今でもよく覚えてます。
父、母、私、弟の四人家族は、ある団地住まいでした。
キッチン、ダイニング、バストイレ、六畳と八畳の二部屋、これが私が中学二年になるまでの住まいでした。
六畳は私と弟の部屋、八畳は両親の部屋で、仕切りは襖のみでした。
その襖は、私や弟の悪さによりボロボロ、母はよくそのボロボロの襖を、小言を言いながら補修してました。
小学校四年の頃だったと思います。
ガタン!という物音がして、私は目を醒ましました。
でも気にせずまた寝ようとすると、両親の部屋から、なにかコソコソ話すようなのが聞こえました。
すっと襖が開いたようでしたが、私は気にせず横になったまま。
母の声がしました。
「大丈夫だった?」
続いて父の声。
「ああ、大丈夫だ。民子も良樹も寝てる」
「あなた、気をつけてよ~もう」
「すまんすまん」
なにがなんだかわからない私は、ちょっと興味を持ちました。
そこで私は、襖の補修テープが剥がれかかっていた部分から、隣を覗きました。
暗い部屋に目が慣れてきたときに見たもの、それは両親が裸だったこと、母に父が覆い被さり、父はお尻をピョコピョコ動かしていたことです。
なにをしているかはわかりませんでしたが、見てはいけないことを子供心に感じ、私は再び床につきました。
時々、覗き見ることができ、その行為がセックスであることを知るのは、数年先でした。
性と言うものを知識で知ったのは六年生になってからです。
私も女として成長しはじめた時期で、胸が膨らみ始め、初潮を迎えたときでした。
生理用品はタンス、上二段は母の場所、そこにしまわれてました。
下二段は父の場所でした。
生理用品を取り出そうとした私は、タンスの引き出しを出し過ぎてしまい、外してしまいました。
下は父の場所、その父の下着に隠れるようにあった紙袋、生理用品が入ってる紙袋と同じ物でした。
中を見ました。
銀色の四角い、ぺったんこな袋の中に輪っか。
これがコンドームってやつか、すぐわかりました。
私はそれをそっとしまい、外したタンスを元に戻しました。
そんなことがあり、私は両親がするタイミングを、観察するようになってました。
ある時、珍しく早く帰宅した父が、晩酌しないと言いました。
すると母はそれににこやかに対応したんです。
弟と風呂に入り上機嫌な父、母も物凄く機嫌がいい、もしかして、私は思いました。