今カノとの結婚が決まり、前カノとの思い出も残るこの部屋を出ていくことになりました。
荷造りをしていると、押し入れの中には、前カノが私のために作ってくれたり、心に留めて、見つけたら手に入れてくれたもの、たくさん残っていました。
私が喜ぶ顔が見たいがために、作ってくれたり、探してくれた宝の山でした。
前カノと別れたのは、今カノと付き合う1年前、もう、5年も昔です。
一つひとつ眺めると、ありがとうって思います。
前カノと別れたのは、半分不可抗力なんだけど、半分は私のせいでもあると思ってます。
前カノには、ちょっと叶えるには困難な夢があって、それを追うかどうか、年齢的にギリギリの時に悩んでいたけど、
「無理かもしれないけど、夢、叶えてみようかな」
って言いました。
今考えると、私に引き止めて欲しかったのかなって、更に、
「夢など追わずに結婚しよう。」
が大正解だったのではと、色々考えてしまいますが、私は前カノの背中を押してしまいました。
「さよなら。あなたの事は忘れない。背中を押してくれてありがとう。」
「頑張れよ。何かあったら、ラインしろよ。力になるから。さよなら。」
もしかして前カノ、後に引けなくなって別れを決めていたとしたら、なんて残酷なことをしたんだろうと思いました。
去ってゆくときの前カノの泣きそうな笑顔、夢を叶える人の顔じゃなかったと思います。
前カノが去った翌年の正月、帰省先から戻ると、前カノから年賀状が来てて、頑張ってるって書いてあったから、寒中見舞いを出したことがありました。
それが、前カノとの最後の通信でした。
その後、今カノと出会い、最初は友達でしたが、お互い一緒に居ると居心地が良くて、ついつい一緒に居たくなって、そのうち、一線を超えたのです。
前カノよりも幼顔で、色気が足りない今カノで、初めのうちは、セックスは前カノの方が良かったな~と思っていました。
前カノは、特に裸になるとお色気たっぷりで、フェロモンがムンムン、男に抱かれるために発育したような身体でした。
抱き心地も大好きで、なぜ、前カノの手を離しちゃったんだろうと思っていました。
今カノと付き合って1年後くらいから、今カノは私の好みに合わせようと努力していることに気づき、感激したのです。
そう言えばフェラも、
「ここがいい?良いところ言ってね。」
とか、騎乗位で、腰を調節してたのは自分のためじゃなくて、
「気持ちいい?どうすれば気持ちいい?」
と言っていました。
どんどん進化していく今カノに、前カノの存在が小さくなっていきました。
今カノ、とてもいい人だから、大好きです。
でも、荷物を整理していたら、前カノの存在の大きさに気づきました。
そして、前カノと写した写真の数々、その中に、前カノが失くして探していた「ある物」を発見しました。
「こんなところにあったのか・・・前カノ、見つからないまま別れちゃって・・・」
前カノの連絡先、まだスマホに残ってたから、ラインで送ってみましたが、既読になりませんでした。
メールもあて先不明で戻ってきたので、「ある物」を封筒に入れて、以前の年賀状の住所に送ってみました。
出した封書も 今日、宛所不明でポストに舞い戻りました。
前カノ、会うことさえできない人になっていました。
もう、どうしようもありません。
連絡が付いたら、夢が叶ったか聞きたかったけれど、かえって、連絡がつかない方が良かったんだと思うようにしました。
もう別れて5年・・・それでも、前カノの思い出の品と「ある物」は、当分の間保管しておこうと思います。
私が、前カノを忘れるその日まで・・・