16階に向かうエレベーターの中には他の宿泊客はおらず、二人きりでした。
しーんと静まりかえった空間でほんのり甘い叔母の香りが鼻をくすぐり私の心臓の鼓動は急に早くなりました。
何か言葉を発しようと思いましたが、声が震えてしまいそうで、黙っていました。 今 考えると いつもは必要以上に身体を寄せてくるのが癖の叔母が心なしか離れて立っていたのは 叔母も何かを感じてたのかもしれません。
16階に着き、部屋に向かいました。
一歩部屋に近づくごとに私の理性が飛んでいき、部屋に入ったとたん叔母を抱きすくめてしまいそうな自分を押さるのに必死でした。もし部屋に向かう時、華奢で可憐な叔母が私の前を歩き、わずかに甘い香りを嗅いでいたら、亜麻色の柔らかい髪の後ろ姿を見ていたらおそらく理性は保てなかったと思います。
カードキーを通し、部屋のドアを開け叔母を先に通しました。
中に入ると、冬の15時とはいえ西側に面していたこともあり、想像以上に明るく、その明るさが私の差し迫った興奮を一旦クールダウンしてくれまた。
叔母がレースのカーテンを明けました。
『わぁ♪景色いいね~(°▽°)こんな高いとこ初めてかも♪すっごく遠くまでみえるよ!』
私:
「ほっ ほんとだね(^o^;)」
この時はまだ興奮が収まりきっておらず、声が震えてしまいました(苦笑)
さとみ:
『思ったより広いし、綺麗だし いい部屋だね♪ありがと(^w^)』
私:
「ほんと、僕もここまでは想像してなかったよ(^^)それにほんと景色もいいね♪」
部屋は28平米のダブルで、大きなめのダブルベッドの他、ガラスのまるテーブルを挟んで1人掛けの高級そなソファーが二脚ありました。
部屋を見渡しながらも、クールダウンした私の頭は、この雰囲気のなか叔母に迫るのは自分の性格的に困難であること。かといって力づくで叔母に迫る勇気のない自分を認識していました。
そして ふと そう言えばビジネスホテルだし、コンドームも置いてないよぁ~
なんて思いながら自虐的に心の中で苦笑いを していました。
結局は何も出来ないで終わりそうだなぁ…でもこれで良かったのかもと半ば諦めながら、ソファーに座りました。
叔母も一息つき、ダウンの上着を備え付けのクローゼットにしまい、向かいのソファーに腰掛けました。
さとみ:
『たかし、今回はほんとありがとね♪せっかくの休みなのに疲れちゃったでしょ(>.<)』
私:
「まだ若いから大丈夫だよ(^^)それよりさとみおばさんこそ朝も早かったし疲れたでしょ~なんか顔に出てるよ。」
さとみ:
『ちょっと疲れたかも(^o^;)せっかく旅行気分で来たけどやっぱり歳かな(>.<)』
私:
「もう今日はやることないし、あとは独身気分満喫しながらゆっくりしなよ(^^)」
さとみ:
『うん♪素敵なお部屋とってくれたし、のんびり満喫するよ~(^w^)』
上着を脱いで向かいに座る叔母は、膝丈のワンピースがずり上がりほっそりとした色白のふとももを覗かせていました。私は自分の勇気のなさを恨みながらも、これ以上 長居する理由も見つけられず、16時をさす腕時計に目を落とし気持ちを吹っ切るように立ち上がりました。
私:
「じゃーそろそろ行こっかなぁ~」
さとみ:
『うん、そうだね。何から何までほんとありがとね(^^)』
私:
「どう致しまして(^_^)v おばさん1人だし何か心配事でもあったらメールして♪近いしすぐ駆けつけるよ(笑) もともと今日は1日明けてたし」
さとみ:
『うん。ありがと。』
心なしか叔母がさびしそうに見えましたが、疲れのせいだろうと思い ドアに向かいました。
私:
「叔母さん夕食はどうするの?」
さとみ:
『そんなことすっかり忘れてた~
ランチも遅かったしね~外食に出る元気もないし、お腹空いたらなんか買って食べるから大丈夫だよ(^^)』
私:
「確かに(^o^;)まだお昼食べてから2時間くらいだもんね。遅い時間にお腹すいちゃいそうだね ~ じゃー今のうちになんか買って来ておいてあげよっか?
これは意図せず出た言葉でした。
さとみ:
『面倒でしょ~?たかしも疲れてるんだから気を使わなくていいよ。』
私:
「だから僕はまだ若いから大丈夫だって(^_^)v 」
さとみ:
『じゃーなんか簡単なものお願いしちゃおっかなぁ♪あっ!じゃーついでに甘い物もお願い(^w^)』
私:
「はいはい♪今、行こうと思ったけど、ちょっと済ませたい用事あるから、一度 家に戻って20時頃に買ってくるよ! 実はこの部屋の夜景も見てみたいし(≧∇≦)」
この言葉は頭をフル回転して吐いた言葉です(笑)
さとみ:
『まだ少し明るいけど、真っ暗になったら夜景綺麗そうだもんね~(*^.^*) じゃあじゃあ ビールもお願い!(≧∇≦)』
私:
「了解(^-^ゞ じゃー来る前に一度メールするね♪ 寝ちゃってもいいけど、メールは気付いてよ!」
さとみ:
『わかった♪メール返事なかったら電話して。音鳴るようにしておくから(笑)』
私:
「わかった☆じゃーまた後でね!」
起死回生のいっぱつです!(笑)
寂しそうに見えた叔母が急に元気を取り戻したように見えたのも気のせいじゃないと自分に言い聞かせました。
続く