分を大切にしなさい」
叔父の偽善に、私の怒りが爆発した。

「お姉ちゃんに赤ちゃんを抱かせてあげたくないの?」
「何度もお医者さんに、大事なアソコを晒して、お兄さんの子供を産みたいって、頑張ったお姉ちゃんの気持ちが分からないの?」(怒)

興奮した私は、涙声で訴えた。

「ごめん、ありがとう、泣いてくれて、」

涙を溢して泣いてる叔父を、私は抱きながらキスをした。

着ていた服を片手で脱ぎながら、脱衣した服で涙を拭いた。

「どう?私を抱く気になった?」

「きれいだよ、りんちゃん」
と言うと、叔父もキスを返して服を脱いだ。

元旦の昼過ぎ、セックスまでには至らなかったけど、叔父と私は家族の絆を、裸で確かめ合った。
23
投稿者: ◆0jVt1ao7Gw
2021/01/02 20:39:02    (eUubxrBg)
叔父様以上、実父未満の関係を契った事で、私の気持ちにも変化が生まれた。

一番は子供を産めるかも知れないという事。

正直なところ、出産する時の痛みやリスクは、今でも怖いけど、恩返しという目的もあるし、子育てするのも楽しそうだ。

養女になれば、結婚する必要もなくなるし、叔母の存在も心強い。

叔父の手術が上手く行けば、3人で子育てできるし、実家や弟への未練も断ち切れるだろう。

という夢を見た。

元旦の夜に見た初夢は、幸せいっぱいの明るい将来だった(嬉)

一生抱えて行く秘密が、また出来たけど、今の私にとっては、秘密が希望になっている。

会社に提出する「辞職願い」の文面を考えるのも、思わず笑顔になる。

不動産事業や資格にも、興味が出てきたし、どんな経営をするか妄想するのも楽しくて、自然と笑顔になる。

「りんちゃん、何か良い事あった?」
と叔母に尋ねられた時、叔父に視線を向けたら、恥ずかしそうに顔を隠した。
叔母や家族は、私が懐妊する子供の本当の父親を、生涯知る事もないし、最愛の弟にも教えるつもりはない。

「姉」という呪縛から解き放たれ、新しい家族の「娘」になり、「姓」を変えて「母」になる。

そんな将来像を考えると、コロナ禍で沈む世界も明るく見えるようになった。

明けまして、おめでとうございます。

今年は試練に耐えて、しっかり幸せになりましょう(笑)
24
投稿者: ◆0jVt1ao7Gw
2021/01/12 12:44:44    (aa.VfFNQ)
親類の養子になると決意し、姓を変えて、弟への恋を卒業したと自分に言い聞かせても、時おり姉としての未練が襲います。

それも近親相姦の報いとは、理解しているものの、燃え尽きたはずの思いが燻り続け、養父と子作りしている時も、気持ちの中で割り切れない自分がいます。

(本当に身勝手な女)
と自嘲しながら、悪い自分も嫌いになれない。

モラルの仮面を被る葛藤に、苦悩する事もあるけど、血の繋がった姉弟の絆は、どんな手段でも断ち切れないと、再認識しました。
25
投稿者:**** 2021/01/31 21:38:15(****)
投稿削除済み
26
投稿者:(無名)
2021/03/15 16:25:13    (6l.en45U)
読みやすく、話に引き込まれてました。

小説を書いていますが、ここまで上手く文章にする事が出来ません。

こういうのってセンスなんだなって、改めて知る事が出来ました。
27
投稿者:(無名)
2021/04/12 22:41:37    (7dqwikYO)
「頭の程度は文章に出る」

知ったかぶりの知識を披露した結果、墓穴を掘って無様に逃げたネカマがいな~笑笑
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