僕(36)はリゾート地を中心に店を構える寿司・鍋系の和食料理屋での店長をやっています。(場所だでは書いても差し支えないと思うので予め書いておきます。場所は徳島県です)
仕事自体はいたって真面目にやってきたつもりですし(だからこそ店長を任されていると、そこだけは自負したいのですが)これまで仕事上で大きなトラブルを引き起こした事も特にありません。
ここからは、「嶋崎ちなつ」(仮名 24歳)が、僕の勤める「絶品寿司 〇〇店」(仮称)に正社員として応募してきた時に話が遡ります。
嶋崎ちなつは、一言でいうと、和風美人。肌は白く美しく、そして背が少し高くて体躯も細い。このように表現すればイメージしやすいかもしれません。フチなしの透明眼鏡が似合う和風女性。
本社での役員による最終面接に同席した僕も、(すごい清楚な感じがする美人だな・・・)と、もう外見を見ただけで彼女の合否判定に採用を意見した部分もありました。
そして性格も物静かで、真面目であり、どのような些細な事でも手を抜かない、まこと素晴らしいとしか言いようがない品位、品格を持っている子でした。履歴書を見た限りではそれなりに良い学校を卒業しており、それだけでなくきっと家柄もよく育ちもよかったのだと思われます。
正社員採用がきまった嶋崎は、翌月の1日から僕の運営する店舗へと配属され、それから僕は彼女に店長として、そして先輩として仕事を教える立場となったのです。
しかし、そこで嶋崎の抜きんでた、まるで和食料理屋のイメージガールのような、端正な振る舞い、仕草に、もともといた女の正社員、契約社員、しいては女のアルバイトから、集中的な嫉妬を浴び、管理職としての立場で見る限り、明らかに嶋崎は「周囲から孤立し始めていた」のです。
嶋崎が孤立する理由というのは、まずそもそも美人であるというところ。あれほど店のユニフォームである和服が似合う子は、そう他にはいないと思います。しかし、嫉妬を浴びる本質は、その端正な容姿への嫉妬だけではなく、嶋崎は正社員(つまり幹部候補生)として入社しているので、各種手当が他の従業員より手厚い部分があります。
そう考えれば、もともといる一部の古参の正社員のオバチャン連中、正社員になりたくてもなれない契約社員の連中からしてみれば、突然の中途採用で現れた嶋崎の方が、(先輩後輩の関係はあるといえど)雇用契約上では嶋崎のほうが格上で、給料も高く設定されているのは面白くない部分もあると思います。
さらには、リゾート地という寮生活を前提としている会社であること、サービス業という特殊な性質をもつ環境、僕が新人だった頃はもう何年も前の話だったので忘れていましたが、確かに体育会系で見て覚えろという要素が強いわが社には「新人イビリ」というのはハッキリと存在していたのでした。
その嶋崎にマンツーマンで仕事を教える立場の僕にははっきりと、「日に日に元気をなくしていく嶋崎の姿」が目に映ったのは当然の事でした。
僕が知った限り、嶋崎は以下のようなイジメ行為をさせられたそうでした。
新人だから。という名目で人が嫌がる仕事をさせられる。新人(正社員)だからという理由で、朝は早く、夜は遅い。些細な失敗を、大げさに上長に報告される。根も葉もない噂の流布。一部の社員からの無視。
しかし、正社員という立場、寮生活をしているという手前、仕事を辞めるという決断には至らなかったのでしょう。毎日、毎日つらい状況だったとは思いますが、それでも頑張っている嶋崎に何とか救いの手と言えば大げさですが、良い方法はないかと考えもしました。ですが、なんせ女の世界での事なので、結局、何もできずじまいの僕がいたのです。
結局、なんの助けの手立てを差し伸べる事もなく、それから半年間が過ぎました。半年過ぎてくると嶋崎も仕事を人並に覚えて自分の判断でできるようになったという事や、嶋崎の事をイビっている連中への対処の仕方というのも学んだのか、嶋崎は嶋崎で友達を見つけ自分の立ち位置を確立しつつあったのです。
が、そんなときに耳を疑うばかりの聞き捨てならない噂が僕の耳に入ってきたのです。
それは「噂だけどさ、和食係の嶋崎さん。佐山料飲部長と不倫関係にあるんだって」でした。
それを聞いた僕は(まさかな・・w 結局、まだ嶋崎を陥れようという勢力が存在しているっていう事かw)と最初はそう判断をしました。
そして、そもそも佐山料飲部長というのは僕との無二の飲み仲間であり、僕は佐山の家族から何から、大体の事をしっている関係でもあります。
僕は佐山とちょっとした機会に飲みに行った時に、直接佐山に聞いてみたのでした。
僕「あ、そうだ。お前知ってるか?お前がウチの嶋崎と不倫しているっていう噂。まぁいつものオバハン連中が吹聴しているんだけどさw」
佐山「不倫・・・・というのは大げさだと思うがな・・・。なんだそれ、広まってるのか?」
僕「いや、帰りのバス(寮と施設を往復している)の中で和食のオバハン連中が話しているのを小耳に挟んでさ。」
佐山「不倫・・・はしてはいないが、、お前だから言うけど、、実は嶋崎と身体の関係はあった。。」
一瞬、佐山が何を言い出すのかと思いました。その時の僕の心境はハッキリ覚えているのですが、僕の思考が真っ二つに分かれたのを覚えています。半分は佐山に対する怒り。それは妻や子もいるというのに、何をやっているんだ。という事。そしてお前は自分の立場をわかっているのか?バレたら懲戒だぞ!という同僚としての怒り。そして、ウチの和食部門の子に何手を出してるんだという正義感。そんなところです。
そして残りの半分は、佐山に対する嫉妬。嶋崎ほどの上玉(といったら下衆な表現ですが)と肉体関係に持っていけたという男としての羨望。でした。僕は上司や先輩として、嶋崎に仕事を教える立場であり、嶋崎の様々な美点、魅力、品位、品格、振る舞いを知る僕にとっては、あんな高嶺の花ともいえる嶋崎と身体の関係を持ったというのは、羨望以外の何物でもありませんでした。
しかし、僕はその思考を表情には出さず、その場が飲みの場だという事もあって、(ここでは変に真面目に掘り下げるより、あっけらかんと遠回しに事実を聞いてみよう)と咄嗟に思いついたのです。
僕「身体の関係ってwww 何がきっかけでそうなったんよww」
佐山「んとー、もう2か月経つと思うんだけどな、クロス(テーブルクロスの事)を一人で洗濯してカゴに入れて乾燥機にかけようとしている嶋崎がいたんだけど、その時に手伝ってあげたんだよ。クロスが山積みになって重そうだったし。んでー、それがきっかけで嶋崎と話すようになったんだけど、それからかな」
僕「それから。。関係が始まったのか?」
佐山「うーん、そういう事になるのかなぁ。いや、こっちは普通に相談のったりアドバイスしてただけなんだけどね」
僕「相談のったりアドバイスしたりするのが、どうして肉体関係まで発展するんだよw」
佐山「ある日、最後のバス(最後の便。だいたい21時くらい)で俺と嶋崎だけで帰った時があったんだわ。そしてそのあと、二人とも明日は休みだという事で下界に繰り出したんだよ(下界というのは繁華街を指す)でまぁ今こうしてお前と飲んでるみたいに酒を酌み交わしてだな。そのままホテルへ直行したというかww」
僕「いやいや、、ホテルってどうみてもそういう事する子に見えねーぞw」
佐山「そうだけど、、なんか遠回しに「もうちょっと話聞いてほしい」みたいなオーラというか、そんな流れで、とにかく俺が切り上げようとしたら、話を引き延ばそう、引き延ばそうとするんだよな」
僕「ほー」
佐山「で、俺が冗談半分で、じゃホテルでもいって落ち着いて話す?w」みたいな事きいたら「話せるなら場所はどこでもいいです」とか言い出して・・・。」
僕「でホテルに入ったと」
佐山「うむ。で、実際はホテルに入ってからは、やっぱ独特の雰囲気ってあるじゃん。そのままベッドで最後までやってしまったというか」
僕「流れはわかった。で、回数で言えばどれくらいやったんだよ?今でもその関係続いているのか?」
佐山「ヤったのはその晩と、それから2回かな。」
僕「最後はいつ?」
佐山「2週間くらい前だと思う」
僕「それから連絡とってないのか?」
佐山「そもそも最初から連絡先なんて知らん。番号交換とかしてないし。たまたま一緒の帰りになった時に、今日飲み行く?みたいな感じで偶然誘った時にまた同じホテルに行っただけだよ」
僕「ということは、この先も偶然、帰りが同じになったらまたホテルに行ける可能性がある。っていう事か」
佐山「そうとも言えるのかな。わからん。状況による。」
僕「しかし、なんでそんな噂が出てるんだろうな。というか、噂じゃなくて、ほとんど真実だろコレww」
佐山「たぶん、というか、いや確実な路線で言えば・・・嶋崎と下界で歩いているところを、和食のオバハン連中に見かけられた事がある。もしかしたら、そこから・・というのなら考えられなくもない。ま、証拠ないから俺は気にしてないけど?どうせババアのいう事だろ?」
僕「でww 嶋崎はどうだった?w ウマかった?ww」
佐山「結局、聞きたいのはそこかいwww 情報料高いぞww」
僕「じゃ、ここの飲みは俺が持つw 詳しく聞かせろww」
佐山「そうだな~ww」
といって、それから佐山は語り始めました。ベッドの上に腰を掛けた後、そのまま佐山は嶋崎にキスを求めたそうです。すると最初、嶋崎はそんなつもりじゃない。と言わんばかりに拒否姿勢を示したそうですが、佐山がキスを迫り、抱き寄せながら半ば強引にスカートの中に手を入れ(パンツの横から指を滑り込ませたら)既に嶋崎のアソコは濡れていたそうでした。
それから佐山は嶋崎のクリを刺激しはじめると、嶋崎の抵抗もなくなり、少しづつ喘ぎ声を上げ始めたそうです。そして途中からは嶋崎のほうからも自分からフェラをしてきたり、結局最後は二人とも全裸になってベッドの上で挿入したそうです。
そして佐山は僕がそこまで聞いていないのにも関わらず、フェラ時に嶋崎にあえてフチなし眼鏡をつけてもらい、そのまま眼鏡顔に顔射したとか、入れている時に腰を振りながら体験人数を聞いたら、今で2人目と答えたとか、そんな情報まで語ってきました。
そして幸か不幸か、一応会社では料飲部長という(実はかなり上の役職)をもっている佐山との急接近により、嶋崎は結果として会社での以前のような「あきらかなイビリ」は影を潜めたそうでした。
その日、僕は複雑な気持ちで眠れませんでした。僕自身は嶋崎に対し、なんの力にもなってやれなかったとはいえ、それなりに陰ながら嶋崎を応援し、心配もしてきたが、結果として「こうでもしなければ状況打破できなかった」というところまで放置していた事。
そして何よりこの会社では無二の友ともいてる佐山と肉体関係になったという、佐山への男の嫉妬感じでした。
すると僕は翌日から嶋崎への接し方が180度変わってしまったのです。
不思議なものです。人間はあるいみ身勝手な解釈をするものなのかもしれません。
理由としては、嶋崎に裏切られたような感があった事。それだけでした。
そして僕は、嶋崎をイビル側の人間になってしまっていたのでした。