東海で最大規模の都市、名古屋に近い郊外にある特別な館へようこそ。
真実か虚実か見定めるのはあなた次第です。
私はそこの館を管理している者。
私と、親しい特定の方々だけが1月に1度集い、酒池肉林を楽しむためにあるとある館をお話しします。
先月のパーティーが終わりました。
ここでは、特別なVIP感を味わいながら朝になるまで様々な催しを行います。
あくまでも合法の範囲。金銭のやり取りがあるわけではないですが、この館だけで使える仮想通貨をやり取りします。
それは、特別な時間を過ごすための1つの演出。
ここでは買いたい人間、買われたい人間に別れ、それぞれの役を演じます。
主に被虐心の強い方がまるで奴隷のように異性・同性にあてがわれていくのです。
女性ばかりではありません。男性でも出荷される側の趣向の方もいます。
3階建ての館の見た目は、おしゃれなアメリカンバーとでも言いましょうか。
しかし、店舗として運営しているわけではなくあくまで私の所有物件です。
防音性や部屋の配置・間取りを特別に用意した結果、私の口座は3つほど消滅することになりました。
30cmほどある防音壁は中でどれだけ叫ぼうと、暴れようと一切の物音をかき消します。
地下1階にあるコンクリートの部屋は独房のように鉄筋格子がはめられ、買われる者たちはここでしばしの時間を過ごします。
ある程度人が集まったら順に引き出し、仮想通貨によるオークションにかけられるのです。
1階の入り口は3枚の頑丈な扉で区切られており、建物への入館は私の面識のある特別なお客以外お通ししません。
2枚目の扉を超えるとそれぞれの役割ごとに分けられた2つの扉をくぐることになります。
くぐる前に、役割ごとの衣装を着用し、それぞれの空間につきます。
私の役目はパーティーの進行、簡単なビュッフェの調理、館の管理でございます。
来客として来られる方々は多いときで20人前後と非常に大所帯になることもあります。
買われる者たちは扉をくぐると地下の独房につきます。
パーティーが始まるまではブレークタイムとして同じ部屋の者同士で会話や食事を楽しんでいますが、パーティーが始まると自身の役割を演出し始め、次第に無言になります。
買う者たちは2階の大広間でそれぞれに立食や個室での食事ができるように配備されており、奥側中央にはオークション用の舞台が用意されています。
やわらかい椅子に座りワインをあおる紳士を演じる者、個室の席に座り、目線が隠れるほどのカーテンの陰に潜みながら商品を物色する者。
パーティーが始まると、早速オークションを開始します。私が司会をやり、助手であるメイドが地下の独房から1人ずつ順を決めて引き出していきます。
仮想通貨によるオークションではどうしても同じ商品を巡って金額が高騰し続けることがあり、進行が止まることもあるため、買う者たちにはパーティーが始まる前にゲームを楽しんでいただいています。
カードです。ポーカーやバカラなど、ディーラーを必要としない方法で各自が最初に所有する仮想通貨を賭けます。
もちろん負ければ失い、勝てばその後のオークションでは有利に立てるでしょう。絶対参加ではありませんが、戦況を見て皆賭けあいます。
あくまでも親しい仲。食費や水道代こそまかなっていただいていますが、無差別な乱交ではございません。
先日のパーティーでは、様々な個性を演じられた方々が非常に多かったです。自身の低身長を生かして両親に捨てられた子供を演じる者。艶めかしいしぐさと言葉で惑わす者など。
買う者たちはいっせいに飛びつき、30分もすればすべての者がそれぞれにあてがわれることでしょう。
そのまま2階の大広間で奴隷たちと名付けながら食事を与える者、酒を注がせる者。激しいセクハラ発言を投げつけながら体を触るもの。個室の幕の中で静かに盛り上がるものなど様々。
最初こそ皆さま主に会話を楽しまれますが、次第に1人、2人と興じる者たちにつられて淫らな空間に早変わり。
3階には個室を複数用意してあり、部屋の中で興じるもよし。
他社の部屋をのぞけるように配備してある個室カメラで相手の部屋をのぞきながら肉欲に溺れる者もあり。
地下1階で被虐心に付け込んだSMに耽る者。大広間でお互いの持ち物を交換して乱交する者。様々である。
残念ながら私は参加する時間が無くなるほど食事やデザートの用意や、ワインの開封作業に追われることになる。
私も皆さまと混ざってみたいと思うこともあるがオーナーである私の楽しみはそのあといくらでも訪れる。
来客のほとんどはカップルや夫婦のような関係が多いが、中には不倫や主従、姉妹など私とのやり取りによって招待されている特別なお客もいらっしゃる。
しかしパーティーの時だけは、本来の関係とは違う者と関係を作るものが多い。特に被虐心が強すぎて持て余していた女性を私は数名招待しているが予想通りというか、よく乱れていらっしゃるようだ。
1階の大広間の真下に当たる場所には大きなジャグジーを用意しており、情事の後の汗を流す者、マットプレイに挑戦する者など、翌日の昼まで大盛況になる。
正直ジャグジーさえ建設しなければ口座1つ戻ってきたかもしれない。まあ建築費用もお客様方と割り勘なので致し方ない。
管理人の私は翌日、大量のシーツやタオルの選択をメイドとともに行う重労働があるが、すべての支度が終わるころ、私もメイドとの情事に更けこむのだ。
もしも名古屋周辺の市で活動されている方がいらっしゃるならこんな建物を見たことはないだろうか?
アメリカンバーのような高級な外観を持った3階建ての一軒家を。本当に運営していそうな外観だが駐車ガレージの扉はすべて閉まっている土地を。
今月末もまた乱れる一夜が訪れるのを待ち望んでいる、獣たちが集まる不夜城を。