母とのことです。
僕は21歳。母は52歳。母は昔からアスペの傾向がありました。何度か父と精神科医の元に通ったこともあります。
『後先考えず、頭に浮かんだことをすぐに口にしてしまう。』『話しの話題がコロコロと変わる。』といった症状です。診断結果は異常はないとのことです。
しかし特に最近、その症状が酷くなったようにも思えます。なので、きっと親戚の人達からも好かれてはいないでしょう。
僕が高校1年の冬に、お婆さんが亡くなりました。85歳の高齢だったし、立ち会った方も『大往生大往生。』と喜んでいた方もいらっしゃいました。
ところが、次に高校3年の夏に父が亡くなります。病気を発症してから、僅か半月のことでした。葬儀では、母も僕も泣いて泣いて泣きまくりました。
四十九日の納骨も終え、何とか父の居ない生活を始めかけた矢先のことです。『ちょっと、お墓に連れていってよ。』と、日曜の朝に母に言われました。
葬儀後の行事など何も知らない僕は、まだ何かあるのかと何も分からないままにお墓に向かいました。そこで、母のまさかの行動を目にしたのです。
『ちょっと引っ張って。』と言われ、正面の墓石を動かします。もちろん、そこになご先祖様の骨が収納されています。
母は父のそれを取り出し、うちのお墓の目の前に山水用の排水溝があるのですが、そこに父の骨を流し始めたのです。
意味がわからず、呆然と母の行動を見ていました。母はその壺を、再びお墓に納めました。よく見てませんでしたが、壺の中はほぼ空っぽだと思います。
そして、『私、この人と同じお墓に入るのはイヤだから。』と言いました。僕に言ったのか、自分に言ったのかは分かりません。
その日から、僕は心のどこかに母に対しての不信感を持つようになります。テレビドラマのようなものじゃありません。とちらかというと、ゲーム的です。
『父の死、その2年前の祖母の死。まさか、母が??』、こんな感じです。もちろん、調べるすべもなく、調べる気もありません。
ただ、母にはどこか気を付けようという意識だけは常に持つようになりました。
そして僕が就職して、仕事を始めます。その頃から、母の病的な部分が更に目につくようになったのです。
話しはますます噛み合わなくなり、自分勝手に会話を進めます。
行動もおかしいです。まだ、女性を知らなかった僕にはキツいものでした。まず、風呂上がりに裸で部屋をうろつき始めます。もちろん、なかったことです。
トイレも同じです。用を済ますと、扉を開いて出てきて、そこでパンティを持ち上げて履きます。具は見えませんが、陰毛を見る事は日常茶飯事となります。
そんな母を注意出来なかったのは、お墓の一件で母に対しての何をするのか分からない恐怖もありました。
それと、僕の男の部分です。こんなバカな母とはいえ、女性の身体を見ることが出来るのは、男として嫌な気はしなかった。こっちが本心です。
僕の母は『博美』と言います。字は違いますが、本名です。体型は少し丸いです。近眼の眼鏡を掛けています。髪は耳が隠れる程度で長くはありません。
そして。風呂上がりにおばさんネグリジェを着て、爪を切っていた母。足を広げて、こちらからも真っ白なパンティが見えるように切っています。
男ですから、どうしても視線がそこに向かってしまいます。突然、『私のパンツ見てるやろー。』と母に言われて焦りました。
『見んわ、そんなもん!』と恥ずかしくて強がってしまいます。『見てたよー。可愛い、可愛いなぁ。』とバカにされます。
しかしその後の会話がなく、この沈黙がとても怖かった。『母は次に何を言うんだろう?』と身構えていました。