不倫体験告白

私とSさんのことをもう少し書かせてください。

Sさんとデートした翌朝、いつものように朝の散歩に出ました。

いつもと同じくらいのところで、後ろからSさんの軽やかな足音が聞こえて来ました。
『おはようございます』
『加代さん、おはよう』
何だか恥ずかしくて、Sさんの顔をまともに見ることが出来ませんでした。
Sさんも、ちょっと照れているのか、いつも以上に言葉が少なかったです。
でも、なぜか話をしなくても気持ちが通じている感じがして、ほのぼのとしました。

何日間かそんな朝の散歩をしていたら、その日はSさんがいつもより嬉しそうな表情をしていました。
何かいいことが有ったのかなぁ…と思っていたら散歩の終わりに『加代さん、明日の夜、ご飯に行きませんか？』と言われました。
私は嬉しくて『はい』と答えてました。

その日の夜、珍しく息子が仕事から早く帰って来たので息子達と夕食を一緒に食べました。
食事をしてるとお嫁さんに
『お義母さん、最近何か良いことがあったんですか？』と聞かれたんです。
私は内心ドキッとしたけど、平静を装って
『あらっ何も無いけど、どうして？』と答えました。
『だって最近いつもニコニコしてるし、なんか雰囲気がフワッて言うか柔らかいんです』と言われ、何もわからない孫まで『おばあちゃん、キレイキレイ』なんて言い出しました。

息子だけが『ええっ～、いつもと同じに見えるけど』って不思議そうな顔をしてました。
私は(やっぱり女の勘は鋭いわ)と思いました。

翌日の夜、待ち合わせ場所に行くとSさんが待っていました。
今回は高級店じゃないけど、落ち着いた感じのビストロでした。

席についてオーダーを済ませた後、Sさんがポケットから薬を出してお水で飲み込みました。
私は(血圧の薬でもあるのかしら？)と思ってました。
後からSさんに聞いたんですけど、それはEDのお薬でお友達から譲ってもらったそうです。

私はそんなことも知らずに美味しいお料理と一杯のグラスワインでほろ酔いかげんでいい気持ちになってました。

帰りの車の中で、Sさんが私の手を握り『加代さん、今夜いいですか？』と聞いて来ました。
私は内心そうなるかと思ってはいたけど、やっぱりドキドキしました。

はいと返事する代わりにSさんの手を強く握り返しました。

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