凄い偶然ってあるもので、駅のスタバで20年前に別れた元カノと再会した。
十数分、コーヒー飲みながらお話しした。
お互い結婚してて四十路、中学生の子供がいた。
元カノの上の子は高校受験だって。
お互い老けたね~なんて言って、子育ての話とか近況しか話さなかった。
恋人だった頃の思い出話は一切せず、じゃあねと言ってさよならしてきた。
俺、去り行く元カノの後ろ姿をずっと見てた。
本当は、元カノと一緒になりたかった。
ずっと手を繋いで人生を歩みたかった。
そう思いながら、雑踏に消えていった元カノの背中を目で追った。
帰りがけ、コンビニで買い物して、野菜ジュースを買って飲んだ。
紙パックにストロー挿して、全部飲み終わった後、紙パックの上下の折ってあるところを開いて、平たくしてから捨てて、ハッとした。
これ、紙パックの飲物を飲んだ後、そのまま捨てるとゴミの体積が増えるからって、元カノが俺に習慣づけたことだった。
別れて20年過ぎても、自然にしてしまう元カノの名残だと気づいた。
元カノ・・・当たり前のように抱き合い、唇を重ねた日々の記憶が蘇った。
嫁さんは美形で素敵な女性だが、セックスに関しては元カノが最高だった。
裸で抱き合った時、二人の肌が吸い付くような感じで、挿入してる最中も違和感がなくて、まるでもともと一体だったのが、分裂して俺と元カノになったんじゃないかって思えた。
自然と動き出す腰も、その動きは綺麗にシンクロしてて、毎回ほぼ同時にイケてた。
安全日は中に出してたから、仰け反ってイッてる元カノの中に、暑いほとばしりを解き放っていたから、元カノは白目を剥いて感じてた。
お互いが大好きだから、テクニックじゃなくて、お互いに求め合うことが分かって、感じる場所同士を擦り合ってたんだと思う。
肌が合うって、ああいうことなんだろうなと思う。
嫁さんの方が元カノよりも美形でイイ女なんだけど、やっぱり元カノのことは絶対に心から消え去らない。
今でも、あれが本当の恋だったんだと思ってる。
ほんのちょっとした心のすれ違いがあったとき、俺に出向命令があって、2年間離れてた間に、疎遠になってしまった。
付き合ってた時は、まだ携帯のメールは汎用じゃなかったから、お互い電話しかしなかった。
戻ってきたとき、メールがあればさりげなくメールできたんだろうけど、電話はハードルが高かった。
今更迷惑だろうなという思いがあった。
再会した時、俺が戻った頃どうだったかを尋ねたかったけど、今それが分かったとて、どうしようもないし、知れば後悔するかもしれなかったから、尋ねなかった。
再会して、元カノがこの街にいることが分かって、晴れた日なんか空を見上げて、元カノは今何してるかな~って、思いを馳せている。
今でも元カノの名残を感じるし、心の支えになっているのかもしれない。
だから、青空に向かって毎回元カノに「ありがとう」と言ってる。