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母日記。

投稿者:あつ
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2017/05/15 11:51:41 (cWtNa0my)
『行ってきます。』の挨拶もなく、玄関から僕の靴が無くなっているのを見た母は、『家事をしている間に出勤をしたんだろう。』と思ったことでしょう。
事実、部屋の押入れに隠れている時に、『カチャ。』と扉が開き、居ないのを確認すると扉は閉じられました。
その後、母はちゃんと家事をこなし、2階のベランダで洗濯物を干している音も聞こえていました。

お昼11時近くなり、僕は4時間近く押入れの中にこもり続けています。その頃でした。一人で1階にいるはずの母が会話を始めました。
やはり、母の日記通りに誰かがやって来たのです。日記には、その人物のことを『ゆうくん』と書いてありました。来たのは、ゆうくんなのでしょう。

僕は押入れから出て、自分の部屋の扉に耳を当てて、外の様子を伺います。しばらく会話も聞こえず、物音だけで母が家にいることを確認します。

そして、笑い声が聞こえて来ました。『アハハハ~。』と母の独特な笑い方です。そして、答えるようにもう一人が話しました。男性の声でした。
『もしかしたら、近所のおばさん連中が来ているのかも。』と期待はありました。しかし、見事に裏切られたのです。
母の笑い声が大きくなって行きます。そして、男性と会話をしながら、階段を上り始めました。僕は、部屋で息を潜めます。
僕の部屋の前を通るので、途中で扉が開かれるかも知れません。その場面を想定して、いつでも母と戦える覚悟を決めます。
大義名分はこちらにあります。悪いのは母です。しかし扉は開かれず、二人は僕の部屋の前を通り過ぎ、母の寝室に消えました。

僕は扉の前でしゃがみ込み、時間が過ぎるのを待ちます。押し入るための、証拠が必要だったのです。
おかしな話です。僕は、母が知らない男性と性行為を始めるのを待っているのですから。

15分くらい経った頃、僕は自分の部屋の扉をゆっくりと開きました。音がたたないように、履いている靴下を床に滑らせるようにして、母の寝室に向かいます。
母の寝室の前まで来ました。もう覚悟は決めていて、逃げ帰るつもりもありません。それでも、扉に耳をつける勇気が出ず、廊下で中の様子を伺います。
中の様子が分かりかねて、しばらく待ちました。息子の僕は、母の部屋から聞こえる喘ぎ声を待っているのです。これもおかしな話です。

ようやく聞こえてきたのは、母の笑い声でした。まだ、二人で会話中なのかも知れません。しかし、すぐに『アァ~…。』と母の喘ぐ声が聞こえて来ました。
僕の手は扉のノブに延びたのですが、いざとなると開けられないものです。やっぱり怖いんです。
それでも、『アァ~…。』と母の二度目の喘ぎ声が聞こえた時、僕はノブを回して、一気に扉を開きました。

怖さは、一瞬で飛びました。ベッドの横で、こちら向きに立っている男性。その股間に座り込み口で奉仕をしているであろう母の後ろ姿でした。
『ちょっとちょっと~!開けんとって!!』と慌てて僕に駆け寄る母。同じく慌てて、後ろでパンツを履く男性。全てがスローモーションのように動きました。
母は僕に何かを言っていました。僕の身体を押して、部屋から押し出そうともしていました。
男性の顔を見ました。彼が『ゆうくん』です。見るからに幼く、17~18歳の子供に見えました。こちらを一瞬だけ見て、後は目も合わせようとしません。
突然のことに、どうしたらいいのか分からない様子でした。『出て行け、お前コラぁ~!!』、僕が普段遣わない言葉に、母も動きが止まりました。
ゆうくんは、恐る恐る僕と母の横をすり抜け、階段を下りて行き、この家から出ていきました。

突然、『あの子は悪くないの!全然悪くないの!』と母が僕に詰め寄りました。これから、少しゆっくりと母と話をしようと思っていたのに、状況が違います。
『私が悪いの!あの子はいい子なの!』と、ゆうくんを必死でかばおうとする母。でも、もう冷静になっていた僕には、何も響きません。
『全部言い訳。ほぉ、それで?それで?』と思いながら、聞く気もないのに勝手に母に喋らせていました。

一通り説明を終えると、母も冷静になってきます。『誰や、あのクソガキ?』、その言葉に母も返すのをやめました。説明しても無理だと思ったのです。

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2
投稿者:(無名)
2017/05/15 12:07:53    (2JGX/FDX)
続きをお願いします。
3
投稿者:あつ
2017/05/15 12:24:34    (cWtNa0my)
10日程前のことでした。普段は絶対に覗きもしない母の部屋の前に立ったのです。扉も開いたままになっていて、隙間から机の上のパソコンが見えたのです。
最新型のパソコンでした。母は昔からパソコンをやっていて、新機種が出るとカタログを貰って来たりして、3年に一度買い替えるのです。趣味ですね。

最新型に僕も触れたくなってしまい、キーワードを叩きました。普段は絶対にパスワードを掛けている母ですが、買ったばかりなのか普通に使えました。
そこに、書き掛けのエクセルの画面がありました。見ると日記でした。日付は昨日のもの。僕は、母がパソコンで日記を書いていることを初めて知ったのです。
几帳面な母らしく、結構こと細かに書き込まれていました。

他人の日記は面白いものです。パソコンのフォルダーに母の日記を探したけど他になく、よくよく調べると、差し込まれたDVDにあることが分かります。
急いでDVDを抜き、僕は自分のパソコンにコピーを取りました。ここから、母の最近が分かるのでした。

DVDには、約9ヶ月分の毎日の日記が書き込まれていました。『~さんとお話をした。』とか、『~で何を買った。』とか、細かく記されています。
そして、ここ一ヶ月くらい前から『ゆうくん』と言う男性が登場をして来たのです。息子の僕でさえ、『怪しい。』と思いました。
そして、『~時から、ゆうくんとホテル。』という文字が出て来ました。しかし、母が知らない男性とホテルに行ったのに、不思議と冷静に読んでいました。
男が登場して、女性と出逢い、そして関係を持つ。自分の母のことなのに、文字で読んでいるせいか、小説でも読んでいる気分です。

しばらくして、今度は完全に母の部屋に忍び込みます。DVDを取り出し、またコピーをしたのです。まさに、昨日の日記が書き込まれていました。
『午前中にゆうくん来る。電話待ち。』と書かれていたのです。それを見ての今回の行動でした。


母は自分なりに僕に説明をしたと思ったのか、寝室に入って、掃除を始めました。落ち込んでいて、元気がありません。
床をタオルで拭き始めたを見て、二人が風呂あがりだったことにも気づきました。ベッドの上に転がったスキンの袋を片付ける姿も、絶望感でいっぱいです。
僕に気づいた母は、力ない声で『もう見んとって…。』と僕に言い、扉を閉めました。
半分泣いている声でした。

4
投稿者:あつ
2017/05/15 13:10:09    (cWtNa0my)
僕は昼から会社に出勤をしました。『用があって家に帰ると、その現場に出くわした。』という理由が欲しかったのです。潜んでいたのを隠したいのです。
そして、母とどう向き合っていいのかも分かりません。正義の行動のつもりが、ここまで雰囲気が悪くなるとは思わなかったのです。

おかげで帰りづらくもなり、家に着いたのは21時を回っていました。普段通りに夕食を食べていても、どこかぎこちなさがあります。

夕食後、『お母さん、ちょっと話しする?』と誘いました。母は手を止めて、僕の対面に座り込みます。その顔は僕を言いくるめようと余裕の顔に見えました。
『ほんと、誰なん?アイツ。』と切り出しました。『職場の子。』と素直に答えました。『何でこうなったの?』と聞きます。
『もう別れたから。あの子とは会わんから。』と電話で別れたと言います。母の余裕はこれでした。『別れたから、もう帳消し。』、そう取れました。

その余裕が頭に来ます。母を論破するつもりが、『だから、もう終わり~。』と言われたのと同じですから。
『どこの誰?』、その口調に母の顔色が変わりました。『どこの誰?俺、話しするわ。』と言うと、ますますです。
まさか、僕がここまで言うとは思ってなかったのでしょう。『もう終わった話だから。もういいよ。』と、関わらないでくれと言われます。
実は僕も同じでした。押し掛けるつもりもありません。後ろから恐い人が出て来たら困ります。この前、二人に言えたのも、明らかに僕が有利だったから。
今はただ、余裕の顔をしている母が気に入らなかったのです。

『どこの誰や?』『電話教えなよ。』『なら、今から呼べ!』と知らず知らずにに強い口調で母に言っていました。
さすがに母の顔から余裕は消え、変わりに目に涙が浮かび始めます。『もうお願い…。もうしないから許してよ~…。』と泣き脅しでした。
僕にSっけがあるのか、この感覚はとても楽しかった。とても気持ちいいものだった。あの母が、涙を流し、頭を下げて僕に許しをかっているのです。

『なら、何回寝たんよ?』、自分でもこんな言葉が出るとは思いませんでした。答えなど何でも良かったんです。
謝ることしか出来ない母を見て、虐めたくなったんですね。もちろん口を閉じる母に、『アイツと…。』と念押しをします。
それでも何も言わない母に、『何回アイツとヤったんよ?教えて。』と冷静な口調で言いました。母も、その冷静さは怖かったと思います。
自分でも、『こんな言い方されたら、イヤだわなぁ。』と思っていましたから。

『2回…。今日いれて、2回…。』、長い沈黙を破り、本当のことを言ったような母。でも、それは嘘です。日記だけでも、10回近くホテルに行っています。
ここまで来て、尚も真実を言わない母に対して、更に怒りを覚えるのでした。
5
投稿者:(無名)
2017/05/16 22:41:20    (1pZqkOzy)
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