追求
何の意味も無い涙が、僕の頬を伝いました。腫れ上がって熱を帯びた頬っぺたを冷やせる訳でもなく、ましてやヒートアップしている母をクールダウンさせられる訳でもない、ホントに無駄な水分でした。
僕の頬っぺたがパンパンだろうが、口の中が切れて上手くしゃべれないみたいだろうが、そんなコトは全部ガン無視で、母はバカに代わって僕に弁明を強要する視線を飛ばしてきました。
「どうしたのっ!? 説明出来ないの、ともゆきっ!?」
『あの』タチの悪い『輩』にでも教わったらしく、全身全霊で『強要する』と言うより、モロに僕を『威嚇する』視線でした。
「ナントカ言いなさいっ!」
そんな母の視線と威嚇に困惑して、また無駄な水分を『ツツ~ぅ』っと涙腺からこぼしていると、珍しく姉が助け舟を出してきました。
「こんなに腫れちゃってたら、しゃべり辛いよねぇ~?」
バカがゲ〇のカスがくっついた人差し指で、僕の頬っぺたを突っつきました。痛さと気持ち悪さで思わず頭をのけ反らせた僕は、また後頭部を『ガンッ!』と洗面台にぶっつけてしまいました。
「『リッちゃん』、何で、いきなり、ともゆきを叩いたのぉ~?」
『僕に往復ビンタをした理由』なんて、そんなコトは聞くまでもなく、母が僕と姉との『近親相姦』に気が付いたからに他ならないと、激痛が走る頭の中で思いました。
「裸でアンタたちが、変なコトやってたからでしょうが!?」
「『裸でゲロ』が~?」
「『裸でゲロ』は別にいいのよっ! そもそも、何で、アンタたち素っ裸になってんのっ!?」
「アタシは~、『鍋焼き』食べて~、何か汗が出てきちゃったから~。」
そう言ってバカは洗濯カゴを指差しました。僕の汚れ物の上に、しんなりとした姉のキャミとパンティーが乗っかっていました。
「あ~っ、もおっ、あんな熱いモン食べたら、当たり前でしょお? でっ!? ともゆきはっ? 何でなのっ!?」
またしても僕は精神的に追い込まれて、あの『白い空間』に追いやられるか、失神するかの『崖っぷち』でした。でも後頭部と頬っぺたの激痛が、僕を現実世界に押し止めて逃がしませんでした。
僕は痛さで閉じられない口の端っこから、鉄の味が濃いヨダレをダダ漏れさせていました。そんな僕を見兼ねて、姉が代わって答えてくれました。
「『朝練で汚れちゃったから』よね~?」
「んんっ!? じゃあ、何? アンタは『鍋焼きうどん』食べて汗だくになって、脱いで気持ち悪くなったの? だけど何で、そこに素っ裸のともゆきが居るのよっ!?」
「ともゆきが先に裸になってるところに、アタシが入ったんだよ。」
「う~~~ん、ああ…、そうか。でも、この子、ここで何だか怪しい動きしてたわよっ!?」
そこは全然、ちっとも怪しく無いです。ただ単に『もらいゲロ』を我慢してただけですから。
「ともゆきも、アタシに釣られてゲロしてたんじゃないの?」
「えっ? ともゆき、アンタもゲロしてたの?」
「ともゆきに、アタシ、ゲロ引っ掛けちゃったから~。」
「汚いわね~。ゲロ掛けられて『もらいゲロ』なんて。」
「しょうがないじゃん。ゲロ吐きたい時なんて、周りを気にしてらんないもん。」
「だからって、ともゆきにゲロぶっ掛けるコトないでしょ?」
姉が出してくれた『ゲロ』のキーワードに母が異様に食いついて、二人で『ゲロゲロ』言い合いました。おかげで僕に出された助け舟は、見る見る内に『ゲロ』にまみれて、たまらず僕は『ゲロ』を釣られてしまいました。
洗面台にアゴを引っ掛けて我慢しましたが、閉まらない口の端っこから『ジュブブッ』と、胃液が漏れ出してしまいました。嘔吐の苦しさと頬っぺたの痛みに、僕が『う~ん、う~ん』と唸っていると、
「汚いわねぇ…、…お母さんまでもらいそうだわ。アンタたちっ、取りあえず、身体洗いなさいっ! 話しはそれからっ! むぐっ…、」
と、母も『ゲロの魔力』に襲われ耐えられなくなったのか、口を押さえて廊下に引っ込んで行きました。
鏡に映った母の後ろ姿を見てから反対側を見ると、お風呂場に消える姉のお尻が映っていました。そして僕は恐る恐る、パンパンに腫れているであろう、頬っぺたのダメージを確認しました。
僕は『ムーミン』みたいにボッコリ腫れちゃってるんじゃないかと覚悟しましたが、鏡に映ったのは、ちょっと口元が膨らんだだけで頬っぺたの赤い、どうってコトの無い『調子に乗ってたバカ』の顔でした。
『何だよ…』
一旦、修羅場から解放された事と拍子抜けした事で、僕の緊張の糸はプッツンと切れました。洗面台に掴まって立ち上がると、立ちくらみがして『ズズ~ン』と目の前が暗くなりました。
「うふふっ、危なかったね?」
後からお風呂場に入ってきた僕の身体に、ボディソープを手で直に塗り付けながら、姉が耳元で囁きました。
さっき倒れ込んでいたのが嘘みたいに、いつものバカな顔をしてました。ヘラヘラしながら、まるで他人事みたいに修羅場のスリルを面白がってました。
「気分、治ったの?」
「ん? うん! 吐いちゃったらスッキリした。やっぱ、エビ天の衣が余計だったわね~。」
「ホントに『鍋焼き』のせいなの? 妊娠のせいじゃないの?」
「え~? 『ツワリ』ってコトぉ? 違うんじゃな~い。」
「…どうすんの? これから…」
「そんなコト、ど~でもいいから、早く身体洗って!」
姉がオッパイがプルプル揺らし始めました。僕は不安で不安でしょうがなくて心臓がバクバクだったのに、バカは何にも気にせず、シャンプーの泡をボッタンボッタン飛ばしてきました。
単なるバカだからか、それとも心臓がとてつもなく強いのか、マイペースを崩さずにシャワーを浴びる姉に、『スゲ~な、コイツ…』と僕はちょっと感心しました。
「バカでしょ、アンタ?」
「へっ?」
ちょっと感心してたところだったのに、出し抜けにバカからバカにされました。僕は意味が解らずムッとしました。
「安心しちゃって、もう、チンポ立ててる。」
「えっ? あっ!!」
姉のオッパイを見ながら、ボディソープで身体をまさぐっていた僕は、無意識に完全勃起していました。ホントにバカです。
「『「リッちゃん」にバレた!?』って、ビビってたくせに…」
バカに見透かされて、僕は返す言葉がありませんでした。情けない気持ちで一杯になって突っ立ってる僕のチンポを、シャンプーまみれの手で姉が握ってくれました。
「あっ、ああっ!」
「バカね~、喘ぎ声まで出して~。」
「あっ、ゴメン…。うっ!」
「早くイカないと、ホントにバレるからね。」
「うん…。うっ! くひっ!」
ぱっと見でバレないようにさりげない感じで、ドアノブを掴むように姉は僕のチンポを扱きました。クチュクチュ音を立ててる手の動きに神経を集中させてましたが、なかなかイケませんでした。
「贅沢になったわね~? このチンポも…」
「ご、ゴメン。もう、いいよ…。」
「こんなのブラブラさせてたら、これこそ『動かぬ証拠』じゃな~い。」
「お母さんに見られたんだから、もう、無理だよ…。」
僕は完全に怖じけづいていて、射精感がやって来ませんでした。僕の顔をチラッと見ると、姉は僕の方に背を向けて、握ったチンポをお尻の割れ目にこすり付け始めました。
「あっ、うっ、うっ、」
お尻の谷間でチンポの先が押し潰されたり、ひしゃげてこすり付けられたりしました。充血してパンパンに膨らんだ亀頭を見ていたら、姉がお尻の穴にチンポを押し付けました。
「ねぇ…、こっちに入れてみる?」
イソギンチャクのシワシワにナマコが押し入りそうになった途端、いきなりキンタマから精子が駆け出して来ました。
「……………あっ!」
僕は思わず姉のお尻を両手で掴んで、お尻の溝にハマったままのチンポを押し出しました。チンポはお尻には入らずに、『ズリッ』と谷間をずり上がると、勢い良くお尻のエクボに『ぴ、ぴゅっ!』と精液を飛ばしました。
「はあ…、うっ、うっ!」
「は~い、出た、出た。ともゆきも単純だね~?」
僕は姉の『営業テク』で、あっさりと放出させられました。姉は事務的にチンポを『ささっ』と洗うと、シャワーで僕の身体を『ちゃちゃっ』と流しました。
「はいっ、オッケー! お母さんのトコに行ってな。変な事言うんじゃないわよっ!」
バチンと僕の肩を叩くと、姉はシャワーでワシャワシャ髪の毛を洗い、その水でうがいを始めました。『ガボガボ』っと口を濯いだ後、そのまま直で水を『ンゴンゴ』っと飲むと、『ふう~っ』と大きく息をひとつ吐きました。