月1、3~4日の割合で支社に出張している。
多いときは月2になることもある。
嫁の実家が支社に近いこともあり、
出張のたびにお世話になっている。
子供が未就学のときは、家族でお世話になって
いたが、小学校に入ってからは、私ひとりで
お世話になることが多くなった。
子供たちが小学校に入るのを待たず義父が他界した。
4年前、55歳の若さであっけなくこの世をさった。
義母53歳、嫁が29歳、私が33歳だった。
子供たちの入学まで2年あったため、出張のたびに
家族4人で嫁実家を訪れていた。
双子のわんぱく小僧が義母の慰めになっていた。
義母は娘二人を育てあげたが、孫とはいえ男子は
初めてだったため、孫たちの行動に目を白黒させ
「男の子ってわかりやすいけど、動きが速くて
大変よ」が口癖になっている。
義父が存命中は、孫達を外へ連れ出したり、家の
中を走り回ってもニコニコしていたが、義母ひと
りになってからそうもいかないようだ。
孫たちを風呂に入れるのもひと苦労あるようだった。
入浴中はともかく、脱衣場に出ると、一人を拭いている
間にもう一人が脱衣場を脱走し、濡れたからだで
走り回る。そんな一人を嫁が押さえつけ、脱衣場に
戻す。自宅でもそうだが、嫁が風呂に入れるときは
私が一人を受持つ。逆もしかりである。嫁実家では
義母が一人を受持つこともある。
一人を受持ってくれるのは、助かるしありがたい。
ただ困るのは、嫁がいないときである。
私と義母で一人ずつ受持つが、私は当然はだかだ。
逆のときは義母がはだかだ。
義母は孫のことで精一杯だが、私は慣れているため
目の端で義母を見てしまう。義母が剛毛ならまだ
いいのだが、恥丘に少し生えているだけだから
1本の筋がハッキリ見えてしまう。
私のときはだらりとしたままだが、義母に何度か
見られている。
50代の義母だが、男性経験の少なさがわかる
きれいな1本の筋だ。
子供たちが小学校に入り、私ひとりで実家に
行くと、必然的に買い物も義母と二人になる。
あるとき、小さな段差で義母が転びそうになり
咄嗟に義母を支えたことがある。
服を通してだが、女性特有の肌の柔らかさを
右手で感じた。それまで嫁の母親としか見て
いなかったため、どこにでも居る普通の
おばさんとして私の目に映っていた。
「お義母さん、危ないから…」
そう言って義母の手を取り歩いた。
「りょうちゃんごめんね、面倒かけて…」
手を握って歩いても嫌がる素振りは見えない。
買い物を終え、手を繋いでクルマにもどる。
走り出してすぐだった。
「なんかドキドキしてる」
「なにかあったの?」
「娘の旦那でも男性だから、手を握られて
ドキドキが収らないのよ」
「こうかな?」と
膝に置かれた義母の手を包むようにすると、
その手の上に片方の手を乗せてくる。
「男性と手を繋ぐなんて、何十年ぶりだから…」
包みこんだ手をさすると、上に置かれた手も
引きずられて動く。
「生もの買ってないですよね、少しドライブしましょ」
義母の返事はない。