離婚した。元主人は直ぐにボランティアとか言ってアフリカに医療関係で言ってしまった。
私は心に穴がぽっかりと言った感じを過ごした。でも義理の弟が何かと世話を焼いてくれてた事に気がつかない毎日だった。
「おねえーー元気にし取るかー」と気軽に声かけて休日、早晩の日には尋ねてきてくれていた。
部屋の模様替え、棚をつってとか、いろいろ頼んでいたりもした。
この間は、「この壁と冷蔵庫の間にぴったりのボックスはスーパー独鈷も売ってないのよねー」と
会話のつもりで言った。次の日曜日、「きたよー」の声にのろのろ起きた。昼前だった。寝ていたのだったその時間まで。
玄関に待たせてあわてて身繕いをして迎え入れた。板切れを持ってきていた。「この間言ってちゃロー」
と、広くも無い玄関でトン、トンギコギコとやりだし、先週言ってた壁との隙間ぴったりのボックスができた。
「まだまだ俺も捨てたもんではないな~」と白い歯を見せていた。さっと塗料を塗り「これで水に濡れても良いから」と
ピースサインをしてる儀弟。3時を回っていた。「ごめんね、お昼も出さないで。遅いけど一緒に食べて」
と、ビールと昨夜に炊いておいたアジの煮炊きを出して、私も一緒に儀弟とビールを飲みほろ酔い加減で
心地よくなった。久々のビールだった。「おねえー、飲んで顔赤くなると色っぽいなー」と冷やかされたり。
そんなことがあってから、来る事がぴたりと無くなった。気にも留めなかった。弟を知ってる友達からの電話。
「儀弟さんの様子どう?」と言う。??の私だった。「事故って3ヶ月の重症よ!」とした無い私に怒った様に言った。
知らなかった。誰も言ってくれなかった。○○病院と聞き、あわてて身支度と言っても夏の事、薄化粧のつもりが・・。
タンクトップにふわっとしたスカートで、病院のカウンターで部屋を聞き駆けつけた。なんでか涙がぽろぽろ。
「たつおー」「おねえ?なに泣いてるん」「うち知らんかった。康子から聞いて」「来た」
「康子のやつ・・」あわてて何か持って行かないとと思い病院の隣のコンビニでソフトクリームを
両手に持ったままだった。「おねえ、手」はっとして恥ずかしさに襲われた。
両手にソフトクリームを持ったまま来たのだった。コップを二つ出してソフトクリームを入れ、
私に1つを持たせてくれた。食べようなと言われて、二人黙ったままソフトクリームを食べ終えた。
前のタクシーが急停車して、足を骨折で鉄板が埋まってるとのこと。タクシーが全面的に悪いとなり
金銭的には楽と笑ってる。友達の康子に言われた。あんた、鈍感にもほどがある、いつ気がつくかと思ったけどと。
そう言えば、離婚したんだし赤の他人と言っても良い。なのに今日まで良くしてくれたと思った。
男手ないし、便利とは思わないけどあれこれして欲しい事でよく呼んでしてもらった。嫌な顔せずしてくれていた。
「うち、今日までの分、看病するからね」「おねえ急にな言いうん。俺の不注意で事故っただけのことやで」
「ううん、したいの。手の空いた時間には来る様にするし。。。」「ありがとう、助かるわ。おかんは口うるさいだけやから」
「もう一週間たってるし、痛みも無いから元気になったし、心配せんとってよ」「男は、予備の足持ってるし
いざとなったら大丈夫やしな」と言うやり取りに、隣で寝ている若い子が、大きな声で笑いながら顔をしかめている。
「なに笑う馬鹿」「でもよー、予備の足って、どこについてるんや~」と又笑う。「うるさいわ、黙っとれ」
仲が良いみたいな2人。「おねえに笑って欲しかったのに」と言われてやっと解った。赤面してた私。
「そ、っそうね」「若いし」訳の解らない事を言ってた私。又隣の若者が「若いから元気だしなー、そらちゃんと予備として」
笑いながら「役に立つよね~こんな綺麗なお姉さんやから」笑ってる。「うるせー」と顔を赤らめていた儀弟。
「もう、見舞いにケーキ持ってきてくれてもやらんからなー」と反撃して笑う。
「元気そうやし、何でも食べて良いんですね?何か欲しいものアル?」「はい、お姉さんが食べたい」と隣が又言い
大笑いしてる。「怒ぅでーほんまに!」力んでいったら足に力が加わったか痛くて顔をしかめた。
とっさに「大丈夫?」又隣から「若いから大丈夫です、予備の足がありますから」と笑う。揚げ足を取って笑っている。
「欲しいものあったら言ってね」と言って、気がついた。じっと見ている事に。
いつも暑いから、ブラはつけてなく、今日はタンクトップだった。儀弟の目線の自分の胸を見た。
ちらちら胸が見えてると解りあっとおもったがでも良い、儀弟になら見えても。ごく普通にそう思えた。