第9部 “彼以外の男性”
2人だけの時間を楽しんだ後、彼は自分の胸に寄り添う彼女に、帰り際に車内でしたのと同じことを再確認した。
「聞いてもいい?」
「うん」
「今日は…ほんとに楽しかった?」
「うん槌」
「気持ち良かった?」
「うん槌」
「どのくらい?」
「すっごくいっぱい槌」
「また、してみたい?」
「うん槌」
「ほんとに?」
「ほんとだよ槌」
ギュット抱き締めた。
初めて彼女がβを受け入れてから数週間程が経ったある日。
2人は、2回目のβとの時間を過ごした。
初回の待ち合わせに要した“彼の下手な小細工”は、それ以降は不要になった。
「…この人…ならいいかもねっ」
彼女は、随時行われるβの事前選考の段階から積極的になっていた。
それは、“最初のβとそれとのSEX”に満足した結果と言える。
…何事も最初が肝心…
昔の人はよく言ったものだ…。
そうしてβを交えた2人のプレイは回数を重ねていく。
その中でも特に印象的なエピソードを幾つかここで紹介しよう。
尚、前述及び、これから登場する“β”とは、
…全てが同一人物という訳ではない…
ことを断っておく。
彼の意向を踏まえ、あくまでも
…彼以外の男性…
という意味で捉えて欲しい。
○“4度目の…正直…”
その時彼女は、βの上に跨がっていた。
熱い口づけを交わしつつ、巧みに腰を使いながらβの性器全体に満遍なく、そして丁寧に、自身の粘液を塗り付けている。
…もう入れたくなっている…
そのサインのつもりなのだろう。
そこで彼は、ベッドサイドに置いた銀色で縦長の箱に手を伸ばした。
が、そこで一旦躊躇する。
彼の視線の先には、おねだりするような瞳で見詰める彼女がいた。
それはまるで、
…そんなのいらない…
とでも言っているかのように…。
彼はそれを制止も強制もするつもりはない。
彼女のみがその決定権を所持している。
そして…
本当にそれで…
「いいの?…」
そう彼が言ったのを合図に、彼女はゆっくりと腰を沈めていく…。
βの亀頭全体が、彼女の膣口を通過したその時、彼女は全体重をβに預け、一気に根元まで嵌め込んだ。
じっくりと膣壁全体にβの形と太さを記憶させた後、彼女はゆっくりと動き出す。
…生はダメだよ…
そういう約束だった筈…。
βが頭を上げて彼を見た時、相当驚いた様子だった。
しかし、それも一瞬…。
「…うわっ…おぉ…」
余程気持ちがいいのだろう。
たちまち険しい表情に変化し、天を仰いだ。
徐々にスピードを上げ、ストロークも大きくなっていく彼女。
βも遅れまいと、彼女の腰に手を廻し、自分の腰を浮き沈みさせ、その後を追う。
…パン……パン……と
時折、βのその手で尻を叩かれた雌馬は
「……はぁん……いぁん…」
と切ない声を上げ、性喰器を収縮させる。
雄雌共に、それが気に入ったようだ。
「気持ちいい?」
「はい…」
「私もぉっ…」
息遣い荒い二人が言葉を交わす。
彼は彼女の背後に回り込み、沈黙のまま二人を観察する。
彼女の尻穴がヒクついている。
そのすぐ下では…想像通りの好景が繰り広げられていた。
彼女の弾力のある襞が、βのエラに引っ掛かり捲き込まれる。
その内側に見える膣孔が、奥深くへと太く堅い生の肉茎を飲み込み、吐き出す。
それが何度も繰り返されていた。
「…もう…イッちゃいそぅっ…イク、イクぅ…」
彼女がイクのにそれほど時間は掛からなかった。
元々イキ易い体質なのは確かである。
それ+“直に伝わってくるβの体温と形状”が、より一層彼女を感じさせたのかも知れない。
上下が入れ替わる。
自ら脚を拡げ、腰をクネらせ、極限まで孔奥を突かれようとしている彼女。
互いの結合を祝福する拍手が二人の間から鳴り響く。
「ダメっ…イクぅ…イッちゃうっ…」
βの動きはまだ止まない。
そのまま彼女を膝の上に載せ、抱き合うようにベッドに座った。
下から突き上げるその衝撃に、耐えられなくなった彼女。
「…またイッちゃう…」
挿入したまま、βはベッドの上に寝転び、
再び元の体勢となる。
βは腰を浮かせ、何度か亀頭が抜けてしまうほど激しく彼女を抜き刺した。
「イクっ…またイッちゃう…」
そこで、彼女の強烈な収縮がβを襲う。
「ヤバイ…俺もイキそう…」
βは大きく息を吐き、彼の目を一瞬だけ見た後、自分の限界が近いことを彼女に訴える。
「もう…ヤバイよっ…」
βは動きを停めた。さらに彼女の腰を掴み、それをも停めようと努力する。
だが、今度は彼女が動くのを止めない。
あの瞬間と同じ眼差しの彼女に彼は問う。
「…どうしたい?」
対する彼女の答えは、βに対して告げられた。
「イッて!…いっぱい中に出して!」
「…え?…だって…」
そもそも生がダメなのに…そんな…
そう思ったβの戸惑いを取り除いたのは、優しそうに静かにβに頷いた彼だった。
βは、安堵とも快楽とも取れる表情で、再び激しく、それまで以上に動き出す。
「イッちゃう…イッちゃう…」
「…もうダメ…イクよっ!…」
「…イッてぇ!…イっクぅ…」
彼女は身を仰け反らせ、身震いするような、魂が抜けてしまいそうな感覚に襲われた。
彼女はβと共に4度目の快感の波に呑み込まれて逝った…。
ピンク色の子宮の入り口に熱い衝撃が走り、一瞬でそこはβの白色に染められる。
暫くの間…二人の鼓動は連結花茄具で同期していた。
それを彼は感じることが出来ない。
しかし、脳内のあらゆる想像力を駆使し、彼女を透過することで、胎内で起きた現象を共有した。
暫くして二人の呼吸が落ち着いた所で、彼女はゆっくりと腰を浮かしていく。
そうしなければならないのには理由がある。
…ジョジョッ…シャ~…と
大量に潮を撒き散らしてしまうからだ。
彼はそれを知っている上で、いつも勢い良く抜き取り、自分の股間に彼女の温かい液体を感じて楽しんでいる。
また翌日、トイレに行きパンツを捲る度に、立ち登る微かなアンモニア臭が夕べのことを彼に甦らせる。
それさえも楽しみにしていた。
彼女が言うには、潮を噴くと結構疲れるらしい。
「明日は早番だからねっ」
出掛ける前に彼女がそう言っていたのを思い出す。
“疲れるから”、早朝からの仕事のために体力を温存しておきたい…
それはきっと誤りだ。
真実は…
これからもっと“衝かれたいから…”
…コポッ…
βの先端が彼女から離れると、そんな音と共に二人の混ざりあった真白い体液が、拡がった下唇から溢れ、彼女の脚を伝い滴り落ちた。
それを見た彼は、βの上でまだ興奮冷めやらぬ彼女の腰を押さえ付け、おもむろに後ろから突き刺した。
少しでも、いや、全て彼女の中のβを掻き出したい衝動が彼をそうさせた。
だがしかし、彼の目論見は泡に消えた。
焼き付いた二人の残像、
混ざり合った二人の匂い、
耳に残る彼女の喘ぎ声、
痙攣の余韻が未だ残る孔内の感触
それら全てが折り重なり、彼を圧迫する。
…グァポッ…
すぐに彼女の胎内からは3人分の体液が溢れ落ちた。
その後も彼女は幾度も交じり合い、幾度となく果てた。
膣そして子宮に2人分の精子を溜め込んだままで…。
そうして4回目のβとの夜は終わった。
「《最初、…生はダメ…って言ってたのに…何?この2人…後で責任取れ!とか言われないよねぇ…?何か怖いんだけど…》って正直、思った…。」
苦笑いしながらβは言う。
シャワーを浴びた3人は、濡れていない方のベッドの上で寛いでいる。
「心配しないで…そんなんじゃないから」
彼は、笑いながら答える。
「大丈夫なんですか?中出ししちゃったけど…」
の質問からは彼女が答えた。
「うん、大丈夫…」
「じゃあ、ピルとか飲んでるんですか?」
「飲んでないよ?」
「マジで?大丈夫なの?」
「うん…」
「何で!?」
「な~いしょっ槌ねっ?」
彼女の部屋に戻った2人は、ベッドの上でいつものように過ごした。
ただ少し違っていたのは、βの味と匂いを残す彼女を、彼はいつも“異常に”入念に舐め廻し、掃除してあげたことだった…。
つづく
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