1年前から団地の清掃のお仕事をしています。それまでは、工場のパートをしていましたが、コロナの影響で切られてしまいました。
旦那のお給料では生活がとても大変なので、なんとかこのお仕事を見つけることができたのです、
33歳にわたしですが、もともと綺麗好きなので、大変ですが毎日一生懸命頑張っているんです。
6棟まであるんですが、4棟に暮らしている一人暮らしの70代の男性がいるんですが、
いつも、わたしに挨拶とねぎらいの声を掛けてくれます。
昔、男前だったんだなあっていうダンディな方ですね、
ちょっと女好きって感じもします。ある日、階段をほうきで掃除していたら、後ろで人の気配がしましたから
振り返ると 高橋さんが下の階段からわたしを見つめていたのです。
ちょっとびっくり、高橋さんは、「留美さん、昨日の満月のような大きなお尻していたから
見とれてしまったよ」って笑っていました。
それからも、わたしがお掃除をしていると、話しかけてくれるので
わたしも話をするようになりました。奥様は10年前に亡くなり、
息子さんも遠くの方で暮らしているとのことです。
9階に住まわれていて、通路を掃除していると、かならず外にきて話をしてくれます。
話上手で、結構面白いんです。遠くに見える山をみて
「こんど、あの山から見る景色が最高だからドライブにいきませんか?」って
何度かお誘いを受けていました。高橋さんは、高級車をもっているんです。
何度かお誘いを受けるうちに、わたしは、ドライブに行く約束をしてしまったのです。
その時期は、ちょうど初夏を迎えようとしていました。
わたしは、ワンピ-ス姿で待ち合わせ場所でまっていると
高橋さんが、車で迎えにきてくれたのです。
中は香水のいい香りがしていました。ちょっとおしゃれをして
映画の俳優のような感じで、わたしは、ドキドキとしてしまったのです。
高橋さんは、物知りでいろいろな話題を話してくれて
わたしは、笑ったり、真剣に聞いたりしていたのです。
時々、わたしの肩を軽くたたいて、車窓から見える建物などの
案内をしてくれました。やがてその手は、わたしの太ももを軽くたたくようになったのです。