去年の年末。いつものように、仕事帰りにしおりさんの家に向かった。いつものように玄関を通り、いつものようにリビングに向かう。
しかし、何かいつもと違う。『なんだろうか?この違和感は??』、本当にそう感じていた。
リビングに入ると、『こんにちはぁ~!ああ、こんばんはぁ~かな?』と知らない女性が微笑みながら、そこに座っていました。
慌てて、しおりさんの顔を見ました。この2年、僕達の間に誰も入ってきた人間は居なかったからです。『しおりさんがミスった。』、そう思いました。
ところがしおりさんはこちらを見ずに、平然を装っており、『何か考えがあるのだろう。』と僕もこの流れにノリました。
『キミかぁ~。ほんと、若いねぇ。ねぇ?』と僕の顔を見た女性は、そのまましおりさんに話し掛けます。
『ヒロの友達なんやろ?』と聞かれ、『はい。』と答えました。この会話で、『この女性はきっとしおりさんの妹なんだろう。』と推測します。
『私、妹。よろしくなぁ~。』と言われ、『やはりそうなのか。』と理解します。名前は、確か『郁美さん』だったはず。
『遠慮しないで、座りなよぉ~。』と薦められ、郁美さんの前に座ります。とても居心地が悪い。出されたお茶をずっと飲んでいました。
しばらく僕を置いて、姉妹で世間話を始めてくれました。少し助かり、僕も二人の会話に愛想笑いをして時間は過ぎました。
突然、『お名前、教えて。』と郁美さんに言われ、『タイトです。』と緊張しながら答えます。この後、二人で話をしました。
しおりさん並みに愛想の良い方で、すぐに打ち解けることが出来ました。話も上手で、とても楽しい方でした。しおりさんより、顔は上でした。(笑)
『お姉さん、好きなの?』と聞かれ、『えっ?ああ、はい…。』と答えます。すると、『お姉さん、いいねぇ。好きやって!』としおりさんに報告します。
もう、顔が真っ赤になりました。
しおりさんも居心地が悪くなったのか、部屋を出たり入ったりを繰返します。その隙に、郁美さんから質問攻めにあうのです。
『お姉さんの、どこ好き?』
『ん~…。』
『やさしい?』
『うん。やさしいです。』
『年上好きなの?』
『よくわかりません。』
『癒されたい方?』
『そうでもないと思うけど…。』
と返事にも困ります。しかし、更に答えるのにも困る質問を。
『ねぇねぇ、エッチしてるの?』
『……。』
『してるわよねぇ。聞くのは野暮よねぇ…。』
『……。』
『これから、どうするの?』
『……。』
『あんまり考えてない?将来とか。』
『ああ、あまり考えてないです。』
とタジタジです。
『私の彼氏、あんまりいじめんとってよねぇ。』と、しおりさんが話に入って来てくれました。しおりさんも席に着いてくれて、少し落ち着きます。
『いじめてないよぉ~。可愛がってあげてるの!ねぇ?』と僕に振って来られ、『うん。そうですね。』と答えます。
『これから味方になってあげるんだから、いろいろ聞いておかないといけないでしょ。』と聞かされ、『そういうことか。』と理解しました。
しおりさんは、』このまま二人ではいつかは行き詰まってしまう。』と思い、いよいよ妹に二人の関係をバラして、味方につけることを決めたのでした。
その後、一時間くらい3人で話をして、結束を固めました。『もう帰るわ。』と郁美さんが言い、お開きになります。
『タイトくん、ちょっといい?』と言われ、郁美さんに外に連れて行かれます。
玄関を出ると、
『まあ、バカばっかり言ったけど、味方になってあげるから、頑張ってよ。』
『はい。ありがとうございます。』
『なら、帰るけど。今日、お泊まり?』
『ああ…、わかんないです。』
『して帰ったらいいやん。』
『えっ?』
『好きなんでしょ?セックスして帰りよ。』
『ああ、はい…。』
『はい、やって…。(笑)』
『避妊しなよ。』
『ああ、はい…。』
『はい、やって…。(笑)』
『……。』
『ウソウソ。なら、帰るわ。』
と言い、帰っていかれました。ふむ、やはり似たもの姉妹なんだろうか?
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