先日殘業をしていた時の話です。
仕事が立て込んでおり、どうしてもその日に終わらせなければならない案件があり、金曜日の外回りを終えてから19:00頃に事務所に戻りました。
普段この時間は誰も居ないのですが、その日は違っていました。事務所に戻ると燈りがつていて部下のミク(仮名)が殘業で殘っていました。
事務所の入りコートを槌いで自分の席に著きながら
「お疲れ様。どうしたの?殘業?」と少し驚いた私が尋ねると、タイピングの手を止めて
「そうなんです。どうしても今日終わらせなきゃいけない仕事があって...殘業してます。」
ミクはふふっと笑い「奇遇ですね。」と付け加えた。
そんなに広い事務所では無いので、夜の二人きりの空間に、ミクの使っている柔軟剤の香りが充満して心地良かった。
実はミクとは最近付き合い始めて戀人の関係だった。お互いに仕事を通して、気になっていたのは何となくわかっていたけれど、同じ職場という事もあり、慎重になっていて戀人になるまでに時間がかかった。
それが先月二人で出張をした事がきっかけになり付き合うことになった。
ミクはスーツが似合い仕事もできるが、柔らかく人當たりも良い女性だ。芸能人のタイプで言うと吉岡里帆のような雰囲気がある。
付き合ってからはまだそんなに日もたっておらず忙しさもあり、デートも2-3回しただけだった。
心の中では「ラッキー♪」とは思い少し顔が緩んだが、抱えてる目の前の仕事を思い出すと一瞬にして現実に戻った。
パソコンを起動して立ち上がるまでに外の自動販売機で買った缶コーヒーを飲みながら、大きく溜息をついて、仕事に取り掛かった。
続く