バカ往復(給水所)
僕は『隠れる』と聞いて、てっきり遠くに逃げるのかと思ったら、『あいこ』はコンビニからほんのちょっと離れた、『ここでいいの?』と思う場所で止まり、そこの陰に僕と隠れました。
「ちょっと、面白くなるかもな。」
『あいこ』は意味ありげにそう言うと、またおにぎりのパッケージを僕に剥かせました。僕の手から『昆布』を直パクしていたら、ホントに『ドゥンズ!、ドゥンズ!』が、また帰ってきました。
「くくっ…、なっ? 来ちゃうのよね~。バカだからぁ~。」
ヤバい空気が充満してきた中で、余裕かましてクスクス笑ってる『あいこ』を見て、僕は不安で不安でたまらなくなりました。でも、『あいこ』は全然気にせず、今度はレタスサンドをシャキシャキ食べ始めました。
「おいっ!」
「なっ、何ですかっ?」
「何人来たか、当ててみろっ!」
「えっ、え~~~っ!?」
「早く言えっ!」
「ううっ、5人?」
「はい、残念。6人だな。」
「うえ~~~っ!? あ、当たってたら大変ですよォ!!」
僕は『まさか…』と思いました。車がコンビニの前に停まりました。『ドゥンズ!、ドゥンズ!』がデカい雑音と騒音に変わると、中からワラワラっとチャラ男が降りてしました。
「2、4、5…、うわっ! ホントに6人いますよっ!?」
「『ともスケ』、一万円貸しな!」
「うっ…、それより、どうするんですかっ? アレっ!」
「別に~、どうもしないよ~。あたしはね。」
僕が『えっ?』と思ったのと同時に突然『ウワォ~~~ン!』と、けたたましくサイレンが一回鳴り響きました。僕が気付かない内にパトカーがすぐ側まで来ていました。
またまた僕と姉が大好きな『柳沢慎吾の「警察・密着24時」劇場』の元ネタが、目の前で始まりました。チャラ男たちの結末は、カーステの騒音と定員オーバーで『アウト』だと、『あいこ』が教えてくれました。
「分かってたんですか? パトカーが来るの。」
「あったり前じゃん! フルチンの変態、ず~っと、探してんだぜ~。」
僕は『ま・さ・か・?』と思って、自分で自分の顔を指差してみました。『白い悪魔』が最悪の笑顔を作りながら、僕の鼻をツンツンしました。
「大・正・解っ!!」
「ど~~~すっ…、うぐっ!」
僕が『どうすんですかっ!?』と詰め寄りたかったところで、『あいこ』がパッと僕の口を押さえました。
「騒ぐなっ! プロは勘が鋭いんだよっ! この距離でも簡単にバレるんだぞ!?」
「………、ほご(はい)。」
と、僕がしょうがなく納得したら、ここから『あいこ』の『裏・警〇マニュアル講座』が始まりました。これからの僕の人生で役立てたくもない、余計な知識を『これでもかっ!?』と教えてくれました。詳しく書けませんがチャラ男たちのお陰で、僕の警戒レベルがちょっと下がったそうです。
「『ともスケ』、お前、アイツらにお礼しなきゃな~?」
「絶対に、イヤです。」
「うふふっ、じゃあ、行こ!」
すっかり深まってしまった夜の闇を利用して、『お尋ね者』になってしまった僕たちは、町中へ消え去りました。異常にはしゃぎ始めた『あいこ』は、ずっとクスクス笑っていました。
変な所をあっちこっち引っ張り回され、僕はヘトヘトになりました。僕のテンションが下がると、『あいこ』がエロい『チュー』をしてくれました。舌を『キュキュ~ッ』と吸われたら、テンションがチンポといっしょに上向きになりました。
夜もトップリ暮れて、足元まで暗闇がおっこって来ました。あんまり詳しく書けない場所に、僕たちは潜り込みました。モロに違法行為です。でも、『若者の、若さ故の過ち』と言うヤツです。認めて下さい。
「何で、帰らないんですか?」
「何が?」
「僕は閉め出されたけど、『あいこ』さんは家に帰れるじゃないですか…」
「いっしょに居たくないの?」
「いえ、そんなコトないですけど。…いいんですか?」
「いいんだよ。あたしも、たまには親孝行だよ。」
「帰らないコトが?」
「今日、ママが帰って来ただろ? いつもは、あんなに早く来ないんだよ。」
『あいこ』の家は、お父さんが働けなくなってから、お母さんが別にお店を開いて家計を支えています。色々と残業が残って、いつも帰りは遅いらしいです。
「親だって夫婦だろ? たまにはふたりっきりにして上げたいんだよ。」
「そうなんですか?」
「お前んトコの、『タマじぃ』と『リッちゃん』はどうなの?」
「うっ、ええ~~~っ?」
僕は内心、『想像したくね~』と思いました。両親が仲睦まじくしてるところなんて見たこともなかったし、何と無く見たくもありませんでした。
「分かりませんっ!」
「そっかぁ~。『ともスケ』にバレね~よ~に、ヤッてんだなぁ~。」
「止めて下さいっ!」
「何だ? お前、親のセックス見たらグレるタイプかぁ~? 姉ちゃんとヤッてるクセにィ~?」
「か、関係ないでしょ…。」
「親だって、『男』と『女』だろ? ヤッてんのが当たり前だよ。」
「でも…、」
「ヤレなくてもさ…、『男』と『女』でいたいだろ~な。そうしておいてやりたいよ。」
そう聞いて、僕は『あいこ』の『帰らない理由』が何と無く分かりました。『あいこ』のお父さんとお母さんが、ナニをするかはどうでもいいとして、なるべくふたりだけの時間を作って上げたいという気持ちは、立派だなと思いました。
「手を握ってもいいですか?」
「ふふっ、何だよ? 良いけど。」
夜になってもコンクリートの壁や床からは、篭ったままの昼間の熱気が伝わってきました。ホントは僕たちの体温が、そんな風に錯覚させているのかもしれません。あったかな『違法空間』の中で、僕はほんわかと『幸せ』を味合わせてもらいました。
僕が『ぽわん』とした気分で、チラチラ瞬く星たちを眺めていたら、『ずずっ』と握ってた右手を引っ張られました。
『ん?』と何気に手元を見ると、めくれたスカートの中からヒモパンのヒモと、お尻の脇がのぞいていました。『えっ?』と『ドキッ!』が同時に僕の身体を震わせました。
「解きたくない?」
『あいこ』がダイレクトに、中2男子の『夢の実現』を『成し遂げたいか~?』と聞いてきました。一瞬、僕のチンポが掘削ドリルのように、コンクリートの床に穴を開けてしまいそうになりました。
「おっ、お願いします!」
デニムのハーフパンツの中で、ドリルと削岩機が『ギュイン!、ギュイン!』暴れ回るのを、へっぴり腰になりながらなだめすかして、僕は憧れのヒモを摘みました。
柔らかな反発力で『女の子のSP』が、僕の欲望から『中2のパラダイス』をガードしてました。もったいないので、ゆっくりと引っ張りましたが、それでも呆気なく解けてしまいましたい。
「楽し~い?」
『幸せの溜め息』をついて、滅多に味わえない幸福感に浸っている僕に、この『喜び』がちっとも理解出来ない女子代表が、『やれやれ』と言う感じでインタビューしてきました。
「はいっ! ありがとうございますっ!」
「バカだな~。じゃあ、こっちも解くか?」
「いえっ! そこまで僕は、バカじゃありません!」
「意味、分かんね~よ!」
僕は、『幸せ』の意味を分かってもらえるように、『富士山』状態のハーフパンツのファスナーを下げてもらいました。ドリルが貫通寸前でした。
「…どうですか?」
先端部分がアクアラインを掘り抜き通す勢いで、『ゴリンゴリン』に固くなった削岩機を、僕は出しました。『あいこ』が優しく先端部分を『クリクリ』と撫で回しました。
「…ちょっと、楽しいかな?」
『あいこ』はニコッと笑って、ゆっくりと咥えてくれました。チンポが『海ほたる』からトンネルへ入って行きました。