2017/09/30 14:24:31
(s.KSsLSx)
俺が日本へ帰国する半年前の頃だった。
あの二人との交友期間が終わってしまうと、意外とあっけないもので、(あれは、偶然、モテ期が来てただけだなw)っていう具合で、またいつもの通り、平日は仕事に行き、週末は同僚と夜のハルビン繁華街に飲みに行く。という生活に戻った。
そんな夜のハルビンで飲み歩いていいた時、店をハシゴして3件目くらいになった時、ちょっとかわった、武術バーみたいなのがあり、面白そうなのでその店に立ち寄った。
すると、その店のカウンターで知り合いの女性か何かと飲んでいた女性がいて、既に3件目となって出来上がっていた俺達は、気軽にその女性たちに声をかけたのだった。
その一人の女性の名前を、白露さん。としておこう。今まで苗字だったが、ここにきてなぜ、名で呼ぶのかは特に特別な意図はないw
この白露さんは、既に書いた通り、武当山という、湖北省から武術指導で黒竜江省まで来ているとの事だった。
赴任先の学校というのも、梁ちゃんが通っていたような、総合武術アカデミーのような、近代風の学校との事である。
聞くところによると、武術の世界にも不景気の波は避けれないようで、中国経済がもたらした武術界への影響の話なんてしてくれた。面白いので、ここでも少し紹介してみようと思う。
もともと白露さんは、湖北省で生まれ育ち、そして中学卒業してから武当山へ入山したそうだ。それは本人曰く、やはり武術ができれば就職先が・・。等とにおわせていたが、俺はあまり深くは聞かなかったが、おそらく家庭の経済的な問題で選んだのではないだろうか。
白露さんが入山した頃の武当山は、経済状況が最悪の時だったらしい。
白露さんが聞くところによれば、1980年代~頃は、中国全体が武術ブームに火が付いており、(ブルース・リー ジャッキー・チェン・サモハンキンポー・ユン・ピョウ等の影響で)若い層が武当山に太極拳なり、武当剣なりを学びにくる生徒が多かったとの事。
そして、中国全体の高度成長期もあって、景気はよく、観光客からの収入も多大なものがあり、武当山全体が、活気でにぎわっていたそうだ。
しかし、世界恐慌とも呼べる、リーマンショック以来、誰も武術なんていうカネになりにくい業界には見向きをする者もいなくなり、また、若者は、武術なんかより、インターネット、コミック、音楽へと興味を持つ事が主流となり、その不景気と、若者の感性の変化により、急激にブームは去っていったとの事だった。
そして、武当山を運営する首脳部は、この経済的危機をなんとかしなければ、と思ったその一つ方策の中に、今まで門外不出だった武当剣の奥義神髄を、人に伝える為に(金の為に奥義を売ってw)武当山を出た師範や達人という連中を、中国各地にある、総合武術アカデミーへ武術指導者として派遣し、そこから収入を得ていくというものだった。
この方策は、ガチ門外不出といわれていた、詠春拳の武門も同じで、今では詠春拳の第二の中興の祖と呼ばれている葉門(ブルースリーの師匠)が、「日本人だけには詠春拳を教えるな※」と言っていた関わらず、もう日本にも、詠春拳ダイエットなるものが、福建省から詠春拳の師範が派遣されて、ビジネス展開しているらしい。※葉門の、日本人だけには。との意味は、葉門は戦争中、日本兵から虐待された経験があるから。
つまり、もうどこの武門も伝統だけでは食っていけなくなったんだな。
では次に、そんな白露さん個人のステータスから話していこうと思うが、ちょっと仕事の休憩中なんでw 家かえってから書くねw