数年前の暑かった頃。
俺は金曜の深残を終えて、車で帰宅途中に腹が減ったので、夜中でもやっている路地裏の小さなラーメン屋に寄った。
店はぼちぼち混んでいて、おねえちゃん2人組の後ろのテーブル席しか空いていなかったのでそこに座った。
おねえちゃん2人組は、1人が酔った様子だったが、さらにビールを頼んでいて、俺が食べ終わる時には、酔ったおねえちゃんがトイレの帰りに、俺のにぶつかって、シラフのおねえちゃんが謝るほどだった。
俺はラーメン屋をでて、少し離れた自販機で珈琲を買って、ラーメン屋の駐車場に戻ると、俺の車の手前の車の室内灯がついたまま話し声がしたので、通り過ぎながら見ると、助手席のドアを開けたまま、ラーメン屋に居たおねえちゃんが吐いていて、シラフの方がキョロキョロしていて目が合うと『すみませ、近くにコンビニありませんか?』と話しかけて来た。
シラフのおねえちゃんは、ラーメン屋での俺を覚えていたのか『コンビニか、空いているお店ありませんか?』と更に聞くので、俺は『どうしたの?コンビニは車で少し行けばありますよ』と言うと、シラフは『友達が吐いちゃって、吐いた上に少し座ってしまって、服を汚しちゃったから、コンビニで袋とタオル買いたくて』と教えてくれた。
俺は面倒だったが仕方がないので『俺の車にフェイスタオルと、コンビニのビニール袋があるから使う?』と聞くと、シラフは『ありがとうございます、お願いします』と言うので、俺は車から新しいフェイスタオルと、コンビニのビニール袋と、汗をかいた顔を拭く濡れティッシュ?を持って行った。
俺は『これで良ければあげるよ』と渡すと、シラフは『ありがとうございます』と受け取って、酔っ払いは半分寝ていて、シラフが酔っ払いを後ろに動かそうとしながら『ちょっと手伝ってもらって良いですか、吐いた場所から動かしたくて』と言うので、俺は『いいよ』と酔っ払いを後ろのドアの所まで引っ張った。
俺にも吐いた場所は見えたが、吐いたのは少しみたいで、酔っ払いは自分の靴とスカートに少しだけ、吐いたのをかけていたのが分かった。
シラフは酔っ払いの靴とスカートをコンビニの袋に入れて『ごめんなさい、後ろの席に乗せるの手伝って下さい』と言うので、俺は酔っ払いを抱き抱えて後ろの席に乗せたが、酔っ払いの酒の匂いと吐いた匂いで、ちょっと気持ち悪くなった。
シラフは酔っ払いの頭の下にフェイスタオルをひいて、酔っ払いの顔を濡れティッシュで拭いていたが、シラフも酔っ払いの匂いで気持ち悪くなってしまい、シラフが車の後ろに行って青白くなっていた。
俺はシラフに『大丈夫?水でももらって来ようか?』と聞いたが、シラフが『駐車場汚したの見つかったら怒られますよね、車を移動した方が良いですよね』と言って、俺もなるほどと思い『ちょっと先の、有料パーキングで休めば?』と言うと、シラフが『運転、お願い出来ますか?』と言うので、俺は仕方なく『良いよ』と言うと、シラフは『ごめんなさい、お願いします』と、俺が運転して、シラフを助手席に乗せて、1分くらい走ったコインパーキングに車を止めた。