三十も年が離れていて、しかも義理とはいえ母と息子
という親族関係を結んでいる義母と僕でしたが、今夜の
二人の間にあったのは、年齢差を超えて深く愛し合う恋
人同士のような思いだけでした。
「ああっ…こ、浩二さん、好きっ」
赤い縄で後ろ手に縛られた裸身を晒し、喉の奥から搾
り出すような高い咆哮の声を上げ、義母はそのまま意識
を失くしました。
さすがの僕もしばらくの間は息を荒くして茫然自失の
状態で、義母の身体の上に深く覆い被さっていました。
荒かった息をどうにか整え、僕は気絶している義母の
下腹部をティッシュペーパーで何度も拭き拭って後始末
を済ませると、彼女の身体を拘束していた縄も解き放ち、
布団に仰向けに寝かせて、その横に自分も添い寝するよ
うに身を横たえました。
天井に向けて見るともなしの視線をやりながら、僕は
義母と図らずもこうなってしまった山小屋でのことを振
り返っていました。
僕のほうに事前の画策も何もまるでなく、偶発的に生
じた、夜の風雨の中の山小屋での義母との二人きりの一
夜。
あの時の義母からのシュラフへの誘いは、勿論彼女自
身に何の他意も含みもない、義理であっても普通の母親
として出た言葉だというのは僕にもわかっていました。
自分が足に怪我を負ったことで、僕に相当な負担をか
けたという申し訳なさと、あの時は強い風雨で小屋の中
は夜が更けるにつれ、冷えが強くもなっていました。
自分だけが温まって、息子を冷気の中に晒すのは当然
しないのが親です。
血の繋がりはなくても義母には僕は息子なのでした。
しかしそんな義母にとって不幸だったのは、妻の由
美との結婚当初から、僕が義母に対して年齢差を超え
た女として密かな思慕を抱いていたということを知っ
ていなかったということでした。
そんな不埒な思慕の対象である義母と、一人用の狭
いシュラフの中で身体を密着させて寝たらどうなるの
か?
元聖職者で清廉で気品も高く理知的な義母の持つ理
性心に較べたら、ただの凡人に過ぎない僕の理性心な
ど、風に舞い散る枯葉のようなものでした。
シュラフの狭すぎる空間の中で、凡人の僕の鼻腔を
否応もなくついてくる、義母の熟れた女として香しい
匂いに、僕の身体は男として自然に反応し、理性の理
の字も思い浮かばないまま、あらぬ行動に出てしまい
今に至っているというのが本当なのでした。
僕の真横で意識を失くしていた義母の身体が小さく
動いたのがわかりました。
顔を横に向けた僕と薄目を開けてとろんとしている
義母と視線が合いました。
彼女はすぐに気恥ずかしげにまた目を閉じましたが、
「亜紀子、とても気持ちよかったよ」
と僕が優しく声をかけてやると、
「私…」
と目を開けて小さな声を返してきました。
「ん?…何?」
「私…何だか怖い」
「由美のこと?」
「夢見てたわ…このまま夜が明けないでくれって何か
に祈ってた」
「そうか…でも夜は必ず明ける」
「…このことを由美に知られたら…私、生きておれな
い」
「僕も亜紀子も、由美を入れた三人のこの家族生活を
壊したくないと思ってるのは同じだよ」
「…でも…怖い」
「小学校の元教頭先生の亜紀子にこんなこというのも
気が引けるんだけどね、詭弁かも知れないけど、何かを
守るための美しい嘘ってのもあってもいいんじゃないか
な?」
「………‥」
僕の手が自然な動きで義母の乳房に触れていました。
僕のその手を払い除けようとする気配は義母になく、
茫洋とした視線を僕の胸のあたりに投げかけていました。
「由美との幸せも、そして亜紀子との幸せも僕は守り
たいし、守っていくつもりでいる」
そういいながら僕は義母の薄く朱色がかった耳朶や、
細い首筋に舌を這わし息を吐きかけたりしながら、小さ
な丸みの乳房を揉みしだきにかかっていました。
乳房の上の乳首に指先を触れ当てた時、
「うっ…」
と小さな声を洩らし、俯けていた顔がかすかに歪むの
がわかりました。
横向きになっていた義母の身体を仰向けると同時に、
僕は上体を少し起こして唐突に彼女の唇を奪いにいきま
した。
「ううっ…むむぅ」
かすかに顔を揺らせて逃げるような素振りを見せた義
母でしたが、歯と歯の間はすぐに開き僕の舌は苦もなく
彼女の口内に侵入し小さな舌を捉えました。
義母の手が自然な動きで僕の首に巻きついてきていま
した。
布団の中での抱擁の後、僕は義母の薄く汗の滲んだ額
に額をくっつけるようにして、
「亜紀子、またしたくなってきた」
と卑猥な言葉を投げかけました。
「下のほう触ってごらん」
とさらに言葉をかけると、少しの間があって義母の手
が僕の下腹部にゆっくりと下りていき、彼女の細い指の
何本かがすでに半勃起状態になっている僕のものに触れ
当たってきました。
義母は僕のものを指全部を使ってか弱い力で握り締め
てきていました。
「僕もおかしくなっちゃったのかな?何回でも亜紀子
としたい」
「………‥」
「もっと…もっと亜紀子を虐めたい」
僕はそういうが早いか、上布団を大きく跳ね除けるよ
うにして上体を起こすと、義母の両足首を掴み取りおし
拡げながら、そのまま身体を彼女の両足の間に移動させ
ていました。
すでに固く屹立していた僕のものを、おし拡げた義母
の下腹部の漆黒の茂みの中心部に突き当てました。
僕のものの先端が義母の茂みの中の肉襞を割り開き、
彼女の体内への導入部をしっかりと捉え込んでいました。
義母のその部分はもうしとどに滑り濡れそぼっている
のがわかりました。
そのまま僕は膝立ちの姿勢で、腰をゆっくりと前に突
き出していきました。
「ああっ…ま、また…ああ」
両手で布団をむしり掴み、頤を高く突き上げるように
して義母は熱い喘ぎの声を洩らしました。
僕は僕で義母の体内に挿し入れる自分のものに、また
あの狭窄感を一杯に感じながら、奥深い部分まで沈み込
ませる動作をゆっくりと続けたのでした。
「ああっ…浩二さんっ。…私また変になっちゃう」
「いいんだよ。二人で狂おう」
「ど、どうして…こんな…ああっ」
「気持ちいいのか?亜紀子」
「ああっ…い、いいっ…あっ」
「どこが気持ちいいのかいってごらん」
「ああっ…いやっ…は、恥ずかしいわ」
「さっきもいったじゃないか。…いうんだ、亜紀子」
「…は、はい…い、いいます…お、おまんこ…ああっ」
「元教育者なのにいいのか?そんなこといって」
「ああ…あ、あなたが…いえと」
「学校の教科書にそんな言葉載ってるの?」
「ああっ…も、もう…いわないでっ」
「亜紀子をもっと虐めたいのさ」
ゆっくりだった僕の腰の律動が次第に早くなり出して
きていました。
まだもっと義母を辱めたい、奈落まで貶めたいという
思いが、僕の頭の中でさらに強くなってきている気がし
ました…。
続く
(筆者付記)
長々とこの場をお借りしての拙文を、何度もお読みいた
だいている皆様にお礼を深く申し上げます。
前にも書きましたが、自分の実体験をベースに多少の
想像と妄想を混じえてのものを、携帯に日々思いつくまま
書き記したものを編集して、コマ切れ的に列記させてもら
っていますので何卒ご容赦ください。
厳しいご意見やら暖かいご支援の言葉を励みとして、また
もう少し頑張らせていただきますのでよろしくお願いします。