その後の経過です。
妻の友人と連絡をとり会うことになりました。
現れた友人はいつもは私にもやたら愛想を振りまく人間なのが、このときは見
たことの無い冷たい表情だった。
妻には私からの着信は拒否された状態なのが、友人とは連絡を取り合ってい
て、今別の友人の家に泊まっていて元気だと報告を受けた。ただ私とは話した
くないといっているので、自分がしばらく伝言役を勤めるという。なんで自分
の妻と話すのにこいつが仲介するのか不愉快でしたが、妻が会うことを拒否し
ている以上は仕方ないとこの点は渋々受け入れた。
続いて電話で議論した内容の繰り返し。男が証言したことは出鱈目とは思えな
いとこちらが言うと、事件の冤罪を警察が自白させるのと同じ手口だと言う。
人を陥れる卑劣な手段だと。
こちらがまるで違法行為を行ってるような言われように完全に頭にきて、一
点、気になっていた質問をぶつけた。
「今までお前らは男と妻は初対面て言ってきた。でも男に聞いたら前に一度会
ったことがあるて言ってたぞ。なんでそのことを隠した?」
男の証言によると、妻が一度友人の職場の近くを訪れてランチを共にしたと
き、道で同じ職場の後輩である男に出会って、妻を軽く紹介したらしい。昼休
みが終わった後、男が友人に「あの人、僕に紹介してください」と冗談で言っ
たことがあるのだとか。
そんなエピソードがあったので、その妻を同伴する旅行に誘われたとき男はそ
ういう機会があるかもしれない期待を持たされていて、そうなるようにセッテ
ィングされてると思い込んだから妻に迫ったのだという。
もし本当なら妻に好意を持ってる男をわざわざ選んで、一緒に旅行させて妻を
堕落させようとする友人の仕組んだ罠だったんじゃないか?こんな疑惑をぶつ
けた。
友人の反応はやや意外で、妻と男に面識があった件についてはあっさり認め
た。そして余計な疑惑を避けるためにこのことを隠してたのは申し訳なかった
けど、部屋での不貞行為は絶対無かったし、男二人を連れて行ったのは他に予
定してた同性の友人が無理だったからで深い意味は無いのだと言う。
もちろんこの説明に納得できるはずがない、この時不貞行為うんぬんはともか
くこの友人の邪悪な意思と企みがあったことを私は確信した。
「結局お前は自分の家庭生活がうまくいかずに、幸せな家庭を築いてた妻に嫉
妬してた、だから妻を堕落させるチャンスをずっと狙ってたんだろ。自分の親
友を引き摺り下ろして人生ムチャクチャにしようとするなんて最低だな」
今まで溜まってた憤懣を一気にぶつけると、自分のことを触れられたのが我慢
ならなかったらしく逆上して言い返してきた。
自分は妻が結婚生活で抱える不満や悩みを解消する相談もうけてきた。家庭を
壊すどころか長く続けてほしいから真面目な妻に息抜きも必要だと思っていた
のだという。
さすがにムチャクチャな言い訳に呆れ怒る気力もなかった。
「それが若い男と一緒に旅行することだったのか?」
「家庭の主婦にだって息抜きは必要、結婚してる男だって女性がいる店に呑み
に行ったりするはず、そこで肉体関係を持ったりすれば不倫で咎められるけど
不貞行為の証拠もないのに男と一緒にいただけで離婚するような問題に見られ
るならそれは結婚してる女に対する差別だ。」
鬼みたいな形相でムチャクチャな論理をまくし立てられ、こちらはもう鼻でわ
らうしかなかった。
「離婚してもしなくてもお前は自分と妻の人間関係ムチャクチャに壊した。男
はもちろんお前にも絶対責任取らせるから覚えとけ」
そういわれて友人はすこし我に返って青ざめているようだった。
不毛だと判りきってた面会はやはり不毛だったが、一つ収穫があるとしたらあ
の女の恐ろしい本性がよくわかったことだった…
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