2021/12/12 05:28:43
(M66qDDVn)
私が大学生だった時の話なんですが、私は安アパートに住んでいて、
そのアパートに生命保険の勧誘のおばさんが来たことがありました。
おばさんはアパートのいちばん端の部屋からノックして説明をしていましたが、
断られていました。2番目の部屋の人も断っていました。3番目の部屋が私なのですが、
私は部屋の中にいて、そのやり取りをしている声が聞こえていたんで、
私には掛け金を払う余裕などありませんでしたし、まだ生命保険など全く興味がなくて、
入る気が全くなく、まだパジャマ姿だったこともあり、おばさんとやり取りをすること自体が
面倒くさかったので、居留守を決め込むことにしました。おばさんがノックしてきましたが、
私は黙ってじっとしていて、すりガラスの窓から見えるおばさんが早く去ってくれと思っていました。
おばさんは何回かノックしてきましたが、私は出ず、おばさんのノックは止みました。
これでいないと思って帰るだろうとすりガラス窓を見ていたら、おばさんは、
私が洗濯したものを干していた丸い形の物干しハンガーを回しながらピンチで吊り下げられている
私の洗濯物を見ている様子がわかったのです。私は、おばさんは何をしてるんだ、
洗濯物を見て、また勧誘に来る時のために、この部屋にはどんな人が住んでるのか、
契約してくれそうな人がいるかとかを見ているのか、と思ったのですが
自分の洗濯物をさわられるのはいやだったので、追い返そうと思って、
いきなりドアを開け「何か御用ですか」と言ったら、おばさんはものすごくどぎまぎして
「あ、あの、生命保険、入ってらっしゃいますか」
「いいえ、僕、学生なんで、お金ないし、まだ生命保険とか興味ないし、全く入る気ないんですよね」
「そ、そうですか、じゃ、じゃあ、将来、入るときの参考に、こ、これどうぞ」
と言って一枚のパンフレットと、ポケットティッシュをふたつ私に渡そうとしました。
私は、全く入るつもりがなかったので、そんなものももらいたくなかったんで、
「いえ、いいです」と断ったんですが、おばさんが「どうぞ、どうぞ、」
と強く言ったので、それくらいもらってもいいか、と思って受け取ると、
おばさんは足早に去って行きました。パンフレットは見る気もしなかったのですが、
ポケットティッシュを1個じゃなくて、2個もくれるのかと思って
ポケットティッシュを見ながら、まあ、ただなんだから、得したかと思っていたのですが、
おばさんにさわられた私の洗濯物が気になって、ドアを出て洗濯物を見たら、
ぶったまげました。干してあった洗濯物のうち私の一番のお気に入りの値段の高かった
かっこいいパンツがないのです。あのおばさんに盗まれたと確信しました。
おばさんは持ってたあの大きな紙袋にさっと入れたんだな。だから、僕が、急にドアを開けて出たら、
あんなにどぎまぎしたんだ、まだ、そこら辺にいるはず、まだ僕のパンツは
あの紙袋の中にあるはず、とっ捕まえてやると思い、パジャマ姿だったのですぐ服を着て部屋を出て、
周り中を走り回っておばさんをさがしまわったのですが、おばさんを見つけることはできませんでした。
おばさんも気付かれて追いかけられたりしたらやばいと思って
必死になって遠くへ逃げたんだなと、あきらめて部屋に戻ったんですが、そうか、おばさんは
ほんとはポケットティッシュを1個渡すところをパンツを盗んだ罪の意識から2個もくれたんだな、
それにしてもポケットティッシュ2個じゃあ、あのパンツと全く割に合わねえよ、と悔しくなりました。
男のパンティ泥棒はよく聞く話ですが、女のパンツ泥棒もいるんだと知りました。
そのおばさんは30から40くらいで、決してブサイクではなく、容姿はまあまあのおばさんでした。